道路に建築物は建てていいの?
道路の目的である、日常の通行、緊急時の避難、それらを妨げる障害物が道路上にあることは許されない。
⇨つまり、道路内または道路に突き出して、次のものを建築、築造することはできません!
1.建築物
2.敷地を造成するための擁壁(ようへき)
出題:平成30年度No.12
ただし、例外がある!
次の4つは例外として、道路内または道路に突き出して建築、築造することができる。
1.地盤面下に設ける建築物(例:地下商店街や地下駐車場)(出題:平成20年度No.17、平成21年度No.17、平成23年度No.13、平成26年度No.14、平成29年度No.12)
2.公衆便所や巡査派出所などの、公益上必要な建築物で、「特定行政庁」が通行上支障がないと認めて「建築審査会の同意」を得て許可したもの (出題:平成21年度No.17、平成29年度No.12)
3.第43条第1項二号の道路の上空、路面下の建築物のうち、道路に係る地区計画の内容に適合し、かつ、政令で定める基準に適合するものであって「特定行政庁」が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの(写真のゲートタワービル)
4.公共用歩廊(例:商店街のアーケード)や、その他の建築物(令145条2項に定めるもの)で、「特定行政庁」が安全上、防火上、衛生上、他の建築物の利便を妨げ、周囲の環境を害するおそれがないと認めて「建築審査会の同意」を得て許可したもの (出題:平成21年度No.12)
条文
(道路内の建築制限)
第44条 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
一 地盤面下に設ける建築物
二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
三 第43条第1第二号の道路の上空又は路面下に設ける建築物のうち、当該道路に係る地区計画の内容に適合し、かつ、政令で定める基準に適合するものであつて特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
四 公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの
1 特定行政庁は、前項第四号の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。
第43条第1項二号 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第44条第1項を除き、以下同じ。)に2メートル以上接しなければならない。
第145条 法第44条第1項第三号の政令で定める基準は、次のとおりとする。
1 法第44条第1項第四号の規定により政令で定める建築物は、道路(高度地区(建築物の高さの最低限度が定められているものに限る。以下この項において同じ。)、高度利用地区又は都市再生特別地区内の自動車のみの交通の用に供するものを除く。)の上空に設けられる渡り廊下その他の通行又は運搬の用途に供する建築物で、次の各号のいずれかに該当するものであり、かつ、主要構造部が耐火構造であり、又は不燃材料で造られている建築物に設けられるもの、①高度地区、高度利用地区又は都市再生特別地区内の自動車のみの交通の用に供する道路の上空に設けられる建築物、②高架の道路の路面下に設けられる建築物並びに③自動車のみの交通の用に供する道路に設けられる建築物である休憩所、給油所及び自動車修理所(高度地区、高度利用地区又は都市再生特別地区内の自動車のみの交通の用に供する道路の上空に設けられるもの及び高架の道路の路面下に設けられるものを除く。)とする。
一 学校、病院、老人ホームその他これらに類する用途に供する建築物に設けられるもので、生徒、患者、老人等の通行の危険を防止するために必要なもの
二 建築物の5階以上の階に設けられるもので、その建築物の避難施設として必要なもの
三 多数人の通行又は多量の物品の運搬の用途に供するもので、道路の交通の緩和に寄与するもの