参考資料集

特定天井

投稿日:2020年12月3日 更新日:

「特定天井」とは、「脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井」のこと。地震等によって脱落した場合、人的・物的被害が大きくなるため、定められた対策を施す必要がある。




「特定天井」指定の経緯

東日本大震災の被害を受けて、建築関係では様々な見直しが必要とされたが、中でも吊り天井の落下被害が大きく、吊り天井の耐震性にも影響する。

震災後の2013年、国土交通省より天井脱落対策に関わる技術基準告示『国土交通省平成25年告示第771号』および「建築基準法施行令39条」が公布される。

その「特定天井」とは、以下のすべてに該当するものである。

特定天井の定義

・吊り天井
・天井の高さ:6mを超える
・面積:200m2を超える
・質量:2kg/m3を超える
・人が日常利用する場所に設置されている

特定天井に指定されたら?

特定天井に該当する場合、設計ルートによって安全性を検証する必要がある。以下の3つの検証ルートに沿って対策を行う。

関連条文

・建築基準法施行令 第39条

屋根ふき材、内装材、外装材、帳壁その他これらに類する建築物の部分及び広告塔、装飾塔その他建築物の屋外に取り付けるものは、風圧並びに地震その他の震動及び衝撃によつて脱落しないようにしなければならない。

2 屋根ふき材、外装材及び屋外に面する帳壁の構造は、構造耐力上安全なものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない。

3 特定天井(脱落によつて重大な危害を生ずるおそれがあるものとして国土交通大臣が定める天井をいう。以下同じ。)の構造は、構造耐力上安全なものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

4 特定天井で特に腐食、腐朽その他の劣化のおそれのあるものには、腐食、腐朽その他の劣化しにくい材料又は有効なさび止め、防腐その他の劣化防止のための措置をした材料を使用しなければならない。

・国土交通省平成25年告示第771号

オススメ参考書籍

・建築技術2016年7月号 見上げれば安全な天井設計(監修:清家剛)

・建築基準法の耐震・構造規定と構造力学

入門図解 はじめての建築基準法

図面の読み方がやさしくわかる本

図解入門 よくわかる最新都市計画の基本と仕組み

・イラストでわかる一級建築士用語集

・一級建築士になりたい







-参考資料集

執筆者:

関連記事

デュアルリビング

デュアルリビングとは

「デュアルリビング(Dual Living;2つのリビング)」とは、1940年代に米国で発生した住宅形式で、「ファミリールーム(家族用)」と「フォーマルリビング(接客用)」の2種類の「リビングルーム」 …

旧大社駅

旧大社駅舎

「旧大社駅舎」は瓦葺き屋根を持つ純日本風の木造平屋建ての建築物。 JR大社線は、平成2年(1990)3月31日に廃止され、その後旧大社駅舎は平成16年に国の重要文化財に指定され、その後近代化産業遺産に …

幼保連携型認定こども園

幼保連携型認定こども園

「幼保連携型認定こども園」とは、認定こども園のうちの一つで、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(子ども子育て支援法)」に基づき、2006年に創設された制度である。 ・ …

コレクティブハウス

コレクティブハウスとは?

「コレクティブハウス(Collective House)」とは、共同住宅の形式の一つで、それぞれの住居スペースでプライベートを確保しつつ、共有スペースにおいて住居人同士が日常的に交流を図り、生活の一部 …

SHARE yaraicho

「SHARE yaraicho」は、空間研究所によるシェアハウスである。道路に面する部分は巨大な半透明のテント膜で覆われる特異なファサード。 内部は3層の吹抜け空間を介して個室7室とコモンスペースが計 …

このサイトは寄付及び広告益の運営で、無料で閲覧・活用していただけます。より良いサイト構築のためにアドバイスをお願いいたします。

また、運営継続のための寄付をお願いいたします。
ご寄付のお願い