平成20年度1級建築士-学科Ⅱ法規

建築士過去問解説

一級建築士学科試験
2027年7月25日(日)

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〔H20 No.01〕次の記述のうち、建築基準法上、正・し・い・ものはどれか。

1.床が地盤面下にあり天井の高さが4mの階で、床面から地盤面までの高さが1.2mのものは、「地階」である。
2.建築物の構造上重要でない最下階の床のすべてを木造から鉄筋コンクリート造に造り替えることは、「大規模の修繕」である。
3.天井面から55cm下方に突出した垂れ壁で、不燃材料で覆われたものは、「防煙壁」に該当する。
4.建築物の自重等を支える基礎ぐいは、「構造耐力上主要な部分」である。
5.火災により煙が発生した場合に自動的に閉鎖又は作動をする防火設備を、「特定防火設備」という。

解答 1:

1.令1条2号に、地階とは「地階床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの3分の1以上のもの」と定義されている。天井高さ4mの1/3は1.33mなので、床面から地盤面までの高さが1.2mのものは地階ではない。

2.法2条14号。大規模の修繕とは、「建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕」と定義される。主要構造部とは、「壁、柱、床、はり、屋根又は階段」であり、設問の「構造上重要でない最下階の床のすべて」も該当するので、大規模の修繕に該当する。

3.令126条の2。「防煙壁」とは、「間仕切壁、天井面から50cm以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので不燃材料で造り、又は覆われたもの」と定義される。

4.構造耐力上主要な部分とは、令1条3号に定義されている。「基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。」

5.ある区画に用いる特定防火設備の戸に要求される構造として、「常時閉鎖又は作動をした状態にあるもの以外のものにあつては、火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合のいずれかの場合に、自動的に閉鎖又は作動をするものであること」と定められている(令112条19項1号二)。

〔H20 No.02〕防火に関する性能等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築物に設ける煙突で天井裏にある部分は、原則として、煙突の上又は周囲にたまるほ・こ・り・を煙突内の廃ガスその他の生成物の熱により燃焼させないものであることが求められる。
2.建築物の屋根に必要とされる性能として、通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであることが求められる場合がある。
3.準耐火建築物は、耐火建築物以外の建築物で、「主要構造部を準耐火構造としたもの」又は「主要構造部を準耐火構造としたものと同等の準耐火性能を有するものとして所定の技術的基準に適合するもの」に該当し、外壁の開口部で延焼のお・そ・れ・のある部分に耐火建築物に求められるものと同じ防火設備を有する建築物をいう。
4.主要構造部を準耐火構造とした建築物の地上部分の層間変形角は、原則として1/150以内でなければならない。
5.屋内において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、耐火構造及び準耐火構造の耐力壁である外壁は、いずれも同じ時間、屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じないものであることが求められる。

解答 5:

1.建築物に設ける煙突に関する規定は、建築基準法施行令115条による。煙突の小屋裏、天井裏、床裏等にある部分は、煙突の上又は周囲にたまるほこりを煙突内の廃ガスその他の生成物の熱により燃焼させないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること(令115条1項3号イ(1))。

2.屋根の構造の指定に関して、防火・準防火地域における屋根の防火基準(法62条)や、いわゆる22条区域における木造屋根の防火基準(法22条)があり、どちらも通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであることが求められる。

3.法2条9号の3。準耐火建築物とは、耐火建築物以外の建築物で、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に法2条9号の2ロに規定する防火設備を有し、以下イもしくはロに該当するものである。
イ 主要構造部を準耐火構造としたもの(いわゆる、イ準耐)
ロ イに掲げるものと同等の準耐火性能を有するものとして主要構造部の防火の措置その他の事項について政令で定める技術的基準に適合するもの(いわゆる、ロ準耐)

4.主要構造部を準耐火構造、延焼防止建築物とした建築物の地上部分の層間変形角は、1/150以内でなければならない(令109条の2の2)。

5.耐火・準耐火性能の基準は、建築基準法施行令107条に規定されている。耐火性能に関する非損傷性の技術的基準は、「通常の火災による加熱が所定の時間加えられた場合に、構造耐力上支障のある損傷を生じないものであること(令107条一号)」とし、準耐火性能は「通常の火災による加熱が加えられた場合に、加熱開始後所定の時間構造耐力上支障のある損傷を生じないものであること(令107条の2一号)」と規定している。つまり、耐火性能は、加熱終了後も非損傷性が要求されているが、準耐火性能においては、加熱中の非損傷性のみ求められている。

〔H20 No.03〕面積、高さ又は階数に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.避雷設備の設置の必要性を検討するに当たっての建築物の高さの算定について、建築物の屋上部分である階段室で、その水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の1/10の場合においては、その部分の高さは、当該建築物の高さに算入する。
2.隣地との関係についての建築物の各部分の高さの制限の緩和の規定において、建築物の敷地の地盤面が隣地の地盤面より1m以上低い場合においては、その建築物の敷地の地盤面は、当該高低差の1/2だけ高い位置にあるものとみなす。
3.建築物の屋上部分で、水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の1/8以下の塔屋において、その一部に休憩室を設けたものは、当該建築物の階数に算入する。
4.前面道路の境界線から後退した建築物の各部分の高さの制限の適用において、当該建築物の後退距離の算定の特例の適用を受ける場合、ポーチの高さの算定については、前面道路の路面の中心からの高さによる。
5.容積率を算定する場合、専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積を容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないとする規定については、当該敷地内のすべての建築物の各階の床面積の合計の和の1/5を限度として適用する。

解答 2:

1.階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは、12mまで(日影制限等は5ⅿ)は、当該建築物の高さに算入しない。ただし、避雷設備、北側斜線、特例容積率適用地区内・高度地区内・居住環境向上用途誘導地区・特定用途誘導地区の高さの限度は除外されている。

2.敷地の地盤面が隣地の地盤面より1m以上低い場合、その敷地の地盤面は、「その高低差より1mを減じた値」の1/2だけ高い位置にあるものとみなす。(法56条6項、令135条の3第1項二号)

3.昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の8分の1以下のものは、当該建築物の階数に算入しない(令2条1項8号)。設問の「塔屋において、その一部に休憩室を設けたもの」は、階数に参入する。

4.「建築物の高さ」は、令2条2項六号において「地盤面からの高さによる」と規定している。ただし同号イにおいて、「法第56条第1項第一号の規定並びに第130条の12及び第135条の19の規定による高さの算定については、前面道路の路面の中心からの高さによる。」として除外規定が設けられている。「ポーチの高さ」は、道路斜線制限の「建築物の後退距離の算定」の特例を受ける場合、令130条の12に規定される。このため、「ポーチの高さ」の算定については、「前面道路の路面の中心」からの高さによる。(法56条2項、令2条1項六号イ)

5.令2条4号。床面積とは「建築物の各階の床面積の合計による。ただし、法第五十二条第一項(容積率)に規定する延べ面積(省略)には、次に掲げる建築物の部分の床面積を算入しない。」と定義される。
イ 自動車車庫その他の専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分:5/1
ロ 専ら防災のために設ける備蓄倉庫の用途に供する部分:1/50
ハ 蓄電池(床に据え付けるものに限る。)を設ける部分:1/50
ニ 自家発電設備を設ける部分:1/100
ホ 貯水槽を設ける部分:1/100
ヘ 宅配ボックス:1/100

〔H20 No.04〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.有料老人ホームにおける床面積50m2の入所者用娯楽室には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、原則として、5m2以上としなければならない。
2.直上階の居室の床面積の合計が250m2である児童福祉施設の地上階に設ける階段に代わる傾斜路で、両側に側壁を設けるものにおいて、側壁の一方に幅15cmの手すりを設けた場合、側壁間の距離は125cm以上としなければならない。
3.石綿が添加された建築材料が使用されていることにより建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けている倉庫について、基準時における延べ面積が1,200m2のものを増築して延べ面積1,500m2とする場合、増築に係る部分以外の部分においては、当該添加された建築材料を被覆する等の措置が必要となる。
4.老人福祉施設における防火上主要な間仕切壁で、小屋裏又は天井裏に達する準耐火構造としたものは、500Hzの振動数の音に対して、透過損失40dB以上の遮音性能が要求される。
5.旅館における居室の床面積が50m2の客室において、内装の仕上げの部分の面積の合計が200m2で、そのすべてに第三種ホルムアルデヒド発散建築材料を使用するときは、原則として、換気回数が0.5以上の機械換気設備を設ける必要がある。

解答 4:

1.法28条において、住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室には採光のための窓その他の開口部を設けなければならないとある。有料老人ホームの入所者用娯楽室は令19条1項により児童福祉施設等に該当し、2項5号の目的とされる。3項表から、(7)の1/10の割合に区別されるため、床面積50m2の入所者用娯楽室の、採光に有効な部分の面積は、原則として5m2以上としなければならない。

2.令23条(3)より、直上階の居室の床面積の合計が200m2を超える地上階の、階段の幅は120cm以上とする。手すりがある場合において、その幅は10cmを限度としてないものとして見なされる。よって、幅15cmの手すりは5cmと見なされるため、125cmの幅が必要となる。

3.法第28条の2において、建築物には石綿を使用してはならないとしているが、法第86条の7第1項において石綿を添加した建築物に対する制限を緩和している。令第137条の4の3では「増築又は改築に係る部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の2分の1を超えないこと」と規制しているため、設問文「基準時における延べ面積が1,200m2」より1,800m2まで増築可能となるため適合している。しかし同項三号から、
・増築部分に、石綿を使用しない
・増築部分以外に、石綿飛散防止の被膜
の条件がある。

4.「遮音性能」は、法30条1項の「長屋又は共同住宅の各戸の居室」に規定される性能である。設問のような「老人福祉施設における防火上主要な間仕切壁」には適用されない。

5.クロルピリホス及びホルムアルデヒドは、居室内において衛生上の支障を生ずるおそれのある物質として定められている(令20条の5)。最もクロルピリホス及びホルムアルデヒド発散量の多い第一種は使用禁止とされ、第二種、第三種はそれぞれ使用面積が制限されている。
令20条の7第1項二号表により、200㎡×表の数値≦50㎡となるためには、表の数値は0.25以下としなければならないので、換気回数0.5以上の機械換気設備を設けなければならない。

〔H20 No.05〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.鉄骨造、地上5階建ての共同住宅の増築の工事で、避難施設等に関する工事を含むものをする場合においては、建築主は、原則として、検査済証の交付を受けた後でなければ、当該避難施設等に関する工事に係る建築物又は建築物の部分を使用することができない。
2.建築監視員は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな増築の工事中の建築物については、緊急の必要があって所定の手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該工事の請負人等に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。
3.建築主事は、高さが60mを超える建築物について、構造耐力の基準に適合するかどうかを審査するときは、都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関による構造計算適合性判定を求めなければならない。
4.建築主は、階数が3以上である鉄筋コンクリート造の共同住宅の2階の床及びこれを支持するは・り・に鉄筋を配置する工事の工程を終えたときは、指定確認検査機関が中間検査を引き受けた場合を除き、建築主事の中間検査を申請しなければならない。
5.原動機を使用するメリーゴーラウンドの築造については、確認済証の交付を受けなければならない。

解答 3:

1.法7条の6第1項により、法6条1項一号から三号に該当する場合、当該建築物の建築主は、検査済証の交付を受けた後でなければ、原則として、当該建築物を使用し、又は使用させてはならない。「鉄骨造、地上5階建ての共同住宅」はこれに該当し、原則として、検査済証の交付を受けた後でなければ、当該避難施設等に関する工事に係る建築物又は建築物の部分を使用することができない。

建築基準法第6条1項
一号 特殊建築物 床面積200m2を超えるもの
二号 木造 ・3階以上
・延べ面積500m2を超える
・高さ13mを超える
・軒の高さ9mを超える
上のいずれかに当てはまるもの
三号 木造以外 ・2階以上
・床面積が200m2を超える
上のいずれかに当てはまるもの


2.法9条の2において、「特定行政庁は、当該市町村又は都道府県の職員のうちから「建築監視員」を命じ、法9条7項及び第10項に規定する特定行政庁の権限を行なわせることができる。」としている。
9条7項 特定行政庁は、緊急の必要がある場合においては、(省略)、これらに定める手続によらないで、仮に、使用禁止又は使用制限の命令をすることができる。
9条10項特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反することが明らかな建築、修繕又は模様替の工事中の建築物については、緊急の必要があつて第2項から第6項までに定める手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該建築物の建築主又は当該工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。この場合において、これらの者が当該工事の現場にいないときは、当該工事に従事する者に対して、当該工事に係る作業の停止を命ずることができる。
よって、建築監視員は、建築基準法令の規定に違反することが明らかな増築の工事中の建築物については、緊急の必要があって所定の手続によることができない場合に限り、これらの手続によらないで、当該工事の請負人等に対して、当該工事の施工の停止を命ずることができる。

3.高さが60mを超える建築物の構造計算は、適合性判定ではなく、国土交通大臣の認定を受けるものとする。
建築基準法第20条1項一号 高さが60mを超える建築物は、当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。この場合において、その構造方法は、荷重及び外力によって建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握することその他の政令で定める基準に従った構造計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものであること。

4.法7条の3。建築主は、第6条第1項の規定による工事が「特定工程」に係る工事を終えたときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。「階数が3以上である鉄筋コンクリート造の共同住宅の2階の床及びこれを支持するは・り・に鉄筋を配置する工事の工程」は特定工程に当たり、工事が完了したときに建築主事の検査を申請しなければならない。ただし、法7条の4の規定による指定確認検査機関の中間検査を受けた場合は、建築主事の中間検査は受けなくても良い。

5.令138条2項3号により、メリーゴーラウンドは「昇降機、ウオーターシユート、飛行塔その他これらに類する工作物(昇降機等)」とされ、法88条の工作物への準用がなされ、法6条の確認済証の交付を要する。

〔H20 No.06〕防火区画等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、「避難上の安全の検証」は行われていないものとする。

1.防火区画は、火災の拡大を抑止する等のため、「建築物の用途、構造、階数等に応じた床面積による区画」、「階段室等の竪穴部分の区画」、「建築物の部分で用途が異なる場合の当該境界での区画」等について規定されている。
2.防火区画における床及び壁は、準耐火構造としなければならない。
3.防火区画に用いる防火設備は、閉鎖又は作動をするに際して、当該防火設備の周囲の人の安全を確保することができるものでなければならない。
4.給水管、配電管その他の管が防火区画を貫通する場合においては、当該管と防火区画とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない。
5.防火区画に接する外壁については、外壁面から50cm以上突出した準耐火構造のひさし等で防火上有効に遮られている場合においては、当該外壁の所定の部分を準耐火構造とする要件が緩和される。

解答 2:

1.防火区画は、火災の拡大を抑止する等のため、主に面積区画、竪穴区画、異種用途区画等について規定されている(令112条各項)。

2.「防火区画」における床及び壁の構造は、耐火構造とする。法改正により、それそれの防火区画において、1時間準耐火基準による準耐火構造、耐火構造での区画が定められている(令112条各項)。

3.防火区画等で使用される防火設備の構造は、令112条19項に規定されており、その一つに「閉鎖又は作動をするに際して、当該特定防火設備又は防火設備の周囲の人の安全を確保することができるものであること。」とある(同項1号ロ)。

4.給水管、配電管その他の管が一時間準耐火基準・耐火構造・準耐火構造の床若しくは壁又はひさし、床、袖壁その他これらに類するものを貫通する場合においては、当該管と防火区画との隙間をモルタルその他の不燃材料で埋めなければならない(令112条20項)。

5.防火区画・準耐火性能等が要求される外壁に接する外壁については、当該外壁のうちこれらに接する部分を含み幅90cm以上の部分を準耐火構造としなければならない。ただし、外壁面から50cm以上突出した準耐火構造のひさし、床、袖壁その他これらに類するもので防火上有効に遮られている場合においては、この限りでない(令112条16項)。

〔H20 No.07〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築物の立地により異なる防火上の規制が適用される場合として、「特定行政庁が指定する区域」と「都市計画に定める地域」がある。
2.耐火建築物の要件としては、「主要構造部に関する基準」及び「外壁の開口部で延焼のお・そ・れ・のある部分に関する基準」に適合することが求められている。
3.不燃性能は、建築材料に、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後所定の時間、燃焼しないことや防火上有害な変形等を生じないことだけでなく、建築物の外部の仕上げに用いるものを除き、避難上有害な煙又はガスを発生しないことが求められる。
4.高さが13mを超える病院においては、主要構造部である柱及びは・り・に木材を用いることはできない。
5.防火上有効な公園、広場、川等の空地又は水面に面する建築物の部分は、延焼のお・そ・れ・のある部分から除かれる。

解答 4:

1.防火地域・準防火地域は都市計画法9条21項で定められる。建築基準法上では、法22条に基づき、特定行政庁により防火地域・準防火地域以外の木造住宅地に指定される(いわゆる22条区域)。

2.耐火建築物の要件は、「主要構造部に関する基準(イ)」及び「外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に関する基準(ロ)」の両方を満たさなければならない(法2条9号の2)。

3.不燃材料は法2条9号に定義され、その技術的基準は令108条の2に定められている。これによると、建築物の外部の仕上げに用いる建築材料が適合すべき不燃性能及びその技術的基準は、建築材料に、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間、「燃焼しないものであること(1号)」及び「防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を生じないものであること(2号)」である。仕上げ以外ではさらに「避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること(3号)」の要件が加わる。

4.法21条1項において「高さが13mを超える建築物(二号)」は「その主要構造部を政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない」と規定している。この時の「政令」とは令109条の5であり、木材を用いてはならないとの規定はない。

5.延焼のおそれのある部分には2つの除外規定があり、①防火上有効な公園、広場、川その他の空地又は水面、耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分、②建築物の外壁面と隣地境界線等との角度に応じて、当該建築物の周囲において発生する通常の火災時における火熱により燃焼するおそれのないものとして国土交通大臣が定める部分である。

〔H20 No.08〕建築基準法第20条の規定が適用される建築物について、「確認申請書に添付する構造詳細図に明示すべき事項」として、建築基準法施行規則上、誤っているものは、次のうちどれか。ただし、「縮尺並びに構造耐力上主要な部分の材料の種別及び寸法」については、明示されているものとする。

解答 5:建築基準法施行規則1条の3表2において、鉄骨造は第5節、鉄筋コンクリート造は第6節、で、それぞれの明示すべき事項を読み取る。

1.組積造:第4節「構造詳細図」には「塀の寸法、構造方法、基礎の根入れ深さ並びに材料の種別及び寸法」を明示する。

2.補強CB造:第4節の2「構造詳細図」には「塀の寸法、構造方法、基礎の丈及び根入れ深さ並びに材料の種別及び寸法」「帳壁の材料の種別及び構造方法」及び「鉄筋の配置、径、継手及び定着の方法」を明示する。

3.鉄骨造:第5節「構造詳細図」には「圧縮材の有効細長比」及び「構造耐力上主要な部分である接合部並びに継手及び仕口の構造方法」を明示する。

4.RC造:第6節「構造詳細図」には「鉄筋の配置、径、継手及び定着の方法」及び「鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さ」を明示する。

5.SRC造:第6節の2「構造詳細図」には「構造耐力上主要な部分である接合部並びに継手及び仕口の構造方法」「鉄筋の配置、径、継手及び定着の方法」及び「鉄筋及び鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さ」を明示する。

〔H20 No.09〕構造強度に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.鉄骨造の建築物で、延べ面積が3,000m2を超えるもの又は軒の高さが9mを超え、若しくは張り間が12mを超えるものにあっては、構造耐力上主要な部分である鋼材のボルト接合は、高力ボルト接合としなければならない。
2.地階を除く階数が3以下である鉄骨造の建築物(高さが31m以下のもの)で、高さが13m又は軒の高さが9mを超えるものは、許容応力度等計算、保有水平耐力計算、限界耐力計算又はこれらと同等以上に安全性を確かめることができるものとして国土交通大臣が定める基準に従った構造計算により安全性を確かめることができる。
3.許容応力度等計算を行う場合、建築物の地上部分については、「各階の剛性率が、それぞれ6/10以上であること」及び「各階の偏心率が、それぞれ15/100を超えないこと」を確かめなければならない。
4.限界耐力計算において、暴風時に、建築物の構造耐力上主要な部分に生ずる力が、当該構造耐力上主要な部分の耐力を超えないことを確かめる場合、建築基準法施行令第87条に規定する風圧力によって生ずる力に1.6を乗じて計算しなければならない。
5.指定構造計算適合性判定機関は、構造計算適合性判定を行うときは、建築に関する専門的知識及び技術を有する者として所定の要件を備える者のうちから選任した構造計算適合性判定員に構造計算適合性判定を実施させなければならない。

解答 1:

1.鉄骨造の建築物で、構造耐力上主要な部分である鋼材の接合は、高力ボルト接合、溶接接合、リベット接合、大臣の認定を受けた接合方法のいずれかにしなければならない。高力ボルトに限るものではない(令67条1項)。

2.高さが60m以下の建築物のうち、第6条第1項第2号に掲げる建築物又は同項第3号に掲げる建築物、高さが20mを超える鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物は、「保有水平耐力計算」、「限界耐力計算」又は「国土交通大臣の認定を受けたプログラム」によるものによつて確かめられる安全性を有すること(令81条2項)。よって限界耐力計算を行う場合には、それ以外の方法をとらなくても良い。

3.令82条の6第2号。設問文まま。

4.令82条の5第5号ハ。設問文まま。

5.令77条の35の9。設問文まま。

〔H20 No.10〕避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、「避難上の安全の検証」は行われていないものとする。

1.避難階が1階である延べ面積1,500m2、地上5階建ての事務所の5階の居室で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。
2.病院における患者用の廊下の幅は、両側に居室がある場合、1.6m以上としなければならない。
3.排煙設備を設けるべき建築物の排煙設備で、電源を必要とするものには、原則として、予備電源を設けなければならない。
4.地上3階建ての建築物において、2階以上の階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。
5.主要構造部が耐火構造で、避難階が1階である地上10階建てのホテルの10階の客室で、当該客室及びこれから地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料でしたものについては、当該客室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離を60m以下としなければならない。

解答 5:

1.延べ面積1,000m2を超える建築物の居室には、非常用の照明装置を設けなくてはならない(令126条の4)。

2.病院における患者用の廊下の幅員は、両側に居室がある場合は1.6m、その他の場合は1.2m以上としなければならない(令119条表)。

3.令126条の3各号に排煙設備の構造が規定されている。このなかで、10号に「電源を必要とする排煙設備には、予備電源を設けること。」と定められている。

4.令126条1項。屋上広場又は2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。また、令117条により、第5章第2節(令117条から令126条まで)は「法別表第1(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物」、「階数が3以上である建築物」、「116条第1項第1号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階」又は「延べ面積が1,000m2をこえる建築物」に限り適用され、「地上3階建て」はこれに該当する。よって令126条1項の規定が適用される。

5.「避難階以外の階における避難階または地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離」は、令120条1項に規定されている。ホテルは法別表第1項(い)欄(2)項に該当するので、令120条1項表の(2)に該当する。設問文「主要構造部が耐火構造」より、その歩行距離は50m以下としなければならない。また、2項に通路の仕上げを準不燃材料でしたものは、60m以下とすることができると規定されているが、設問は「難燃材料」であるので該当しない。

〔H20 No.11〕建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.踏段面の水平投影面積が6m2であるエスカレーターの踏段の積載荷重は、16kNとすることができる。
2.非常用の照明装置を設けていないことについて、建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けている建築物であって、独立部分(開口部のない耐火構造の床又は壁で区画された部分)が2以上あるものについて増築をする場合においては、当該増築をする独立部分以外の独立部分には非常用の照明装置を設けなくてもよい。
3.エレベーター強度検証法による主要な支持部分等の断面に生ずる常時の応力度は、昇降する部分以外の部分の固定荷重、昇降する部分の固定荷重及びか・ご・の積載荷重を合計した数値により計算する。
4.準防火地域内における地上2階建て延べ面積480m2の共同住宅の各戸の界壁を貫通する給水管は、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後45分間、当該界壁の加熱側の反対側に火炎を出す原因となるき・裂その他の損傷を生じないものとして、国土交通大臣の認定を受けたものを使用することができる。
5.延べ面積450m2の事務所において、開放できる部分の面積の合計が2m2の窓(天井から下方80cm以内の距離にあるもの)のある床面積100m2の事務室には、排煙設備を設置しなくてもよい。

解答 3:

1.エスカレーターの踏段の積載荷重は、踏段の水平投影面積の面積に2,600(N/m2)を乗じた数値以上とする。よって、設問は6m2なので6m2×2,600N/m2=15.6kN以上とする。

2.法86条の7第2項、令137条の13より、非常用の照明装置(令126条の4、第4節)は設置する必要はない。

3.エレベーター強度検証法による主要な支持部分等の断面に生ずる常時の応力度は、以下の式により求められる。

G1+α1(G2+P)

G1:昇降する部分以外の部分の固定荷重
G2:昇降する部分の固定荷重
P:かごの積載荷重
α1:加速度を考慮して大臣が定める数値 
設問は「α1」が考慮されていない。

4.給水管、配電管その他の管が「準耐火構造の建築物」の各戸の界壁を貫通する部分又はこれに近接する部分に、「特定防火設備」を設けなければならない(令112条20号、21号)。この条文が「長屋又は共同住宅」に適用され、「特定防火設備」を「防火設備であって、これに通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後45分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの」と読み替える(令114条5項)。

5.開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の1/50未満の居室は「排煙上の無窓居室」として、排煙設備を設けなければならない(令116条の2第2号、令126条の2)。

〔H20 No.12〕都市計画区域内における次の建築物のうち、建築基準法上、新築してはならないものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。

1.第一種低層住居専用地域内の「延べ面積160m2、地上2階建ての理髪店兼用住宅(居住の用に供する部分の床面積が120m2のもの)」
2.第二種住居地域内の「延べ面積400m2、地上2階建てのカラオケボックス(各階を当該用途に供するもの)」
3.商業地域内の「延べ面積1,000m2、地上2階建ての日刊新聞の印刷所(各階を当該用途に供するもの)」
4.工業地域内の「延べ面積3,000m2、地上2階建ての博物館(各階を当該用途に供するもの)」
5.用途地域の指定のない区域(市街化調整区域を除く。)内の「客席の部分の床面積の合計が12,000m2、地上5階建ての観覧場(各階を当該用途に供するもの)」

解答 5:

1.第一種低層住居専用地域内に、延べ面積の1/2以上を居住の用に供し、かつ理髪店の床面積が50m2以下の兼用住宅は、新築できる。したがって、理髪店の部分が40m2の兼用住宅は新築できる。(法別表第2(い)項2号、令130条の3第3号)

2.カラオケボックスは法別表2(へ)各号に該当しないので、第二種住居地域内に建築することができる。

3.日刊新聞の印刷所は規模にかかわらず、商業地域内に建築することができる(法別表2(ぬ)2号但し書き)。

4.博物館は法別表2(を)各号に該当しないので、工業地域内に建築することができる。

5.法48条14項において、用途地域の指定のない区域内においては別表第2(か)項に掲げる建築物は、建築してはならないと規定している。「観覧場」はこれに該当し、観覧場の客席で床面積10,000m2を超えるものは、建築してはならない。

〔H20 No.13〕準防火地域内の建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.木造建築物等は、その外壁及び軒裏で延焼のお・そ・れ・のある部分を防火構造とし、これに附属する高さ2mを超える門又は塀で、当該門又は塀が建築物の1階であるとした場合に延焼のお・そ・れ・のある部分に該当する部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。
2.延べ面積1,200m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗(各階を当該用途に供するもの)は、耐火建築物としなければならない。
3.主要構造部が不燃材料で造られた延べ面積1,500m2の機械製作工場は、耐火建築物及び準耐火建築物以外の建築物とすることができる。
4.延べ面積2,000m2、地上2階建ての地域活動支援センター(各階を当該用途に供するもの)は、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。
5.延べ面積1,000m2、地上3階建ての事務所(各階を当該用途に供するもの)は、耐火建築物又は準耐火建築物としなければならない。

解答 4:

1.令136条の2第3号に準防火地域における木造建築物等の構造規定がある。地階を除く階数2階以下で延べ面積500m2の場合は、外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分が基準に適合し、かつ、外壁開口部設備に建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱が加えられた場合に、当該外壁開口部設備が加熱開始後20分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものであることとする。また、これに付属する高さ2mを超える門又は塀も同様の基準となる。※平成30年の法改正により、いわゆる「延焼防止建築物」の規定が新たに追加された。設問文は出題当時のまま掲載してる。

2.本設問は出題当時のままの掲載だが、下記は現行法による解説とした。
本問は法27条の特殊建築物としての規制と、防火地域等における規制の2つが適用される。
まず、「物品販売業を営む店舗の用途に供するもの」なので、「耐火建築物等にしなければならない特殊建築物」であるかの判断をする。令115条の3第3号により、法別表1(4)と同等の基準とし、2階以上の床面積が500m2以上である場合、主要構造部を令110条1号(特定避難時間に基づく構造)か2号に該当させる(法27条1項2号)。設問の建物の床面積は1,200m2なので、これに該当する。
次に、法61条においては、準防火地域内で、床面積1,200m2、地上3階建ての建築物なので、令136条の2第2号に該当し、「準耐火建築物」または「準延焼防止建築物」とする(令136条の2第二号)。
よって、耐火建築物としなくてもよい。

3.卸売市場の上家又は機械製作工場で主要構造部が不燃材料で造られたものその他これらに類する構造でこれらと同等以上に火災の発生のおそれの少ない用途に供するものはは耐火建築物又は準耐火建築物としなくてもよい(法62条1項2号)。本問は法改正により法62条1項2号が削除されているので、整合がとれない。

4.「地域活動支援センター」は令115条の3に規定する「耐火建築物等としなければならない特殊建築物」に該当する(同令一号、令19条)。よって「耐火建築物又は準耐火建築物」ではなく、「耐火建築物等」にしなければならない。

5.準防火地域内で、延べ面積1,000m2、地上3階建ての建築物は、令136条の2第2号に該当し、「準耐火建築物」または「準延焼防止建築物」とする。

〔H20 No.14〕都市計画区域及び準都市計画区域内の道路等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.土地を建築物の敷地として利用するため築造する延長が35mを超える袋路状の道について、特定行政庁からその位置の指定を受ける場合には、その幅員を6m以上とし、かつ、終端に自動車の転回広場を設けなければならない。
2.主要構造部が耐火構造の建築物の5階に、その建築物の避難施設として道路の上空に設ける渡り廊下が必要な場合には、特定行政庁の許可を受けて、当該渡り廊下を建築することができる。
3.特定行政庁は、仮設店舗について、当該仮設店舗の敷地が道路に接しない場合であっても、原則として、1年以内の期間を定めてその建築を許可することができる。
4.建築基準法上の道路である私道の廃止によって、その道路に接する敷地が敷地等と道路との関係の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の廃止を禁止し、又は制限することができる。
5.地方公共団体は、特殊建築物、階数が3以上である建築物等の敷地が接しなければならない道路の幅員等について、条例で必要な制限を付加することができる。

解答 1:

1.袋路状道路を築造する場合、令144条の4第1項一号から五号の基準に適合する必要がある。ただし一号についてはイ~ホのいずれかに該当すればよい。つまり、設問の「幅員を6m以上(ニ)」と「終端に自動車の転回広場(ハ)」は同時に適合しなくても許可を受けることができる。

https://hikari-k.info/より



2.建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない(法44条)。ただし、「公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの(4号)」は、建築することができる。「建築物の5階以上の階に設けられるもので、その建築物の避難施設として必要なもの」は、令145条2項2号に挙げられており、設けることができる。

3.特定行政庁は、仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗その他これらに類する仮設建築物について安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合においては、1年以内の期間を定めてその建築を許可することができる。この場合においては、第3章の規定は、適用しせず、接道義務(法43条)を満たさなくてもよい。

4.私道の変更又は廃止によって、その道路に接する敷地が接道義務関係(法43条1項または同条3項の規定)に基づく条例の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる(法45条)。

5.地方公共団体は、特殊建築物について、その用途、規模又は位置の特殊性により、接道義務(法43条1項)の規定によっては避難又は通行の安全の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる(法43条3項)。

〔H20 No.15〕図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の延べ面積の最大のものは、次のうちどれか。ただし、建築物の用途は共同住宅とし、地階はないものとする。また、共用の廊下及び階段の部分の床面積は490m2であり、建築物内に床面積300m2の自動車車庫を設けるものとする。なお、特定道路の影響はないものとし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定等はないものとする。

1.4,800 m2
2.4,920 m2
3.5,710 m2
4.5,890 m2
5.6,038 m2

解答 3:
①容積率の限度は、法52条1項による都市計画で定められた容積率の限度と、2項による前面道路の幅員が12m未満の場合による用途地域別の容積率の限度を比較し、厳しい数値を用いる。
②敷地が容積率制限を受ける地域の2以上にわたる場合の延べ面積は、それぞれの地域ごとに算定したものの合計以下としなければならない(法52条7項)。
③法42条2項による指定道路があるので、道路中心線から2mを道路境界線とみなし、その線と道との間は算入しない。また、道の反対側に崖地、川、線路敷地等がある場合は、道の反対側から4mの線を敷地境界線とする(法42条2項)。
④商業地域:
 (ⅰ)敷地面積:(32-2)m×30m=900m2
 (ⅱ)指定容積率による限度:50/10
 (ⅲ)前面道路幅員による限度:8m×6/10(非住居系)=48/10
(ⅱ)よりも(ⅲ)の方が厳しいので、48/10を用いる。
よって、建築物の延べ面積の限度は、900m2×48/10=4,320m2
⑤準住居地域:
 (ⅰ)敷地面積:(32-2)m×10m=300m2
 (ⅱ)指定容積率による限度:20/10
 (ⅲ)前面道路幅員による限度:8m×4/10(住居系)=32/10
(ⅲ)よりも(ⅱ)の方が厳しいので、20/10を用いる。
よって、建築物の延べ面積の限度は、300m2×20/10=600m2

したがって、延べ面積の最高限度は、4,320m2+600m2=4,920m2

また題意より「共用の廊下及び階段の部分の床面積」及び「自動車車庫」は延べ面積に算入しないので、
4,920m2+490m2+300m2=5,710m2

〔H20 No.16〕図のように、敷地に建築物を新築する場合、建築基準法上、地盤面からのA点における建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地には図に示すように東西方向に高低差があり、また、図に示されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁による指定等はないものとし、日影による中高層の建築物の高さの制限及び天空率に関する規定は考慮しないものとする。なお、建築物は、すべての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

1.15.00 m
2.16.25 m
3.18.25 m
4.18.75 m
5.20.00 m

解答 3:
[道路斜線制限]
①2以上の前面道路の規定により、A点は南側道路幅員の2倍以下かつ35m以内にあるので、A点に対する西側道路の反対側の境界線までは、11mとみなされる(法56条6項、令132条1項)。
②A点は明らかに南側道路より、西側道路による斜線制限の方が厳しくなる。その後退距離は2mなので、道路の反対側の境界線までの水平距離は、2m+11m+2m=15mとなる。(法56条2項)
③「適用距離」は、A点は、同表の最小値である20mの範囲内にあるので、道路斜線距離の適用を受ける。法56条1項一号・法別表第3(は)
④敷地が2以上の用途地域にわたる場合、適用距離は前面道路の面する方向にある敷地の適用を受け、斜線勾配は、敷地ごとの用途地域の数値となる(令130条の11)。
⑤住居系地域の斜線勾配は、1.25なので、道路斜線制限による最高限度は、
15m×1.25=18.75mとなる。(法56条1項一号、法別表第3(に)項)
⑥前面道路と敷地に高低差の緩和(令135条の2第1項)より、地盤面が前面道路より1m以上高い場合、高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなされる。よって、
18.75m-(1m×1/2)=18.25m

[隣地斜線制限]
①住居系地域の隣地斜線は、以下の式(法56条1項二号)、
隣地境界線までの水平距離+20mを超える部分の後退距離×1.25+20m
から求められ、道路斜線制限で20mを超えていないので、検討を省略する。

[北側斜線制限]
①中高層住居専用地域の北側斜線制限は、真北方向の水平距離×1.25+10mである(後退の緩和はない)。
(3m+5m)×1.25+10m=20m
(法56条1項三号)
以上より、地盤面からのA点における建築物の高さの最高限度は、18.25mとなる。

〔H20 No.17〕建築協定、地区計画等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築協定書には、建築協定区域、建築物に関する基準、協定の有効期間及び協定違反があった場合の措置を定めなければならない。
2.建築協定書については、建築協定区域内の土地に借地権の目的となっている土地がある場合においては、土地の所有者及び借地権を有する者の全員の合意がなければならない。
3.建築協定に関する市町村の条例が定められていない場合は、建築協定を締結することができない。
4.地区計画等の区域内において、特定行政庁は、予定道路の指定を行う場合においては、当該指定について、原則として、あらかじめ、その指定に利害関係を有する者の出頭を求めて公開による意見の聴取を行い、建築審査会の同意を得なければならない。
5.地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域に限る。)内において、市町村の条例で定める建築物の容積率の最高限度は、5/10以上の数値でなければならない。

解答 2:

1.土地の所有者等は、建築協定区域に、建築物に関する基準、協定の有効期間及び協定違反があった場合の措置を定めた建築協定書を作成し、その代表者によって、これを特定行政庁に提出し、その認可を受けなければならない(法70条)。

2.建築基準法70条3項では以下のように規定している。
建築協定書については、土地の所有者等の全員の合意がなければならない。ただし、当該建築協定区域内の土地(省略)に借地権の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権の目的となつている土地の所有者以外の土地の所有者等の全員の合意があれば足りる。
この場合、土地の所有者の合意は要しない。

3.市町村は、建築協定を締結することができる旨を条例で定めることができる(法69条)。これにより、建築協定に関する市町村の条例が定められていない場合は、建築協定を締結することができない。

4.特定行政庁は、地区計画等に道の配置及び規模又はその区域が定められている場合で、予定道路の指定を行うことができる(法68条の7)。このとき、法46条の壁面線の指定と同様の手順で、あらかじめ、その指定に利害関係を有する者の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない(第2項、3項)。

5.市町村は、地区計画等の区域内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項で当該地区計画等の内容として定められたものを、条例で、これらに関する制限として定めることができる(法68条の2第1項)。この条例で定められるものとして、「建築物の容積率の最高限度 5/10以上」がある(令136条の2の5第1項2号)。

〔H20 No.18〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.都市計画区域内においては、卸売市場は、都市計画においてその敷地の位置が決定していない場合であっても、特定行政庁が都市計画審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合においては、新築することができる。
2.一団地内に建築される1又は2以上の構えを成す建築物のうち、特定行政庁がその位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるものに対する用途地域の規定の適用については、当該一団地を一の敷地とみなす。
3.再開発等促進区(地区整備計画が定められている区域とする。)内の建築物について、建築物の各部分の高さの規定に関し、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可をする場合においては、建築審査会の同意を得なければならない。
4.建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、原則として、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
5.国、都道府県又は建築主事を置く市町村が管理する一定規模を超える特殊建築物等について、当該機関の長等は、当該建築物の敷地及び構造について、定期に、一級建築士等に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検をさせなければならない。

解答 2:

1.都市計画区域内においては、卸売市場、火葬場又はと畜場、汚物処理場、ごみ焼却場その他政令で定める処理施設の用途に供する建築物は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築し、又は増築してはならない。ただし、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合又は政令で定める規模の範囲内において新築し、若しくは増築する場合においては、この限りでない(法51条)。

2.法86条第1項において、一団地内に建築される1又は2以上の構えを成す建築物のうち、特定行政長が認めるものについては、当該一団地を一の敷地とみなして適用される規定が列挙されている。法48条(用途地域の規定)は含まれていないので設問の団地を1又は2以上の建築物の一の敷地とみなすことはできない。

3.地区計画又は沿道地区計画の区域のうち再開発等促進区又は沿道再開発等促進区(地区整備計画又は沿道地区整備計画が定められている区域に限る。)内においては、敷地内に有効な空地が確保されていること等により、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、第56条(建築物の各部分の高さ)の規定は、適用しない(法68条の3第4項)。このとき、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない(法68条の3第5項、法44条2項)。

4.法15条1項条文「建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が10m2以内である場合においては、この限りでない。」

5.法12条1項2号。国、都道府県又は建築主事を置く市町村が所有し、又は管理する特定建築物の管理者である国、都道府県若しくは市町村の機関の長又はその委任を受けた者(以下この章において「国の機関の長等」という。)は、当該特定建築物の敷地及び構造について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員に、損傷、腐食その他の劣化の状況の点検をさせなければならない。

〔H20 No.19〕次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。

1.建築士事務所の開設者は、当該建築士事務所の業務に関する事項を記載した帳簿を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、当該閉鎖をした日の翌日から起算して10年間当該帳簿を保存しなければならない。
2.建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに、設計等の業務に関する報告書を作成し、毎事業年度経過後3月以内に当該建築士事務所に係る登録をした都道府県知事に提出しなければならない。
3.建築士事務所の開設者は、設計等の業務に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置を講じている場合にあっては、その内容を記載した書類を、当該建築士事務所に備え置き、設計等を委託しようとする者の求めに応じ、閲覧させなければならない。
4.建築士は、構造計算によって建築物の安全性を確かめた場合においては、遅滞なく、その旨の証明書を設計の委託者に交付しなければならない。
5.都道府県知事は、建築士法の施行に関し必要があると認めるときは、建築士事務所の開設者若しくは建築士事務所を管理する建築士に対し、必要な報告を求め、又は当該職員をして建築士事務所に立ち入り、図書その他の物件を検査させることができる。

解答 1:

1.建築士事務所の開設者は、配置図、各階平面図等の設計図書又は工事監理報告書で、保存しなければならないと定められているものについては、作成した日から起算して15年間保存しなければならない(士法24条の4、士法規則21条3項)。

2.建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに設計等の業務に関する報告書を作成し、毎事業年度経過後3月以内に都道府県知事に提出する(士法23条の6)。また、建築士事務所の開設者は、設計図書(配置図、各階平面図等)、工事監理報告書、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の図書を作成した日から起算して15年間保存しなくてはならない(士法24条の4、規則21条)。

3.建築士事務所の開設者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる書類を、当該建築士事務所に備え置き、設計等を委託しようとする者の求めに応じ、閲覧させなければならない(士法24条の6)。
一 当該建築士事務所の業務の実績を記載した書類
二 当該建築士事務所に属する建築士の氏名及び業務の実績を記載した書類
三 設計等の業務に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置を講じている場合にあつては、その内容を記載した書類
四 その他建築士事務所の業務及び財務に関する書類で国土交通省令で定めるもの

4.一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、構造計算によつて建築物の安全性を確かめた場合においては、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨の証明書を設計の委託者に交付しなければならない(士法20条2項)。

5.正しい。士法26条の2第1項。

〔H20 No.20〕次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。

1.開発整備促進区は、特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域である。
2.開発整備促進区を都市計画に定めるに当たっては、第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地の区域又は用途地域が定められていない市街化調整区域であることが、条件の一つである。
3.開発整備促進区における地区整備計画においては、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途のうち当該区域において誘導すべき用途及び当該誘導すべき用途に供する特定大規模建築物の敷地として利用すべき土地の区域を定めることができる。
4.市街化区域内において、病院の建築の用に供する目的で行う開発行為で、その規模が1,500m2のものについては、開発許可を受けなければならない。
5.市街化調整区域内において、主として当該開発区域の周辺の地域において居住している者の利用に供する社会福祉施設の建築の用に供する目的で行う開発行為については、開発許可を受けることができる。

解答 2:

1&3.開発整備促進区とは、特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域であり、これを都市計画に定めることができる。(都計法12条の5第4項)。

2.市街化調整区域には開発整備促進区は指定できない(都計法12条の5第4項4号ただし書き)。

4.1,000m2を超える市街化区域内における開発行為は、都道府県知事の許可を受けなければならない(都計法29条1項1号、令19条1項表)。また、法29条1項11号の軽易な行為に該当する場合は許可不要となるが、病院は該当しない(令22条各号)

5.市街化調整区域に係る開発行為については、当該申請に係る開発行為が都計法34条各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない。社会福祉施設は令29条の5及び令21条26号ロより、第1号の公益上必要な建築物に該当するので、都道府県知事の許可を受けることができる。

〔H20 No.21〕次の記述のうち、消防法上、誤っているものはどれか。

1.延べ面積1,500m2の小売店舗の管理について権原を有する者は、防火管理者を定めなければならない。
2.延べ面積600m2、地上3階建ての共同住宅については、原則として、屋内消火栓設備を設置しなくてもよい。
3.延べ面積3,000m2、地上3階建てのマーケットについては、スプリンクラー設備を設置しなくてもよい。
4.小売店舗及び飲食店の用途に供する複合用途防火対象物の地階(床面積の合計500m2については、ガス漏れ火災警報設備を設置しなくてもよい。
5.住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準においては、就寝の用に供する居室や当該居室がある階(避難階を除く。)から直下階に通ずる屋内階段等に、住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備の感知器を設置することとされている。

解答 3:

1.延べ面積が1,000m2以上の小売店舗の管理について権原を有する者は、防火管理者を定めなければならない(消防法令1条の2、消防法8条1項)。

2.屋内消火栓設備の設置基準は、消防法施行令11条各号に規定されており、共同住宅は消防法別表1(5)ロに該当するので、延べ面積が700m2以上で設置義務が課される(2号)。よって設問の共同住宅に屋内消火栓設備は設けなくても良い(消防法令11条2項)。

3.スプリンクラーを設置する防火対象物又はその部分は、消防法施行令第12条1項各号に規定されている。「マーケット」は、建築基準法別表1(4)に該当し、床面積が3,000m2以上は、原則として、スプリンクラー設備を設置しなければならない。

4.ガス漏れ火災警報設備の設置基準は、消防法施行令10条1項各号に規定されており、小売店舗は消防法別表1(4)、飲食店は別表1(3)ロなので、複合用途防火対象物の別表1(16)イに該当し、地階のうち延べ面積が1,000m2以上でかつそれぞれの用途の床面積が500m2以上のものには設置が必要とされる(5号)。設問は500m2なので、設置は不要である。

5.正しい(消防法9条の2第2項、消防法令5条の7第1号イ・ロ)

〔H20 No.22〕「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないものであり、かつ、当該住宅の建設工事の完了の日から起算して1年を経過していないものをいう。
2.住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約における瑕か疵し担保責任の特例において、「住宅の構造耐力上主要な部分等」には、「雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分」が含まれる。
3.住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕か疵し担保責任の期間は、瑕か疵し担保責任の特例により、引き渡した時から10年間であるが、契約において、引き渡した時から20年以内とすることができる。
4.新築住宅の買主は、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕か疵しについて、瑕か疵し担保責任の特例により、売主又は建設工事の請負人のいずれに対しても、契約の解除、瑕か疵しの修補又は損害賠償の請求をすることができる。
5.国土交通大臣の指定する住宅紛争処理支援センターは、建設住宅性能評価書が交付された住宅以外の住宅についても、建設工事の請負契約又は売買契約に関する相談、助言及び苦情の処理を行う。

解答 4:

1.「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもので、建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものは除く(品確法2条2項)。

2.正しい(品確法令5条2項)

3.住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、請負人が瑕疵について規定する担保の責任を負うべき期間又は売主が瑕疵について規定する担保の責任を負うべき期間は、注文者又は買主に引き渡した時から20年以内とすることができる(品確法97条)。

4.新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、民法第415条、第541条、第542条、第562条及び第563条に規定する担保の責任を負う(品確法95条)。「建設工事の請負人」に対しては請求を行うことはできない。

5.正しい(品確法83条1項7号))

〔H20 No.23〕次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。

1.「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき、耐震関係規定に適合せず、建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けている幼稚園(床面積の合計が500m2、地上2階建てのもの)の所有者は、当該幼稚園について耐震診断を行い、必要に応じ、耐震改修を行うよう努めなければならない。
2.「文化財保護法」に基づき、重要文化的景観に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、原則として、現状を変更し、又は保存に影響を及ぼす行為をしようとする日の30日前までに、文化庁長官にその旨を届け出なければならない。
3.「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に基づき、特定建築物の所有者等で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものは、「建築物環境衛生管理基準」に従って当該特定建築物の維持管理をしなければならない。
4.「建築基準法」において、エレベーターとは、人又は人及び物を運搬する昇降機並びに物を運搬するための昇降機でか・ご・の水平投影面積が1m2を超え、又は天井の高さが1.1mを超えるものをいう。
5.「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」に基づき、特定建設資材を用いた建築物に係る解体工事で当該工事に係る部分の床面積の合計が80m2以上であるものの発注者又は自主施工者は、工事に着手する日の7日前までに、都道府県知事に届け出なければならない。

解答 4:

1.耐震改修促進法施行令6条2項1号により、設問の幼稚園は特定既存耐震不適格建築物に該当し、正しい設問文となる(16条)。

2.重要文化的景観に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、現状を変更し、又は保存に影響を及ぼす行為をしようとする日の30日前までに、文部科学省令で定めるところにより、文化庁長官にその旨を届け出なければならない(文化財保護法139条1項)。

3.正しい(建築物衛生法4条)。

4.建築基準法におけるエレベーターとは、「人又は人及び物を運搬する昇降機(次号に掲げるものを除く。)並びに物を運搬するための昇降機でかごの水平投影面積が1m2を超え、又は天井の高さが1.2mを超えるもの」である。(建築基準法施行令129条の3)

5.対象建設工事の発注者または自主施工者は、原則として、工事に着手する日の7日前までに、都道府県知事に届け出なければならない。その対象建設工事となるのは、建築物の解体工事は床面積が80m2以上の場合、建築物の新築または増築工事は床面積が500m2以上の場合、建築物の新築工事の請負代金の額が1億円以上の場合などである。(建設リサイクル法9条1項、3項、10条1項、同法施行令2条1項各号)。

〔H20 No.24〕次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。

1.「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づき、特定建築物の直接外気に接する屋根、壁又は床について一定規模以上の修繕又は模様替をしようとする者は、原則として、当該修繕又は模様替に係る建築物の設計及び施工に係る事項のうち、当該特定建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止のための措置に関するものを所管行政庁に届け出なければならない。
2.「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づき、特定建築物に係る届出をした者等は、原則として、定期に、その届出に係る事項に関する当該建築物の維持保全の状況について、所管行政庁に報告しなければならない。
3.「景観法」に基づき、景観計画区域内において建築物の建築等をしようとする者は、あらかじめ、その計画について、景観行政団体の長の認定を受けなければならない。
4.「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づき、建築主は、特別特定建築物の一定規模以上の建築をしようとするときは、建築物移動等円滑化基準及び地方公共団体の条例で付加された事項に適合するものであることについて、原則として、建築主事又は指定確認検査機関の確認を受けなければならない。
5.「建設業法」に基づき、建設工事の請負契約の締結に際し、契約の当事者が相互に交付する書面には、「注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期」を記載しなければならない。

解答 3:

1&2.「エネルギーの使用の合理化に関する法律」は平成29年3月31日をもって廃止され、平成29年4月1日からは「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が適用されるようになった。当サイトでは出題文をそのまま掲載している。

3.景観計画区域内において、新築・増築・改築・移転・外観を変更することとなる修繕/模様替/色彩の変更をしようとするものは、あらかじめ、景観行政団体の長に「届出」なければならない(景観法16条1項一号)。また、景観行政団体がその届出を受理した日から30日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない(景観法18条1項)。

4.特別特定建築物で2,000m2以上の新築、増築、改築の場合、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならず(バリ法14条1項、令9条)、この規定は「建築基準法関係規定」とみなされるため(バリ法14条4項)、建築基準法6条1項に基づいて建築主事または指定確認検査機関の確認を必要とする。

5.正しい(建設業法19条)。

〔H20 No.25〕民法に規定する不法行為に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例(平成19年7月6日判決)において示された判断に照らして、最も不適当なものはどれか。

1.建築物は、そこに居住する者だけでなく、建築物の利用者や隣人、通行人等の生命、身体又は財産を危険にさらすことがないような安全性を備えていなければならない。
2.建築物の設計者、施工者及び工事監理者は、建築物の建築に当たり、契約関係にない建築物の利用者や隣人、通行人等に対しても、建築物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負う。
3.建築物の設計者、施工者及び工事監理者は、注意義務を怠ったことにより、建築物としての基本的な安全性を損なう瑕か疵しがある場合には、特段の事情がない限り、これによって生じた損害について不法行為による賠償責任を負う。
4.建築物の設計者、施工者及び工事監理者がその業務に関し、不法行為による賠償責任を負うのは、居住者等の生命又は身体を危険にさらすような建築物の基礎や構造躯く体に瑕か疵しがある場合に限られる。
5.不法行為責任が認められる以上、直接の建築請負契約を締結していない当該建築物の譲渡を受けた者であっても、設計者、施工者及び工事監理者に対して損害賠償請求ができる。

解答 4:マンションの瑕疵をめぐる裁判の、最高裁判所の判決の要旨をよるものである。
1.平成23年7月21日判決
2.平成23年7月21日判決
3.平成19年7月6日判決
4.平成19年7月6日判決:建築物の設計者、施工者及び工事監理者がその業務に関し、不法行為による賠償責任を負うのは、建築物の基礎や構造躯体に瑕か疵しがある場合に限らず、バルコニーの手すり等の瑕か疵しも対象となる。
5.平成19年7月6日判決

投稿日:2019年8月1日 更新日:

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