平成27年度1級建築士-学科Ⅱ環境・設備

建築士過去問解説

平成27年度 学科Ⅱ-環境・設備
20問掲載

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

〔H27 No.01〕環境工学における用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.実効温度差(ETD)は、「内外温度差」、「日射量」及び「壁や天井等の熱容量の大きい部材による熱的挙動の時間遅れ」を考慮した、熱貫流計算を簡略に行うために使用される仮想の温度差である。
2.作用温度(OT)は、空気温度、平均放射温度及び湿度から求められる指標である。
3.光束発散度は、発光面、反射面又は透過面のいずれについても、面から発散する単位面積当たりの光束である。
4.固体伝搬音(固体音)は、建築物の躯体中を伝わる振動により、壁や天井等の表面から空間に放射される音である。

解答 2:「作用温度(OT; Operative Temperature)」は、主に発汗の影響が小さい環境下における熱環境に関する指標として用いられ、空気温度、平均放射温度、気流から求められる。また、気流が0.2m/s以下の静穏気流の場合は、空気温度と平均放射温度の重み付け平均で表される。

1.実効温度差(ETD)とは、空調設備の設計や、外壁の目地設計を行う時に熱貫流計算を簡略に行うために使用される値である。実際のコンクリートなどの熱容量が大きい部材は伝熱に時間がかかる。そのタイムラグ(時間の遅れ)を考慮に入れて設定された「仮想の数値」が実効温度差である。

3.「光束発散度(rlxラドルクスまたはlm/m2)」は、光源面(発光面・反射面・透過面)から発散する単位面積当たりの光束である。また「反射面の光束発散度」は、反射面の反射率×照度でも定義することができる。

4.固体伝搬音(固体音)とは、人や車などの振動源から発生した振動が床スラブや地面などを振動して伝わり、壁などを振動させて空気中に音として放射する音のことを指す。

〔H27 No.02〕室内の温熱・空気環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.外皮の断熱や気密の性能を高めることは、暖房時の室内の上下温度差を小さくすることにつながる。
2.中央管理方式の空気調和設備を用いた居室において、許容されるホルムアルデヒドの量の上限は、0.15mg/m3である。
3.住宅の床暖房において、床表面温度は30°C 程度を上限とすることが望ましい。
4.20~0°Cの温度条件では、相対湿度が70%を超えるとカビの発育が促進され、相対湿度が高いほどその繁殖率は高くなる。

解答 2:中央管理方式の空気調和設備を用いた居室において、許容されるホルムアルデヒドの量の上限は、0.10mg/m3である。なお、設問の0.15mg/m3は「浮遊粉じんの量」の規定である。(ビル管理法)

空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準


1.断熱性能の低い建築物では、暖房時に壁体で冷却された空気が下降し、床付近に滞留するため、室内の上下温度差が大きくなる。対して断熱性能の高い建築物では、壁の冷却放射が防げ(室温と室内表面温度差が小さくなり)、上下温度差は小さくなる。また暖房負荷も小さくて済み、省エネルギーに効果的である。

3.床暖房時の床表面温度が体温より高くなると、低温やけどの原因となるので、一般に、床表面温度の上限は30℃程度が望ましい。

4.次の4つの条件(酸素/温度/水分/栄養分)でカビは発生する。 ①酸素:カビは好気性の微生物であり、呼吸するために酸素が必要となる。 ②温度:5~45℃で発育し、最適温度は20~30℃である。 ③水分(湿度):一般には70%以上で発育し、80%以上で急激に発育する。細菌が湿度約50%以下では発育できないのに対し、カビは15~50%程度でも発育する。 ④栄養分:カビは植物と違い葉緑素を持たず光合成ができないため、発育には有機物が必要である。

〔H27 No.03〕図のような4面の壁(1面は窓を含む。)と1面の屋根からなる建築物のモデルの暖房負荷に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、壁、屋根、窓の熱貫流率は、それぞれ0.5W/(m2・K)、0.25W/(m2・K)、3.5W/(m2・K)とし、換気回数は0.5回/h、空気の容積比熱は1,200J/(m3・K)とする。また、定常伝熱で考えるものとし、壁、屋根、窓及び換気による熱損失のみを対象とする。

1.換気による熱損失は、建築物のモデル全体の熱損失の1/5よりも大きい。
2.窓からの熱損失は、換気による熱損失の2倍よりも大きい。
3.屋根からの熱損失は、壁からの熱損失の1/4である。
4.換気による熱損失は、屋根からの熱損失よりも大きい。

解答 1:熱貫流による熱損失Qは、
Q = 熱貫流率(K)×各部の面積(A)×室内外の気温差(Δt)

で求められる。
今回の設問では「室内外の気温差(Δt)」が不明で、また比率を問う問題なので「室内外の気温差」を定数として計算することができる。それぞれの熱損失を計算すると、以下のようになる。
Q(壁) = 0.5 × 40 × Δt= 20.0Δt
Q(窓) = 3.5 × 5 × Δt= 17.5Δt
Q(屋根) = 0.25 × 20 × Δt= 5.0Δt
合計Q = Q(壁) + Q(窓) + Q(屋根) = 42.5Δt

また、換気による熱損失Q’は、
Q’ = 容積比熱(C)× 換気量(V)×室内外の気温差(Δt)

で求められる。
このとき容積比熱がJ/(m3・K)で表されているので、以下のように単位をそろえる。
C = 1,200J/(m3・K) =1,200/602 = 0.333W・h/(m3・K)
これから換気による熱損失Q’は、
Q’ = 0.333 × (50 × 0.5) × Δt = 8.33Δt

以上から設問を見ていくと、選択肢1、「換気による熱損失」は8.33Δtであり、「建築物のモデル全体の熱損失の1/5」は(42.5Δt + 8.33Δt)×1/5 = 50.83Δt×1/5 = 10.166である。よって換気による熱損失は、建築物のモデル全体の熱損失の1/5よりも小さい。

〔H27 No.04〕換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.開口部に風圧力が作用したときの換気量は、外部風向と開口条件が一定の場合、外部風速に比例する。
2.住宅の全般換気を、トイレ、浴室、台所等の水まわり部分から排気する第三種換気方式で行う場合、居室に設ける自然給気口は、床面からの高さを1.6m以上とすることが望ましい。
3.大きさの異なる上下の二つの開口部を用いて、無風の条件で温度差換気を行う場合、中性帯の位置(高さ)は、有効開口面積の小さいほうの開口部に近づく。
4.二酸化炭素を0.015m3/h発生する成人1人当たりの必要換気量は、外気の二酸化炭素濃度が0.03%で室内の許容濃度が0.1%の場合、約21m3/hとなる。

解答 3:室内外の気圧差が等しくなる位置を「中性帯」という。開口部の大きさが等しければその両者のほぼ中心に位置する。設問のように大きさの異なる上下の二つの開口部の場合、中性帯の位置は大きい開口部へ近くなる。これは大きい開口部の方が、内外の圧力差が小さくなることによる。

1.自然換気量は、
・流量係数、開口部面積、風速に比例し
・内外部圧力の差、風圧係数の差、開口部の高さの差、内外部の温度の差の平方根に比例する

2.換気計画を行う場合、一般的にトイレや浴室、台所などの水回り部分による機械換気で排気するように各居室からの空気の流れを計画する。このとき給気口から排気口まで吹き溜まりができないように考慮し、給気口の設置高さは床面から1,600~1,800㎜程度とする。

4.室内汚染質濃度Pと、換気量Qには、以下の式が成り立つ。
(P – P0)× Q = K
室内汚染質濃度P、大気中の汚染質濃度P0、汚染質発生量K
以上の式より、
(0.001-0.0003)× Q = 0.015
よって、Q=21.4m3/h

〔H27 No.05〕建築物における防火・防災に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.人は、空気中の一酸化炭素濃度が1%を超えると、数分間で死に至る。
2.病院の手術室、ICU、未熟児室等は、ろう城区画として防火計画をすることが望ましい。
3.超高層建築物においては、設備シャフトや吹抜け等の屋内の延焼経路や、開口部を介した屋外の延焼経路を遮断する計画を行うことが重要である。
4.火災室から廊下や隣室へ流出する煙の水平方向の流動速度は、2~3m/sである。

解答 4:火災室から廊下や隣室へ流出した煙の水平方向の流動速度は、一般に、0.5〜1.0m/sである。また、垂直方向には1秒間に1階程度上昇する3.0~5.0m/s程度となる。

1.一酸化炭素は人為的(人の生活の中で)に発生させることができ、人体に影響を与えるもので、同濃度の二酸化炭素よりも約100倍の毒性がある。室内の二酸化炭素の基準は0.1%(1,000ppm)に対し、一酸化炭素は0.001%(10ppm)である。0.02%以上の濃度で人体に影響が出てくる。(令和4年に基準を10ppmから6ppmと厳しくしている。建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令の改正)

2.病院の計画において、未熟児室や手術室などでは、火災などの非常時には避難が困難であるため、建築計画においては籠城区画として計画することが望ましい。

3.上階への延焼は、建築物内部では設備シャフトや吹き抜けから、外周部においては開口部から延焼する。このため、これらの延焼を防ぐために防火区画を行い、スプリンクラー設備を設ける。

〔H27 No.06〕日照・日射に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.直射日光の色温度は、日没前頃より正午頃のほうが高い。
2.日影図における日影時間の等しい点を結んだものを、等時間日影線という。
3.日照率は、1日(24時間)に対する日照時間の割合である。
4.北緯35度の地点における春分・秋分の日の終日日射量は、終日快晴の場合、どの向きの鉛直面よりも水平面のほうが大きい。

解答 3:「日照率」は可照時間(理論時間)に対する日照時間(実際の時間)の割合である。

1.色温度は、光源の光色を、それと近似する色度の光を放つ黒体の絶対温度で表したものであり、色温度「低→中→高」に対して、光色も「赤→橙→黄→白→青」と変化し、光の感じ方は「暖→中→冷」と変化する。日没前頃(橙)より正午頃(白)のほうが高い。

2.等時間日影図は、測定面上における当該建物の影の影響によって描かれる等時間線を表した図である。確認申請用の等時間日影図の場合、等時間線の時間は日影規制時間を用いる。設問の等時間日影線とは、日影時間が等しい地点をつないだ曲線のこと。

4.春分・秋分の日における直達日射量は水平面が最も高く、次に南面、東西面になる。

〔H27 No.07〕図のような点光源に照らされたA点、B点、C点の水平面照度の大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、点光源の配光特性は一様なものとし、反射は考慮しないものとする。

1.A > B = C
2.B > A > C
3.B = C > A
4.B > C > A

解答 1:逐点法において、ある点での照度(E)は、
E=(/ r2) × cosθ
で求められる。このときの角度θは、法線からの角度であることに注意したい。
A点:I=10、r=0.5、cos0°=1なので、(10/0.25)×1= 40(lx)
B点:I=200、r=2、cos60°=1/2なので、(200/4)×1/2= 25(lx)
C点:I=100、r=2、cos0°=1なので、(100/4)×1= 25(lx)
よって、A > B = C となる。
(関連問題:令和元年1級学科2、No.07)

〔H27 No.08〕色彩に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.人の目が光として感じることができるのは、波長が約380~780nmの放射である。
2.加法混色の三原色は、赤・緑・青であり、それらを同じ割合で混ぜると白色になる。
3.色光の誘目性は、一般に、色相では赤が最も高く、青がこれに続き、緑が最も低い。
4.ある面からの放射エネルギーが同じ場合、明所視では、緑色より赤色のほうが強く感じられる。

解答 4:明所視において、赤より緑が強く感じる。 また、「プルキンエ現象」は、暗所視において、比視感度が最大となる波長が短い波長へる現象であるが、明所視時に比べて赤が弱く、青がより強く見える。
明所視(明るい場所で見る場合)で同じ見え方であったとしても、夜や暗い場所(暗所視)では、赤より緑の方が明るく見える。

1.人の目が光として感じるのは、記述の通り、波長が約380~780nmの放射で、これを可視光線 という。この範囲より波長が短いものを「紫外線」、長いものを「赤外線」という。

2.混色とは、色を混ぜて別の色を作ることで、加法混色と減法混色とがある。加法混色は光源色でみられ、混色の結果、白に近づく。減法混色は色料や色フィルターなどにみられ、混色の結果、黒に近づく。また、加法混色の三原色は赤・緑・青で、減法混色はシアン・マゼンタ・イエローである。
3.誘目性とは、目を引きやすいか、目立ちやすいかの特性で、一般に、高彩度の色は誘目性が高い。色相の中では、赤、青、緑の順で誘目性が高い。

〔H27 No.09〕音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.自由音場において、全指向性の点音源(指向性のない点音源)からの距離が1mの点と2mの点との音圧レベルの差は、3dBとなる。
2.防音塀は、音の回折による減衰を利用するものであり、一般に、低音域よりも高音域の遮断に有効である。
3.学校の普通教室においては、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。
4.音の強さのレベルを20dB下げるためには、音の強さを1/100にする。

解答 1:「自由音場おんば」とは、均質な空気中で、障害物がない空間のこと。「点音源」における音の強さは、点音源からの距離の二乗に反比例し、距離が2倍になると音の強さが1/4になり、音圧レベルは6dB減少する。対して「線音源」における音の強さは、距離に反比例し、距離が2倍になると音の強さが1/2になり、音圧レベルは2dB減少する。

2.音の回折は、音の進行方向に障害物がある場合でも、障害物の背後に音が回り込んで伝搬する現象である。周波数の高い音ほどこの現象は生じにくくなるため、障壁は高周波数音の遮断に有効である。また、障害物の大きさよりも音の波長が大きいほど回り込みやすい。

3.学校の普通教室においては、残響時間は0.6秒程度、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。

4.音の強さ(I)と音の強さのレベル(IL)の関係は、
音の強さが2倍になると、音の強さのレベルは+3dB
音の強さが22倍になると、音の強さのレベルは2×3dB=+6dB
音の強さが10倍になると、音の強さのレベルは+10dB
音の強さが102倍になると、音の強さのレベルは2×10dB=+20dB
音の強さのレベルを20dB下げるためには、-20dB=-2×10dB、つまり音の強さを10-2倍、1/100倍にする。

〔H27 No.10〕吸音・遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.孔あき板と剛壁との間に空気層を設けた吸音構造の共鳴周波数は、孔あき板の開口率を小さくすると低くなる。
2.多孔質吸音材料を剛壁に取り付ける場合、多孔質吸音材料と剛壁面との間の空気層を厚くすると、一般に、低音域の吸音率が高くなる。
3.質量則を用いて予測した単層壁の音響透過損失の値は、実測値に比べて大きくなる傾向がある。
4.単層壁の音響透過損失は、垂直入射の場合より拡散入射の場合のほうが大きくなる。

解答 4:垂直入射の透過損失は、壁の面密度と入射音の周波数の積によって決まる。「拡散入射」は、壁面に対して垂直入射を含め、斜めに入射する場合の総量であり、透過損失は垂直入射よりも5dB程度低下する。

1.孔あき板と剛壁との間に空気層を設けた吸音構造の共鳴周波数は、背後空気層が厚いほど低音域を吸収し、孔あき板の開口率を大きくすると高くなる。

2.グラスウール、ロックウール、木毛セメント板、ウレタンフォームなどの「多孔質材料」は、材料中に多数の空隙や連続した気泡をもつ。材料中の空気が振動する際に抵抗が働き、音のエネルギーが繊維間の摩擦によって熱エネルギーに変換され、吸音効果を生じる。とくにグラスウールは、ガラス繊維を綿状に加工したもので、吸音材の他に断熱材、防火性を高める不燃材料としても使用される。多孔質材料の吸音周波数特性は、中・高音域の音に対して吸音性能が高く、低音域側の吸音率を高めるには、材料を厚くする、もしくは密度を高めるか、背後に空気層を設ける。

3.「質量則(Mass Low)」とは、壁の単位面積あたりの質量(面密度)が大きいほど透過損失が大きくなる法則をいう。この質量則を用いてへ期待の遮音性能を予測する際、実測値に比べて高めになる(つまり、遮音性能が高く評価される)傾向があるので注意する必要がある。これはコインシデンス効果が実測値に影響を与えるためである。

〔H27 No.11〕空気調和設備・換気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.半導体や液晶を製造する工場のクリーンルームにおいては、清浄度を保つために周囲の室に対して10Pa程度の正圧となるように換気し、じんあいの流入を防止する。
2.直だき吸収冷凍機室の給気量は、室内発熱を除去するための換気量と燃焼に必要な空気量とを合わせた量とする。
3.換気ダクトにおいて、ダクト直管部の単位長さ当たりの圧力損失は、一般に、平均風速の二乗に比例する。
4.パッケージユニット方式の空調機のAPF(Annual Performance Factor)は、実際の使用状態に近い運転効率を示す指標であり、想定した年間総合負荷と定格時の消費電力から求められる。

解答 4:APFとは、パッケージユニット方式などの空調機の省エネルギー指標に用いられ、COP(成績係数)よりも実際の状況に近い性能を表している。APFは「年間総合負荷(年間冷房負荷と年間暖房負荷の合計)」を「年間の消費電力量」で割った値である。設問中の「定格時の消費電力」ではなく「年間の消費電力量」である。
(関連問題:平成30年1級学科2、No.12)

〔H27 No.12〕空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.空調用水蓄熱槽の利用温度差を確保するためには、変流量制御より定流量制御のほうが望ましい。
2.蓄熱媒体には、水や氷の他にも土壌や建築物の躯体を用いることが可能である。
3.空調におけるPID制御は、比例・積分・微分の三つの利点を組み合わせた制御方式である。
4.デシカント空調は、排熱等を用いることにより潜熱を効率よく除去することが可能なため、潜熱と顕熱とを分離処理する空調システムに利用できる。

解答 1:空気調和機の冷温水の流量を調節する方式は2つ、「変流量制御(二方弁制御)」と「定流量制御(三方弁制御)」がある。「定流量制御」は、変流量制御の2方弁に、コイルを通らない1方弁を加えたもので、常に一定の流量を保つ。
「定流量制御」→常に一定の流量を保つことができる。
「変流量制御」→ポンプ動力を削減することができ、省エネが期待される。

4.人間の体感温度は単に室温だけに影響をうけものではなく、湿度も影響してくる。このため湿度も管理する必要がある。デシカント空調は、除湿ローターによって空気中の水分を直接除去することで、潜熱を効率よく除去することが可能とする。潜熱と顕熱とを分離処理する空調システムに利用でき、さらにコージェネレーションシステムの排熱にも再利用することができる。

〔H27 No.13〕空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.風量14,400m3/h、有効開口率0.4の外気取入れガラリの開口面積は、3~5m2程度が望ましい。
2.照明の電力消費量を減少させると、冷房用エネルギー消費量も減少させることができる。
3.室内負荷が変わらない場合、空調機の外気取入れに全熱交換器を使用することにより、空調機にかかる負荷が減り、空調機の送風量を小さくすることができる。
4.ISOにおいては、PMV(予測平均温冷感申告)が-0.5<PMV<+0.5に収まり、かつ、PPD(予測不快者率)が10%未満となる温熱環境を推奨している。

解答 3:「全熱交換器」は室内の換気の際に排出する空気がもつ顕熱と潜熱(水蒸気)を回収する装置である。これを使用することにより、空調機にかかる負荷が減る。ただし、空調機の「送風量」は顕熱負荷の大きさと、必要換気量によって決まるので「全熱交換器」は送風量には関係しない。

4.予想不満足者率(PPD:Predicted Percentage of Dissatisfied)とは、予測平均温冷感申告(PMV:Predicted Mean Vote)で求められた環境で熱的に不快に感じる人の割合のことである。PMVの値は「+3」で不快(暑い)と感じ、「-3」で不快(寒い)と感じる。0に近づくほど快適とされ、「+0.5~-0.5」程度が快適環境とされる。PMVの値が0から遠ざかるほど、不満足者が多くなるので、PPDの値も大きくなる。

〔H27 No.14〕給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.雨水排水管の管径の算定において、壁面に吹き付ける雨水が下部の屋根面に流下するので、この壁面の面積の50%を下部の屋根面積(水平投影面積)に加算した。
2.循環式の中央式給湯設備において、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐために、給湯循環水の温度を60°C とした。
3.通気管を大気中に開口するに当たり、通気管が建築物の最上階の窓に近接するので、通気管の末端をその窓の上端から700mm立ち上げた。
4.飲食施設を設けない中小規模の事務所ビルの給水設計において、使用水量の比率を、飲料水70%、雑用水30%とした。

解答 4:事務所ビルにおいて、一般に、上水(飲料用・手洗い等)と雑用水(便所や散水)の2系統給水が採用され、また必要に応じて消火用水槽を設ける。2系統給水の比率は、上水は30~40%、雑用水は60~70%程度とする。
(関連問題:平成22年1級学科2、No.14)

〔H27 No.15〕給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.自然流下式の排水立て管の管径は、いずれの階においても、最下部の最も大きな排水負荷を負担する部分の管と同一の管径とする。
2.飲料水の給水・給湯系統とその他の系統が、配管・装置等により直接接続されるクロスコネクションは、絶対に行ってはならない。
3.水道直結増圧方式において、水道本管への逆流を防止するためには、一般に、増圧ポンプの吸込み側に逆流防止器を設置する。
4.バキュームブレーカは、排水管内が真空に近い状態になることによる振動や騒音の発生を防止する目的の器具である。

解答 4:給排水配管内に負圧が発生すると、逆流を起こし、上水が汚染される可能性がある。それを防ぐために設置されるのが「バキュームブレーカ」である。自動的に管内に空気を補充して、負圧を解消する。設問の「排水管内が真空に近い状態になることによる振動や騒音の発生」はウォーターハンマーの記述であり、これを防ぐためには「エアチャンバー」を設置する。
(関連問題:平成30年1級学科2、No.14平成22年1級学科2、No.14令和元年2級学科1、No.21平成29年2級学科1、No.22平成25年2級学科1、No.19平成21年2級学科1、No.19)

〔H27 No.16〕電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.需要率は、「負荷設備容量の総和」に対する「最大需要電力」の割合である。
2.負荷率は、「負荷設備容量の総和」に対する「ある期間の平均需要電力」の割合である。
3.力率は、交流回路に電力を供給する際の「電圧と電流との積」に対する「有効電力」の割合である。
4.進相コンデンサは、主に、力率を改善するために用いられる。

解答 2:「負荷率」は、契約容量や受変電設備容量の算定の目安となる値である。「ある期間における最大需要電力」を「その期間の平均需要電力」で割った値であり、負荷率が高いほど電力の使用量の変動が少なく、効率的に運用していることを示す。

1.

3.力率は、交流回路に電力を供給する際の「皮相電力:VI(電圧×電流)」に対する「有効電力:VIcosθ」の割合である。

4.力率とは供給された電力のうち何%が有効に働いたかを示すもの。誘導電動機への進相コンデンサの接続は、力率が改善されるので、無効電流による電力損失を少なくできる。

〔H27 No.17〕照明設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.中小規模の事務所ビルの照明・コンセント系統の配電方式には、一般に、単相3線式100/200Vが採用されている。
2.照明の省エネルギー手法のうち、適正照度制御は、経年による照度低下を見込むことで生じるランプ設置直後等における照度過多を、適正な照度に抑制する制御である。
3.光束法による平均照度計算における照明率は、「初期の作業面の平均照度」に対する「ある期間使用後の作業面の平均照度」の割合である。
4.HID(高輝度放電)ランプは、金属蒸気中の放電発光を利用した光源であり、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ及び高圧ナトリウムランプを総称したものである。

解答 3:記述は「保守率」の説明である。光束法による平均照度計算における照明率は、光源から出る光束のうち、作業面に入射する光束の割合であり、器具形式や仕上げの反射率、室指数により求める。

4.各ランプの評価は、使用場所や用途によって異なり、演色性や色温度によって判断されることが多い。
・白熱電球は、最も一般的な照明であり、寿命が短く、効率が低い(電力の約8割を熱として消費)。色温度は低く(赤み、暖色)、演色性は非常に高い。
・蛍光ランプは、電極間の放電により紫外線を発し、蛍光物質により発光させる。点灯回路と安定期が別途必要となる。色温度は高く(青白)、演色性は高い。効率と寿命は白熱電球の約3倍から5倍程度と経済的。ただし、周囲温度によって光束低下が起こり、またストロボ効果が生じやすい。
・高圧放電ランプは、水銀ランプ、メタルハライドランプなどの高圧放電系ランプの総称で、道路、工場、高天井などに使用される。白熱電球に比べて寿命が長く、色温度は高く、演色性は低い。ただし、トンネルや道路に使用される高圧ナトリウムランプは、色温度は低い。
・発光ダイオード(LED)は、電気エネルギーを直接光に変える長寿命、高効率、低発熱、小型、軽量の特徴がある。

〔H27 No.18〕防災設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.連結散水設備は、地階の火災の際、消火活動を容易にするため、消防ポンプ自動車から送水して天井又は天井裏の散水ヘッドから放出し、消火する設備である。
2.泡消火設備は、冷却効果によって消火する設備であり、発電機等の機械室に設置される。
3.無線通信補助設備は、無線連絡に支障がないように、消防隊相互の無線連絡を可能にするための設備であり、延べ面積が1,000m2以上の地下街に設置される。
4.非常用コンセント設備は、消防隊が有効に消火活動を行えるように電力供給する設備であり、建築物の地階を除く階数が11以上の階及び延べ面積が1,000m2以上の地下街に設置される。

解答 2:「泡消火設備」は、 火災時の熱によって急激に蒸発するときに熱を奪うことによる「冷却効果」と、燃焼面を蒸気で覆うことによって酸素を遮断する「窒息効果」によって消火する設備。指定可燃物の貯蔵庫、大規模駐車場、飛行機格納庫などに用いられ、感電の危険性があるので電気室やコンピュータ室には用いられず、C火災(電気火災)には適さない。(下、動画音声注意)


1.「連結送水管設備」は3階以上の消火活動を行うための設備である。ポンプ車から送水口に連結し、各階に設けている放水口に消火水を送り込む。

3.無線通信補助設備は、消防隊による本格的な消防活動を目的とした設備である。主に電波の不感知帯である地下施設に設けられ、消防法施行令により、延べ面積1,000m2以上の地下街に設置が義務付けられている。

4.非常用コンセントは、火災時に消防隊が使用するコンセントである。超高層建築物や大規模な地下街などに設置義務がある。単相交流100Vで15A以上の供給能力を必要とし、赤いコンセントもしくは専用の電源BOXに設置されている。

〔H27 No.19〕昇降機設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.非常用エレベーターには、消防活動のために、かごの戸を開いたままを昇降させることができる装置を設ける必要がある。
2.荷物用エレベーターは荷物の輸送を目的とし、荷扱者又は運転者以外の人の利用はできないが、人荷用エレベーターは一般乗客も利用することができる。
3.エスカレーターの乗降口において、ハンドレールの折返し部の先端から2m以内に防火シャッターが設置されている場合には、当該シャッターの作動と連動してエスカレーターを停止させる装置を設ける必要がある。
4.エスカレーターは、その勾配が35度であっても、踏段の定格速度45m/分、揚程6mのものであれば設置することができる。

解答 4:エスカレーターの勾配が30度を超える場合には、「勾配は35度以下」、「踏段の定格速度は30m/分以下」、「揚程は6m以下」等の制限を受ける。

1.非常用エレベーターは、火災時に消防隊の消防活動のために使用される非常時用のエレベータであり、かごの戸を開いたまま昇降させることができる。普段・平常時は誰でも使えるようにしても良いが、避難経路としては計画はできない。31m以上の建築物には原則として設置義務が生じる。

2.

3.

〔H27 No.20〕環境・設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の二次エネルギー消費量を一次エネルギー消費量に換算して同じ単位で比べた場合、二次エネルギー消費量は一次エネルギー消費量よりも大きくなる。
2.建築物の省エネルギー基準における年間熱負荷係数(PAL*:パルスター)は、値が小さいほど建築物の外皮の熱性能が高いと判断される。
3.建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)における「BEI(Building Energy Index)」 は、値が小さいほど建築物の省エネルギー性能が高いと判断される。
4.建築環境総合性能評価システム(CASBEE)における「BEE(Built Environment Efficiency)」は、値が大きいほど建築物の環境性能が高いと判断される。

解答 1:一次エネルギーとは、石油、原子力、水力などであり、これを精製・加工して得られる電力、都市ガス、灯油などを二次エネルギーという。一次エネルギーから二次エネルギーに変換する際に無駄なエネルギーが出てしまうので、一次エネルギー消費量は二次エネルギー消費量よりも大きい。また、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」では一次エネルギー消費量で判断する。

2.

3.BELS(ベルス)とは、建築物省エネルギー性能表示制度のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度である。BELSにおける「BEI(Building Energy Index)」 は、値が小さいほど建築物の省エネルギー性能が高いと判断される。5段階の★マーク等で表示され、0.8以下で★5が得られる。

4.環境評価ツールとしては、イギリスで1990年に「BREEAM」が、アメリカで1996年に「LEED」が開発され、日本では2002年のCASBEE(建築環境総合性能評価システム)が相当する。CASBEEにおけるBEE(建築物の環境性能効率) の値が大きいほど環境性能が高い。BEEを高めるためには、建築物の環境品質(Q)の数値を大きく、かつ、建築物の環境負荷 (L)の数値が小さくなるように計画する。

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投稿日:2019年8月1日 更新日:

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