オートクレーブ養生の定義と過程
高温・高圧の蒸気がま(オートクレーブ)の中で,常圧より高い圧力下で高温の水蒸気を用いて行う蒸気養生をオートクレーブ養生(高温高圧蒸気養生)という(JIS A 0203定義)
オートクレーブ養生はコンクリート製品の早期出荷を可能にするための「促進養生」として採用される。
1. コンクリート製品を脱型※
2. 鋼製大型の円筒状圧力容器に収納(上の写真)
3. 高温・高圧の飽和蒸気を通して養生
※この時、脱型した後にオートクレーブ養生を行うとしているが(過程1)、コンクリート製品のコストに大きな影響を及ぼすのが型枠の費用であり、型枠ごとオートクレーブ養生を行うと型枠の損傷が激しくなるため、脱型後としている。
理論(試験には出ない!読まなくていい)
スウェーデンの科学者・建築家のヨハン・アクセル・エリクソンによる発明。
(Dr. Johan Axel Eriksson,1888-1961)
コンクリート製品のオートクレーブ養生は、珪酸質微粉末を混和して製造されたコンクリートを一定の温度勾配で昇温し、180~190℃、10~11気圧程度の等温等圧条件を所定時間(3~5時間程度)だけ保持して養生することにより、常温ではまったく不活性なシリカでもカルシウムと化合し強固な珪酸カルシウム水和物(トベルモライト)という強度の高い安定した化学反応物を生成するので、コンクリート製造の翌日には28日強度程度を得ることができる。また、オートクレーブ養生したコンクリートでは非常に「高強度」が得られ、設計基準強度70~90N/mm2のレベルのものもあり、高強度PC杭はその代表例である。