平成27年度1級建築士-学科Ⅰ計画

建築士過去問解説

平成27年度 学科Ⅰ-計画
20問掲載

一級建築士学科試験
2020年7月12日(日)

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〔No.1〕建築士法に基づく建築士の職責、業務等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
2.建築士は、設計を行う場合においては、設計に係る建築物が法令又は条例の定める建築物に関する基準に適合するようにしなければならないとともに、設計の委託者に対し、設計の内容に関して適切な説明を行うように努めなければならない。
3.建築士は、違反建築物の建築等の法令違反行為について、指示、相談等の行為をしてはならない。
4.建築士は、建築物に関する調査又は鑑定の業務であれば、その業務に関して不誠実な行為をしても、建築士法の規定による懲戒処分の対象とはならない。

解答 4:建築士は建築物に関する調査または鑑定の業務も行うことができ(士法第21条)、国土交通大臣又は都道府県知事は、当該建築士に対して業務の停止、または免許取り消しをすることができる(士法第10条)。

〔No.2〕茶室に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.みょうあんたいあん(大山崎町)は、16世紀に造立された、利休好みの二畳の草庵茶室である。
2.みったん(京都市)は、17世紀に桂離宮の敷地南端に造立された、茅葺寄棟屋根や深い土庇等の農家風の外観をもつ格式にこだわらない自由な造形の茶室である。
3.じょあん (犬山市)は、17世紀にもと建仁寺内に造立された、大小五つの窓やにじりぐちの配置が特徴的な茶室である。
4.こほうあんぼうせん (京都市)は、17世紀に小堀遠州によって造立された、縁先にわたした中敷居の上の障子とその下の開口が特徴的な書院風茶室である。

解答 2:設問は「笑意軒」の説明である。書院造りと数寄屋造りが融合した「密庵」は、大徳寺龍光院にある4畳半台目の茶室である。

桂離宮・笑意軒

大徳寺龍光院密庵

〔No.3〕「建築作品名」、「人名」及び「建築作品の特徴・背景」の組合せのうち、最も不適当なものは、次のうちどれか。

解答 4:キンベル美術館はルイス・カーンによる設計。ヴォールトを用いて屋根を設け、その頂部には線状のトップライトがあり、室内への採光を取り入れる。アプローチから美術館を見ると背景には空しかなく、建物のスカイラインがくっきりと見える。2013年にはレンゾ・ピアノによる増築が行われた。

キンベル美術館

〔No.4〕建築物の各部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.防音合わせガラスは、特殊中間膜を用いてガラスの振動を吸収したうえで、熱エネルギーに変換し、コインシデンス効果による遮音性の低下を解消したガラスである。
2.畳の割付けにおいて、田舎間は柱心の間隔を基準寸法の整数倍とし、京間は柱と柱の内法寸法を基準寸法の整数倍とする。
3.屋根を金属板により葺く場合、一般に、瓦棒葺より平葺(一文字葺)のほうが、屋根勾配を緩くすることができる。
4.面内剛性の高いカーテンウォールの主要な取付け方には、地震時の建築物の揺れによる層間変位に追従させるため、ロッキング方式とスウェイ方式がある。

解答 3:金属板屋根の最小勾配は、瓦棒葺きで2/10程度、一文字葺き(平葺き)で2.5/10程度となるので。これから、瓦棒葺きの方が勾配を緩やかにすることができる。
(関連問題:平成23年1級学科1、No.04)

〔No.5〕環境に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.壁面緑化は、緑化による視覚効果が得られるとともに、空調負荷の軽減による二酸化炭素排出削減効果も期待できる。
2.アースチューブは、地中に埋設したチューブに空気を送り込み、夏には冷熱源、冬には温熱源として利用する方式であり、一般に、外気温の年較差が大きい地域ほど熱交換効果が大きい。
3.重力換気は、建築物に設けたボイド内の温度差を利用したものであり、ボイドの下部に排気口、ボイドの上部に給気口を設けることが望ましい。
4.ダイレクトゲインは、窓から入射する日射熱を蓄熱体に蓄熱させ、日射が少ない時間帯に放熱させ暖房効果を得る方式であり、蓄熱体の熱容量を大きくすることが望ましい。

解答 3:ボイドは天井の高い吹き抜けのことであるが、そこでは上昇気流が起きやすい。その上昇気流と同じ方向に空気が流れる計画にするのが望ましいので、下部に吸気口、上部に排気口を設ける。

〔No.6〕建築物の配置や環境配慮に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築基準法の総合設計制度に基づいて設置される公開空地には、敷地を貫通して道路、公園等を相互に有効に連絡するもので、特定行政庁が定める所定の幅以上の歩道状のものも含まれることがある。
2.2棟の高層建築物を並べて配置する場合、2棟の間に発生する風については、建築物の間隔を狭くするとピーク時の風速は高くなるが、風速の増加する領域は狭くなる。
3.一般に、外側ブラインドは、内側ブラインドに比べて、冷房負荷を低減することができる。
4.我が国において、建築物の開口部に水平の庇を設ける場合、一般に、夏期における日射遮効果は、南面より西面のほうが大きい。

解答 4:水平の庇は、太陽高度が高い面に有効である。なので夏期における日射遮効果は、南面が最も大きく、東西面は効果が小さい。
(類似問題:平成21年1級学科1、No.04令和元年2級学科1、No.07平成29年2級学科1、No.07平成26年2級学科1、No.07)

〔No.7〕建築物に関する寸法の比例関係について、最も不適当なものは、次の記述のうちどれか。

1.モデュラーコーディネーションは、基準として用いる単位寸法や数列化した寸法群により、建築及び建築各部の寸法を相互に関連づけるように調整することである。
2.黄金比は、線分AB上に点PをとってAP×AB=PB2となるときのAP:PBをいい、その比は約1:1.414であり、モデュロールに応用されている。
3.オーダーは、西洋の古典建築等における柱とエンタブレチュアの比例関係を中心とする各部の構成基準である。
4.「匠明」は、日本建築における柱間や各部の部材寸法の比例関係を決める体系を記述した書物である。

解答 2:

モデュロール

設問の「1:1.414」は一般的に使われるA版やB版などの用紙の縦横比で用いられている。古代ギリシャ美術で見られる黄金比は「1:1.618」であり、ル・コルビジェが作った独自のモデュールを「モデュロール」という。

〔No.8〕建築物の各部寸法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.小学校における児童用の階段において、踏面の寸法を28cm、蹴上げの寸法を15cmとし、墜落防止手すりの手すり子間の内法寸法を11cmとした。
2.劇場において、座席の幅(1人分の間口)を55cmとし、前後間隔(背もたれ相互の間隔)を95cmとした。
3.図書館において、貸出用のカウンターの高さを、子どもや車椅子使用者に配慮して、床面から85cmとした。
4.自転車の駐輪場において、1台当たりの駐輪スペースを70cm×190cmとした。

解答 3:子供や車椅子使用者に配慮し、受付・貸出カウンターは、その高さを70~80cm程度とする。また、車椅子使用者を考慮してクリアランスを設け、高さ70cm程度、奥行45cm程度とする。

〔No.9〕高齢者、障がい者等の利用に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.病院の階段において、色彩の調和を図るため、段鼻に設けた滑止めと踏面は類似の色のものとした。
2.駅のエレベーターにおいて、エレベーターの乗降口から見える位置に、聴覚障がい者が文字により定員超過の確認をすることができる過負荷表示灯を設けた。
3.百貨店の授乳室において、出入口の扉はスライド式とし、前室である共用スペースには哺乳瓶による授乳のための椅子を設置し、母乳による授乳のためのスペースにはカーテンによる仕切りを設けた。
4.公民館の便所において、腰掛け便座の便房における便器洗浄ボタンは、視覚障がい者が見つけやすいように、ペーパーホルダーの直上に設けた。

解答 1:高齢者等が使用する階段は、段差を認識しやすくするために、踏面と蹴上(または滑り止め)の輝度比・明度比を大きくする。

〔No.10〕都市の再生に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ロンドンのドックランズ再開発計画は、港湾機能の低下によって衰退したテムズ川沿いの旧港湾地区に複合機能をもたせたプロジェクトである。
2.ベルリンのポツダム広場再開発計画は、第二次世界大戦とその後の東西分断によって長年更地であった敷地に複合機能をもたせたプロジェクトである。
3.ソウルの清渓川チョンゲチョン復元事業は、首都の中心部を貫通する高架道路を撤去し、かつての河川水辺空間を復元させたプロジェクトである。
4.イタリアのウルビーノ都市基本計画は、炭鉱の産業遺産を再利用しながら都市全体を再開発したプロジェクトである。

解答 4:設問の「炭鉱の産業遺産を再利用しながら都市全体を再開発したプロジェクト」は、「ツォルフェライン炭鉱遺産群(ドイツ)」が該当する。

ツォルフェライン炭鉱遺産群

イタリアの「ウルビーノ都市基本計画(1964年)」は、ルネサンスで興隆した歴史遺産を都市全体で再開発した大規模で初の計画である。都市を歴史地区・隣接地区・周辺部の3区画で分け、歴史地区を開放的にし、その他の地区の経済発展を考慮した空間的・時間的にも先駆的な都市計画である。

ウルビーノ都市基本計画

〔No.11〕まちづくりに関する次の記述のうち、最も不適当なものは、次のうちどれか。

1.スマートグリッドは、インターネット等の通信回線を活用し、複数の建築物のエネルギー設備を一元的に管理・制御することによって地区単位で行われる、エネルギーの集中管理システムである。
2.タウンマネジメントは、市民、行政、商店街等の地域を構成する様々な主体が参加し、広範な問題を内包するの運営を横断的・総合的に調整・プロデュースする、市街地の活性化と維持に関する取組みである。
3.文化財保護法の規定による伝統的建造物群保存地区は、都市計画区域又は準都市計画区域内においては、市町村が都市計画に定めることができる。
4.都市再開発法の規定による第二種市街地再開発事業は、市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るために、管理処分方式によって公共施設の整備と併せて建築物及び建築敷地の整備を一体的に行う事業である。

解答 1:「スマートグリッド(次世代送電網)」は、スマートメーター(下写真)などを活用し、電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できる送電網。 省エネが期待され、また再生可能エネルギーを導入でき、エコカーのインフラ整備、停電対策にも期待される。設問の記述は「地域エネルギー・マネジメント・システム(CEMS:Community Energy Manegement System)」に関する記述である。

電力自由化により、スマートメーターの普及が進む

〔No.12〕集合住宅に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.用賀Aフラット(世田谷区)は、道路に対して視覚的に開放されつつ、ガラススクリーンで隔てられた中庭をもつ、アーティストやデザイナーの入居を想定した賃貸集合住宅である。
2.東雲しののめキャナルコート(江東区)は、6街区に分割された敷地に、それぞれ別の建築士事務所が設計を行った低層集合住宅団地である。
3.岐阜県営住宅ハイタウン北方-南ブロック(北方町)は、昭和40年代に建設された公営住宅の建替えに当たって、21世紀に向けた居住様式を提案することを目標として設計された集合住宅団地である。
4.ネクサスワールドのレム棟・コールハース棟(福岡市)は、各戸に採光と通風を確保するためのプライベートな中庭が設けられた接地型の集合住宅である。

解答 2:東雲キャナルコートは、6街区に分割された敷地に、それぞれ別の建築士事務所が設計を行った高層・板層の集合住宅団地である。中廊下型で、通風・採光の為の大きなテラスが特徴的。

東雲キャナルコート(写真は東京建物株式会社より)

(関連問題:平成24年度1級学科1、No.11)

〔No.13〕住宅及び住宅地に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.日本の伝統的な町屋においては、屋内の主要な通路として、道路から裏庭まで達する細長い土間を設けた通り庭形式と呼ばれる間取りが多い。
2.住宅の二段階供給方式における「スケルトン」は、第二段階に対応する部分で、個別性の高い間仕切りや内装の部分をいう。
3.東日本大震災の被災地への復興支援において、各地に応急仮設住宅が建設されるとともに、要介護高齢者等の日常生活等の支援を目的とした「サポート拠点(サポートセンター)」が設置されている。
4.住宅地等の道路において設けられるハンプは、自動車の速度を抑制し、歩行者等の安全を確保する手法である。

解答 2:「二段階供給(スケルトン・インフィル)方式」は、耐久性を考慮する部分(構造躯体部分)と共用部分を一段階(スケルトン)とし、各室の内装や設備を第二段階(インフィル)に分ける。この方式により、入居者に応じて容易に改修・更新する可変性を持たせることができる。日本では大規模集合住宅で大阪ガス実験集合住宅「NEXT21(大阪)」が有名。

NEXT21(大阪)

(関連問題:平成28年1級学科1、No.13平成23年1級学科1、No.11令和元年2級学科1、No.12平成30年2級学科1、No.12平成26年2級学科1No.12平成24年2級学科1、No.12平成22年2級学科1、No.12平成20年2級学科1、No.11)

〔No.14〕事務所ビルの計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地上28階建ての事務所ビルのエレベーターの計画において、各ゾーンのサービスフロア数を10フロアとした。
2.省エネルギーに配慮した照明計画において、一般の事務室の机上における照度の目標を750lxとし、昼光センサーと連動して照度を制御する照明器具を選定した。
3.基準階(床面積3,000m2)における電気設備や盤スペースのEPSは、事務所ビルを利用する組織やテナントの変化に対応する必要があったので、二次側配線のために集中配置とした。
4.地上18階建ての貸ビル(基準階床面積1,200m2)において、非常用エレベーターの乗降ロビーを特別避難階段の付室と兼用させて、その床面積を15m2とした。

解答 3:基準階の大きい事務所ビルにおけるEPSは、組織やテナントの変化に対応する必要があり、集中配置にすると二次側配線までの横引きが長くなり、また配置変更に手間がかかってしまう。そのため賃貸ビルのEPSは分散配置が望ましい。

〔No.15〕公共建築の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.客席数1,600席のコンサートホールの計画において、音響が安定しているシューボックス型を採用した。
2.一般的な総合病院の計画において、外来部門の床面積の割合を、延べ面積の13%とした。
3.人口50万人の都市にある市庁舎の計画において、転入・転出等の届出の受理や証明書の発行等を行う窓口事務部分の床面積の割合を、延べ面積の8%とした。
4.24クラスの小学校の計画において、普通教科はクラスルームで行い、実験や実習の授業は特別教室で行う教科教室型を採用した。

解答 4:設問は「特別教室型」の説明である。「教科教室型」ではクラスごとにホームベースを設け、生徒は自身のロッカーを持ち、全教科を専門の教室で行う。欧米ではこの方式をとることが多いが、日本の小学校では低学年を「総合教室型」、高学年を「特別教室型」とすることが多く見られる。
(関連問題:平成21年1級学科1、No.14平成26年2級学科1、No.14平成21年2級学科1、No.14)

〔No.16〕高齢者や障がい者のための施設やサービスに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.「施設入所支援」は、障がい者支援施設の入所者に対して、主として夜間における入浴や食事等の介護を行うサービスである。
2.「福祉ホーム」は、現に住居を求めている障がい者に対して、低額な料金で、居室その他の設備を提供するとともに、日常生活に必要な便宜を供与する施設である。
3.「軽費老人ホーム(ケアハウス)」は、急性期の医療が終わり、病状が安定期にある患者のための長期療養施設である。
4.「小規模多機能型居宅介護」は、在宅の高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で生活が継続できるように支援することを目的として、通所を中心とし、随時の訪問による介護や短期間の宿泊等を組み合わせた介護サービスである。

解答 3:説明の「急性期の医療が終わり、病状が安定期にある患者のための長期療養施設」は、「介護老人保健施設」が該当する。「軽費老人ホーム」は、家族の援助が困難で、身体機能の低下で日常生活に不安な高齢者に対して低額で提供する施設である。「ケアハウス(介護利用型軽費老人ホーム)」はこれにホームヘルパー(訪問介護者)も活用する。
(関連問題:平成28年2級学科1、No.15平成22年2級学科1、No.15)

〔No.17〕建築物等の再生の事例に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ハイライン(ニューヨーク市)は、1980年に廃道となった高速道路を、路面上は緑道、高架下は大規模なショッピングモールへ再生させたものである。
2.ジェミニ・レジデンス(コペンハーゲン市)は、港湾施設として使用されていたサイロを改修し、集合住宅へ再生させたものである。
3.山梨市庁舎東棟(山梨市)は、1970年代に建設された工場を、プレキャスト鉄筋コンクリート部材のアウトフレームを用いて耐震改修し、庁舎へ再生させたものである。
4.金沢市民芸術村(金沢市)は、大正から昭和初期に建設された紡績工場の倉庫6棟を改修し、工房、レストラン、オープンスペース等から構成される芸術文化施設へ再生させたものである。

解答 1:「ハイライン(ニューヨーク市,2006年着工)」は、廃線になった貨物専用の高架線跡を再利用し、緑豊かな展望公園へと再生させたものである。沿道周辺には文化施設や商業施設が作られる。
(関連問題:令和元年1級学科1、No.11)

〔No.18〕建築物の設計・工事監理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.設計受託契約には、建築物の設計に関わる著作権の取扱いに関する事項を定めることができる。
2.建築士事務所の開設者は、設計受託契約を締結したときは、遅滞なく、「作成する設計図書の種類」、「設計に従事することとなる建築士の氏名」、「報酬の額と支払の時期」等について記載した書面を委託者に交付しなければならない。
3.工事監理業務においては、一般に、「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」が求められており、この義務を怠り損害が生じた場合には、契約に明記されていなくても過失責任が問われることがある。
4.建築士事務所の開設者は、管理建築士を兼務することはできない。

解答 4:「管理建築士」は、建築士として 3 年以上の業務経験を積んだ後、管理建築士講習を受講し、修了証を受けている建築士である。これは開設者も兼任することができる。

〔No.19〕建築積算に関する次の記述のうち、建築工事建築数量積算研究会「建築数量積算基準」に照らして、最も不適当なものはどれか。

1.躯体支保工の数量は、階高が5.0m以上の場合に、原則として、1.7mごとに高さを区別して算出した対象水平面積とする。
2.山留壁(地中連続壁)の鉄筋は、所要数量とし、設計数量に対し3%増を標準とする。
3.鉄骨の所要数量は、1か所当たり0.5m2以下のダクト孔による鋼材の欠除については、原則として、ダクト孔がないものとして計測・計算する。
4.全面がガラスである建具類のガラスの数量は、かまち、方立、桟等の見付幅が0.1mを超えるものがあるときは、その面積を差し引いた面積とする。

解答 3:コンクリート、型枠、鉄筋、鉄骨、間仕切下地、主仕上、石材等の数量の算出において、開口部、ダクト孔、配管等がある場合で、その開口部等は小さい場合、欠如はないものとする。
・一般:0.5m2以下
・鉄骨と石材:0.1㎡以下
(関連問題:令和元年1級学科1、No.19平成20年1級学科4、No.21平成26年1級学科1、No.19平成24年1級学科1、No.19平成23年1級学科1、No.19平成21年1級学科1、No.19)

〔No.20〕建築物の建設工事におけるプロジェクトマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.フィージビリティ・スタディは、計画されている内容の実現の可能性について、都市計画等の上位計画との整合性、技術的な課題、採算性等を検討するものである。
2.デュー・デリジェンスは、建設プロジェクトを進めるに当たって、目的、方法、予算等を検討しながら事業全体の骨格を決めることである。
3.コンソーシアムは、二つ以上の個人、企業、団体、行政機関等で組織され、共通の目標に向かって協働する団体のことである。
4.コストオン方式は、一般に、建築主が専門工事業者を選定し工事費を決定したうえで、その工事費に元請の管理経費を加えて建築の元請会社に工事を発注する方式である。

解答 2:「デュー・デリジェンス(Due Diligence)」は不動産を取得する場合に、適正な価値やリスクを評価するために行う建築物の物理的状況調査、法的調査、経済的調査等の多角的な調査のことである。
(関連問題:平成30年1級学科1、No.19平成23年1級学科1、No.20)

投稿日:2019年8月1日 更新日:

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