一級建築士試験分野別まとめ
構造
鉄骨鉄筋コンクリート
2023年7月23日(日)
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分野別まとめ
(平成20年度から令和02年度まで)
一級建築士
構造
鉄骨鉄筋コンクリート
〔R01 No.23〕各種建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.H形断面の鉄骨梁と鉄筋コンクリートスラブを頭付きスタッドを介して緊結した合成梁では、一般に、上下フランジのいずれも、局部座屈の検討を省略することができる。
2.H形断面の鉄骨梁と鉄筋コンクリートスラブを接合する頭付きスタッドの設計に用いる水平せん断力は、曲げ終局時に合成梁の各断面に作用する圧縮力及び引張力の関係から計算できる。
3.地震時の軸力変動により引張力が生じる鉄骨鉄筋コンクリート造の最下階の鉄骨柱脚は、原則として、埋込み形式とする。
4.鉄骨鉄筋コンクリート造の柱のせん断終局耐力は、鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分において、それぞれの「曲げで決まる耐力」と「せん断で決まる耐力」のいずれか小さいほうの耐力を求め、それらの耐力の和とすることができる。
解答 1:鉄骨の梁に鉄筋コンクリートの床板を一体化したものを「合成梁」という。これらを頭付きスタッドを介して緊結した合成梁では、一般に、鉄骨梁の下フランジは、圧縮力に対して横座屈・局部座屈には十分注意しなければならないが、上フランジは、圧縮力に対して、上部にある鉄筋コンクリートと共に受けるので、横座屈・局部座屈の検討は省略することができる。(各種合成構造設計指針)
〔H26 No.19〕鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.柱の軸方向力は、鉄筋コンクリート部分の許容軸方向力以下であれば、その全てを鉄筋コンクリート部分が負担するとしてよい。
2.部材に充腹形鉄骨を用いた場合、コンクリートの断面が鉄骨により二分されるので、非充腹形鉄骨を用いた場合に比べて耐震性能が低下する。
3.柱脚の鉄骨を非埋め込み柱脚として、その柱脚に曲げ降伏が発生する場合、その柱を鉄筋コンクリート構造とみなして耐震計算を行う。
4.けた行方向を鉄骨鉄筋コンクリート構造、張り間方向を鉄筋コンクリート構造とみなせる場合、方向別にそれぞれの構造計算等の規定を適用して設計してよい。
解答 2:「非充腹形」とは、ラチス形、格子形のようにウェブが鋼板で完全に満たされていないもの。鉄骨部材に「充腹形鉄骨」を用いた場合に、コンクリートの断面が鉄骨により二分されていても、「非充腹形鉄骨」を用いた場合に比べて耐震性能は高い。(鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準)
〔H24 No.19〕鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.柱の短期荷重時のせん断力に対する検討に当たっては、鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分の許容耐力の和が、設計用せん断力を下回らないものとした。
2.大梁の終局せん断強度は、鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分のそれぞれについて計算した終局せん断強度の和とした。
3.柱梁接合部における帯筋は、鉄骨梁ウェブを貫通させて配筋した。
4.構造特性係数DSの算定に当たって、耐力壁の想定される破壊モードがせん断破壊以外であったので、その耐力壁の種別をWAとした。
解答 1:設問の「鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分の許容せん断耐力の和」は、累加強度式といい、せん断力に対する算定では用いない。鉄骨部分とRC部分の設計せん断力を別々で算定し、それぞれの短期許容せん断力以下であることを検討する。
(関連問題:平成28年1級学科4、No.14、平成27年1級学科4、No.23、平成24年1級学科4、No.19、平成23年1級学科4、No.19、平成21年1級学科4、No.19)
〔H23 No.19〕鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.架構の靱性を高めるため、柱の軸圧縮耐力に対する崩壊メカニズム時の軸方向力の比が小さくなるように設計した。
2.柱の短期荷重時のせん断耐力に対する検討に当たっては、鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分の許容耐力が、それぞれの設計用せん断力を下回らないものとした。
3.埋込み形式柱脚の終局曲げ耐力は、柱脚の鉄骨断面の終局曲げ耐力と、柱脚の埋込部の支圧力による終局曲げ耐力を累加することによって求めた。
4.架構応力の計算に当たって、鋼材の影響が小さかったので、コンクリートの全断面について、コンクリートのヤング係数を用いて部材剛性を評価した。
解答 3:「埋込み形式柱脚の終局曲げ耐力」は、「柱脚の鉄骨断面の終局曲げ耐力」と「埋込み部分の終局曲げ耐力」のうちどちらか小さいほうと、「コンクリート部分の終局曲げ耐力」を累加することによって求められる。また「埋込み部分の終局曲げ耐力」は、「ベースプレート下面の終局曲げ耐力」と「支圧力による終局曲げ耐力」を累加して求められる。(建築物の構造関係技術規準解説書、鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準)
(関連問題:平成19年1級学科3)
〔H22 No.19〕鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.部材に充腹形鉄骨を用いる場合、コンクリートのひび割れ発生時に急激な剛性の低下が生じる。
2.部材の終局せん断耐力は、鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分において、それぞれの「曲げで決まる耐力」と「せん断で決まる耐力」のいずれか小さいほうの耐力を求め、それらの耐力の和とすることができる。
3.柱の設計において、コンクリートの許容圧縮応力度は、一般に、圧縮側鉄骨比に応じて低減させる。
4.柱の曲げ強度は、鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分のそれぞれの終局耐力の累加が最大となる一般化累加強度式により算定することができる。
解答 1:部材に充腹形鉄骨を用いる場合、コンクリートのひび割れ発生時に急激な剛性の低下が生じない。(鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準)
(関連問題:平成16年1級学科3)
〔H21 No.19〕鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.鉛直荷重を受ける架構の応力及び変形の計算は、一般に、鉄筋コンクリート構造の場合と同様に行うことができる。
2.柱の短期荷重時のせん断力に対する検討に当たっては、鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分の許容せん断耐力の和が、設計用せん断力を下回らないものとする。
3.柱梁接合部における帯筋は、一般に、鉄骨梁ウェブを貫通させて配筋する。
4.梁に設けることができる貫通孔の径は、鉄筋コンクリート構造に比べて、鉄骨部材に適切に補強を施すことにより、大きくすることができる。
解答 2:設問の「鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分の許容せん断耐力の和」は、累加強度式といい、せん断力に対する算定では用いない。鉄骨部分とRC部分の設計せん断力を別々で算定し、それぞれの短期許容せん断力以下であることを検討する。
(関連問題:平成28年1級学科4、No.14、平成27年1級学科4、No.23、平成24年1級学科4、No.19、平成23年1級学科4、No.19)
〔H20 No.15〕鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.架構の靱性を高めるため、柱の軸圧縮耐力に対する軸方向力の比が大きくなるように設計した。
2.架構応力の計算に当たって、鋼材の影響が小さかったので、コンクリートの全断面について、コンクリートのヤング係数を用いて部材剛性を評価した。
3.大梁の終局せん断強度を、鉄骨部分と鉄筋コンクリート部分のそれぞれについて計算した終局せん断強度の和とした。
4.柱断面を被覆形鋼管コンクリートとしたので、帯筋比が0.2%以上となるように設計した。
5.柱の軸方向の鉄筋と鉄骨の全断面積が、コンクリートの全断面積の0.8%以上となるように設計した。
解答 1:架構の靭性を高めるために、軸方向力を増大させないように、つまり柱の軸圧縮耐力に対する軸方向力の比が小さくなるように設計する。(鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準)
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