2級建築士試験

1級建築士試験H29年学科4No.10

投稿日:2020年3月18日 更新日:




1級建築士試験H29年学科4No.10

設問:図のような平面の木造軸組工法による平家建ての建築物において、建築基準法における「木造建築物の軸組の設置の基準」(いわゆる四分割法)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、図中の太線は耐力壁を示し、その軸組の倍率(壁倍率)は全て1とする。なお、この建築物の単位床面積当たりに必要な壁量は15cm/m2とする。

1.X方向の北側の側端部分の必要壁量は、3mである。
2.X方向の北側の側端部分の存在壁量は、5mである。
3.X方向の北側の側端部分の壁量充足率は、1を超えている。
4.X方向の壁率比は、0.5を超えている。

解説

計算手順

木造建築物の軸組の設置の基準(平成12年告示第1352号)に則り、方向別に4分割して壁量充足率を求める。その後に壁率比を求めていく。

・各側端部分の「存在壁量」の計算(令46条4項表1の数値さ×壁の長さ)
・各側端部分の「必要壁量」の計算(令46条4項表2の数値×点線部分の面積)
・壁量充足率を求める(= 存在壁量/必要壁量)
・壁率比を求める(= 壁量充足率の小さい方/大きい方)

X方向の壁量充足率と壁率比を求める。

Y方向の壁の長さが8mなので、その側端部分は、8m×1/4=2mとなり、下図に赤点線で囲む。

北側の必要壁量は、点線部分の面積に「令46条4項表2の数値」を乗じて求める(題意より15cm/m2)

15cm/m2 × ( 2m × 10m ) = 300cm = 3m
選択肢1は正しい記述

存在壁量は側端部分の軸組の長さに「令46条4項表1の数値」の壁倍率を乗じて求める(題意より壁倍率1)

1 × 5m = 5m
選択肢2は正しい記述

壁量充足率を求める。

X = 存在壁量 / 必要壁量 = 5m / 3m ≒ 1.7 > 1
選択肢3は正しい記述

最後に北部分と南部分の壁量充足率から、壁率比を求める。

X = 5m/3m
X = 存在壁量 / 必要壁量
= 1×2m / 15cm/m2×(2m×10m) ≒ 2m/3m

壁率比 = 壁量充足率の小さい方/大きい方
=X / X
≒ 0.3
選択肢4は誤った記述

類似問題

平成30年1級学科4、No.10
平成29年1級学科4、No.10
平成27年1級学科4、No.10
平成26年1級学科4、No.09
平成24年1級学科4、No.09
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平成20年1級学科3、No.11

平成30年2級学科3、No.12
平成29年2級学科3、No.11
平成26年2級学科3、No.11
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