自家発電設備
自家発電設備は、消防関係法令により設置が義務付けら れている非常用電源設備の一つ。
常用と非常用があり、消防法ではどちらも非常電源として適用される。
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投稿日:2019年2月17日 更新日:
このほか非常電源には、非常電源専用受電設備、自家発電設備、蓄電池設備及び燃料電池設備の4種類がある。
出題:平成22年度No.24
消防庁告示第一号
改正 昭和五〇年五月消防庁告示第五号、五七年四月第四号、平成一二年五月第八号、13年三月第二六号、一八年三月第六号
消防法施行規則(昭和36年自治省令第六号)第12条第四号ロ(ホ)〔現行=ロ(ニ)〕の規定に基づき、自家発電設備の基準を次のとおり定める。
自家発電設備の基準
第一 趣旨
この告示は、消防法施行規則(昭和36年自治省令第六号)第12条第1項第四号ロ(ニ)に規定する自家発電設備の構造及び性能の基準を定めるものとする。
第二 構造及び性能
一 自家発電設備の構造及び性能は、次に定めるところによる。
(一) 外部から容易に人が触れるおそれのある充電部及び駆動部は、安全上支障のないように保護されていること。
(二) 常用電源が停電した場合、自動的に電圧確立、投入及び送電が行われるものであること。ただし、自家発電設備のうち、運転及び保守の管理を行うことができる者が常駐し、かつ、停電時において直ちに操作することができる場所に設けるものにあつては、電圧確立を自動とし、投入を手動とすることができる。
(三) 常用電源が停電してから電圧確立及び投入までの所要時間(投入を手動とする自家発電設備にあつては投入操作に要する時間を除く。)は、四十秒以内であること。ただし、常用電源の停電後四十秒経過してから当該自家発電設備の電圧確立及び投入までの間、蓄電池設備の基準(昭和48年消防庁告示第二号)の規定(同告示第二第一号(十)を除く。)に適合する蓄電池設備により電力が供給されるものにあつては、この限りではない。(→出題:平成22年1級学科2、No.16)
(四) 常用電源が停電した場合、自家発電設備に係る負荷回路と他の回路とを自動的に切り離すことができるものであること。ただし、停電の際自家発電設備に係る負荷回路を他の回路から自動的に切り離すことができる常用の電源回路に接続するものにあつては、この限りでない。
(五) 発電出力を監視できる電圧計及び電流計を設けること。
(六) 定格負荷における連続運転可能時間以上出力できるものであること。
(七) JIS(工業標準化法(昭和24年法律第百八十五号)第17条第1項の日本工業規格をいう。)B八〇〇二―五(往復動内燃機関―性能―第五部:ねじり振動)に準じて算出した使用回転速度域において、構造又は性能に有害な影響を及ぼすおそれのあるねじり振動を発生しないものであること。
(八) 自家発電設備の運転により発生する騒音、振動、熱及びガスを適切に処理するための措置を講じているものであること。
(九) セルモーター付きの原動機にあつては、セルモーターピニオンと原動機のリングギヤとの不噛〔か〕み合わせ防止装置を設けること。
(十) (九)に定めるセルモーターに使用する蓄電池設備は、蓄電池設備の基準に準ずるほか、高率放電用蓄電池(各始動間に五秒の間隔を置いて十秒の始動を三回以上行うことができる容量の蓄電池をいう。)を用いるものとすること。
(十一) 空気始動式の原動機にあつては、空気タンクの圧力が連続して三回以上始動できる圧力以下に低下した場合に自動的に作動する警報装置及び圧力調整装置を設けること。
(十二) 液体燃料を用いる原動機の燃料タンクは、次に定めるところによる。
イ その容量に応じ、次の表に掲げる厚さの鋼板又はこれと同等以上の強度を有する金属板で気密に造られ、かつ、さび止めのための措置が講じられていること。
ロ 液面計が設けられていること。
ハ 圧力タンクにあつては有効な安全装置が、圧力タンク以外のタンクにあつては有効な通気管がそれぞれ設けられていること。
ニ 配管は、金属製のもの又はこれと同等以上の耐熱性及び耐食性を有するものとし、配管とタンクの結合部分には地震等により損傷を受けないような措置が講じられていること
(十三) 原動機の燃料供給は次のいずれかによるものであること。
イ 定格負荷における連続運転可能時間に消費される燃料と同じ量以上の容量の燃料が燃料容器に保有されるものであること。
ロ ガス事業法(昭和29年法律第五十一号)第2条第11項に規定するガス事業者により供給されるガスを燃料とする原動機の場合において、次に定める方法により、燃料が安定して供給されるものであること。
(イ) 地表面水平加速度四百ガルの地震動が加えられた後であつても、燃料が安定して供給されるものであること。
(ロ) 導管が建築物の外壁を貫通する場合にあつては、次に定める緊急ガス遮断装置(危急の場合に建築物の外壁を貫通する箇所の付近で直ちにガスの供給を遮断することができるものをいう。)が設置されていること。
a 当該導管の最高使用圧力を加えたときに漏れが生じない遮断性能を有するものであること。
b ガスの供給を停止せずに点検することができる措置が講じられているものであること。
(ハ) ガスを圧縮して原動機に供給するものにあつては、ガス圧縮器から安定して圧縮ガスが供給されるまでの間、定格負荷における連続運転に消費される燃料と同じ量以上の容量の燃料が燃料容器に保有されるものであること。ただし、(三)ただし書の規定の例により蓄電池設備を設けているものにあつては、この限りでない。
(十四) 水冷式の内燃機関には、専用の冷却水タンクを設けるものとし、その容量は冷却するのに十分なものとすること。ただし、冷却塔、熱交換器その他これらに類するものを用いるものにあつては、専用の冷却水タンクを設けることを要しない。
(十五) 発電機の固定子は、耐振性を有するものであること。
(十六) 発電機の回転子は、良質な材料を用いたものであること。
(十七) 発電機の総合電圧変動率は、定格電圧のプラスマイナス二・五パーセント以内であること。
(十八) 制御装置は、次に定めるところによること。
イ 鋼板又はこれと同等以上の強度を有する材料で造られたものであること。
ロ 手動により原動機を停止させる装置が設けられていること
二 電力を常時供給する自家発電設備の構造及び性能は、前号の規定によるほか、電力を常時供給するための燃料の供給が断たれたときに、自動的に非常電源用の燃料が供給されるものであること。ただし、前号(十三)ロに定める方法により燃料が安定して供給されるものにあつては、この限りではない。
三 キユービクル式自家発電設備の構造及び性能は、前各号の規定によるほか、次に定めるところによる。
(一) キユービクル式自家発電設備の種類は、次のとおりとすること。
イ 自家発電装置(発電機と原動機とを連結したものをいう。)及びこれらの附属装置を一の箱(以下「外箱」という。)に収納したもの
ロ 自家発電設備の運転に必要な制御装置及び保安装置並びにこれらの附属装置を外箱に収納したもの
ハ イ及びロに掲げる機器を外箱に収納したもの
(二) 外箱の構造は、次に定めるところによること。
イ 外箱(コンクリート造又はこれと同等以上の耐火性能を有する床に設置するものの床面部分を除く。)の材料は、鋼板とし、その板厚は、屋外用のものにあつては、二・三ミリメートル以上、屋内用のものにあつては一・六ミリメートル以上であること。
ロ 外箱の開口部(ヘに掲げるものに係るものを除く。)には、防火戸(建築基準法(昭和25年法律第二百一号)第2条第九号の二ロに規定する防火設備であるものに限る。)が設けられていること。
ハ 外箱は、建築物の床に容易かつ堅固に固定できるものであること。
ニ 外箱は、消音器及び屋外に通じる排気筒を容易に取付けられるものであること。
ホ 外箱からの電線引出し口は、金属管又は金属製可とう電線管を容易に接続できるものであること。
ヘ 外箱には、次に掲げるもの以外のものが外部に露出して設けられていないこと。
(イ) 表示灯(カバーに難燃性の材料を用いたもの又は防火上有効な措置を講じたものに限る。)
(ロ) 冷却水、温水及び潤滑油の出し入れ口
(ハ) 水及び油を抜く管
(ニ) 電線の引き出し口
(ホ) 燃料配管
(ヘ) (四)に定める換気装置
(ト) 排気筒
(三) 内部の構造は、次に定めるところによること。
イ 原動機、発電機、制御装置等の機器は、外箱の底面から十センチメートル以上の位置に収納されているか、又はこれと同等以上の防水措置が講じられたものであること。
ロ 機器及び配線類は、原動機から発生する熱の影響を受けないように断熱処理され、かつ、堅固に固定されていること。
ハ 原動機及び発電機は、防振ゴム等振動吸収装置の上に設けたものであること。ただし、原動機にガスタービンを用いるものにあつては、この限りでない。
ニ 燃料タンクが外箱に収容されているものにあつては、給油口が給油の際の漏油により電気系統又は原動機の機能に異常を及ぼさない位置に設けられていること。
ホ 騒音に対して、遮音措置を講じたものであること。
ヘ 気体燃料を使用するものにあつては、ガス漏れ検知器及び警報装置が設けられていること。
(四) キユービクル式自家発電設備には、次に定めるところにより換気装置が設けられていること。
イ 換気装置は、外箱の内部が著しく高温にならないよう空気の流通が十分に行えるものであること。
ロ 自然換気口の開口部の面積の合計は、外箱の一の面について、当該面の面積の3分の1以下であること。
ハ 自然換気口によつて十分な換気が行えないものにあつては、機械換気設備が設けられていること。
ニ 換気口には、金網、金属製がらり、防火ダンパーを設ける等の防火措置及び雨水等の浸入防止措置(屋外用のキユービクル式自家発電設備に限る。)が講じられていること。
第三 表示
自家発電設備には、次に掲げる事項をその見やすい箇所に容易に消えないように表示するものとする。
一 製造者名又は商標
二 製造年
三 定格出力
四 形式番号
五 燃料消費量
六 定格負荷における連続運転可能時間
第一・二…一部改正〔昭和五〇年五月消告五号〕、第二・三…一部改正〔昭和五七年四月消告四号〕、第二…一部改正〔平成一二年五月消告八号〕、第一―第三…一部改正〔平成13年三月消告二六号〕
附 則
この告示は、昭和48年六月一日から施行する。
附 則 〔昭和五〇年五月二八日消防庁告示第五号〕
この告示は、公布の日から施行する。
附 則 〔昭和五七年四月一七日消防庁告示第四号〕
1 この告示は、公布の日から施行する。
2 この告示施行の際、現に存する防火対象物又は現に新築、増築、改築、移転若しくは模様替えの工事中の防火対象物における自家発電設備に係る技術上の基準については、当分の間、改正後の昭和48年消防庁告示第一号第二及び第三の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則 〔平成一二年五月三一日消防庁告示第八号〕
この告示は平成十二年六月一日から施行する。
附 則 〔平成13年三月三〇日消防庁告示第二六号〕
1 この告示は、公布の日から施行する。
2 この告示の施行の際、現に存する防火対象物又は現に新築、増築、改築、移転若しくは模様替えの工事中の防火対象物における自家発電設備に係る技術上の基準については、この告示による改正後の昭和48年消防庁告示第一号第二第一号(七)、(八)及び(十七)並びに第三の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則 〔平成一八年三月二九日消防庁告示第六号〕
この告示は平成十八年四月一日から施行する。
執筆者:松川幸四郎
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