一級構造(地盤と基礎構造)

一級建築士試験分野別まとめ
構造
地盤と基礎構造

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

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一級建築士試験13年分
分野別まとめ

(平成20年度から令和02年度まで)

一級建築士
構造
地盤と基礎構造

〔R02 No.19〕土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.砂のせん断力に対する抵抗力の大きさは、標準貫入試験で得られるN値と相関関係にある。
2.粘土の変形特性は、一般に、液状化対策としての効果はない。
3.締固め工法による地盤改良は、一般に、液状化対策としての効果はない。
4.地盤の極限鉛直支持力は、一般に、土のせん断破壊が生じることにより決定される。

解答 3:一般に、地表面から20m程度以浅の沖積層(砂質土)で、細粒分含有率が35%以下の飽和土層は、液状化の可能性が高くなり、液状化の検討を行う必要がある。液状化のおそれがある場合、液状化対策としての地盤改良には、締固め工法、深層混合処理工法、ドレーン工法等が有効である。
(関連問題:平成27年1級学科4、No.19、平成07年1級学科3)

〔R02 No.20〕基礎の設計のための地盤調査に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.基礎を支持する砂礫層直下の粘性土層の圧密沈下の特性を把握するために、粘性土の乱さない試料をサンプリングして、一軸圧縮試験を実施した。
2.事前調査の結果、地層の構成が推定できなかったので、予備調査を実施した後に、本調査のボーリングの位置及び数量を決定した。
3.液状化のがある埋立て土層があったので、地下水位調査と粒度試験を実施した。
4.高層建築物の耐震設計上必要となる地盤特性を調査するために、PS検層を実施した。

解答 1:「一軸圧縮試験」は、拘束圧を受けない状態で圧縮強さを測定する簡便な方法で、実用性も高い。粘性土の強度を調べ、粘性土の摩擦力、非排水せん断強さ、変形係数、粘着力等を求める。「三軸圧縮試験」は、拘束圧を作用させた状態で、1種類の土に対して3供試体以上の圧縮強さを測定し、粘着力、内部摩擦角を求める。

三軸圧縮試験機(オガワ精機) 一軸圧縮試験機(オガワ精機)

(関連問題:令和元年1級学科4、No.19平成29年1級学科4、No.19平成25年1級学科4、No.23平成22年1級学科4、No.22平成20年1級学科3、No.07、平成18年1級学科3、平成15年1級学科3、平成14年1級学科3)

 

 

〔R01 No.19〕土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.液状化の判定を行う必要がある土層は、一般に、地表面から20m程度以浅の沖積層の飽和砂質土層である。
2.地下水には自由水、被圧水及び宙水があり、地下工事中に発生することがある根切り底面の盤ぶくれは、被圧水が原因である。
3.一軸圧縮試験は、粘性土の強度や変形係数を調べる簡便な方法で、実用性も高い。
4.砂質土地盤の支持力式に用いる内部摩擦角φは、砂質土が密実になるほど小さくなる。

解答 4:砂質土地盤の支持力式に用いる「内部摩擦角φ」は、土のせん断強さを示す係数である。砂はφが大きいものほど崩れにくく、支持力が大きい。このφは「三軸圧縮試験」によって求められ、N値と比例している。したがって、砂質土が密実になるほどN値は大きくなるので、内部摩擦角φは大きくなり、許容応力度も大きくなる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成30年1級学科4、No.19平成25年1級学科4、No.23平成22年1級学科4、No.22、平成18年1級、平成15年1級)

〔H30 No.19〕土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.粘性土地盤において、土粒子の粒径は、粘土よりシルトのほうが大きい。
2.土の含水比(土粒子の質量に対する土中の水の質量の比)は、一般に、粘性土より砂質土のほうが大きい。
3.標準貫入試験のN値が10程度の地盤の場合、許容応力度は、一般に、砂質土地盤より粘性土地盤のほうが大きい。
4.砂質土地盤の許容応力度の算定に用いる支持力係数は、一般に、内部摩擦角が大きくなるほど大きくなる。

解答 2:土の含水比は、土を構成している3要素の土粒子・水・空気のうち、土粒子の質量に対する水の質量の百分率で表したものである。
 礫質土:5~10%
 砂質土:10~30%
 粘性土:40~70%
したがって、土の含水率は、砂質土よりも粘性土の方が大きい。

〔H29 No.19〕基礎の設計を行うための地盤調査に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地震時の杭の水平抵抗を検討するための孔内水平載荷試験は、杭頭から約5mの深さ又は最大杭径の約5倍の深さまでで実施する。
2.平板載荷試験により「地盤の支持力特性」の調査ができる範囲は、載荷板幅の1.5~2.0倍程度の深さまでである。
3.常時微動測定の結果は、地盤の卓越周期の推定や、建築物の地震力の設定に必要な地盤種別の判定に利用される。
4.粘性土の内部摩擦角は、一軸圧縮試験により求めることができる。

解答 4:「一軸圧縮試験」は、拘束圧を受けない状態で圧縮強さを測定する簡便な方法で、実用性も高い。粘性土の強度を調べ、粘性土の摩擦力、非排水せん断強さ、変形係数、粘着力等を求める。「三軸圧縮試験」は、拘束圧を作用させた状態で、1種類の土に対して3供試体以上の圧縮強さを測定し、粘着力、内部摩擦角を求める。

三軸圧縮試験機(オガワ精機) 一軸圧縮試験機(オガワ精機)

(関連問題:令和元年1級学科4、No.19平成25年1級学科4、No.23平成22年1級学科4、No.22平成20年1級学科3、No.07、平成18年1級学科3、平成15年1級学科3、平成14年1級学科3)

 



 

〔H28 No.21〕土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.標準貫入試験のN値が10程度の粘性土地盤は、地上6階程度の中層建築物の直接基礎の支持地盤として十分な支持力を有していると判断できる。
2.粘性土地盤における圧密沈下は、地中の応力増加により土中の水が絞り出されて間隙が減少するために生じる。
3.砂質地盤における内部摩擦角は、一般に、標準貫入試験の値が大きいほど大きくなる。
4.地盤のせん断剛性は、PS検層により測定されるS波速度が大きいほど小さくなる。

解答 4:地盤のせん断剛性(G0)は、PS検層により測定されるS波速度が大きいほど大きくなる。
(関連問題:令和元年1級学科5、No.05平成26年1級学科4、No.22)

〔H27 No.19〕地震時における地盤の液状化に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.飽和砂質土層であっても、細粒分含有率が小さければ液状化の可能性は低くなる。
2.液状化判定のための粒度試験試料として、標準貫入試験用サンプラーより採取した「乱した試料」を用いることができる。
3.将来的な地震においては、過去の地震で液状化した地盤であっても、液状化する可能性がある。
4.液状化対策としての地盤改良には、締固め工法、深層混合処理工法、ドレーン工法等がある。

解答 1:一般に、地表面から20m程度以浅の沖積層(砂質土)で、細粒分含有率が35%以下の飽和土層は、液状化の可能性が高くなり、液状化の検討を行う必要がある。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:令和元年1級学科4、No.19平成22年1級学科4、No.23平成21年1級学科4、No.22平成20年1級学科3、No.19、平成18年1級学科3、平成16年1級学科3)

〔H26 No.22〕地盤調査に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.超高層建築物の計画において、耐震設計上必要となる地盤の構造と動的特性を把握するために、地盤のP波及びS波の速度分布を調べるためのPS検層を行った。
2.地層構成に大きな変化がないと考えられる敷地の調査において、建築面積が約2,000m2の建築物に対して、ボーリング調査の数を4か所とした。
3.杭基礎が想定される地盤で、支持層が基礎底以深30m付近であったので、地震時の杭の水平抵抗の検討を目的として、支持層付近において孔内水平載荷試験を行った。
4.直接基礎が想定される地盤で、支持層の下部に位置する粘性土層の沈下量や沈下速度等を推定するため、圧密試験を行った。

解答 3:地震時の杭の水平抵抗を検討する場合の「杭内水平載荷試験の深度」は、杭の水平抵抗に支配的な影響を与えるとされる深さまでとする。したがって、杭頭から約5mの深さまたは最大杭径の約5倍の深さまで実施する。(建築基礎構造設計指)
(関連問題:令和元年1級学科4、No.20)

 

 

〔H25 No.22〕地盤の許容応力度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.支持力係数による算定式により、地盤の許容応力度を求める場合、一般に、短期許容応力度は長期許容応力度の2倍にはならない。
2.支持力係数による算定式により、砂質地盤の許容応力度を求める場合、内部摩擦角が小さいほど許容応力度は大きくなる。
3.平板載荷試験により、地盤の許容応力度を求める場合、基礎の根入れ効果は加算しないほうが安全側である。
4.スウェーデン式サウンディング試験による地盤の許容応力度の算定は、比較的小規模な建築物に用いられ、長期許容応力度の上限値が規定されている。

解答 2:砂質土地盤の支持力式に用いる「内部摩擦角φ」は、土のせん断強さを示す係数である。砂はφが大きいものほど崩れにくく、支持力が大きい。このφは「三軸圧縮試験」によって求められ、N値と比例している。したがって、砂質土が密実になるほどN値は大きくなるので、内部摩擦角φは大きくなり、許容応力度も大きくなる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:令和元年1級学科4、No.19平成30年1級学科4、No.19平成22年1級学科4、No.22、平成18年1級、平成15年1級)

〔H25 No.23〕土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.三軸圧縮試験により、土の粘着力及び内部摩擦角を求めることができる。
2.地盤の極限鉛直支持力は、一般に、土のせん断破壊が生じることにより決定される。
3.圧密沈下は、有効応力の増加に伴って、土粒子自体が変形することにより生じる。
4.軟弱な地盤においては、地震動による地盤のせん断ひずみが大きくなるほどせん断剛性は低下する。

解答 3:地盤の沈下は土の圧縮によるもので、土の圧縮による沈下には「即時沈下」と呼ばれる弾性的変形に基づく沈下と、土の間隙部分の体積の縮少に伴う「圧密沈下」がある。「圧密沈下」は水・土粒子自体の変形や圧縮率に関係なく、粘土質地盤が有効応力の増加により、長時間かかって圧縮され、間隙が減少するために生じる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成22年1級学科4、No.22平成21年1級学科4、No.21)

〔H23 No.23〕土質及び地盤調査に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.粘土の土粒子の径は、シルトの土粒子の径に比べて大きい。
2.一般に、砂質土は、標準貫入試験のN値が大きいほど内部摩擦角は大きくなり、粘性土は、N値が大きいほど粘着力は大きくなる。
3.土の液状化判定のための粒度試験試料として、乱した試料を標準貫入試験用サンプラーより採取したものを用いることができる。
4.スウェーデン式サウンディング試験は、原位置における土の硬軟又は締まり具合を判定するための静的貫入抵抗を求めることができる。

解答 1:土粒子の大きさは以下に示す通りである。
 れき  :2mm以上
 砂   :2.000〜0.075mm
 シルト :0.075〜0.005mm
 粘土  :0.005〜0.001mm
 コロイド:            0.001mm以下
(関連問題:平成30年1級学科4、No.19、平成17年1級学科3、平成30年2級学科3、No.09)

 

 

〔H22 No.22〕土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.粘性土の粘着力及び内部摩擦角は、三軸圧縮試験によって求めることができる。
2.一軸圧縮試験及び三軸圧縮試験の上質試験は、ボーリング孔内から採取した試料を物理的・力学的に変化しないように運搬して、室内で試験を行う。
3.液状化の判定を行う必要がある飽和砂質土層において、地表面水平加速度値は、損傷限界検討用として150-200cm/s2終局限界検討用として350cm2程度が推奨されている。
4.地盤の沈下には即時沈下と圧密沈下があり、圧密沈下は、砂質地盤が長時間かかって圧縮され、間げきが減少することにより生じる。

解答 4:地盤の沈下は土の圧縮によるもので、土の圧縮による沈下には「即時沈下」と呼ばれる弾性的変形に基づく沈下と、土の間隙部分の体積の縮少に伴う「圧密沈下」がある。「圧密沈下」は水・土粒子自体の変形や圧縮率に関係なく、粘土質地盤が有効応力の増加により、長時間かかって圧縮され、間隙が減少するために生じる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成25年1級学科4、No.23平成21年1級学科4、No.21)

〔H21 No.21〕地盤及び基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地下外壁に作用する土圧は、地表面に等分布荷重が作用する場合、一般に、「地表面荷重がない場合の土圧」に「地表面の等分布荷重に静止土圧係数を乗じた値」を加えたものとする。
2.地盤の許容支持力度は、標準貫入試験のN値が同じ場合、一般に、砂質地盤より粘土質地盤のほうが大きい。
3.軟弱地盤の下部に良質な支持層のある敷地において、支持層に達する支持杭を採用する場合には負の摩擦力を考慮し、軟弱地盤中の摩擦杭を採用する場合には負の摩擦力を考慮しなくてもよい。
4.基礎の極限鉛直支持力は、傾斜地盤上部の近傍の水平地盤に基礎がある場合、斜面の角度、斜面の高さ、法肩からの距離に影響を受けるので、一般の水平地盤に基礎がある場合に比べて大きくなる。

解答 4:「極限鉛直支持力」とは、極めて稀に発生する地震(数百年に1度の頻度)における杭の鉛直方向の最大支持力のことである。傾斜地盤上部の近くに基礎がある場合は、滑りや様々な要因により、一般に極限鉛直支持力は低下する。
(関連問題:平成25年1級学科1、No.23平成22年1級学科4、No.21平成20年1級学科3、No.07)

〔H20 No.7〕土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地盤の極限鉛直支持力は、一般に、土のせん断破壊が生じることにより決定される。
2.粘土質地盤の粘着力は、一軸圧縮強度により求めることができる。
3.砂質地盤の許容応力度の算定において、支持力係数は、内部摩擦角が小さくなるほど大きくなる。
4.ボーリング孔内水平載荷試験により、水平地盤反力係数を求めることができる。
5.スウェーデン式サウンディング試験により、原位置における土の硬軟、締まり具合又は土層の構成を判定するための静的貫入抵抗を求めることができる。

解答 3:砂質土地盤の許容応力度の算定に用いる「支持力係数」は、一般に、内部摩擦角が大きくなるほど大きくなる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成30年1級学科4、No.19)

 



 

〔R01 No.20〕図のような杭基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.上部地盤が砂質土で地震時に液状化するがある場合、各杭の水平抵抗力が低下しないよう地盤改良等の対策を行う。
2.上部地盤が粘性土で将来にわたって地盤沈下するがある場合、各杭が地盤から突出する影響を考慮して杭の水平抵抗の検討を行う。
3.各杭の径が同じ場合、地震時に各杭が負担する水平力は杭長に応じて異なるものとして、杭の設計を行う。
4.各杭の長さが異なるので、地震時の杭の水平抵抗の検討のために、支持層の近傍で孔内水平載荷試験を行う。

解答 4:地震時の杭の水平抵抗を検討する場合の「杭内水平載荷試験の深度」は、杭の水平抵抗に支配的な影響を与えるとされる深さまでとする。したがって、杭頭から約5mの深さまたは最大杭径の約5倍の深さまで実施する。(建築基礎構造設計指)
(関連問題:平成26年1級学科4、No.22)

〔R01 No.21〕直接基礎及び杭基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎の即時沈下の計算において、粘性土地盤及び砂質土地盤ともにヤング率及びポアソン比を適切に設定した弾性体と仮定してもよい。
2.杭の引抜き抵抗力の計算において、長期及び短期ともに杭の有効自重(自重から浮力を減じた値)を引抜き抵抗力として考慮することができる。
3.杭基礎を有する建築物において、杭に作用する水平力は、建築物の地上部分の高さ及び基礎スラブの根入れ深さに応じて、一定の範囲で低減することができる。
4.杭の水平抵抗の検討に用いる水平方向地盤反力係数Kh(kN/m3)は、一様な地盤においては杭径が大きくなるほど大きくなる。

解答 4:水平方向地盤反力係数の元となる「基準水平地盤反力係数k」は次式で求めることが出来る。
k = 定数 × 群杭係数 × 変形係数 × 無次元化杭径-3/4
この式の無次元化杭径とは、杭径をcmで表した数値であり、そのため杭径が大きくなるほど水平地盤反力係数kの値は小さくなる。(建築基礎構造設計指針)

〔H29 No.20〕杭基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鉛直荷重が作用する杭の抵抗要素には、先端抵抗と周面摩擦抵抗があり、杭頭に作用する上部構造物の荷重による杭の沈下の発生とともに先端抵抗が先行して発揮され、杭の沈下が増加すると周面摩擦抵抗が発揮される。
2.地震時に液状化ののある地盤において、杭の水平抵抗を検討する場合には、水平地盤反力係数(単位kN/m2)の値を低減しなければならない。
3.地下水位の高い敷地に計画する低層建築物に地下室を設ける場合には、浮力が作用するので、杭の引抜き抵抗力の検討が必要となる。
4.杭先端の地盤の許容応力度を計算で求める場合に用いるN値は、杭先端付近のN値の平均値とし、その値が60を超えるときは60とする。

解答 1:設問の通り、杭の抵抗要素は2つ、「先端抵抗」と「周面摩擦抵抗」ある。「周面摩擦抵抗」は小さい沈下で発揮されるが、「先端抵抗」は相当な沈下量を示さないと発揮しない。なので上部構造物の荷重による沈下が発生した場合、まず周面摩擦抵抗が先行し、沈下量が増加すると先端抵抗が発揮される
(関連問題:平成10年1級学科3)

 

 

〔H28 No.19〕杭の支持力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地震時に液状化ののない地盤において、杭の極限支持力は、杭の種類や施工法に応じた極限先端支持力と極限周面摩擦力との和として算定できる。
2.地震時に液状化ののある地盤においても、杭の許容支持力は、載荷試験による極限支持力から求めることができる。
3.砂質地盤における杭の極限周面摩擦力度は、杭周固定液を使用した埋込み杭より場所打ちコンクリート杭のほうが大きく評価できる。
4.摩擦杭において杭間隔が十分に確保できない場合は、群杭効果を考慮して支持力を算定する。

解答 2:「支持ぐいの許容支持力」は、打込みぐい、セメントミルク工法による埋込みぐい又はアースドリル工法、リバースサーキュレーション工法若しくはオールケーシング工法による場所打ちコンクリートぐいの場合、載荷試験による極限支持力から求められる。ただし、基礎ぐいの周囲の地盤に軟弱な粘性土地盤、 軟弱な粘性土地盤の上部にある砂質土地盤又は地震時に液状化するおそれのある地盤が含まれる場合は除かれる。ちなみに、地震時に液状化ののある地盤の許容支持力は、以下の式で求められる。

短期:Ra = qp・ Ap + 1/3・RF
長期:Ra = 2・qp・ Ap + 2/3・RF


qp:基礎ぐいの先端の地盤の許容応力度
Ap:基礎ぐいの先端の有効断面積(単位 m2)
RF:同告示の式により計算した基礎ぐいとその周囲の地盤との摩擦力(単位 kN)

(関連問題:平成21年1級学科4、No.23)

〔H26 No.23〕杭基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎と杭基礎を併用した基礎形式であるパイルド・ラフト基礎は、直接基礎として十分な支持力はあるが沈下が過大となる場合等に採用されることがある。
2.支持層が傾斜した地盤においては、杭径が同じであっても、各杭が負担する水平力は杭長に応じて異なる値として設計する。
3.砂質地盤における杭の極限周面摩擦力度は、打込み杭より場所打ちコンクリート杭のほうが小さい。
4.応答変位法は、地震時の杭頭慣性力と地盤変位による応力を用いて計算する方法であり、地震時に液状化しやすい軟弱地盤における杭の検討に適している。

解答 3:砂質地盤の極限周面摩擦力度τSは、杭の表面粗さが摩擦抵抗に大きく影響する。
・打込み杭:τ= 2.0 N (kN/m2)
・埋込み杭:τ= 2.5 N (kN/m2)
・場所打ちコンクリート杭:τ= 3.3 N (kN/m2)
したがって、砂質地盤における杭の極限周面摩擦力度の大小関係は、打込み杭 < 埋込み杭(杭周固定液を使用) < 場所打ちコンクリート杭 となる。
(関連問題:平成28年1級学科4、No.19平成22年1級学科4、No.23、平成19年1級学科3)

〔H25 No.24〕水平力が作用する杭基礎の設計において、地盤の単位面積当たりのばね定数を表す水平地盤反力係数(単位 kN/m3) に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.一様な地盤における水平地盤反力係数は、一般に、杭径が大きくなるほど小さな値となる。
2.長い杭において、杭の曲げ剛性、杭径及び作用する水平力が同じであれば、杭頭の水平変位は、水平地盤反力係数が大きいほど大きくなる。
3.地震時に液状化する可能性のある地盤においては、液状化の程度に応じて水平地盤反力係数を低減させる必要がある。
4.群杭基礎の水平地盤反力係数は、一般に、各杭を単杭とみなしたときの水平地盤反力係数の総和よりも小さな値となる。

解答 2:「水平地盤反力係数」は、地震時水平方向の地盤の堅さ(地盤のバネ)を示している。水平地盤反力係数が大きいほど、地盤の反力が大きくなるので杭頭変位は小さく、また、杭頭の曲げモーメントは小さくなる。
(関連問題:令和元年1級学科4、No.21)

 

 

〔H24 No.22〕杭基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.液状化ののない層に設置する杭の極限鉛直支持力は、杭の種類や施工法に応じた極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表すことができる。
2.杭の引抜き抵抗力の計算においては、杭の自重を考慮することができるが、地下水位以下の部分については、浮力による低減を考慮する。
3.同じ地盤に埋設される長い杭において、杭に作用する水平力、杭の種類及び杭径が同じ場合、杭頭の固定度が高いほど、杭頭の水平変位は大きくなる。
4.地震時において杭に作用する水平力は、建築物の地上部分の高さ及び基礎スラブの根入れの深さに応じて、一定の範囲内で低減することができる。

解答 3:(頻出問題) 杭頭の固定度が大きくなるほど、杭頭の曲げモーメントは大きくなり、また水平変位は小さくなる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成29年1級学科4、No.21平成20年1級学科3、No.20)

〔H21 No.23〕基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎と杭基礎を併用する場合には、それぞれの基礎の鉛直・水平方向の支持特性と変形特性を適切に評価する。
2.水平力が作用する杭基礎において、地震時に液状化する可能性がある地盤では、水平地盤反力係数を低減して、杭の水平力に対する検討を行う。
3.軟弱地盤において良好な支持地盤が深く、支持杭基礎工法によると極端に費用が高くなる場合、地盤改良又は摩擦杭を用いることを検討する。
4.直接基礎及び杭基礎の長期許容支持力Raは、基礎の材料の許容応力度以下の範囲で、地盤の破壊に基づく極限支持力Ruの2/3以下とする。

解答 4:直接基礎及び杭基礎の許容支持力Raは、
長期の場合、Ra ≦ 1/3 Ru
短期の場合、Ra ≦ 2/3 Ru
設問は長期の場合の許容支持力なので、1/3 Ru となる。

〔R02 No.21〕基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎として支持力はあるが、基礎の沈下が過大となるがある地盤に建つ建築物において、基礎の平均沈下量及び不同沈下量を低減するために、パイルド・ラフト基礎を採用した。
2.地震時に液状化ののある地盤であったので、杭の水平抵抗を検討する際に、水平地盤反力係数(単位kN/m3)の値を低減した。
3.一つの建築物において、高層部には杭基礎、低層部には直接基礎を採用したので、鉛直荷重時の不同沈下の検討のみを行い、基礎及び上部構造に障害が生じないことを確認した。
4.地盤沈下が生じている埋立て地盤において、杭に負の摩擦力が生じるがあったので、杭の表面に潤滑材を塗布することで対応した。

解答 3:異種杭の併用は原則として避ける方が望ましい。止むを得ずこれを採用する場合には、鉛直荷重や水平荷重時の詳細な検討を慎重に行い、基礎および上部構造に障害が生じないか確認する必要がある。
(関連問題:平成27年1級学科4、No.20平成21年1級学科4、No.23)

 



 

〔R01 No.20〕図のような杭基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.上部地盤が砂質土で地震時に液状化するがある場合、各杭の水平抵抗力が低下しないよう地盤改良等の対策を行う。
2.上部地盤が粘性土で将来にわたって地盤沈下するがある場合、各杭が地盤から突出する影響を考慮して杭の水平抵抗の検討を行う。
3.各杭の径が同じ場合、地震時に各杭が負担する水平力は杭長に応じて異なるものとして、杭の設計を行う。
4.各杭の長さが異なるので、地震時の杭の水平抵抗の検討のために、支持層の近傍で孔内水平載荷試験を行う。

解答 4:地震時の杭の水平抵抗を検討する場合の「杭内水平載荷試験の深度」は、杭の水平抵抗に支配的な影響を与えるとされる深さまでとする。したがって、杭頭から約5mの深さまたは最大杭径の約5倍の深さまで実施する。(建築基礎構造設計指)
(関連問題:平成26年1級学科4、No.22)

〔H30 No.20〕図に示す土質柱状図の地盤において、地階を有しない地上3階建ての鉄骨造の事務所を計画する場合、基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.表土下部の細砂層を支持地盤とした直接基礎(べた基礎)とする場合は、細砂層の許容応力度及び即時沈下量の検討に加えて、粘性土層の許容応力度及び圧密沈下量の検討も行う。
2.粘性土層まで貫入させた摩擦杭と、直接基礎(べた基礎)からなるパイルド・ラフト基礎とする場合は、摩擦杭の効果により基礎の沈下を抑えられることから、沈下量の検討を省略できる。
3.砂れき層を支持地盤とした杭基礎とする場合は、粘性土層における負の摩擦力の検討を行う。
4.砂れき層を支持地盤とした杭基礎とする場合、細砂層が地震時に液状化するがあると判定されたときは、液状化層の水平地盤反力係数を低減して杭の設計を行う。

解答 2:「パイルド・ラフト基礎」とは、布基礎やべた基礎などの直接基礎と杭基礎を併用した基礎形式のこと。荷重に対して直接基礎と杭基礎とが複合して抵抗する。設問にあるように「摩擦杭の効果により基礎の沈下を抑えられる」までは至らず、低減する程度である。その為、沈下量の検討は省略することはできない。
(関連問題:平成27年1級学科4、No.20平成26年1級学科4、No.23)

〔H30 No.21〕図に示す鉄筋コンクリート造の擁壁の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地表面に作用する上載荷重は、擁壁背面側に作用する土圧として考慮しない。
2.擁壁底版の直上の土の重量は、擁壁の転倒に対する抵抗要素として考慮する。
3.擁壁底版とその直下の地盤との間に生じる滑動抵抗力を、擁壁背面側に作用する土圧等の水平成分の1.5倍以上となるように設計すれば、使用限界状態での擁壁の変形等の検討は省略できる。
4.擁壁の滑動抵抗を大きくするために、擁壁底版の底面に突起を設けることもある。

解答 1:擁壁に作用する土圧は、主に擁壁壁面に作用する土圧であるが、それ以外にも、地表面に上載するものの荷重、地震動によって著しく土圧が増大する恐れがある場合に、これらを考慮する必要がある。

 

 

〔H29 No.21〕地盤及び基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎の地盤の許容応力度の算定において、根入れ深さDfを評価する場合、隣接する建築物の影響を考慮する必要がある。
2.杭の長さが長い場合、杭頭の固定度が大きくなるほど、杭頭の曲げモーメントは小さくなる。
3.支持層が傾斜している地盤に杭基礎を採用する場合、長い杭と短い杭を混用すると、各杭の負担水平荷重の差異やが生じやすい。
4.地盤沈下ののある敷地において、支持杭を採用する場合には、負の摩擦力による杭の支持力、杭の沈下量等を検討しなければならない。

解答 2:(頻出問題) 杭頭の固定度が大きくなるほど、杭頭の曲げモーメントは大きくなり、また水平変位は小さくなる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成24年1級学科4、No.22平成20年1級学科3、No.20)

〔H28 No.20〕基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.支持層が同一の杭において、施工方法の異なる杭を用いることは異種基礎の併用となるので、避けることが望ましい。
2.同一の砂質地盤を支持層とする直接基礎において、基礎底面に作用する単位面積当たりの荷重が同じ場合、基礎底面の大きさに関係なく即時沈下量は同じになる。
3.地下階を有する建築物の杭の耐震設計において、一般に、杭に作用する水平力は、地下外壁等が負担する水平力に応じて、一定の範囲内で低減することができる。
4.直接基礎の場合、基礎の沈下は、上部構造に障害が発生するがない範囲で許容される。

解答 2:単位面積当たり同じ荷重(荷重度)が作用する場合は、一般に、基礎底面が大きいほど、即時沈下量は大きくなる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成24年1級学科4、No.21、平成14年1級学科3)

〔H27 No.20〕基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.一つの建築物にやむを得ず直接基礎と杭基礎とを併用する場合、それぞれの基礎の鉛直荷重時及び水平荷重時の詳細な検討を行い、基礎及び上部構造に障害が生じないことを確認しなければならない。
2.地盤の変形特性は非線形性状を示すが、通常の設計においては、地盤を等価な弾性体とみなし、即時沈下の計算を行ってもよい。
3.直接基礎と杭基礎が複合して上部構造を支えるパイルド・ラフト基礎は、基礎の平均沈下量及び不同沈下量の低減に効果がある。
4.杭基礎の先端の地盤の許容応力度は、支持地盤が砂質土の場合、一般に、セメントミルク工法による埋込み杭より、アースドリル工法等の場所打ちコンクリート杭のほうが大きい値を採用することができる。

解答 4:埋込み杭や打込み杭は、施工によって杭先端が固められ、特に打込み杭は、打撃により締め固められる。したがって、基礎杭の先端の地盤の許容応力度の大小関係は、杭の先端地盤が同一の場合、以下の順になる。
打込み杭>セメントミルク工法(埋込み杭)>アースドリル工法等(場所打ちコンクリート杭)
 (関連問題:平成18年1級学科3)

 

 

〔H27 No.21〕擁壁及び地下外壁の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.擁壁の転倒に対する検討においては、安定モーメントが常時作用する土圧による転倒モーメントに1.5を乗じた値を上回ることを確認する必要がある。
2.常時作用する土圧は、構造体と土の状態が同じ条件の場合、受働土圧より主働土圧のほうが大きい。
3.隣地境界線に建設される擁壁は、原則として、終局限界状態においても滑動は許容されない。
4.地下外壁の設計においては、地下水位以深の部分は、土圧だけでなく水圧も考慮する。

解答 2:常時作用する土圧は主働土圧、受働土圧、静止土圧の3つに大別され、構造体と土の状態が同じ条件の場合、土圧の大小関係は、一般に、受働土圧>静止土圧>主働土圧となる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成26年1級学科4、No.21平成22年1級学科4、No.23平成20年1級学科3、No.19、平成17年1級学科3、平成14年1級学科3)

〔H26 No.21〕基礎及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.擁壁のフーチング底面の滑動に対する抵抗力は、粘土質地盤より砂質地盤のほうが大きい。
2.受働土圧は、擁壁等の構造体が土から離れる側に移動した場合の圧力である。
3.地盤の許容支持力度は、標準貫入試験の値が同じ場合、一般に、砂質地盤より粘土質地盤のほうが大きい。
4.直接基礎の基礎スラブの部材応力算定用の接地圧については、一般に、基礎スラブの自重は考慮しなくてよい。

解答 2:常時作用する土圧は主働土圧、受働土圧、静止土圧の3つに大別される。受動土圧は、構造体が土に向かって移動した場合の圧力のこと。また、構造体と土の状態が同じ条件の場合、土圧の大小関係は、一般に、受働土圧>静止土圧>主働土圧となる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成27年1級学科4、No.21平成22年1級学科4、No.23平成20年1級学科3、No.19、平成17年1級学科3、平成14年1級学科3)

〔H24 No.21〕基礎及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.同一砂質地盤において、直接基礎の底面に単位面積当たり同じ荷重が作用する場合、一般に、基礎底面が大きいほど、即時沈下量は小さくなる。
2.直接基礎における地盤の許容支持力は、一般に、基礎の根入れ深さが深いほど大きくなる。
3.沖積層は、最後の氷河期から現在までに堆積した地盤であり、一般に、洪積層と比べて軟弱な地盤が多い。
4.地盤改良の目的は、液状化の防止、支持地盤の造成、圧密沈下の促進、地盤掘削時の安全性の確保等である。

解答 1:単位面積当たり同じ荷重(荷重度)が作用する場合は、一般に、基礎底面が大きいほど、即時沈下量は大きくなる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成28年1級学科4、No.20、平成14年1級学科3)

 



 

〔H24 No.23〕擁壁の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.擁壁の転倒に対する検討においては、安定モーメントが常時の土圧等による転倒モーメントの1.5倍を上回ることを確認する。
2.擁壁に作用する土圧は、一般に、背面土の内部摩擦角が大きくなるほど小さくなる。
3.擁壁の滑動に対する検討においては、大地震が作用しても滑動が生じないことを確認する。
4.擁壁の設計に用いる土圧は、一般に、静止土圧とし、必要に応じて地震動を考慮した土圧についても検討する。

解答 4:構造体と土が同じ条件であれば、土圧の大小関係は、一般に、受働土圧>静止土圧>主働土圧である。 「擁壁の設計に用いる土圧」は、一般に、主働土圧としても良い。しかし必要に応じて地震動を考慮した土圧についても検討する。(建築基礎構造設計指針)

〔H23 No.21〕地盤及び基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎の基礎スラブの構造強度を検討するときには、一般に、基礎スラブの自重及びその上部の埋戻し土の重量は含めない。
2.圧密沈下ののある軟弱地盤において、軟弱地盤中の摩擦杭に杭と地盤の相対変位が生じない場合には、負の摩擦力を考慮しなくてもよい。
3.圧密沈下によって生じる杭の負の摩擦力による杭先端の地盤支持力及び杭先端の材料強度を検討するとき、地震時等の短期的な鉛直荷重については考慮しなくてもよい。
4.直接基礎の擁壁において、土圧や水圧等の水平力に対する抵抗力は、一般に、「基礎底面の摩擦力又は粘着力」と「基礎根入れ部分の受働土圧」との合計とする。

解答 4:設問文「土圧や水圧等の水平力による滑動」が発生するのは、相当な変形が起きた時である。滑動に対する抵抗力は、一般に「基礎底面の摩擦力又は粘着力」のみを考慮すれば良く、擁壁前面の「受動土圧」は基礎の根入れが特に深いなどの特別の場合以外は考慮しない
(関連問題:平成21年1級学科4、No.22)

〔H23 No.22〕地盤及び基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地盤の液状化がなく、偏土圧等の水平力が作用していない建築物の直接基礎は、地震による水平力に対し、基礎底面と地盤との摩擦により抵抗できると考えられている。
2.地下室を有する建築物の杭基礎において、建築物と地盤を一体とした解析等で検討した場合を除き、基礎スラブ底面における地盤の鉛直支持力と杭の鉛直支持力は加算しない。
3.地下室を有する建築物の杭基礎において、地震による水平力は、地下外壁を介して地中に伝達される水平力と杭が負担する水平力とに分けることができる。
4.一様地盤中にある杭及び地盤を弾性と仮定した杭頭固定の杭において、地盤、杭工法及び杭頭に作用する水平力が同じ場合、杭径が小さいほど、杭に発生する曲げモーメントは大きくなる。

解答 4:杭頭曲げモーメントのポイントは以下の3つ。
1.水平地盤反力係数が大きいほど、小さくなる。
2.杭頭の固定度が大きくなるほど、大きくなる。
3.杭径が小さいほど、小さくなる。
(関連問題:平成21年1級学科4、No.22)

 

 

〔H22 No.21〕直接基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎の鉛直支持力を平板載荷試験により算定すると、試験結果は載荷面付近の地盤特性が反映されたものとなり、実際の建築物においては平板載荷試験より深い地盤の影響を受けるので、試験結果の解釈には注意が必要である。
2.極限鉛直支持力は、「地盤の粘着力に起因する支持力」、「地盤の自重に起因する支持力」及び「根入れによる押さえ効果に起因する支持力」のうちの最大値とする。
3.支持地盤としている砂質地盤の下部に粘土層があり、その粘土層までの深さが基礎底面から概ね基礎幅の2倍以下の場合は、その粘上層の支持力に対する安全性を確認する。
4.傾斜地盤上部の近傍の水平地盤に直接基礎がある場合は、一般の水平地盤上にある場合に比べて支持力が低下し、その傾斜地盤による支持力低下率は、斜面の角度、斜面の高さ及び法肩からの距離に影響される。

解答 2:極限鉛直支持力は、基礎の底面積と極限鉛直支持力度の積で求められ、極限鉛直支持力は「地盤の粘着力に起因する支持力」、「地盤の自重に起因する支持力」及び「根入れによる押さえ効果に起因する支持力」の総和である。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成18年1級学科3)

〔H22 No.23〕地盤及び基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.砂質土における杭の極限周面摩擦力度の大小関係は、打込み杭>埋込み杭(杭周固定液を使用)>場所打ちコンクリート杭である。
2.砂質土における杭の極限先端支持力度の大小関係は、打込み杭>埋込み杭>場所打ちコンクリート杭である。
3.構造体と土が同じ条件であれば、地下構造物に常時作用する土圧の大小関係は、一般に、受働土圧>静止土圧>主働土圧である。
4.液状化の判定を行う必要がある飽和砂質士層は、一般に、地表面から約20m以内の深さの細粒分含有率が35%以下の緩い沖積層である。

解答 1:砂質地盤の極限周面摩擦力度τSは、杭の表面粗さが摩擦抵抗に大きく影響する。
・打込み杭:τ= 2.0 N (kN/m2)
・埋込み杭:τ= 2.5 N (kN/m2)
・場所打ちコンクリート杭:τ= 3.3 N (kN/m2)
したがって、砂質地盤における杭の極限周面摩擦力度の大小関係は、打込み杭 < 埋込み杭(杭周固定液を使用) < 場所打ちコンクリート杭 となる。
(関連問題:平成28年1級学科4、No.19平成26年1級学科4、No.23、平成19年1級学科3)

〔H21 No.21〕地盤及び基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地下外壁に作用する土圧は、地表面に等分布荷重が作用する場合、一般に、「地表面荷重がない場合の土圧」に「地表面の等分布荷重に静止土圧係数を乗じた値」を加えたものとする。
2.地盤の許容支持力度は、標準貫入試験のN値が同じ場合、一般に、砂質地盤より粘土質地盤のほうが大きい。
3.軟弱地盤の下部に良質な支持層のある敷地において、支持層に達する支持杭を採用ずる場合には負の摩擦力を考慮し、軟弱地盤中の摩擦杭を採用する場合には負の摩擦力を考慮しなくてもよい。
4.基礎の極限鉛直支持力は、傾斜地盤上部の近傍の水平地盤に基礎がある場合、斜面の角度、斜面の高さ、法肩からの距離に影響を受けるので、一般の水平地盤に基礎がある場合に比べて大きくなる。

解答 4:「極限鉛直支持力」とは、極めて稀に発生する地震(数百年に1度の頻度)における杭の鉛直方向の最大支持力のことである。傾斜地盤上部の近くに基礎がある場合は、滑りや様々な要因により、一般に極限鉛直支持力は低下する。
(関連問題:平成25年1級学科1、No.23平成22年1級学科4、No.21平成20年1級学科3、No.07)

 

 

〔H21 No.22〕地盤及び基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地盤の液状化は、地表面から約20m以内の深さの沖積層で地下水位以下の緩い細砂層に生じやすい。
2.地盤沈下の生じる原因としては、地下水の過剰な揚水や埋立てによる下部地盤の圧縮等がある。
3.直接基礎は、地震時の上部構造からの水平力に対し、液状化などの地盤破壊がなく、かつ、偏土圧等の水平力が作用していなければ、基礎底面と地盤との摩擦により抵抗できると考えられる。
4.同一工法の杭基礎を用いる建築物において、杭の径のみが異なる場合、地震時の水平力に対し、杭頭固定曲げモーメントは、径が小さい杭ほど大きくなる。

解答 4:杭頭固定曲げモーメントは、負担する水平力と比例する。また、杭径が大きいほど、曲げ剛性が大きくなり、負担する水平力は大きくなる。これより、杭頭固定曲げモーメントは、径が小さい杭ほど小さくなる。
(関連問題:平成23年1級学科4、No.22)

〔H21 No.23〕基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎と杭基礎を併用する場合には、それぞれの基礎の鉛直・水平方向の支持特性と変形特性を適切に評価する。
2.水平力が作用する杭基礎において、地震時に液状化する可能性がある地盤では、水平地盤反力係数を低減して、杭の水平力に対する検討を行う。
3.軟弱地盤において良好な支持地盤が深く、支持杭基礎工法によると極端に費用が高くなる場合、地盤改良又は摩擦杭を用いることを検討する。
4.直接基礎及び杭基礎の長期許容支持力Raは、基礎の材料の許容応力度以下の範囲で、地盤の破壊に基づく極限支持力Ruの2/3以下とする。

解答 4:直接基礎及び杭基礎の許容支持力Raは、
長期の場合、Ra ≦ 1/3 Ru
短期の場合、Ra ≦ 2/3 Ru
設問は長期の場合の許容支持力なので、1/3 Ru となる。

〔H20 No.19〕基礎及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.同一地盤に設ける直接基礎の単位面積当たりの極限鉛直支持力度は、支持力式により求める場合、一般に、基礎底面の形状によって異なる。
2.構造体と土が同じ条件であれば、土圧の大小関係は、一般に、受働土圧>静止土圧>主働土圧である。
3.地震時に液状化のがある砂質地盤は、一般に、「地表面から20m以内の深さにあること」、「地下水で飽和していること」及び「粒径が均一な中粒砂等でN値が概ね15以下であること」に該当するような地盤である。
4.地盤の許容応力度は、N値が同じ場合、一般に、粘性土より砂質土のほうが大きい。
5.擁壁に作用する水圧は、一般に、擁壁の背面に十分な排水措置を講ずることにより考慮しなくてもよい。

解答 4:地盤の許容応力度は、N値が同じ場合、粘性土より砂質土のほうが小さい。(建築基準法施行令第93条)

〔H20 No.20〕杭基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.長い杭において、杭頭の固定度が大きくなると、杭頭の曲げモーメントは小さくなる。
2.杭に作用する軸方向力は、支持杭に負の摩擦力が作用する場合、一般に、中立点において最大となる。
3.JIS A5525 (鋼管ぐい)に適合する鋼管杭に溶接継手を設ける場合は、継手による杭材の許容応力度の低減を行わなくてもよい。
4.杭を軟弱地盤に計画する場合は、地震時の杭頭慣性力と地盤変位との影響を重ね合わせて設計を行う方法がある。
5.杭先端の地盤の許容応力度を計算で求める場合に用いるN値は、杭先端付近のN値の平均値とし、その値が60を超えるときは60とする。

解答 1:(頻出問題) 杭頭の固定度が大きくなるほど、杭頭の曲げモーメントは大きくなり、また水平変位は小さくなる。(建築基礎構造設計指針)
(関連問題:平成29年1級学科4、No.21平成24年1級学科4、No.22)

 



 

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投稿日:2020年4月20日 更新日:

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