参考資料集

ヴォルムス大聖堂ードイツ・ロマネスク期

投稿日:2021年3月23日 更新日:

ヴォルムス大聖堂は、ドイツのラインラント=プファルツ州にある都市ヴォルムス(Worms)にある大聖堂である。

4つの円柱塔と2つの大きなドーム部分があり、その端に聖歌隊席のある巨大なバシリカ風の聖堂がある。

堂々とした外観のほかに、赤い砂岩の自然色により高められた内観も荘厳さと質素さの印象を与える。




余談

この都市の名前「ヴォルムス(Worms)」は、ヨーロッパの歴史を読み解く中で、必ず耳にする。

中世に入ると教皇と皇帝の権力争いが激しくなってきた(「叙任権闘争」)。その争いの一応の終止符をうったのが「ヴォルムス協約(1122年)」である。

当時権力を握っていたのは「聖職者」であり、それを任命する権利「叙任権」は誰が有するかが問題だった。それを争ったのが神聖ローマ教皇とローマ皇帝である。

わかりやすく言うと、次の日本の「天皇陛下(聖職者)」を決めるのは、首相?孫正義?
(・・・いろんなところから批判が予想される例えだが)

結局、皇帝は叙任権を放棄し、「ヴォルムス協約」締結以降は教皇が権力を握る事になる。

過去の出題

ヴォルムス大聖堂は、東西両端にアプスを対置させた二重内陣、三廊式のバシリカで、東西の内陣と交差部とに塔をもつドイツのバロック建築である。 

平成23年1級学科1計画No.02

→不正解。バロック建築ではなく、ロマネスク期(おおよそ西暦1000年-1200年)の建築物である(バロック建築期は1590年台〜)。また、同じロマネスク様式の建築物として代表的なものは、ピサ大聖堂(伊)、ダラム大聖堂(英)などがある。

参考書籍

世界遺産をもっと楽しむための西洋建築入門 (楽学ブックス) Kindle版

見に行ける 西洋建築歴史さんぽ







-参考資料集

執筆者:

関連記事

ICU/集中治療室

  「ICU 」とは、救命できる可能性のある急性の重症患者を収容し、密度の高い集中的な医療・看護を行なうための管理方式である。  通常、緊急治療を要する期間は数日であり、長期間の利用はされない。 IC …

連担建築物設計制度とは?

「連担建築物設計制度」とは、単一の敷地では適用ができない場合でも、既存の建物を含む複数の敷地・建物を一体として合理的な設計をし、特定行政庁の認定により、当該敷地群を一つの敷地とみなして、接道義務、容積 …

「伝統建築工匠の伝統技術」が無形文化遺産登録へ

日本が誇る文化遺産を受け継ぐ重要技術 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の評価機関は、2020年11月、世界最古の法隆寺に代表される日本の伝統的な木造建築を修復する職人の技術をまとめた「伝統建築工匠の技 …

市街化区域とは?

「市街化区域」は、すでに市街地が形成されている区域と計画的・優先的に市街化を進める区域であり、都市計画法に基づいて指定される。現在、国土の約3.8%を占めている。 「すでに市街地を形成している区域及び …

市街化調整区域とは?

「市街化調整区域」とは、市街化の進展を調整・抑制する区域であり、都市計画法に基づいて指定される。現在、国土の約10.3%を占めている。 市街化区域 ⇆ 市街化調整区域 一方、「市街化区域」は、すでに市 …

このサイトは寄付及び広告益の運営で、無料で閲覧・活用していただけます。より良いサイト構築のためにアドバイスをお願いいたします。

また、運営継続のための寄付をお願いいたします。
ご寄付のお願い