二級建築士試験分野別まとめ
構造
構造設計
2023年7月02日(日)
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分野別にまとめました
(平成20年度から令和02年度まで)
二級建築士
構造
構造設計
〔R02 No.18〕建築物の固有周期に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物は、水平剛性が同じであれば、質量が小さいほど固有周期が長くなる。
2.形状及び高さが同じであれば、一般に、鉄筋コンクリート造建築物に比べて鉄骨造建築物のほうが固有周期が長くなる。
3.鉄筋コンクリート造建築物では、一般に、躯体にひび割れが発生するほど固有周期が長くなる。
4.鉄筋コンクリート造建築物において、柱と腰壁の間に耐震スリットを設けると、設けない場合に比べて固有周期が長くなる。
5.免震構造を採用した建築物は、一般に、免震構造を採用しない場合と比べて固有周期が長くなる。
解答 1:建築物の「固有周期」は、質量が大きい、建築物の高さが高いほど、剛性が小さいほど、長くなる。
〔R02 No.19〕建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の耐震性は、一般に、強度と靱性によって評価されるが、靱性が乏しい場合には、強度を十分に高くする必要がある。
2.エキスパンションジョイントのみで接している複数の建築物については、それぞれ別の建築物として構造計算を行う。
3.各階における層間変形角の値は、一次設計用地震力に対し、原則として、1/200以内となるようにする。
4.鉄骨造建築物において、大梁は、材端部が十分に塑性化するまで、継手で破断が生じないようにする。
5.鉄筋コンクリート造建築物において、柱や梁に接続する袖壁、腰壁については非耐力壁として考え、偏心率の算定に当たり、影響はないものとする。
解答 5:偏心率を計算するにあたり、袖壁・腰壁は耐力壁として考え、影響を考慮する。(建築物の構造関係技術基準・解説書)
〔R01 No.18〕建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋コンクリート造の建築物の小梁付き床スラブについて、小梁の過大なたわみ及び大梁に沿った床スラブの過大なひび割れを防止するため、小梁に十分な曲げ剛性を確保した。
2.鉄筋コンクリート造の建築物のピロティ階について、単独柱の上下端で曲げ降伏となるように設計するとともに、ピロティ階の直上、直下の床スラブに十分な剛性と強度を確保した。
3.木造の建築物について、床組や小屋梁組のたわみを減少させるために、火打材を用いて補強した。
4.木造の建築物について、終局状態において耐力壁が破断するまで、柱頭・柱脚の接合部が破壊されないことを計算によって確認した。
5.鉄骨造の建築物の筋かいについて、軸部の全断面が降伏するまで、接合部が破断しないことを計算によって確認した。
解答 3:火打材は、建築物に生じる水平力に対して床組の剛性を高めるもので、鉛直方向のたわみには有効ではない。
〔R01 No.19〕建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の耐震性能を高める構造計画には、強度を高める考え方とねばり強さを高める考え方がある。
2.建築物が、極めて稀に発生する地震動に対して倒壊しないようにすることは、耐震設計の目標の一つである。
3.建築物の固有周期は、構造物としての剛性が同じであれば、質量が大きいほど長くなる。
4.建築物の各階の偏心率は、「各階の重心と剛性との距離(偏心距離)」を「当該階の弾力半径」で除した値であり、その値が大きいほど、その階に損傷が集中する危険性が高い。
5.建築物の各階の剛性率は、「各階における層間変形角の逆数」を「全ての階の層間変形角の逆数の平均値」で除した値であり、その値が大きいほど、その階に損傷が集中する危険性が高い。
解答 5:建築物の各階の剛性率は、その値が小さいほど、その階に損傷が集中する危険性が高い。
〔H30 No.18〕建築物の耐震設計、構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.耐震設計の一次設計では、まれに発生する地震(中程度の地震)に対して建築物の損傷による性能の低下を生じないことを確かめる。
2.鉄筋コンクリート造の建築物は、一般に、鉄骨造や木造の建築物より単位床面積当たりの重量が大きいので、構造設計においては地震力よりも風圧力に対する検討が重要となる。
3.エキスパンションジョイントのみで接している複数の建築物については、それぞれ別の建築物として構造計算を行う。
4.建築物は、一般に、屋根や床の面内剛性を高くし、地震力や風圧力などの水平力に対して建築物の各部が一体となって抵抗できるように計画する。
5.地震時に建築物のねじれが生じないようにするため、建築物の重心と剛心との距離ができるだけ小さくなるように計画する。
解答 2:水平に作用するものは、地震力と風圧力がある。地震力は重量が大きい建築物にほど不利に働き、逆に風圧力に対しては重量が大きい建築物にほど有利に働く。よって鉄筋コンクリートなどの重量が大きい建築物には「風圧力」よりも「地震力」に対する検討が重要になる。
〔H30 No.19〕鉄筋コンクリート構造の既存建築物の耐震診断、耐震改修に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.耐震診断基準における第2 次診断法においては、建築物の形状の複雑さや剛性のアンバランスな分布などが耐震性能に及ぼす影響を評価するための形状指標を算出する。
2.あと施工アンカーを用いた補強壁の増設工事を行う場合、新設するコンクリートの割裂を防止するために、アンカー筋の周辺にスパイラル筋などを設けることが有効である。
3.既存の耐震壁の開口部をふさいだり壁厚を増したりすることは、建築物の保有水平耐力を増加させる強度抵抗型の補強に適している。
4.耐震スリットを設ける目的の一つは、せん断破壊型の柱を曲げ破壊型に改善することである。
5.柱における鋼板巻き立て補強や炭素繊維巻き付け補強は、柱の曲げ耐力を高めることを目的としている。
解答 5:「炭素繊維巻き付け補強」は、鉄筋コンクリー造の耐震改修工事において行う、柱のせん断耐力を向上・変形能力を高める補強方法。
〔H29 No.18〕建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄骨造の建築物において、筋かいによって地震力に抵抗する計画とした場合、耐震計算ルート2では、筋かいの水平力分担率の値に応じて、地震時応力を割り増す必要がある。
2.木造建築物において、同じ構面内の同種の筋かいは、一般に、傾きの方向が同じ向きとなるように配置する。
3.鉄筋コンクリート造の建築物において、柱と腰壁との間に耐震スリットを設けることは、柱の脆性破壊の防止に有効である。
4.スウェーデン式サウンディング試験(S W S試験)は、載荷したロッドを回転して地盤に貫入する簡便な地盤調査方法であり、手動式の場合、適用深度は10m程度である。
5.建築物の外壁から突出する部分の長さが2mを超える片持ちのバルコニーを設ける場合、当該部分の鉛直震度に基づき計算した地震力に対して安全であることを確かめる必要がある。
解答 2:一般に、筋かいは、圧縮筋かいとして働かせる方が有利であるので、傾きの方向が反対向きとなるように配置する。
〔H29 No.19〕建築物の耐震設計等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の剛性率は、計算しようとする方向について、各階の層間変形角を建築物全体の層間変形角の平均値で除した値である。
2.建築物の偏心率は、計算しようとする方向について、各階の偏心距離を当該階の弾力半径で除した値である。
3.建築物の耐震性は、一般に、強度と靱性によって評価されるが、靱性が乏しい場合には、強度を十分に高くする必要がある。
4.建築物の耐震設計は、まれに発生する地震(中程度の地震)に対して損傷による性能の低下を生じないことを確かめる一次設計と、極めてまれに発生する地震(最大級の地震)に対して崩壊・倒壊等しないことを確かめる二次設計から構成される。
5.杭基礎において、根入れの深さが2m以上の場合、基礎スラブ底面における地震による水平力を低減することができる。
解答 1:建築物の地上部分について、「剛性率」は「各階の層間変形角の逆数」を「建築物全体の層間変形角の逆数の平均値」で除した値である。
〔H28 No.18〕建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋コンクリート構造において、袖壁、腰壁については非耐力壁として考え、偏心率の算定に当たり、影響はないものとした。
2.ピロティ階の必要保有水平耐力は、「剛性率による割増係数」と「ピロティ階の強度割増係数」のうち、大きいほうの値を用いて算出した。
3.3階建ての建築物において、1階に十分な量の耐力壁を配置するとともに、2階及び3階においても、1階と同程度の層間変形角となるように耐力壁を配置した。
4.杭基礎において、根入れの深さが2m以上であったので、基礎スラブ底面における地震による水平力を低減した。
5.耐力壁の配置が各階で異なっていたので、床や屋根の面内剛性を高くし、地震力などの水平力に対して建築物が一体となって抵抗できるように計画した。
解答 1:偏心率を計算するにあたり、袖壁・腰壁は耐力壁として考え、影響を考慮する。(建築物の構造関係技術基準・解説書)
〔H28 No.19〕鉄筋コンクリート構造の既存建築物の耐震改修、耐震補強等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.耐震スリットを設ける目的の一つは、せん断破壊型の柱を曲げ破壊型に改善することである。
2.あと施工アンカーを用いた補強壁の増設工事を行う場合、新設するコンクリートの割裂を防止するために、アンカー筋の周辺にスパイラル筋などを設けることが有効である。
3.建築物の最上階又は最上階から複数階を撤去する改修は、建築物の重量を低減できるので、耐震性の向上に有効である。
4.耐震診断基準における第2次診断法は、柱や壁の変形能力などは考慮せずに、梁の強さと変形能力などをもとに耐震性能を判定する診断手法である。
5.柱における炭素繊維巻付け補強は、柱の靱性を高めるのに有効である。
解答 4:耐震診断の基準には、3段階の診断精度がある。
・第1次診断法:「壁量の多い建築物」に適する診断
・第2次診断法:「柱」「壁」の強さと変形能力などをもとに計算するやや詳細な診断
・第3次診断法:「柱」「壁」「梁」の強さと変形能力なども考慮する詳細な診断
〔H27 No.18〕建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋コンクリート構造の小梁付き床スラブにおいては、小梁の過大なたわみ及び大梁に沿った床スラブの過大なひび割れを防止するため、小梁に十分な曲げ剛性を確保する。
2.壁式鉄筋コンクリート構造においては、一般に、ある階の耐力壁の壁量は、その上階の耐力壁の壁量と同等以上となるようにする。
3.同じ高さの建築物の場合、水平力に対する剛性は、一般に、鉄筋コンクリート構造より鉄骨構造のほうが大きい。
4.鉄骨構造においては、一般に、「柱梁接合部パネル」より「柱又は梁」のほうが先に降伏するように設計する。
5.木造軸組構法においては、床組の水平剛性を確保するために、火打梁や構造用面材によって床組を補強する。
解答 3:同じ高さの建築物の場合、鉄筋コンクリート造よりも鉄骨構造の方がたわみやすい。なので、水平力に対する剛性(たわみにくさ)は鉄筋コンクリートの方が大きい。
〔H27 No.19〕建築物の耐震設計等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.偏心率は、各階の重心と剛心との距離(偏心距離)を当該階の弾力半径で除した値であり、その値が大きいほど、その階において特定の部材に損傷が集中する危険性が高いことを示している。
2.建築物の固有周期は、構造物としての剛性が同じであれば、質量が大きいほど短くなる。
3.各階における層間変形角の値は、一次設計用地震力に対し、原則として、1/200以内となるようにする。
4.鉄骨構造における保有耐力接合は、接合する部材が十分に塑性化するまで、接合部で破断が生じないようにする接合である。
5.まれに発生する地震に対して、建築物が損傷しないようにすることは、耐震設計の目標の一つである。
解答 2:建築物の固定周期Tは、次式より求める。
m:建築物の質量(kg)、k:建築物の剛性(バネ定数)
これより剛性が大きいほど、また質量が小さいほど、短くなる。
〔H26 No.18〕建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の偏心率は、計算しようとする方向について、各階の偏心距離を当該階の弾力半径で除した値である。
2.建築物の剛性率は、計算しようとする方向について、各階の層間変形角を建築物全体の層間変形角の平均値で除した値である。
3.建築物の外壁から突出する部分の長さが2mを超える片持ちのバルコニーを設ける場合、当該部分の鉛直震度に基づき計算した地震力に対して安全であることを確かめる必要がある。
4.エキスパンションジョイントのみで接している複数の建築物については、それぞれ別の建築物として構造計算を行う。
5.建築物の耐震性は、一般に、強度と靱性によって評価されるが、靱性が乏しい場合 には、強度を十分に高くする必要がある。
解答 2:建築物の地上部分について、「剛性率」は「各階の層間変形角の逆数」を「建築物全体の層間変形角の逆数の平均値」で除した値である。
〔H26 No.19〕建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物は、一般に、床や屋根の面内剛性を高くし、地震力や風圧力などの水平力に対して建築物の各部が一体となって抵抗できるように計画する。
2.ピロティ階を有する建築物においては、一般に、ピロティ階で層崩壊しないような架構形式を採用する。
3.鋼材のヤング係数は、一般に、引張強さに影響されないことから、引張強さの小さい鋼材から大きい鋼材に変更しても、梁のたわみは小さくならない。
4.同じ高さ・形状の建築物の場合、一般に、鉄筋コンクリート構造より鋼構造のほうが、建築物の固有周期が短い。
5.免震構造は、一般に、積層ゴム支承やダンパー等により、地震時の入力エネルギーを低減し、振動エネルギーを吸収する構造である。
解答 4:地震力を算定する場合に用いる建築物の設計用一次固有周期Tは、
RC・SRCの場合は、T=0.02h
S造・木造の場合は、T=0.03h
となる。これにより、設計用一次固有周期は、鉄骨造や木造の方が、鉄筋コンクリート等よりも長くなる。
(関連問題:平成30年1級学科4、No.07、平成27年1級学科4、No.24、平成24年1級学科4、No.08、平成21年1級学科4、No.08、平成20年1級学科3、No.09、平成11年1級、平成28年2級学科3、No.08)
〔H25 No.18〕建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.靱性に乏しい構造であっても、十分に強度を高めることによって、耐震性を確保することができる。
2.剛性率は、各階の層間変形角の逆数を建築物全体の層間変形角の逆数の平均値で除した値であり、その値が小さいほど、その階に損傷が集中する危険性が高いことを示している。
3.偏心率は、各階の重心と剛心との距離(偏心距離)を当該階の弾力半径で除した値であり、その値が大きいほど、その階において特定の部材に損傷が集中する危険性が高いことを示している。
4.鉄筋コンクリート造の建築物において、地震力に対して十分な量の耐力壁を設ける場合であっても、架構を構成する柱については、水平耐力の検討を行うことが必要である。
5.鉄骨造の建築物において、保有耐力接合の検討は、柱及び梁部材の局部座屈を防止するために行う。
解答 5:設問の「柱及び梁部材の局部座屈を防止するために行う」のは幅厚比の検討である。保有耐力接合の検討は、接合部の強度確保を目的とするもの。
〔H25 No.19〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修、耐震補強等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の最上階又は最上階から複数階を撤去する改修は、建築物の重量を低減できるので、耐震性の向上に有効である。
2.あと施工アンカーを用いた補強壁の増設工事を行う場合、新設するコンクリートの割裂を防止するために、アンカー筋の周辺にスパイラル筋などを設けることが有効である。
3.柱における炭素繊維巻付け補強は、柱の曲げ耐力の向上を目的とした補強方法である。
4.耐震診断基準における第2次診断法は、梁の変形能力などは考慮せずに、柱や壁の強さと変形能力などをもとに耐震性能を判定する診断手法である。
5.耐震スリットを設ける目的の一つは、せん断破壊型の柱を曲げ破壊型に改善することである。
解答 3:「炭素繊維巻き付け補強」は、鉄筋コンクリー造の耐震改修工事において行う、柱のせん断耐力を向上・変形能力を高める補強方法。
〔H24 No.18〕建築物の構造計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.3階建の建築物において、1階に十分な量の耐力壁を配置したので、2階及び3階においても、1階と同程度の層間変形角となるように耐力壁を配置した。
2. ピロティ階の必要保有水平耐力は、「剛性率による割増係数」と「ピロティ階の強度割増係数」のうち、大きいほうの値を用いて算出した。
3. 耐力壁の配置が各階で異なっているため、床や屋根の面内剛性を高くし、地震力などの水平力に対して建築物が一体となって抵抗できるように計画した。
4. 鉄筋コンクリート構造において、袖壁、腰壁については非耐力壁として考え、偏心率の算定に当たり、影響はないものとした。
5. エキスパンションジョイントのみによって接している複数の建築物は、それぞれ別の建築物として構造計算を行なった。
解答 4:偏心率を計算するにあたり、袖壁・腰壁は耐力壁として考え、影響を考慮する。(建築物の構造関係技術基準・解説書)
〔H24 No.19〕既存建築物の耐震診断、耐震補強等に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋コンクリート造の柱の靱性を高める耐震補強として、柱の周りに鋼板や炭素繊維シートなどを巻く工法を採用した。
2. 耐震診断において、柱及び壁の耐力に加え、梁の耐力と変形性能についても考慮する必要があったので、それらを評価できる第1次診断法を採用した。
3. 鉄筋コンクリート造の短柱の脆弱破壊を防ぐため、短柱に接続する腰壁との間に耐震スリットを設けた。
4. 耐力を増加させる必要があったので、増打ち壁や鉄骨ブレースを用いて補強を行なった。
5. 歴史的な建築物の耐震改修に当たっては、柱や壁などに手を加えず、建築物の外観を維持するため、免震構造を採用した。
解答 2:耐震診断の基準には、3段階の診断精度がある。
・第1次診断法:「壁量の多い建築物」に適する診断
・第2次診断法:「柱」「壁」の強さと変形能力などをもとに計算するやや詳細な診断
・第3次診断法:「柱」「壁」「梁」の強さと変形能力なども考慮する詳細な診断
〔H23 No.19〕建築物の構造計算等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋コンクリート構造において、地震力に対して十分な量の耐力壁を配置した場合、柱については鉛直荷重に対する耐力のみを確認すればよい。
2.鉄骨構造において、冷間成形角形鋼管を柱に用いる場合には、地震時に柱に生じる力の大きさに割増しなどの措置を講ずる必要がある。
3.スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)は、載荷したロッドを回転して地盤に貫入する簡便な地盤調査方法であり、手動式の場合、適用深度は10m 程度である。
4.杭基礎において、根入れの深さが2m以上の場合、基礎スラブ底面における地震による水平力を低減することができる。
5.木造建築物の耐震診断には、一般診断法と精密診断法とがあり、一般診断法においては、強度抵抗型の耐震補強についてのみ評価することができる。
解答 1:鉄筋コンクリート造の「柱」は、鉛直荷重と水平荷重(地震力)の両方に対しての耐力を確認しないといけない。
〔H22 No.19〕建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の耐震性能を高める構造計画には、強度を高める考え方とねばり強さに期待する考え方があり、部材が塑性化した後の変形能力を大きくすることは、ねばり強さに期待する考え方である。
2.エキスパンションジョイントのみで接する複数の建築物については、一体の建築物として構造計算を行う。
3.鉄筋コンクリート構造においては、一般に、「梁又は柱の耐力」より「柱梁接合部の耐力」の方が高くなるように計算する。
4.鉄骨構造の梁端接合部の早期破壊を防ぐために、梁端のフランジ幅を広げ、作用する応力を減らす設計をした場合であっても、保有耐力接合の検討を行う。
5.鉄筋コンクリート構造においては、偏心率を小さくするために、剛性の高い耐震壁を建築物外周にバランスよく配置する。
解答 2:エキスパンションジョイントは、複数の建築物を、相互に応力を伝えずに接する構造方法である。なのでこの構造方法のみで接する複数の建築物については、別々の建築物として構造計算を行う。(建築基準法施行令第81条4項)
〔H21 No.19〕建築物の構造計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.偏心率は、建築物の各階平面内の各方向別に、重心と剛心の偏りのねじり抵抗に対する割合として求める。
2.エキスパンションジョイントのみで接している複数の建築物については、それぞれ別の建築物として構造計算を行う。
3.鉄骨構造においては、一般に、「柱梁接合部パネルの耐力」より「梁又は柱の耐力」のほうが高くなるように設計する。
4.鉄筋コンクリート造の小梁付き床スラブにおいては、小梁の過大なたわみ及び大梁に沿った床スラブの過大なひび割れを防止するため、小梁に十分な曲げ剛性を確保する。
5.水平力に対する剛性は、一般に、同じ高さの建築物においては、鉄骨造の建築物より鉄筋コンクリート造の建築物のほうが大きい。
解答 3:鉄骨構造においては、一般に、「柱梁接合部パネル」よりも「梁」または「柱」が先に降伏するように設計する。なので、柱梁接合部のパネルの耐力の方が高くなるように設計する。(鋼構造接合部設計指針)
〔H20 No.19〕建築物の構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.極めてまれに起こる地震に対しては、建築物が倒壊や崩壊しないことを確かめる。
2.建築物の耐震性能を高めるためには、構造物の強度を大きくする考え方と構造物の変形能力を大きくする考え方がある。
3.ピロティ階の必要保有水平耐力は、剛性率による割増係数とピロティ階の強度割増係数のうち、大きいほうの値を用いて算出する。
4.一般に、同じ地震においても、個々の建築物の固有周期の違いにより、建築物の揺れの大きさは異なる。
5.建築物の固有周期は、構造物としての剛性が大きいほど、質量が小さいほど、長くなる傾向がある。
解答 5:建築物の固定周期Tは、次式より求める。
これより剛性が大きいほど、また質量が小さいほど、短くなる。
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