「水セメント比(W/C:water cement ratio)」とは、水とセメントの比率を百分率で示した値のこと。
「水セメント比=W/C ×100(%)」
Wは単位水量(kg/m3)、Cは単位セメント量(kg/m3)
コンクリートの強度はセメントペーストの強さで決まるので、セメントペーストの濃度を左右する水セメント比の影響を最も受ける。
上グラフの通り、一般に、水セメント比が小さいほど強度は大きくなり、耐久性も向上する。このため、なるべく硬塗りのコンクリートとするのが理想である。
→ただし、水セメント比が大きすぎると、強度や耐久性の不足につながり、小さくし過ぎるとワーカビリティの低下につながる。このため、計画の段階で許容範囲を設定する必要がある。一般的には、以下の基準値が用いられる(試験に出る数値だけピックアップした)。
水セメント比の最大値
・普通ポルトランドセメントは、65%
(計画供用期間の級が「長期」の場合は、55%)
・高炉セメントA種は、65%、
・高炉セメントB種は、60%
・水密コンクリートは、50%以下
・場所打ちコンクリート杭は、60%以下
計算してみよう
水セメント比を実際に計算してみてみよう。
・単位水量:185kg/m3
・単位セメント量:270kg/m3
水セメント比=(185/270) ×100 = 68.5%
よって水セメント比は68.5%となる。
(今回の場合、どの基準よりもオーバーしているので、不合格となる)
ついでに…
お気づきだろうか?上の問題で使用した単位水量と単位セメント量の数値は絶対暗記の数値である。この際、覚えてしましょう。
普通コンクリートの、
・単位水量の最大値:185kg/m3(高強度コンクリートは175kg/m3以下)
・単位セメント量の最小値:270kg/m3(AE剤を使用すると290kg/m3以上)