平成21年度1級建築士-学科Ⅱ環境・設備

建築士過去問解説

一級建築士学科試験
2027年7月25日(日)

令和09年度試験日まであと 日!

〔H21 No.01〕建築環境工学に関する用語とその単位との組合せとして、誤っているものは、次のうちどれか。

1.熱伝導率————-W/(m2・K)
2.湿気伝導率———–kg/(m・s・Pa)
3.輝度 —————-cd/m2
4.等価吸音面積(吸音力)–m2

解答 1:「熱伝導率」は物体内部の熱の伝わりやすさの指数である。熱伝導率の値が大きいほど熱を伝えやすい材料であることを示す。その単位は、W/(m・K) である。以下の流れを合わせて覚えておくと確実である。
熱伝導率は、W/(m・K)であり、
その逆数の熱伝導比抵抗は、(m・K) /W、
熱伝導比抵抗に壁厚mを掛けて、熱伝導抵抗(m2・K)/Wが求められる。

2.湿気伝導率は、材料中の湿気の移動量であって、材料厚さ、時間、圧力を単位量として表される。単位は、kg/(m・s・Pa)である。

3.照度が受照面に入射する単位面積(m2)当たりの光束(lm)のことであるのに対し、輝度は単位面積(m2)から発せられる光度(cd:lm/sr)であり、見かけ(見た目)の明るさである。反射面では光を吸収・拡散するので、輝度は反射面の状態や角度の違いを考慮した複雑な式で算出するが、均等拡散面と仮定した面の輝度は、照度と反射率の積に比例する。比視感度を考慮した見かけ(見た目)の明るさであり、光源面だけではなく、反射面及び透過面についても定義できる。

4.吸音率(α)に、壁・天井などの使用材料の面積(s)を掛けたものを「吸音力(または等価吸音面積)」という。

〔H21 No.02〕容積が100m3の室において、室内の水蒸気発生量が0.6kg/h、換気回数が1.0回/hのとき、十分に時間が経過した後の室内空気の重量絶対湿度として、最も適・当・な・ものは、次のうちどれか。ただし、室内の水蒸気は室全体に一様に拡散するものとし、外気の重量絶対湿度を0.010kg/kg(DA)、空気の密度を1.2kg/m3とする。また、乾燥空気1kgを1kg(DA)と表す。

1.0.005 kg/kg(DA)
2.0.010 kg/kg(DA)
3.0.015 kg/kg(DA)
4.0.030 kg/kg(DA)

解答 3:「重量絶対湿度」は、ある空気が含む乾き空気の質量と、水蒸気の質量の比を示したもの。以下の式で求められる。

(P-P0)×Q=K
P:室内の重量絶対湿度 kg/kg(DA)
P0:外気の重量絶対湿度 kg/kg(DA)
Q:換気量 kg/h
K:室内の水蒸気発生量 kg/h

このうちQ(換気量)=体積×空気密度=100×1.2=120 kg/h
となるので、式に当てはめるとP(室内の重量絶対湿度)が求められる。

(P – 0.010) × 120 = 0.6
P=0.6/120 + 0.010
 =0.015 kg/kgDA

〔H21 No.03〕換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.温度差による換気において、外気温度が室内温度よりも高いとき、中性帯よりも上側の開口から外気が侵入する。
2.全般換気は、室全体の空気を入れ替えることにより、室内で発生する汚染質の希釈、拡散、排出を行う換気方式のことである。
3.風圧力によって換気される場合、その換気量は、外部風向と開口条件が一定ならば、外部風速の平方根に比例する。
4.第一種換気方式によって居室ごとに個別に換気を行う場合、居室と廊下等とを隔てる扉には、換気経路の確保を目的としたアンダーカットやが・ら・り・を設けなくてもよい。

解答 3:自然換気量は、
・流量係数、開口部面積、風速に比例し、
・内外部圧力の差、風圧係数の差、開口部の高さの差、内外部の温度の差の平方根に比例する。

1.空気は温度が高いと、密度が小さく、軽くなる。設問の「外気温度が室内温度よりも高い場合」とは、夏期の冷房時と想定できる。夏期の冷房時は室内温度が低く、冷気が下から流出し、温気が上から流出する。逆に、冬期暖房時には室内温度が高く、温気が上から流出、下から冷気が流入する。

2.換気の範囲によって全般換気と局所換気がある。室における全般換気は、一般に、室全体に対して換気を行い、その室における汚染質濃度を薄めることをいう。対して、局所換気・局所排気は、局所的に特に有害ガスや臭気などの汚染空気を外部に放出する。これにはフードやドラフトチャンバーを用いるのが主流である。

4.換気計画の経路上には、室と室の間の壁やドアなどがあり、空気の流れを阻害する。このため、建具にがらりやアンダーカット等を設けて、換気経路を確保する。ただし、アンダーカットなどは、例えば給気→居室→廊下→便所→排気の場合に室間の建具に設けるものであり、居室ごとに換気計画を行う場合はアンダーカットなどは必要としない。

〔H21 No.04〕伝熱・結露に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリート外壁の屋内側において、防湿措置を講じない繊維系断熱材を用いる場合は、断熱及び防湿措置を施さない場合と比べて、コンクリート部分の屋内側表面における冬期の結露を促進するお・そ・れ・がある。
2.日射を受ける外壁面に対する相当外気温度(SAT)は、その面における日射吸収量のほか、風速の影響等を受ける。
3.熱橋部分の室内側表面温度は、一般に、断熱部分の室内側表面温度に比べて、外気温度に近くなる。
4.木造住宅において、屋根を断熱する場合、断熱材の外気側に通気層を設けると結露が促進され、耐久性が低下する。

解答 4:これは通気工法と呼ばれ、断熱材の外気側と外装材・屋根材との間に通気層を設け、壁・屋根の内部にある湿気を外に逃がすことによって、内部結露を防止する。(JASS 24)

1.一般的に、冬期の暖房時の室内側の湿度は高い。この湿気を含む空気が、壁内に入ると、内部結露が生じやすい。従って、断熱材に室内の高湿空気が入り込まないように、室内側に防湿層を設けることが有効である。

2.相当外気温度(SAT)は、外気温度に日射の影響による調整を加えた温度である。外壁などに日射が当たる場合、外気温度は日射の強さに影響されたものと仮定する。外壁表面の熱伝導率が考慮されているため、外部風速の影響を受ける。

3.熱橋(ヒートブリッジ)とは、壁や梁を貫通する金具や鉄骨などによって外気温度が室内側の温度に影響するものである。ヒートブリッジが起こると結露が生じるほか、室内温度に影響を与えることで空調負荷が増える。熱橋部分では室内側表面温度と外気温度に近くなる。

〔H21 No.05〕建築物における防火・防災に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.火災室から廊下や隣室へ流出した煙の水平方向の流動速度は、一般に、0.5〜1.0m/sである。
2.火災時に廊下において形成される上方の煙と下方の比較的清浄な空気とからなる二層流は、煙の温度が低いほど安定する。
3.住宅用防災警報器の感知器を天井面に取り付ける位置は、一般に、天井の中央付近とする。
4.空気中の一酸化炭素濃度が1%を超えると、人は数分間で死に至る。

解答 2:上方の煙と下方の比較的清浄な空気とからなる二層流は、煙の温度が高いほど安定する。これは煙の温度が高いほど、清浄空気層との温度差・密度差が大きくなるために安定する。また流速が小さいほど安定する。

1.火災室から廊下や隣室へ流出した煙の水平方向の流動速度は、一般に、0.5-1.0m/秒である。一方、避難における歩行速度は、一般に0.5-1.3m/秒である。よって、煙が水平方向に広がる早さと、避難における歩行速度はほぼ等しい。また垂直方向の煙の流動速度は最大3-5m/秒程度とされ、一秒間に1層分上昇する。

3.住宅火災による犠牲者を減らすために、消防法で住宅用火災警報器の設置が義務づけらたものである。天井に取り付ける場合は壁や梁から0.6m以上、エアコンなどから1.5m以上離して設置、壁面設置の場合は天井から0.15~0.5m以内に設置する。

4.一酸化炭素(CO)は無色・無臭・有毒な気体である。普段の生活にもわずかながら発生するが、微量である。しかしながら微量であっても一酸化炭素は人体に悪影響を与え、吸いすぎると一酸化炭素中毒を起こす。濃度が1%を超えると、人は数分間で死に至る。

〔H21 No.06〕日照・日射・採光に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.日照時間とは、ある点においてすべての障害物がないものと仮定した場合に、日照を受ける時間である。
2.南向き窓面に水平ルーバーを設けることは、日射・日照調整に有効である。
3.ライトシェルフは、その上面で反射した昼光を室内の奥に導き、室内照度の均斉度を高める。
4.光ダクトは、ダクト内部に反射率の高い素材を用いた導光装置であり、採光部から目的の空間まで自然光を運ぶものである。

解答 1:「日照時間」は、ある地点における、実際に太陽光が当たっている時間のこと。設問は「可照時間」であり、ある地点における、天候や周辺建築物などの影響を無視して、日の出から日没までの日照が当たりうる時間のこと。

2.南面には太陽高度の高い日射が差し込むため、水平ルーバーが有効である。しかし東西面には太陽高度が低い日射が差し込む。そのため水平ルーバーでは日射を遮るには効果が低いため、西面の窓には垂直ルーバーを計画する。

3.ライトシェルフは、窓中段部に設置した庇により、庇下部の窓面からの日射を遮しつつ、庇上部の拡散ガラス等を用いた窓面から室内に自然光を導く手法である。室内照度の均斉度を高めるとともに、直射日光を遮蔽しながら眺望を妨げない窓システムである。



4.光ダクトは、ダクト内部に反射率の高い素材を用いた導光装置であり、採光部から目的の空間まで自然光を運ぶものである。反射率の低下を防ぐために、なるべく短く、曲がりを少なく、断面積を大きくする。

〔H21 No.07〕昼光率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.昼光率は、天空光による照度と直射日光による照度から計算する。
2.昼光率は、窓と受照点の位置関係だけでなく窓外の建築物や樹木等の影響を考慮して計算する。
3.昼光率は、室内表面の反射率を考慮して計算する。
4.学校の普通教室の昼光率は、2%程度あればよい。

解答 1:昼光率は、(受照面照度/全天空照度)×100%で定義される。この全天空照度は、直射日光は含まれない。

2&3.昼光率(%)は室内のある点の水平面照度と屋外の全天空照度の割合を表す。昼光率は、全天空照度が変化しても変化しないが、①窓の面積・形・高さ・素材・数・位置、②屋外の樹木や壁、建物等、③室内の内装(室内仕上げの反射率)、④測定点の位置により変化する。

4.採光設計の際に基準となる「基準昼光率」は以下の表を参考にする。

〔H21 No.08〕室の天井に吸音材料を新たに設置する場合、吸音材料の設置前と比べた設置後の音響変化に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、吸音材料の設置前の室は反射性の面で構成されているものとする。

1.室の残響時間は短くなる。
2.室内で会話をするとき、音声の明瞭度は高くなる。
3.室内で音を放射した場合、室内の平均音圧レベルは小さくなる。
4.壁を隔てた隣室で音を放射した場合、2室の室間音圧レベル差(遮音性能)は変わらない。

解答 4:室内音圧レベル差(ΔL)は、以下の式で求められる。
ΔL = TL + 10log10(A/S)
この時、TLは界壁の音響透過損失(dB)、Aは受音室の吸音力(m2)、Sは界壁の面積(m2)である。
この式から、吸音材料を室の天井に設けた場合、受音室の吸音力(A)が変化するので、室間音圧レベル差も変化する。

1.セービンの式は、残響時間の計算式の中でも吸音力の小さい残響時間の長い室の計算に適した式である。
T = 0.161V / αS
(T:残響時間、V:室容積、α:室内平均吸音率、S:室内総表面積)
上式から、室容積が大きいほど、また室内の室内平均吸音率及び等価吸音面積が小さいほど、残響時間は長くなる。室の天井に吸音材料を新たに設置した場合、等価吸音率が大きくなるので、残響時間は短くなる。

2.一般に、残響時間を短くするためには明瞭度を高めたほうが良い。吸音材料を新たに設置すると残響時間が短くなるので、明瞭度は高くなる。

3.平均音圧レベルは音源パワーレベルと吸音力に影響を受ける。
室内平均音圧(Lp)=Lw-10・log10A+6
Lw:音源の音響パワーレベル、A:室内の吸音力(室内表面積×室内平均吸音率)
たとえば室内の吸音率が2倍になると、2Aとなり、
Lp’=Lw-10log102A+6
=Lw-(10log102+10log10A)+6
log102≒0.301であるから、
Lp’=Lw-10×0.301-10log10A+6
=Lw-10・log10A+3
よって、Lp’=Lp-3 →3dBの減少となる。

〔H21 No.09〕色彩・光色に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.明度は、マンセル表色系ではバリューとして表され、視感反射率に対応する値である。
2.照度と色温度の関係において、一般に、低照度では色温度の低い光が好まれ、高照度では色温度の高い光が好まれる。
3.色票を用いた視感による測色において、測色する部分の面積は、色票の面積と同程度とする。
4.減法混色は、色フィルター等の吸収媒質を重ね合わせることをいい、三原色を重ね合わせると白色になる。

解答 4:混色とは、色を混ぜて別の色を作ることで、加法混色と減法混色とがある。加法混色は光源色でみられ、混色の結果、白に近づく。減法混色は色料や色フィルターなどにみられ、混色の結果、黒に近づく。また、加法混色の三原色は赤・緑・青で、減法混色はシアン・マゼンタ・イエローである。

1.マンセル表色系では、色相(H:ヒュー)、明度(V:バリュー)、彩度(C:クロマ)の3要素で立体的に表している。明度は、色の反射率で色の明るさを示す指標の一つであり、無彩色の色は明度のみをもつ色である。0から10の11段階で表し、0が理想的な黒(全く反射ない)で10が理想的な白(100%の反射)である。視感反射率Yと明度Vとの関係は、2<V<8の間で、Y≒V×(V-1)が成り立つ。

2.色温度が高いと、一般に、照度も高い方が快適と感じやすい。低照度で色温度が高い光源を使用すると、陰気な印象を与える。反対に、高照度で色温度が低い光源を使用すると、暑苦しい印象を与える。

3.色票は色見本のことであり、面積が大きくなると、面積効果により色の見え方が変わってくる。このため、色票を用いた視感による測色において、測色する部分の面積は、色票の面積と同程度とする。

〔H21 No.10〕窓・開口部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.複層ガラス(厚さ3mmのガラス2枚と乾燥空気を封入した6mmの中空層とからなる)は、その面密度の合計と同じ面密度をもつ単板ガラス(厚さ6mm)に比べて、すべての周波数域において遮音性能が向上する。
2.一般の使用条件では、単板ガラスの熱貫流抵抗のうち、ガラス自体の熱伝導抵抗が占める割合は半分以下である。
3.室の片側の壁に設けられた窓による側窓採光の場合、室内の床面照度分布は、一般に、窓の位置を低くしたほうが不均一となる。
4.建築物の外壁に設けられた二つの開口部について、一方が風上側、一方が風下側に位置し、かつ、それらの面積の和が一定の値の場合、風力による換気量が最も多くなるのは、二つの開口部の面積が等しいときである。

解答 1:複層ガラスでは、その中空層において中音域で共鳴透過現象が生じてしまい、合わせガラスや単板ガラスよりも透過損失は低くなる。

2.一般の使用条件では、単板ガラスの熱貫流抵抗のうち、ガラス自体の熱伝導抵抗が占める割合は半分以下である。熱還流抵抗のうちの熱伝導抵抗の占める割合の数値としては2~5%と極めて小さい。

3.室の片側の壁に設けられた窓による側窓採光の場合、窓の位置を低くした場合、窓付近の床面採光量は多くなるが、床面照度分布は、不均一となる。

4.建築物の外壁に設けられた二つの開口部について、一方が風上側、一方が風下側に位置し、かつ、それらの面積の和が一定の値の場合、風力による換気量が最も多くなるのは、二つの開口部の面積が等しいときである。

〔H21 No.11〕空気調和設備の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.円形ダクトにおいて、ダクトサイズを大きくし、風速を30%下げて同じ風量を送風すると、理論的には、送風による圧力損失が約1/2となり、送風エネルギー消費量を減少させることができる。
2.長方形ダクトを用いて送風する場合、同じ風量、同じ断面積であれば形状を正方形に近くするほど、送風エネルギー消費量を減少させることができる。
3.一般の事務所ビルにおいて、窓、壁、屋根等の構造体からの熱負荷を50%減少させると、冷房用エネルギー消費量を50%減少させることができる。
4.照明の電力消費量を減少させると、冷房用エネルギー消費量も減少させることができる。

解答 3:窓・外壁・屋根からの熱負荷は、冷房負荷のうちの約7%程度で、暖房負荷のうちの約35%程度である。なので、それぞれ50%減少させても、全体のエネルギー消費量を50%減少させることはできない。また、照明の冷房負荷は35%と最も大きいので、照明の電力消費量を低く抑えることが省エネに有効である(肢4)。

1.丸型ダクトにおいて、ダクトサイズを大きくし、風速を30%下げて同じ風力を送風すると、理論的には送風による圧力損失が約1/2となり、送風エネルギー消費量を減少させることができる(設問文ママ)。

2.ダクトの圧力損失は断面が円形が一番小さく、長方形であれば正方形に近いほど小さい。

4.照明のエネルギーが減少すると、照明による熱負荷が小さくなるので、冷房用エネルギーを減少させることができる。

〔H21 No.12〕空気調和設備の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.フロート板ガラスを使用した窓の室内側にブラインドを設ける場合、一般に、暗色ブラインドより明色ブラインドのほうが日射遮蔽へい性能が高い。
2.風量7,200m3/h、有効開口率0.33の外気取入れが・ら・り・の面積は、2〜3m2程度が望ましい。
3.窓から流入する日射熱量を50%減少させると、一般に、夏期における窓からの最大冷房負荷を50%減少させることができる。
4.天井に設ける吹出口において、アネモ型吹出口は、ライン状吹出口に比べてコールドドラフトが生じにくい。

解答 3:窓・外壁・屋根からの熱負荷は、冷房負荷のうちの約34%程度なので、50%減少させても、全体のエネルギー消費量を50%減少させることはできない。

1.透明フロート板ガラスを使用した窓の室内側にブラインドを設ける場合、一般に、暗色ブラインドより明色ブラインドのほうが日射遮蔽性能は高い(設問文ママ)。

2.ガラリの有効開口面積はガラリ面積×開口率で求められ、風速m3/sは風量÷有効開口面積で求められる。風速は規定値2~3m/sとされ、7,200m3/h→7,200/3,600→2m3/sとなるので、
風速=風量÷(ガラリ面積×開口率)
2~3=2÷(ガラリ面積×0.33)
これを解くと、ガラリ面積≒2~3m2

4.軸流吹出し口(ノズル型・ライン状吹出口等)の吹出し気流は、一般に、ふく流吹出し口(アネモ型等)の吹出し気流に比べて誘引比が小さいため,広がり角が小さく到達距離が長い。また「誘引比」とは室内空気との混合しやすさを示すもので、誘引比の大きいと居住域で良好な温度分布となり、室内空気と吹出し温度差を大きくとることができる。

〔H21 No.13〕空気調和設備等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ファンコイルユニット方式は、個別制御が容易であるので、病室やホテルの客室の空調に用いられることが多い。
2.空調機の外気取入れに全熱交換器を使用することにより、冷凍機・ボイラー等の熱源装置容量を小さくすることができる。
3.中央式空調設備を設ける病院において、機械室(空調・換気・衛生設備)の床面積は、一般に、延べ面積(駐車場は除く)の3%程度である。
4.外気冷房方式やナイトパージ(夜間外気導入)方式は、内部発熱が大きい建築物の中間期及び冬期におけるエネルギー消費量の軽減に有効である。

解答 3:建築計画において、延べ面積に占める空調・給排水設備室の床面積比率は、
事務所ビル:4~6%
ホテル:4~7%
病院:6~9%
百貨店:7~9%
が目安となっており、病院では事務所ビルやホテルよりもやや大きめの割合となっている。これは、病院・百貨店は、大型の熱源機器を建物内に設置する必要があるためである。

1.全熱交換器は、空調換気に付属されて使用される装置で、換気によって失われる排気中の排熱(全熱:顕熱及び潜熱)を回収する省エネルギー装置である。全熱交換器を設置することで空調機の負荷を減らし、冷凍機やボイラーなどの熱源装置の容量を小さくすることが可能である。ビルや商業施設、規模の大きい住宅等に用いられ、必要外気量の多い建築物ほどその効果が期待される。

2.全熱交換器は、空調換気に付属されて使用される装置で、換気によって失われる排気中の排熱(全熱:顕熱及び潜熱)を回収する省エネルギー装置である。全熱交換器を設置することで空調機の負荷を減らし、冷凍機やボイラーなどの熱源装置の容量を小さくすることが可能である。ビルや商業施設、規模の大きい住宅等に用いられ、必要外気量の多い建築物ほどその効果が期待される。

4.ナイトパージは、外気温が低下する夜間に外気導入・自然通風を図り、居住者に涼感を与えるとともに、室内の蓄熱体の温度を下げ、翌日の室温上昇を抑え、空調立上げ負荷を減らす省エネルギー手法である。近年、建物の機密性の向上、コピーやプリンターなどの発熱量の大きいOA機器の増加などにより室内発熱が増加し、中間期や冬期に冷房が必要な場合が増えている。中間期、冬期の冷房需要が多いビルでは、外気温度が室温より低い(又は冷房送風温度に近い)場合に、冷凍機を運転せずに送風運転のみを行う外気冷房システムを導入し、熱源設備のエネルギー消費量やCO2排出量の削減を図る。

〔H21 No.14〕表は給水方式イ~ニの特徴を示したものである。給水方式イ~ニとその名称との組合せとして、最も適・当・な・ものは、次のうちどれか。

解答 3:考え方1:「停電時の給水」で「不可能」となっている選択肢があるが、これは電力を必要とするポンプ直送方式が該当する。(これで、ロはポンプ直送方式になるので、解答は肢3、4のいずれかとなる)
考え方2:「設備スペース」に関しては受水槽の有無が関係しているので、受水槽を設ける必要のある高置水槽方式、ポンプ直送方式が「大」となる。(肢3と4のうち、ロはポンプ直送方式で設備スペースは「大」、残りのニには高置水槽方式が当てはまる)

〔H21 No.15〕排水設備等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.雨水排水立て管は、屋内で雨水以外の系統の排水管に接続してはならない。
2.地下ピット等を利用して汚水や雑排水を貯留する排水槽を設置する場合には、清掃等のメンテナンス時に汚物で足を滑らせる危険のないように、底面は傾きなく水平に仕上げなければならない。
3.ブローアウト式の洋風大便器は、サイホンボルテックス式と同様に水溜り面が広く、汚物の付着や臭気の発散が少なく衛生的である。
4.排水トラップの封水深は、不快なガスや臭気の漏れを確実に防止し、封水切れのお・そ・れ・がないよう50mm以上とする。

解答 2:排水における「地下ピット(ビルピット)」とは、排水を地下空間内に流し、吸い込みピットに溜めた後、排水ポンプで公共ますへ排水する設備であり、ビルや公共施設などで用いられる。このとき吸い込みピットへ汚水が流れやすくするために、底面は1/15~1/10程度の緩やかな勾配をつける。


1.雨水排水立て管は、汚水排水管若しくは通気管と兼用し、又はこれらの管に連結してはならない。建設省告示第1,597号

3.ブローアウト式は、便器の洗浄方式の一種。噴出穴から洗浄水を強力に噴射させ、汚物を吹き飛ばすように排出するタイプ。他の洗浄方式と比べ排水路が屈折していないため、つまりが起きにくい。溜水面が広く、ニオイの発生や汚物の付着を防ぎやすいが、洗浄音は大きい。

4.トラップ内の水の溜りの深さ(封水深さ)は管径に関係なく 50~100mmとする。

〔H21 No.16〕電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.電圧の種別のうち、7,000Vを超えるものを特別高圧という。
2.同一容量の負荷設備に電力を供給する場合、400V配電より200V配電のほうが、細い電線を使用することが可能である。
3.事務所などの床配線方式におけるセルラダクト方式は、床構造材のデッキプレートの溝を利用した方式であり、電線管方式に比べて、配線変更の自由度は向上する。
4.ガスタービンによる発電設備は、同一出力のディーゼル機関によるものに比べて、振動及び設置面積は小さいが、必要な燃焼用空気量は多い。

解答 2:電線の太さは、一般に、電流の大きさと比例する。電力を求める式は以下の通り。
電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)
この式より、供給電力が一定にし、電圧を高くすると、電流を小さくすることができる。よって、電圧が高い400V配線のほうが、電流が小さいので、電線を細くすることができる。



1.電圧の種別は、以下の表を参考にする。
よって特別高圧と高圧とを区分する電圧は、7,000Vである。

3.セルラダクト配線は、鉄骨造などのスラブのコンクリート型枠に使用されるデッキプレートを利用し、波形の断面形状を活かして溝の部分に配線する。電線管よりも自由度が高い。

4.ディーゼルエンジンは、一般に、4ストローク(サイクル)内燃機関であり、振動と騒音が大きい。ガスタービンは気体を圧縮し、過熱して発生した高温高圧ガスをタービン翼に吹き付け、発電機を駆動する。ガスタービン及びマイクロガスタービンの発電効率は20〜35%であり、従来のディーゼルエンジン(30〜42%)、ガスエンジン(28〜42%)に比べて発電効率が低い。

〔H21 No.17〕電気設備の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.事務所ビルの照明用の変圧器の容量を決めるに当たり、変更や将来に対する余裕などを想定しなくてもよい場合、照明負荷設備容量の合計120kVA、需要率0.8としたとき、100kVAの単相変圧器を採用した。
2.集合住宅の各住戸の分電盤において、浴室の照明やエアコンの室外機など水気のある部分の分岐回路には漏電遮断器(ELCB)を採用し、その他の回路及び主遮断器には配線用遮断器(MCCB)を採用した。
3.電気室の変圧器から約50m離れた場所にある負荷設備に低圧で電力を供給するに当たり、電圧降下が3%以下となるようにケーブルの太さを選定した。
4.1人1台の電話機を利用する500人収容の事務所ビルの電話設備の設計に当たり、局線数が80回線の構内交換機(PBX)を選定した。

解答 2:「配線用遮断器(Molded Case Circuit Breaker) 」は、ショートした時や、過負荷、例えばたこ足配線などで過電流が流れることを防止する目的で用いられる。
対して「漏電遮断器(Eatrh Leakage Circuit Breaker)」は、感電防止のために設置され、全ての電路に設置する。そのため設問の「水気のある部分の分岐回路」のみにしか設置しないのは誤りである。


1.変圧器の選定では、一般的な計算方法は設備容量[kW] / 総合力率[%] × 需要率[%]で求めた容量を選定する。
今回は総合力率を0.95とすると、
120 / 0.95 × 0.8 = 101 [kVA] になるため、直近の100kVAが選定候補となる。

3.電線の長さが60m以下の場合の電圧降下は、幹線(電気室から分電盤)の電圧降下は3%以下、分岐回路(分電盤から先の配線)の電圧降下は2%以下となるようにケーブルの太さを選定する。

4.構内電話交換機とは、「事業所内などでの電話機相互の接続」と「電話局の回線と事業所内の電話機・FAXとの接続」を行う装置である。通話チャンネル数は台数の約1/5~1/3程度とするのが一般的であるので、500台とすると100回線~160回線が選定される。設問文の80回線では少ないが、許容範囲としている。

〔H21 No.18〕防災設備の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.電源を必要とする排煙設備には、発電機などの予備電源を設けなければならない。
2.排煙口は、防煙区画部分の各部分から水平距離で30m以下となるように設けなければならない。
3.屋内消火栓設備における2号消火栓の警戒区域は、原則として、半径15m以内である。
4.特別避難階段の付室には、機械排煙設備を設けなければならない。

解答 4:「特別避難階段」とは、屋内避難階段へ至る附室に排煙窓、機械排煙設備、またはバルコニーがある避難階段であり、通常の屋内避難階段よりも安全性が高い。設問のような機械排煙設備の設置に限らず、自然排煙の排煙口を設ける場合でもよい。国土交通省告示第六百九十六号)
1.建築基準法により、電源を要する排煙設備には予備電源が必要である。ただし、常用の電源が断たれた場合の駆動を、ディーゼルエンジンによる方式によるものは、令126条の3第1項第十号に規定する電源を有する機構とはならないので予備電源を設置する必要はない。

2.建築基準法において、排煙設備が必要な建築物は、床面積500m2以内ごとの防煙区画が必要となる。防煙区画部分の各部分から水平距離で30m以下となるように設けなければならない。設置高さは、天井面から80cm以内、かつ、防煙垂れ壁の下端よりも上に設け、排煙風道に直結する。

3.屋内消火栓には1号と2号の2種類がある。1号消火栓は水平距離25m以下に設置し、2人で操作する必要がある。2号消火栓は水平距離15mもしくは25m以下(広範囲型)に設置し、1人でも操作できる。社会福祉施設、病院、ホテルなどでは2号消火栓の設置が推奨される。

〔H21 No.19〕エレベーター及びエスカレーターに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.エスカレーターの手すりの上端の外側から水平距離50cm以内で天井等と交差する部分には、保護板を設けなければならない。
2.事務所ビルの乗用エレベーターについては、一般に、出勤時のピーク5分間に発生する交通量に基づき台数、仕様を計画する。
3.ロープ式エレベーターにおいては、主に滑らかな速度特性を得られるVVVF(可変電圧可変周波数)制御方式が採用されている。
4.非常用エレベーターは、主に火災時に居住者が避難するためのものである。

解答 4:「非常用エレベーター」は、火災時に消防隊の消防活動のために使用される非常時用のエレベーターである。普段・平常時は誰でも使えるようにしても良いが、避難経路としては計画はできない。31m以上の建築物には原則として設置義務が生じる。

1.保護板はエスカレーターの移動手すりと建物のはりや天井との間に生じる三角部に、利用者が挟まれる事故を防ぐために設けるもの。エスカレーターと交差するはりや天井等が移動手すりの外縁から水平距離で500mm以内に隣接する場合は、固定式保護板を設ける。2000年の建築基準法の改正後に設置されたエスカレーター「固定式保護板」の取り付けが義務付けられている。


2.事務所ビルの計画における乗用エレベーターの設置台数は、般に、ピーク時の値として出勤時の交通量をもとにシミュレーションを行い、5分間集中率を貸ビルでは在籍人数の10〜15%、自社ビルでは20〜25%として交通計算を行い、平均運転間隔を40秒以下とするのが望ましいとされている。

3.ロープ式エレベーターにおいて、ほとんどの場合「可変電圧可変周波数方式(VVVF制御:インバータ制御)」を採用している。
VVVF制御の長所は、①滑らかな速度特性、②着床精度が高く、乗り心地が良い、③力率が高いので、省エネなどがある。

〔H21 No.20〕環境・設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.近年の日本全体のCO2排出量における建築関連の排出割合は、約1/3であり、この中で「建築物の建設にかかわるもの」と「運用時のエネルギーにかかわるもの」との割合は、約1/2ずつとなっている。
2.CASBEEは、建築物の総合的な環境性能を評価するためのツールであり、新築の建築物だけではなく、既存建築物の現状や改修前後の環境性能の変化も評価することができる。
3.事務所ビルにおける年間の一次エネルギー消費量のうち、照明・コンセント用のエネルギーは全体の約1/3である。
4.消防法において、「消防用設備等」は、「消火設備」、「警報設備」、「避難設備」、「消防用水」及び「消火活動上必要な施設」に分類されており、排煙設備は「消火活動上必要な施設」に該当する。

解答 1:近年の日本の建築関係の排出割合は、36%(3割)程度で、建設に12%、住宅・業務運用に24%となっている。

2.環境評価ツールとしては、イギリスで1990年に「BREEAM」が、アメリカで1996年に「LEED」が開発され、日本では2002年のCASBEE(建築環境総合性能評価システム)が相当する。CASBEEにおけるBEE(建築物の環境性能効率) の値が大きいほど環境性能が高い。新築の建築物だけではなく、既存建築物の現状や改修前後の環境性能の変化も評価することができる。



3.建築物で使われるエネルギーは、主に空調のための温熱・冷熱を作り出す「熱源」、その熱を運ぶ「熱搬送」、お湯や蒸気を作り出す「給湯・蒸気」、照明・OA機器などの「照明・コンセント」、エレベータ・エスカレータなどの「動力」、これら以外の「その他」に大別される。空調・換気用のエネルギーは、「熱源」「熱搬送」「給湯・蒸気」に分類され、以下のグラフより、約40-50%程度を占めている。


4.消防法において、「消防用設備等」は、「消火設備」、「警報設備」、「避難設備」、「消防用水」及び「消火活動上必要な施設」に分類されており、排煙設備は「消火活動上必要な施設」に該当する(設問文ママ)。

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投稿日:2019年8月1日 更新日:

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