バルコニーとは
「バルコニー」とは、2階以上で、建物から外部に張り出し、手すりや柵で囲まれた屋根のない場所。詳しく分類すると、バルコニーに屋根を設けると「ベランダ」となる。
バルコニーには必ず転落防止用の手すりを設け、一般的には床面から1,100mm以上とする。ただし、手すりの下に腰壁などがある場合は、子供が腰壁に登り、転落の危険性があるので、腰壁の上端から800mm以上とする。出題(計画):平成26年度No.11、出題(法規):平成21年度No.11、平成22年度No.10、平成23年度No.11、平成29年度No.20、平成30年度No.10
バルコニーの踏み段は、高さ180mm以下、奥行300mm以上、幅600mm以上が望ましいとされている。国土交通省「高齢者が居住する住宅の設計にかかる指針」を参考。出題(計画):平成20年度No.10
避難時の活用
・集合住宅において、共用部分となる。これは水平・垂直の避難経路確保するためのもので、住居人全部の使用利益が見込まれるからである。
→このバルコニーの水平避難用の「戸境パネル」は、容易に破壊できるものとし、避難を妨げるものを置いてはいけない。出題(計画):平成27年度No.16
・また消防計画において、鉄筋コンクリート造のバルコニーやベランダ、庇などは、下階からの延焼を防止してくれるので、有効的に働く。出題(計画):平成21年度No.18
→ただし、避難上有効なバルコニーであったとしても、避難階とは認められないので注意する。出題(法規):平成25年度No.01
・非常用の進入口には、原則として、奥行き1m以上、長さ4m以上のバルコニーを設けなければならない。出題(法規):平成23年度No.11
建築基準法施行令第126条の7
前条の非常用の進入口は、次の各号に定める構造としなければならない。
一 進入口は、道又は道に通ずる幅員4メートル以上の通路その他の空地に面する各階の外壁面に設けること。
二 進入口の間隔は、40メートル以下であること。
三 進入口の幅、高さ及び下端の床面からの高さが、それぞれ、75センチメートル以上、1.2メートル以上及び80センチメートル以下であること。
四 進入口は、外部から開放し、又は破壊して室内に進入できる構造とすること。
五 進入口には、奥行き1メートル以上、長さ4メートル以上のバルコニーを設けること。
六 進入口又はその近くに、外部から見やすい方法で赤色灯の標識を掲示し、及び非常用の進入口である旨を赤色で表示すること。
七 前各号に定めるもののほか、国土交通大臣が非常用の進入口としての機能を確保するために必要があると認めて定める基準に適合する構造とすること。
法規:建築面積に含まれる?
軒や庇、バルコニー、はね出し縁等がある場合は、その先端から1m後退した線までの部分を建築面積に含める。
法規:床面積は?
床面積には、原則としてピロティ、ポーチ、バルコニー、吹きさらしの廊下、外階段は含まない。(1m後退などが適用されるのは上記の建築面積の算出のとき)
構造計算への関係
・片持ちバルコニーを設ける場合、建築物外壁から突出する部分が2mを超える場合、
→上下方向の地震力に対して、構造計算をする必要がある。(平成19年国土交通省告示第594号第2) 出題(構造:平成26年度No.18)
平成19年国土交通省告示第594号第2
ニ 片持ちのバルコニーその他これに類する建築物の外壁から突出する部分(建築物の外壁から突出す る部分の長さが2メートル以下のものを除く。)を設ける場合 作用する荷重及び外力(地震力にあっ ては,当該部分の鉛直震度(令第88条第1項に規定するZの数値に1.0以上の数値を乗じて得た数値と する。)に基づき計算した数値とする。)に対して,当該部分及び当該部分が接続される構造耐力上主 要な部分に生ずる力を計算して令第82条第一号から第三号までに規定する構造計算を行い安全であることを確かめること。
また、2階にバルコニーを計画する場合、1階の地震力に対する「壁量算定用床面積」は、1階の外周の耐力壁の中心線で囲まれる面積に、当該バルコニーの床面積の1/2を加算する。(壁式鉄筋コンクリート造設計基準) 出題(構造):平成29年度No.13
木造住宅における跳ね出しバルコニー
木造住宅における跳ね出しバルコニーは、その跳ね出し長さを、屋内側の床梁スパンの1/2以下かつ、外壁心から1,000mm以下とする。
先端部分をつなぎ梁で固定するものとする。 (木造住宅工事仕様書)
出題(施工):平成24年度No.16、平成30年度No.15