参考資料集

水セメント比とは?

投稿日:2020年10月29日 更新日:

「水セメント比(W/C:water cement ratio)」とは、水とセメントの比率を百分率で示した値のこと。

「水セメント比=W/C ×100(%)」
Wは単位水量(kg/m3)、Cは単位セメント量(kg/m3)

コンクリートの強度はセメントペーストの強さで決まるので、セメントペーストの濃度を左右する水セメント比の影響を最も受ける。

上グラフの通り、一般に、水セメント比が小さいほど強度は大きくなり、耐久性も向上する。このため、なるべく硬塗りのコンクリートとするのが理想である。

→ただし、水セメント比が大きすぎると、強度や耐久性の不足につながり、小さくし過ぎるとワーカビリティの低下につながる。このため、計画の段階で許容範囲を設定する必要がある。一般的には、以下の基準値が用いられる(試験に出る数値だけピックアップした)。

水セメント比の最大値

・普通ポルトランドセメントは、65%
(計画供用期間の級が「長期」の場合は、55%)
・高炉セメントA種は、65%、
・高炉セメントB種は、60%
水密コンクリートは、50%以下
・場所打ちコンクリート杭は、60%以下




計算してみよう

水セメント比を実際に計算してみてみよう。

・単位水量:185kg/m3
・単位セメント量:270kg/m3

水セメント比=(185/270) ×100 = 68.5%

よって水セメント比は68.5%となる。
(今回の場合、どの基準よりもオーバーしているので、不合格となる)

 

ついでに…

お気づきだろうか?上の問題で使用した単位水量と単位セメント量の数値は絶対暗記の数値である。この際、覚えてしましょう。

普通コンクリートの、
・単位水量の最大値:185kg/m3(高強度コンクリートは175kg/m3以下)
・単位セメント量の最小値:270kg/m3(AE剤を使用すると290kg/m3以上)

 

おすすめ参考書籍

・図解入門よくわかるコンクリートの基本と仕組み

・マンガでわかるコンクリート

・1級建築士 学科試験 要点チェック

・一級建築士になりたい







-参考資料集

執筆者:

関連記事

ケヴィン・リンチ

ケヴィン・リンチ

ケヴィン・リンチ(Kevin Lynch,1918-1984)はアメリカ出身の都市計画家・建築家である。主著である「都市のイメージ(The Image of the City)」は現代都市の基礎を築い …

フランクリン街のアパート

フランクリン街のアパート

「フランクリン街のアパート(1903年、パリ)」は、オーギュスト・ペレとその兄弟による集合住宅であり、鉄筋コンクリート造による最初の集合住宅とされている。 鉄筋コンクリートの柱・梁が明快に骨組みを作り …

欄間とは?

「欄間(らんま)」は、日本の建築様式にみられる建具の一種で、採光、通風、装飾といった目的のために「天井」と「鴨居(かもい)」との間に設けられる開口部材である。 部屋と部屋との境目や、部屋と廊下や縁側と …

黄金比

黄金比とは?

「黄金比(Golden Ratio)」とは、以下の比のことをいう。 つまり、直前の隣接する2項の和が次の項となるような数列(フィボナッチ数列)を順次作成していくと、その連続する2項の比率は黄金比(約1 …

エンタシス-建築士試験対策

「エンタシス(entasis)」は、建築において円柱下部もしくは中間部から、上部にかけて徐々に細くした形状の柱のこと。エンタシスを施した柱を下から見上げると、真っ直ぐな円柱よりも安定して見える錯覚を生 …

このサイトは寄付及び広告益の運営で、無料で閲覧・活用していただけます。より良いサイト構築のためにアドバイスをお願いいたします。

また、運営継続のための寄付をお願いいたします。
ご寄付のお願い