2級建築士試験

アンカーボルト

投稿日:2019年3月26日 更新日:




アンカーボルト

「アンカーボルト」は構造耐力を負担する「構造用アンカーボルト」と、建て方時のみに用いる「建て方用アンカーボルト」とがある。構造用アンカーボルトは以下の2つの役割がある。

①「柱」や「筋かい」から「土台」に伝わる力を「基礎」に伝える。
②水平力によって建築物が基礎から外れたり、持ち上げられたりしないようにする。

そのため、基礎は「土台」又は「柱脚」と構造耐力上有効に配置されたアンカーボルトなどによって緊結する。また、柱脚に引張力のみならず、引張力とせん断力との組合せ応力を考慮する必要がある。
出題(構造):平成25年度No.16平成26年度No.09

また鉄骨工事において、構造耐力上主要な部分である柱の脚部は、国土交通大臣が定める基準に従い、アンカーボルトにより、基礎に緊結するものとする。(出題(法規):平成20年度No.09平成24年度No.08)

第66条 構造耐力上主要な部分である柱の脚部は、国土交通大臣が定める基準に従つたアンカーボルトによる緊結その他の構造方法により基礎に緊結しなければならない。ただし滑節構造である場合においては、この限りでない

建築基準法施行令第66条

アンカーボルトの設置

・木工事では、土台は基礎に、直径12mm以上、長さ350mm以上のアンカーボルトで緊結する。(出題(構造):平成22年度No.13)

・鉄骨工事では、露出形式柱脚の場合、基礎に対する定着長さを、アンカーボルトの径の20倍以上とする。(出題(構造):平成30年度No.16)

・アンカーボルトの頭部はネジ山が3山以上出るようにナットを締め付ける。鉄骨工事において2重ナットする必要があり、これも3山以上出るようにする。(出題(施工):平成21年度No.11)

写真のボルトは3山以上出ていない。欠陥・不備である。

柱と土台の緊結

柱と基礎とを緊結する場合は「ホールダウン金物」を用いる。ホールダウン金物は引き寄せ金物ともいい、六角ボルトで柱に留め付ける。

 

アンカーボルトの位置

一般的には、耐力壁の両端の柱の下部から200mm以内、土台切れの箇所、土台の継手及び仕口の位置とする。またそれ以外の部分は、2.7m以内の間隔で埋設する。

アンカーボルトの埋め込み長さは250mm以上とするが、ホールダウン専用アンカーボルトの場合は、柱脚部の短期許容耐力が25kN以下の場合、360mm以上埋め込む。(出題(施工):平成30年度No.06平成29年度No.07)

・筋かいが取り付く場合:筋かいが取り付く柱心から200mm内外に埋め込む。

・大壁造りの場合:耐力壁の両端の柱心から200mm以内とし、なるべく耐力壁の位置に埋め込む。

・枠組壁工法の場合:隅角部、土台の継手付近とし、その他の部分は2.0m以内の間隔で埋設する

出題(施工):平成20年度No.13平成23年度No.13平成24年度No.15平成25年度No.07平成27年度No.06平成28年度No.06平成29年度No.07
出題(構造):平成22年度No.13

また、土台の継手・仕口の近くに設置する場合、押え勝手に上木を締め付ける必要があるため、上木側の端部に設置する。

出題(構造):平成29年度No.12







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