2級建築士試験

投稿日:2019年1月11日 更新日:

「風」は温度湿度放射とともに建物の計画において重要な要素である。窓や換気口をどこに設けるかで換気や通風に影響を与える。

風は、空気の温度差や気圧で生じ、風速(強さ:m/s)と風向(向き)で表せられる。

一般に、空気は暖かくなると膨張して軽くなり、上昇する。逆に冷たくなると凝縮して重くなり、下降する。温度の高い空気と低い空気を並べて合わせると、冷たい空気が暖かい空気の下に流れ、暖かい空気は冷たい空気の上に流れる。これが風の原理の一つである。

  

海岸での1日の風向の変化

陸地は温度の変化が大きいので、日中は暖かく、夜間は冷たくなる。一方、海は1日の温度の変化は小さい。

なので日中、陸地側の温度が高いので空気は上昇する。そこに海側の冷たい空気が流れ込む。

逆に夜間は、陸地側の温度が低くなり、空気は下に溜まっていく。この冷たく重い空気が海側に押し上げるように移動していく。

この原理によって、日中は海から陸に風(海風)が吹き、夜間は陸から海に風(陸風)が吹く。

出題:平成25年度No.10平成26年度No.10平成30年No.10

    

山地での1日の風向きの変化

山の斜面は日中温められて空気は上昇するので、風は谷から山頂に向けて吹く(谷風)。逆に夜間は斜面が冷えて空気は下降するので、風は山頂から谷に向けて吹く(山風)。

都市部・地方での風の強さの違い

一般的にビルや木々などが風よけとなり、市街地は郊外の畑より風が弱くなる。また高層ビルなどが多くなるとさらに風は弱まる。

しかしながら高層ビルが密集する地域では、局所的に風力の強い「ビル風」が吹く。建築計画において、このビル風を評価するための指標として「風速増加率」を用いる。

風速増加率 = 建築後の風速 / 建築前の風速

この風速増加率が1であれば、建築後も変化が無いとされる。

出題:平成29年度No10







-2級建築士試験

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

クリティカル・パス

クリティカル・パス クリティカル・パスは、建築プロジェクトの全工程をネットワーク図で表し、線で結んだ時に最小となる経路のこと。マスタースケジュールに記載されるうちの一つ。 クリティカル・パス以外の他の …

no image

令82条の3

建築基準法施行令 第82条の3 保有水平耐力 第82条の3 建築物の地上部分については、第一号の規定によつて計算した各階の水平力に対する耐力(以下この条及び第82条の5において「保有水平耐力」という。 …

張石工事

石材の張石工事は大きく分けて4種類ある。 1.湿式構法:高さ10m以下の低層建築物に適用する構法。(出題(構造):平成23年度No.24) 2.乾式構法:足場を用いて作業ができる限界高さ45m程度の建 …

ガラス戸の掛り代

ガラス溝の掛り代 「掛り代(かかりしろ)」とは、主に風圧力による板ガラスの窓枠からの外れ防止や、ガラス切断面の反射を見えなくする役割を持つ。 寸法 ・板ガラスの場合掛り代10mm以上かつ板厚の1.2倍 …

高蔵寺ニュータウン

高蔵寺ニュータウン 「高蔵寺ニュータウン」は、高度経済成長期に名古屋圏に流入し、増加した人口の受け皿として愛知県春日井市に開発された、「3大ニュータウン」の一つである。 戦後に計画され、千里ニュータウ …

このサイトは寄付及び広告益の運営で、無料で閲覧・活用していただけます。より良いサイト構築のためにアドバイスをお願いいたします。

また、運営継続のための寄付をお願いいたします。
ご寄付のお願い