平成29年度1級建築士-学科Ⅱ環境・設備

平成29年度 学科Ⅱ -環境・設備
全20問掲載

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

〔H29 No.01〕環境工学における用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.色度は、色の明度彩度の二つの属性を含めた知覚的評価の指標である。
2.音の回折は、音波の伝搬空間に障害物がある場合に、障害物の背後に音が回り込んで伝搬する現象であり、障害物の大きさよりも音の波長が大きいほど回り込みやすい。
3.壁体の定常伝熱は、壁体の両面の空気温度又は表面温度を長時間一定に保った後も、壁体内の各部の温度が時間の経過によって変化せず、熱流量が一定な場合の伝熱過程をいう。
4.建築物の壁面に沿った風の流れが、隅角部で建築物から離れる現象を、一般に、剥離流という。

解答 1:目で感じる「色」は明度彩度色相によって決るが、明度を無視した色の性質を「色度」という。

2.音の回折は、音の進行方向に障害物がある場合でも、障害物の背後に音が回り込んで伝搬する現象である。周波数の高い音ほどこの現象は生じにくくなるため、障壁は高周波数音の遮断に有効である。障害物の大きさよりも音の波長が大きいほど回り込みやすい。

3.通常の状態では固体内の熱の変化が場所や時間によっても変化する。この状態を「非定常状態」といい、非定常熱伝導では一般化した科学式では表わすことが難しい。このため、場所に限らず時間的に伝導が一定であると仮定した状態である「定常状態」を想定した。このため、「定常熱伝導」とは、固体内のある場所の温度が時間的に変化しない状態での熱伝導を指す。

4.「剥離流」は建築物に当った風が向きを変えて、建物の角部を過ぎ、建物から剥がれて流れ去る風のことである。この建物角部から剥がれた風はその周囲の風よりも風速が大きいためビル風の主要因となっている。建物の風上側の領域が空気の高圧帯に相当し、そこから勢いよく風が吹きだされる。建築物が受ける風の圧力が大きくなるほど(=建築物の見付面積が大きいほど)剥離領域が大きくなる。また、上空は強い風が吹いているので、ビル風の風速は建物の高さと相関が高いと言われており、高層建築物ほどビル風は強くなる。

〔H29 No.02〕室内の温熱・空気環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.予測平均温冷感申告(PMV)は、主に均一な環境に対する温熱快適指標であることから、不均一な放射環境や上下温度分布が大きな環境等に対しては、適切に評価できない場合がある。
2.中央管理方式の空気調和設備を設ける居室においては、浮遊粉じんの量を概ね0.15mg/m2以下とする。
3.室内の酸素濃度が18%近くに低下した場合、人体に対しては生理的に大きな影響を与えにくいが、開放型燃焼器具の不完全燃焼をもたらすがある。
4.平均放射温度(MRT)は、室温によらず、グローブ温度及び気流速度の計測値から概算で求められる。

解答 4:平均放射温度(MRT: Mean Radiate Temperature)は、全方位からの放射を平均した温度である。グローブ温度(θ(g))、空気温度(θ)及び気流速度(v)から求められる。
MRT ≒ θg + 2.35√v(θ(g)-θ)

1.予測平均温冷感申告(PMV:Predicted Mean Vote)とは、室内における人の温熱感覚に関係する、気温、放射温度、相対湿度、気流速度、人体の代謝量及び着衣量を考慮した温熱環境指標である。主に均一な環境に対する指標であるため,不均一な放射環境,上下温度分布が大きな環境及び通風環境に対しては適切に評価できない場合がある。

2.中央管理方式の空気調和設備を用いた居室において、許容される浮遊粉じんの量の上限は、0.15mg/m3である。

空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準


3.新鮮空気中の酸素濃度は21%程度であり、18%は人体に対しては生理的に大きな影響を与えにくいが、安全濃度の最低水準である。燃焼器具は、給気と排気を室内で行う「開放型燃焼器具」、室内空気を給気し、室外に排気する「半密閉(半開放)型燃焼器具」、給気と排気を室外で行う「密閉型燃焼器具」がある。燃焼器具に供給する酸素濃度は18%以下になると急激に一酸化炭素発生量が増加し、人体に危険な状態となる。

〔H29 No.03〕換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.容積の異なる二つの室において、それぞれの室内の二酸化炭素発生量及び換気回数が同じ場合、定常状態での室内の二酸化炭素濃度は、一般に、容積が大きい室より小さい室のほうが高くなる。
2.汚染物質が発生している室の必要換気量は、定常状態を想定した場合、室の容積によらず、その室の汚染物質の発生量、許容濃度及び外気中の汚染物質の濃度により求めることができる。
3.外気に面して上下に同じ大きさの二つの開口部がある室において、無風の条件で温度差換気を行う場合、換気量は、「内外温度差」及び開口高さの差」に比例する。
4.手術室やクリーンルーム等のように、汚染空気が周囲から流入してはならない室においては、第二種機械換気又は室内の気圧を周囲よりも高くした第一種機械換気方式とする。

解答 3:自然換気量は、
・流量係数、開口部面積、風速に比例し
・内外部圧力の差、風圧係数の差、開口部の高さの差、内外部の温度の差の平方根に比例する

1.定常濃度Pは以下の式で表わされる
P = P0 + K/Q
大気汚染濃度P0、汚染質発生量K、換気量Q(=換気回数×室容積)
これによると、定常濃度Pは換気量Qが関係しており、室容積が大きく(小さく)なると、定常濃度Pは小さく(大きく)なる。

2.室内汚染室濃度Pと換気量Qは以下の式の関係にある。
(P-P0)×Q=K
室内汚染室濃度P、大気の汚染質濃度P0、換気量Q、汚染質発生量K
上式から、室の容積によらず、その室の汚染物質の発生量、許容濃度及び外気中の汚染物質の濃度により求めることができる。

4.第一種換気 (給気:機械 排気:機械)…オフィスビル等(給気量の調整で手術室やクリーンルーム等、ボイラー室も含む)
第二種換気 (給気:機械 排気:自然)…手術室やクリーンルーム等、ボイラー室
第三種換気 (給気:自然 排気:機械)…トイレやキッチン等

〔H29 No.04〕図は、冬期において、定常状態にある外壁の内部及び周囲の温度分布を示したものである。次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、図中の屋外温度t0、室内温度t1及び材料の厚さdの条件は変わらないものとする。

1.材料(A)は、材料(B)より熱伝導率が大きい。
2.材料(A)の熱伝導率を大きくすると、材料(B)の各部分の温度が下がる。
3.材料(B)の熱伝導率を大きくすると、材料(A)の各部分の温度が上がる。
4.室内表面結露の防止には、材料(A)と材料(B)を入れ替えると効果的である。

解答 4:表面結露の防止には壁の熱貫流率が高いほど有効である。ただ設問の記述のように材料ABを並べ替えても熱貫流量は変わらない。

1.材料内の温度分布の角度が大きいほど、屋外と室内の温度差が大きいことを表わし、断熱性が大きく、熱伝導率は小さい。これにより、材料Aは材料Bよりも断熱性が低く、熱伝導率は大きい。

2.材料Aの熱伝導率を大きくすると、θは下がるので、θ1も下がる(材料Bの各部分の温度が下がる)。

3.材料Bの熱伝導率を大きくすると、θは上がるので、θ0も上がる(材料Aの各部分の温度が上がる)。

〔H29 No.05〕火災時の煙制御に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.自然排煙方式の排煙の効率は、給気経路によらず、排気を行う開口部の位置及び面積で決まる。
2.吸引型の機械排煙方式は、発生した煙を外部に排出するとともに、煙が発生した室を減圧することにより、他の空間への煙の拡散防止にも有効である。
3.高層建築物の階段室に対する加圧防煙システムは、階段室への煙の流入防止とともに、階段室における煙突効果による煙の拡散防止にも有効である。
4.第二種排煙は、押出型の機械排煙方式であり、所定の排煙量を確保するために、排煙量よりも多い給気量が必要となる。

解答 1:火災時には排煙設備が機能する必要があり、設備には「機械排気」と「自然排気」がある。「自然排気」方式は高い位置に配置された開口部から排煙する。この方式では開口部位置を高くし、給気経路を確保する。

2.吸引型の機械排煙方式は、発生した煙を吸引し、外部に強制排出する機構である。煙が発生した室を減圧することにより、他の空間への煙の拡散防止にも期待できる。(設問文ママ)

3.吸引型の機械排煙方式は、火災時に発生する室内の煙が避難通路に出ないように火災ゾーンを排煙ファンなどで負圧に、他方避難する廊下には加圧ファンで新鮮な空気を入れ正圧にすることで、煙の侵入を防ぐものである。

4.第二種排煙は、送風機で外気を給気することで、室内を正圧にし、自然排煙口から煙を押し出す排煙方法である。排煙口以外の隙間からの漏れ量も考慮し、排煙量よりも多い給気量を確保する。

〔H29 No.06〕北緯35度のある地点において、イ~ニに示す各面の終日日射量の大小関係として、最もものは、次のうちどれか。ただし、終日快晴とし、日射を妨げる要素はないものとする。

イ.夏至の日における南向き鉛直面
ロ.夏至の日における西向き鉛直面
ハ.冬至の日における南向き鉛直面
ニ.冬至の日における水平面

1.イ> ハ> ロ> ニ
2.ロ> イ> ハ> ニ
3.ロ> ハ> イ> ニ
4.ハ> ロ> ニ> イ

解答 4:下の図から、終日日射量の大きい方から、選択肢4の「ハ> ロ> ニ> イ」となる。

〔H29 No.07〕昼光・照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.光束は、ある面を単位時間に通過する光の放射エネルギーの量を、視感度で補正した値である。
2.受照面が均等拡散面である場合の輝度は、照度と反射率の積に比例する。
3.長時間の精密な視作業のための基準昼光率は、2%である。
4.設計用全天空照度は、普通の日(標準の状態)の場合、15,000lxを用いることが多い。

解答 3:採光設計の際に基準となる「基準昼光率」は以下の表を参考にする。「長時間の精密な視作業のための基準昼光率」は、下表の「長時間の読書・製図」に該当し、3%となる。
1.光束は、ある面を単位時間に通過する光の放射エネルギーの量を、視感度で補正した値である。

2.輝度は、単位面積(m2)から発せられる光度(cd:lm/sr)であり、見かけ(見た目)の明るさである。

4.設計用全天空照度は、普通の日(標準の状態)の場合、15,000lxを用いることが多いが、昼光により室内の最低照度を確保するには、一般に、暗い日の値である5,000lxが用いられる。

〔H29 No.08〕色彩に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.減法混色は、色を吸収する媒体を混ぜ合わせて別の色を作ることをいい、混ぜ合わせを増やすごとに黒に近づく。
2.XYZ表色系における三原刺激X、Y、ZのうちのYは、光源色の場合、測光的な明るさを表している。
3.マンセル表色系における彩度は、0から10までの数値で表される。
4.日本工業規格(JIS)の「安全色- 一般事項」において、「緑」は、「安全状態」及び「進行」を表している。

解答 3:「彩度」はその数値が小さくなるほど無彩色に近くなり、彩度0は明度のみを持つ色となる。逆に数値が大きいほど鮮やかになる。その数値の最大値は色によって異なる。

1.混色とは、色を混ぜて別の色を作ることで、加法混色と減法混色とがある。加法混色は光源色でみられ、混色の結果、白に近づく。減法混色は色料や色フィルターなどにみられ、混色の結果、黒に近づく。また、加法混色の三原色は赤・緑・青で、減法混色はシアン・マゼンタ・イエローである。

2.X、Y、Zは、おおむねR、G、Bに対応した色と考えられ、これらを原刺激と呼び、三原刺激[X][Y][Z]の混色量であるXYZで示される数値を「三刺激値」という。また、Yは緑成分とともに原刺激の中で唯一明るさ(視感反射率、視感透過率)を表す刺激値となる。

4.「安全色」として赤・黄赤・黄・緑・青・赤紫の6色が規定されている。それぞれ、赤は「禁止、危険、防火」、黄赤は「警告、航空、船舶」、黄は「注意」、緑は「安全」、青は「指示」、赤紫は「放射能」を表わす。

〔H29 No.09〕音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.室内の平均吸音率が大きい場合、セイビン(Sabine)の残響式により求めた残響時間は、アイリング(Eyring)の残響式により求めたものに比べて、長くなる。
2.空気中を伝搬する音のエネルギーの一部は、空気の粘性や分子運動等によって吸収され、その吸収率は、周波数が低くなるほど大きくなる。
3.音源の音響パワーを4倍にすると、受音点の音圧レベルは、約6dB上がる。
4.無限大の面音源の場合、音圧レベルは、距離によって減衰しない。

解答 2:音のエネルギーは、空気の粘性や分子運動等に吸収され、また距離によって減衰していく。このとき周波数が高いほどよく吸収されるため、低い音の方が遠くまで聞こえる。

1.セイビンの残響式では、完全吸音の室でも計算上残響時間が0になることはなく、吸音力が大きい室では、残響時間が実際より長くなる。そのため、アイリングの残響式に比べ残響時間は長くなる。

3.音の強さ(I)と音の強さのレベル(IL)の関係は、
音の強さが2倍になると、音の強さのレベルは+3dB
音の強さが22倍になると、音の強さのレベルは2×3dB=+6dB
音の強さが10倍になると、音の強さのレベルは+10dB
音の強さが102倍になると、音の強さのレベルは2×10dB=+20dB

4.極めて小さい点から音が放射される点音源に対して、面から音を放射する音源を面音源という。無限大の面音源の場合、音圧レベルは、距離によって減衰しない。このため、様々な無数の音源が広範囲に点在する都市を面音源として捉えると、都市に建つ高層マンションの上階において、音の距離減衰による騒音レベルの低下は、あまり期待できない。

〔H29 No.10〕吸音・遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.剛壁にグラスウール等の多孔質吸音材料を設置する場合、その吸音材料を厚くすると、一般に、低周波数域における吸音率が大きくなる。
2.ロックウールボード等の多孔質吸音材料の表面を塗装しても、高周波数域における吸音率には、ほとんど影響しない。
3.ガラス2枚からなる厚さの合計が6mmの合わせガラスの遮音性能は、コインシデンス効果の生じる周波数域以外の周波数域においては、厚さ6mmの単板ガラスの遮音性能とほとんど変わらない。
4.中空二重壁の共鳴透過について、中空二重壁を構成する二つの壁の面密度をともに2倍にすると、共振周波数は低くなる。

解答 2:多孔質吸音材料は音波が繊維の細い隙間に直接入射することによって空気が振動することによって音エネルギーから熱エネルギーに変わり吸音される。そのため多孔質吸音材料は塗装や被膜を避け、露出して設置する。

1.グラスウール、ロックウール、木毛セメント板、ウレタンフォームなどの「多孔質材料」は、材料中に多数の空隙や連続した気泡をもつ。材料中の空気が振動する際に抵抗が働き、音のエネルギーが繊維間の摩擦によって熱エネルギーに変換され、吸音効果を生じる。とくにグラスウールは、ガラス繊維を綿状に加工したもので、吸音材の他に断熱材、防火性を高める不燃材料としても使用される。多孔質材料の吸音周波数特性は、中・高音域の音に対して吸音性能が高いく、低音域側の吸音率を高めるには、材料を厚くする、もしくは密度を高めるか、背後に空気層を設ける。

3.6mmの単板ガラスと、3mm+3mmの合わせガラスの透過損失はほぼ等しい。複層ガラスは断熱効果は単板ガラスよりも期待できるが、中音域で遮音性能が低下するため、遮音効果は望めない。

4.中空二重壁の共鳴透過について、中空二重壁を構成する二つの壁の面密度をともに2倍にすると、共振周波数は低くなる。これは壁の面密度が大きくなると、壁の振動回数が少なくなり、共振周波数が低くなるものである。

〔H29 No.11〕空気調和・換気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.換気ダクトにおいて、ダクトの曲がり部分や断面変化部分に生じる局部圧力損失は、風速の二乗に比例する。
2.軸流送風機は、一般に、遠心送風機に比べて、静圧の高い用途に用いられる。
3.並列に接続した2台の同一性能をもつ送風機から単一ダクトに送風する場合、2台を同時に運転するときの風量は、そのうち1台のみを運転するときの風量の2倍よりも小さくなる。
4.同じ風量用の外気取入れガラリと排気ガラリを比べると、排気ガラリのほうが、一般に、通過風速を高くできることから必要な正面面積は小さくなる。

解答 2:「軸流送風機」とは、プロペラ送風機とも呼ばれる送風機のことで、風方向は電動機の軸にそって流れ、旋回しながら直線的に流れる。また「遠心送風機」は「軸流送風機」に比べて静圧の高い用途に用いられ、レンジフードなどでよく用いられる。
(関連問題:平成23年1級学科2、No.12)

〔H29 No.12〕空気調和設備の熱負荷計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.熱負荷計算法には、一般に、定常計算法、非定常計算法等があり、計算の目的により使い分けられている。
2.設計用外界条件に用いられるTAC温度は、気象データを統計処理して得られた値であり、所定の超過確率を設定して、稀にみられる猛暑等の要因を取り除いたものである。
3.室内発熱負荷には、顕熱と潜熱があり、人体に起因する潜熱は、同一作業の場合、室温が高いほど小さくなる。
4.最大負荷計算において、照明、人体、器具等による室内発熱負荷については、冷房時は計算に含めるが、暖房時は計算に含めないことが多い。

解答 3:「潜熱」は、物質が相変化の際に発生する見えない熱のことであるが、人に起因する潜熱には発汗などがある。室温が高くなると汗が出るので潜熱は上昇する。また人の総発熱量は潜熱と顕熱の合計であり、総発熱量はほぼ変化がない(平均体温(平熱)が一定である)。
(関連問題:平成26年1級学科2、No.02)

〔H29 No.13〕空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.蓄熱方式は、熱源装置の負荷のピークを平準化しその容量を小さくすることができる。
2.河川水や井戸水を熱源とする水熱源ヒートポンプは、一般に、熱源水の温度が冷房時には外気温度よりも低く、暖房時には外気温度よりも高いことから、空気熱源ヒートポンプより成績係数(COP)が高い。
3.省エネルギー性能が高い冷凍機の選定に当たっては、定格条件の成績係数(COP)とともに、年間で発生頻度が高い部分負荷時の成績係数(COP)も考慮する必要がある。
4.冷却水を直接大気に開放しない密閉式冷却塔は、同じ冷却能力の開放式冷却塔に比べて、送風機動力が小さくなる。

解答 4:「開放式冷却塔」は冷却水を直接大気に触れさせることにより冷却するため、大気の影響を受ける。対して「密閉式冷却塔」は冷却水が大気に直接触れないので水質劣化の恐れが「開放式」よりも小さい。ただし間接的な冷却なので送風機動力が大きくなり、コストも大きくなりがちである。これを解消するために温度センサーにより冷却水の出口温度を検出し、ファン発停制御及びファン回転数制御を行えるようにする。

〔H29 No.14〕給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.排水再利用水の原水としては、手洗器・洗面器や湯沸室からの排水のほかに、厨房からの排水も利用することができる。
2.利用頻度が低い衛生器具には、器具付きのトラップの下流の配管の途中に、Uトラップを設けることが望ましい。
3.分流式排水は、建築物内の排水設備においては「汚水」と「雑排水」とを別系統にすることをいい、公共下水道においては「汚水及び雑排水」と「雨水」とを別系統にすることをいう。
4.公共下水道が合流式の地域において、雨水排水管を一般排水系統の敷地排水管と接続する場合には、トラップますを介して接続する。

解答 2:設問の記述では「二重トラップ」になり、2つのトラップ間が閉塞状態となるので禁止されている。
(関連問題:平成22年1級学科2、No.13平成25年2級学科1、No.22平成24年2級学科1、No.22)

〔H29 No.15〕給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.作動しているポンプ内のキャビテーションは、水温が一定の場合、ポンプ吸込口の管内圧力が高いときに発生しやすい。
2.高置水槽方式の給水設備において、揚水管の横引きが長くなる場合は、ウォーターハンマーの発生原因となる水柱分離を防止するために、建築物のできるだけ低い位置で横引き配管を長くする。
3.給水設備において、上水系統と雑用水系統とを別系統とすることにより、雑用水系統の受水槽は、鉄筋コンクリート造の床下ピットを利用することができる。
4.上水系統の受水槽の水抜き管とオーバーフロー管は、いずれも十分な排水口空間を介して排水管等への間接排水とする。

解答 1:「キャビテーション(空洞現象)」は、液体の流れの中で圧力差により生じ、「振動・騒音」、「ポンプの効率の低下」及び「発生部での侵食」が起こる恐れがある。流体が渦の形成や流速の変化により、流体内部の圧力が一部低下する。その影響で飽和水蒸気圧以下に達すると水分が蒸発し、気泡が発生する。ポンプ吸込口の高圧時には発生しない。
(関連問題:平成23年1級学科2、No.15)

〔H29 No.16〕電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鉄骨造の建築物においては、雷保護システムの引下げ導線に、地上部分の構造体の鉄骨を利用することが望ましい。
2.接地には、外部雷保護用接地、電位上昇による感電等を防ぐ保安用接地、電位変動による電子機器の機能障害を防ぐ機能用接地等がある。
3.接地工事の接地線には、過電流遮断器を施設してはならない。
4.埋設接地極は、酸等で腐食するがなく、水気の少ない場所を選定して地中に埋設することが望ましい。

解答 4:埋設接地極、もしくは打込接地極は、ガス・酸などのための腐食の恐れがあるので、これを避け、なるべく水気の多いところに設置する。
(関連問題:平成22年1級学科2、No.16)

〔H29 No.17〕照明設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.蛍光ランプやLEDの光色において、昼白色は、電球色に比べて相関色温度が低い。
2.グレアは、視野内に輝度の高い光源や極端な輝度対比があることにより生じる現象をいう。
3.アンビエント照明の設計においては、空間の明るさを確保しつつ省エネルギーを図るために、輝度分布を考慮することが望ましい。
4.初期照度補正は、経年に伴う光源の出力低下等を考慮した、照明の省エネルギー手法の一つである。

解答 1:「相関色温度」は、光源色と最も近い色に見える黒体放射の色を示す指標である。赤色は温度が低く、青白い色は高い。そのため昼白色は電球の光に比べて温度が高い。
(関連問題:令和元年1級学科2、No.06平成27年1級学科2、No.06平成26年1級学科2、No.01平成23年1級学科2、No.06平成20年1級学科1、No.22平成30年2級学科1、No.08平成29年2級学科1、No.24平成26年2級学科1、No.08平成25年2級学科1、No.23平成22年2級学科1、No.09)

〔H29 No.18〕防災設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.スプリンクラー設備の設置が必要なホテルにおいて、床面から天井までの高さが12mのロビーに、放水型ヘッドを使用したスプリンクラー設備を設置した。
2.スプリンクラー設備の設置が必要な店舗において、スプリンクラーヘッドが設けられていない部分に、補助散水栓をホース接続口からの水平距離が25m以内となるように設置した。
3.特別避難階段の付室に、所定の機械排煙設備を設置した。
4.劇場の客席誘導灯を、客席内の通路の床面における水平面照度が、0.2lx以上となるように設置した。

解答 2:「補助散水栓」は便所、浴室、階段等など、スプリンクラーでは未警戒の部分を防護するための設備で、性能・機能は「2号消火栓」とほぼ同じである。そのため、水平距離は15mとなる。

補助散水栓


1.スプリンクラー設備の設置が必要なホテルでは、床面から天井までの高さが10mを超える高天井の部分においては、放水型ヘッドを使用したスプリンクラー設備が適している。

3.「特別避難階段」は、避難階段よりもさらに安全な構造・仕様を持つ直通階段として、建築基準法に規定されている。この排煙の方法として、①バルコニーを設ける、②自然排煙とする、③機械排煙を設けるなどがある。

4.客席誘導灯は、劇場や映画館などの客席通路部分に設置され、床面に避難に必要な明るさ( 通路中心で 2lx 以上)を与える。

〔H29 No.19〕エレベーターに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.貸事務所ビルの乗用エレベーターのサービス水準については、エレベーターが2台以上ある場合、平均運転間隔を40秒以下となるように計画することが望ましい。
2.事務所ビルの乗用エレベーターについては、一般に、出勤時のピーク5分間に発生する交通量に基づき、台数及び仕様を計画する。 
3.エレベーターの設計用水平標準震度は、基礎免震構造を採用しない建築物の場合、建築物の高さが60mを超えると、高さ60m以下の場合に比べて、大きく異なった値となる。
4.高層建築物の乗用エレベーターは、地震時にできるだけ早く安全な避難階に停止させ、乗客がから降りた後に、運転を中止する計画とする。

解答 4:地震、その他の衝撃により生じた加速度を検知した場合には、自動的にかごを「最寄階」の出入口の戸に停止するようにしなければならない。火災時には「避難階」へ停止するようにする。
(関連問題:平成28年1級学科2、No.19平成23年1級学科2、No.19)
*解説文を訂正しました。H.Hさんご指摘ありがとうございました。(2020.07.04)

〔H29 No.20〕環境・設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.「ZEH(Net Zero Energy House)」は、快適な室内環境を保ちながら、一年間で消費する住宅の一次エネルギー消費量の収支がゼロとなることを目指した住宅のことをいう。
2.「CASBEE-建築(新築)」における評価は、「設計一次エネルギー消費量」を「基準一次エネルギー消費量」で除した数値で判定される。
3.「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」は、第三者評価機関が建築物の省エネルギー性能を評価し認証する制度で、性能に応じて5段階の星の数等で表示される。
4.「eマーク(省エネ基準適合認定マーク)」は、建築物が建築物エネルギー消費性能基準に適合していることについて、所管行政庁から認定を受けたことを示すものである。

解答 2:CASBEE(建築環境総合性能評価システム)におけるBEE(建築物の環境性能効率) の値が大きいほど環境性能が高い。BEEを高めるためには、建築物の環境品質(Q)の数値を大きく、かつ、建築物の環境負荷 (L)の数値が小さくなるように計画する。また設問の「「設計一次エネルギー消費量」を「基準一次エネルギー消費量」で除した数値」は「BEI(Building Energy Index)」の記述であり、五段階の★表示で評価される。
(関連問題:令和元年1級学科2、No.20平成30年1級学科2、No.20平成27年1級学科2、No.20平成26年1級学科2、No.20平成25年1級学科2、No.20平成21年1級学科2、No.20令和元年2級学科1、No.10平成28年2級学科1、No.10平成27年2級学科1、No.25平成24年2級学科1、No.25平成21年2級学科1、No.25)

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投稿日:2019年7月30日 更新日:

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