二級構造(地盤・基礎構造)

建築士過去問解説

二級建築士試験分野別まとめ
構造
地盤・基礎構造

二級建築士学科試験
2023年7月02日(日)

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二級建築士試験の過去問13年分を
分野別にまとめました

(平成20年度から令和02年度まで)

二級建築士
構造
地盤・基礎構造

〔R02 No.9〕地盤及び基礎構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.一般の地盤において、地盤の長期許容応力度の大小関係は、岩盤>粘土質地盤>密実な砂質地盤である。
2.直接基礎の鉛直支持力は、原地盤から推定した地盤定数による支持力式を用いる方法又は平板載荷試験による方法のいずれかによって算定する。
3.不同沈下が生じないようにするため、原則として、直接基礎と杭基礎との混用は避ける。
4.基礎に直接作用する固定荷重は、一般に、基礎構造各部の自重のほか、基礎スラブ上部の土被りの重量を考慮する。
5.直接基礎の底盤の位置は、原則として、支持地盤以下とし、かつ、表土層以下で土の含水変化や凍結のの少ない深さとする。

解答 1:一般の地盤において、地盤の長期許容応力度の大小関係は、岩盤>密実な砂質地盤>粘土質地盤である。

〔R01 No.9〕地盤及び基礎構造に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

1.負の摩擦力————–軟弱地盤等において、周囲の地盤が沈下することによって、杭の周面に下向きに作用する摩擦力
2.ヒービング————–砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象
3.圧密   ————–透水性の低い粘性土が、荷重の作用によって、長い時間をかけて排水しながら体積を減少させる現象
4.液状化  ————–水で飽和した砂質土等が、振動・衝撃等による間隙水圧の上昇によって、せん断抵抗を失う現象
5.直接基礎 ————–基礎スラブからの荷重を直接地盤に伝える形式の基礎

解答 2:設問の記述は「ボイリング」である。「ヒービング」は、軟弱な粘土質地盤を掘削する場合に、根切り底面に周囲の地盤が回り込み、ふくれ上がる現象である。

〔H30 No.9〕地盤及び基礎構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.セメント系固化材を用いて地盤改良を行った場合、原則として、改良後の地盤から採取したコア供試体に対する一軸圧縮試験により、改良後の地盤の設計基準強度を確認する必要がある。
2.地下外壁に作用する土圧を静止土圧として算定する場合の静止土圧係数は、一般に、砂質土、粘性土のいずれの場合であっても、0.5 程度である。
3.建築基準法に基づいて地盤の許容応力度を定める方法には、「支持力係数による算定式」、「平板載荷試験による算定式」及び「スウェーデン式サウンディング試験による算定式」を用いるものがある。
4.土の粒径の大小関係は、砂 > 粘土 > シルトである。
5.布基礎は、地盤の長期許容応力度が70 kN/m2以上であり、かつ、不同沈下等の生ずるのない地盤にあり、基礎に損傷を生ずるのない場合にあっては、無筋コンクリート造とすることができる。

解答 4:土粒子の大きさは以下に示す通りである。
 れき  :2mm以上
 砂   :2.000〜0.075mm
 シルト :0.075〜0.005mm
 粘土  :0.005〜0.001mm
 コロイド:            0.001mm以下
(関連問題:平成30年1級学科4、No.19、平成17年1級学科3、平成30年2級学科3、No.09)

 

 

〔H29 No.9〕地盤及び基礎構造に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

1.ボイリング————–砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象
2.圧密   ————–砂質土が、荷重の作用によって、長い時間をかけて排水しながら体積を減少させる現象
3.液状化  ————–水で飽和した砂質土等が、振動・衝撃等による間隙水圧の上昇によって、せん断抵抗を失う現象
4.負の摩擦力————–軟弱地盤等において、周囲の地盤が沈下することによって、杭の周面に下向きに作用する摩擦力
5.直接基礎 ————–基礎スラブからの荷重を直接地盤に伝える形式の基礎

解答 2:「圧密」とは、土粒子間に含まれる間隙水が、長時間圧力を受けて徐々に排出され、少しずつ体積が減少する現象のこと。この「圧密」現象は、粘土質地盤に起こりやすい。砂質土地盤は透水性が高いので「即時沈下」を起こす。

〔H28 No.9〕基礎構造及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.一般の地盤において、地盤の長期許容応力度の大小関係は、岩盤> 密実な砂質地盤>粘土質地盤である。
2.フーチング基礎は、フーチングによって上部構造からの荷重を支持する基礎であり、独立基礎、複合基礎、連続基礎の3種類がある。
3.直接基礎に土圧等の水平力が作用する場合は、基礎のに対する検討を行う必要がある。
4.地盤の長期許容応力度は、標準貫入試験によるN値が同じであれば、砂質地盤と粘土質地盤とで同一の値となる。
5.直接基礎の鉛直支持力は、支持力式による方法又は平板載荷試験による方法のいずれかによって算定する。

解答 4:長期許容応力度は、N値が同じである場合、一般に、「砂質地盤」<「粘土質地盤」となる。

〔H27 No.9〕基礎構造及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.基礎梁の剛性を大きくすることは、不同沈下の影響を減少させるために有効である。
2.地盤の支持力は、一般に、基礎底面の位置(根入れ深さ)が深いほど小さくなる。
3.沖積層は、一般に、支持地盤として安定している洪積層に比べて、支持力不足や地盤沈下が生じやすい。
4.一般の地盤において、地盤の長期許容応力度の大小関係は、岩盤 > 密実な砂質地盤 > 粘土質地盤である。
5.軟弱地盤等において、杭の周囲の地盤が沈下することにより、杭の周面に下向きに作用する摩擦力を「負の摩擦力」という。

解答 2:基礎の根入深さが深いほど、許容応力度は大きくなるので、支持力も大きくなる。(平成13年度国土交通省告示第1113号第2)

 

 

〔H26 No.9〕木造建築物の地盤及び基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはど れか。

1.基礎は、建築物が水平力を受けた場合に横移動・浮上がりをしない根入れ深さを確 保する。
2.直接基礎の底盤の位置は、原則として、支持地盤以下とし、かつ、表土層以下で土の含水変化・凍結のの少ない深さとする。
3.独立基礎は、布基礎や基礎に比べて、不同沈下の抑制に有利である。
4.鉄筋コンクリート造の基礎に換気孔・点検口・人通口などによる断面欠損がある場合、欠損の度合いに応じて鉄筋による補強等を行う。
5.基礎は、土台又は柱脚と構造耐力上有効に配置されたアンカーボルトなどによって緊結する。

解答 3:独立基礎は、布基礎やべた基礎に比べて不同沈下の抑制に不利である。

〔H25 No.9〕地盤の液状化の判定に関する下記の文中のア〜ウに当てはまる用語の組合せとして、最もものは、次のうちどれか。

液状化の判定を行う必要がある飽和砂質土層は、一般に、地表面から20m程度 [ ア ] の [ イ ] であり、考慮すべき土の種類は、細粒分含有率が35% [   ウ ] の土とする。

解答 1

〔H24 No.9〕地盤及び基礎構造に関する用語とその説明との組み合わせとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

1.液状化  ———水で飽和した砂質土が、振動・衝撃等による間隙水圧の上昇によってせん断抵抗を失う現象
2. 地下外壁 ———片面が直接地盤に接し、その地盤からの土圧、水圧が面外方向に作用する壁体
3. 圧密   ———砂質土が、荷重の作用によって、長い時間をかけて排水しながら体積を減少させる現象
4. ボイリング———砂中を上向きに流れる水流圧力によって、札部がかきまわされ湧き上がる現象
5. 直接基礎 ———基礎スラブからの荷重を直接地盤に伝える形式の基礎

解答 3:「圧密」とは、土粒子間に含まれる間隙水が、長時間圧力を受けて徐々に排出され、少しずつ体積が減少する現象のこと。この「圧密」現象は、粘土質地盤に起こりやすい。砂質土地盤は透水性が高いので「即時沈下」を起こす。

 

 

〔H23 No.10〕基礎構造及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.一般の地盤において、堅い粘土質地盤は、密実な砂質地盤に比べて、許容応力度が大きい。
2.木杭を使用する場合には、腐朽防止のため、常水面以深に確実に配置する。
3.同一の建築物において、直接基礎と杭基礎など異種の基礎を併用することはできるだけ避ける。
4.基礎梁に点検等の目的で人通口を設ける場合、上部構造の大きな開口の下部となる位置はできるだけ避ける。
5.沖積層は、一般に、支持地盤として安定している洪積層に比べて、支持力不足や地盤沈下が生じやすい。

解答 1:地盤の状況が明確な場合、地盤調査をせずに以下の数値を許容地耐力として採用することができる。
・密実な砂質地盤の長期許容応力度:200kN/m2
・堅い粘土質地盤の長期許容応力度:100kN/m2
したがって許容応力度は、密実な砂質地盤の方が堅い粘土質地盤よりも大きい。

〔H22 No.10〕基礎構造及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地盤が凍結する地域における基礎底面の位置(根入れ深さ)は、地盤の凍結する深さよりも深くする。
2.基礎梁の剛性を大きくすることは、不同沈下の影響を減少させるために有効である。
3.杭を複数本設置する場合、杭間隔を密にするほうが有効である。
4.地下水位が高く、かつ、暖くたい 積した砂質地盤は、一般に、地震時に液状化しやすい。
5.地盤の支持力は、一般に、基礎底面の位置(根入れ深さ)が深いほど大きくなる。

解答 3:杭の密によって、単杭と群杭として分けられる。群杭としての設計では単杭よりも大きな沈下が生じ、引き抜き抵抗も小さくなるので、杭が密になると不利になる可能性がある。

〔H21 No.10〕地盤及び基礎構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地下外壁に地下水が接する場合、地下水位が高いほど、地下外壁に作用する圧力は大きくなる。
2.一般に、土の単位体積重量が小さいほど、地下外壁に作用する土圧も小さくなる。
3.標準貫入試験によるN値が同じであっても、一般に、砂質土と粘性土とでは長期許容応力度が異なる。
4.地下水が豊富に存在する場合、粘土主体の地層であっても、砂質土層と同程度に液状化が生じやすい。
5.一般の地盤において、地盤の長期許容応力度の大小関係は、岩盤 > 密実な砂質地盤 > 粘土質地盤である。

解答 4:液状化は、水で飽和した砂質土質に生じやすい。同程度の水量を与えても、砂質地盤よりも粘土質の方が液状化の可能性は低い。

〔H20 No.10〕地盤及び基礎構造に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

1.圧密—————透水性の低い粘性土が、荷重の作用により、長い時間をかけて排水しながら体積を減少させる現象
2.負の摩擦カ——-軟弱地盤等において、周囲の地盤が沈下することにより、杭の周面に下向きに作用する摩擦力
3.ヒービング——–砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象
4.地盤改良———–地盤の「強度の増大」、「沈下の抑制」、「止水」等に必要な土の性質の改善を目的として、土に、締固め、脱水、固結、置換等の処理を施すこと
5.液状化————–砂質土等において、地震動の作用により土中に発生する過剰間げき水圧が初期有効応力と等しくなることによって、せん断抵抗力が失われる現象

解答 3:「ヒービング」とは、軟弱な粘土質地盤において、掘削場内外の地盤の重量差により、地盤に「すべり破壊」が生じ、山留め壁背面地盤が陥没、掘削底面に周囲の地盤が回り込んで盛り上がってくる現象。設問の「砂中を上向きに流れる水流圧力によって、砂粒がかきまわされ湧き上がる現象」はボイリングの説明。

 

 

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投稿日:2020年4月20日 更新日:

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