平成26年度1級建築士-学科Ⅲ法規

建築士過去問解説

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

*閲覧にあたって:出題当時の試験の問題を掲載しておりますので、特に法令改正や技術革新などによる設問や解答の不適合がある場合も、閲覧者ご自身でご確認の上でご利用願いします。必ずしも正確性を保証するものではありません。→当サイトの免責事項

〔H26 No.01〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.同一敷地内に二つの平家建ての建築物(延べ面積はそれぞれ400m2及び250m2とし、いずれも耐火構造の壁等はないものとする。)を新築する場合において、当該建築物相互の外壁間の距離を4mとする場合は、二つの建築物は「延焼ののある部分」を有している。
2.日影による中高層の建築物の高さの制限に関する規定において、日影時間を測定する水平面の高さを算定する場合における「平均地盤面からの高さ」とは、当該建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面からの高さをいい、その接する位置の高低差が3mを超える場合においては、その高低差3m以内ごとの平均の高さにおける水平面からの高さをいう。
3.「準遮炎性能」とは、建築物の周囲において発生する通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。
4.宅地造成等規制法第8条第1項及び第12条第1項並びにこれらの規定に基づく命令及び条例の規定で建築物の敷地、構造又は建築設備に係るものは、「建築基準関係規定」に該当する。

解答 2:

1.延焼のおそれのある部分とは、「隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物相互の外壁間の中心線から、一階にあつては3メートル以下、二階以上にあつては5メートル以下の距離にある建築物の部分」と規定している(法2条6号)。このとき、延べ面積の合計が500平方メートル以内の建築物は除外されているが、設問では400+250=650と、500を超えているので別の建築物としてみなす。よって、当該建築物相互の外壁間の中心線からの距離が3m以下の場合は、延焼のおそれのある部分を有していることとなる。(なお、2019年6月25日施行の建築基準法改正により、法2条6号に加筆されている部分は考慮していない。「ロ 建築物の外壁面と隣地境界線等との角度に応じて、当該建築物の周囲において発生する通常の火災時における火熱により燃焼するおそれのないものとして国土交通大臣が定める部分」)

2.日影規制における「平均地盤面の高さ」とは、「当該建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面からの高さ」である(建築基準法別表4)。 設問文は令2条2項に定義される「地盤面」の記述である。

3.法64条括弧書き。準遮炎性能とは、「建築物の周囲」において発生する「通常の火災時における火炎」を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能のこと。(法改正により、旧法64条の「準遮炎性能」が規定していた令136条の2の3 が「削除」となり、「準遮炎性能」の用語はなくなっている。出題当時のまま公開している。)

4.建築基準関係規定は、法第6条第1項および令9条で規定されており、①建築基準法、②その命令、③条例の規定、④「その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。これに基づく政令、省令、告示及び条例の規定で政令で定めるもの」の4つをまとめて言う。令9条では、消防法、屋外広告物法、港湾法、港湾法、ガス事業法、駐車場法、水道法、下水道法、宅地造成等規制法、流通業務市街法、液化石油ガス保安法、都市計画法、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法、自転車安全利用促進法、浄化槽法、特定都市河川浸水被害対策法を規定している。

〔H26 No.02〕面積、高さ、階数等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築物の地階で、倉庫とそれに通ずる階段室からなるものは、その水平投影面積の合計が、当該建築物の建築面積の1/8以下であっても、当該建築物の階数に算入する。
2.物品販売業を営む店舗の用途に供する建築物の屋上部分に設ける階段室の水平投影面積の合計が、当該建築物の建築面積の1/8以下であっても、当該階段室の床面積は、当該建築物の延べ面積に算入する。
3.建築物の屋上部分に設ける階段室の水平投影面積の合計が、当該建築物の建築面積の1/8であり、かつ、その部分の高さが4mであっても、当該建築物の高さに算入する場合がある。
4.建築物の床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの1/3以上のものは、地階である。

解答 1:

1.建築物の「階数」の除外規定は令2条1項八号に規定している。
八 階数 昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の八分の一以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなつている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によつて階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。
よって、「建築物の地階で、倉庫とそれに通ずる階段室からなるものは、その水平投影面積の合計が、当該建築物の建築面積の1/8以下」の場合は階数に算入しない。

2.法2条4号。延べ面積は、建築物の各階の床面積の合計による。なお、法52条の容積率算定の場合には、自動車車庫、備蓄倉庫、蓄電池、自家発電設備、貯水槽、宅配ボックスは除外規定がある。

3.階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは、12mまで(日影制限等は5ⅿ)は、当該建築物の高さに算入しない。ただし、避雷設備、北側斜線、特例容積率適用地区内・高度地区内・居住環境向上用途誘導地区・特定用途誘導地区の高さの限度は除外されている。

4.地階とは「床が地盤面下にある階で、床面から地盤面までの高さがその階の天井の高さの3分の1以上のものをいう。」令1条2号

〔H26 No.03〕建築物の用途変更に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないものとする。

1.建築主は、指定確認検査機関から建築物の用途の変更に係る確認済証の交付を受けた場合において、工事完了届については、建築主事に届け出なければならない。
2.木造、延べ面積400m2、地上2階建ての一戸建ての住宅の一部の用途を変更して、床面積100m2の飲食店とする場合においては、確認済証の交付を受ける必要はない。
3.原動機の出力の合計が3.0kWの空気圧縮機を使用する自動車修理工場において、その建築後に用途地域が変更されたため、原動機の出力の合計が現行の用途地域の規定に適合せず、建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けているものについては、原動機の出力の合計を3.5kWに変更することはできない。
4.延べ面積500m2の共同住宅の用途を変更して、寄宿舎とする場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。

解答 3:

1.建築主は、第6条第1項の規定による工事を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない(法7条1項)。ただし、法87条の用途変更に関する準用規定に、第7条第1項中の「「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。」とあるので、完了検査は必要なく、工事完了届を建築主事に届け出るだけでよい。この準用規定には法7条の2は規定されていないので、指定確認検査機関ではなく、建築主事に届け出る。

2.法87条の準用規定により、建築物の用途を変更して第6条第1項第1号の特殊建築物とする場合、法6条1項の確認済証の交付を受ける必要がある。法別表1(4)及び令115条の3第3号より「飲食店」は特殊建築物と判断されるが、床面積200m2を超えていないため、6条1項1号には該当しない。また木造で2号にも該当しないので、確認済証の交付は不要である。

建築基準法第6条1項

一号 特殊建築物 床面積200m2を超えるもの
二号 木造 ・3階以上
延べ面積500m2を超える
高さ13mを超える
軒の高さ9mを超える
上のいずれかに当てはまるもの
三号 木造以外 ・2階以上
床面積が200m2を超える
上のいずれかに当てはまるもの


3.用途地域(法48条)の変更により既存不適格建築物になった建築物の用途変更に関する設問。この場合、令137条の19第2項二号に「原動機の出力の合計は、基準時におけるそれらの出力の1.2倍を超えないこと」としている。本設問の場合、3.0kW×1.2倍= 3.6kWまでは現行の用途地域による規定は適用されないため、変更することができる。

4.法87条の準用規定により、建築物の用途を変更して第6条第1項第1号の特殊建築物とする場合、法6条1項の確認済証の交付を受ける必要がある。法別表1(2)から「寄宿舎」は特殊建築物と判断され、床面積200m2を超えているため、法6条1項1号に該当し、確認済証の交付が必要となる。なお、法87条のカッコ書きによって、類似の用途相互間の用途変更は除外されているが、寄宿舎と共同住宅は類似の用途とはならない(令138条の18各号)。また、設問文に「大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないもの」とあるので、法6条1項に該当しない。
建築基準法第6条1項
一号 特殊建築物 床面積200m2を超えるもの
二号 木造 ・3階以上
延べ面積500m2を超える
高さ13mを超える
軒の高さ9mを超える
上のいずれかに当てはまるもの
三号 木造以外 ・2階以上
床面積が200m2を超える
上のいずれかに当てはまるもの

〔H26 No.04〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築物である認証型式部材等で、その新築の工事が建築士である工事監理者によって設計図書のとおり実施されたことが確認されたものは、完了検査において、その認証に係る型式に適合するものとみなす。
2.建築主は、鉄骨造、延べ面積200m2、平家建ての事務所を新築する場合においては、検査済証の交付を受ける前であっても、建築物を使用することができる。
3.都市計画区域内において、ホテルを新築するために、鉄骨造、延べ面積300m2、地上2階建ての仮設の工事管理事務所を、工事現場から50m離れた別の敷地に新築する場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。
4.建築主は、鉄筋コンクリート造、延べ面積500m2、地上4階建ての寄宿舎の新築の工事において、2階の床及びこれを支持するに鉄筋を配置する工事の工程(特定行政庁が指定する工程はない)を終えたときは、指定確認検査機関が中間検査を引き受けた場合を除き、建築主事の中間検査を申請しなければならない。

解答 4:

1.認証型式部材等でその新築の工事が国土交通省令で定めるところにより建築士である工事監理者によって設計図書のとおり実施されたことが確認されたものは、中間検査及び完了検査において、その認証に係る型式に適合するものとみなされる(法68条の20)。

2.法7条の6第1項により、法6条1項一号から三号に該当する場合、当該建築物の建築主は、検査済証の交付を受けた後でなければ、原則として、当該建築物を使用し、又は使用させてはならない。「鉄骨造、延べ面積200m2、平家建ての事務所」は法6条1項一号から三号に該当しないので、検査済証の交付を受ける前であっても、当該新築に係る建築物を使用することができる

建築基準法第6条1項
一号 特殊建築物 床面積200m2を超えるもの
二号 木造 ・3階以上
延べ面積500m2を超える
高さ13mを超える
軒の高さ9mを超える
上のいずれかに当てはまるもの
三号 木造以外 2階以上
床面積が200m2を超える

上のいずれかに当てはまるもの


3.法85条2項より「工事を施工するために現場に設ける事務所」は、法6条が適用されない。ただし、設問では「現場以外の場所に設ける」ものとあるので、法85条の除外規定がなされない。鉄骨造、延べ面積200m2、地上2階建ての仮設の工事管理事務所は法6条3号に該当するので、確認済証の交付を要する。
建築基準法第6条1項

一号 特殊建築物 床面積200m2を超えるもの
二号 木造 ・3階以上
延べ面積500m2を超える
高さ13mを超える
軒の高さ9mを超える
上のいずれかに当てはまるもの
三号 木造以外 2階以上
床面積が200m2を超える
上のいずれかに当てはまるもの


4.建築主は、特定工程に係る工事を終えたときは、建築主事の検査を申請しなければならない。しかし、特定工程を規定する各号を見ると、
一 階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち政令で定める工程
二 前号に掲げるもののほか、特定行政庁が、その地方の建築物の建築の動向又は工事に関する状況その他の事情を勘案して、区域、期間又は建築物の構造、用途若しくは規模を限つて指定する工程
とある。設問の「寄宿舎」はこれに該当しないため、申請は不要である。

〔H26 No.05〕地上2階建ての中学校における生徒用の屋内階段(直階段)を設ける場合、図のLの値として、建築基準法に適合する最小のものは、次のうちどれか。

1. 6.14 m
2. 5.88 m
3. 5.20 m
4. 4.94 m

解答 2:令23条1項の表より、中学校の生徒用の直階段においては、蹴上げの最大寸法は18cm、踏面の最小寸法は26cmである。また、高さが3mを超えているので、令24条の規定により踏幅1.2m以上の踊場を設けなければならない。
以上の条件より、3.60mの高さを最小蹴上寸法の18cmで割ると、360cm÷18cm=20段となる。この時、2階床面と踊場を考慮すると、最小踏面寸法26cmの階段を18段設けることになる。よって、
L – 120cm = 26cm × 18段
L = 5.88m
(関連問題:令和02年1級学科3、No.05)

〔H26 No.06〕耐火建築物及び準耐火建築物に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。

1.準防火地域内における地上3階建ての共同住宅について、その耐力壁である外壁に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後45分間構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じない準耐火構造とする準耐火建築物とした。
2.準防火地域内における延べ面積1,000m2、地上2階建ての事務所について、その主要構造部である柱及び不燃材料で、その他の主要構造部準不燃材料で造られ、外壁の延焼ののある部分、屋根及び床を所定の構造とする準耐火建築物とした。
3.防火地域及び準防火地域以外の区域内における主階が2階にある地上2階建ての映画館で、客席の部分の床面積の合計が150m2のものについて、その主要構造部が所定の基準に適合するものであることについて耐火性能検証法により確かめられた耐火建築物とした。
4.防火地域及び準防火地域以外の区域内における延べ面積2,500m2、地上2階建ての学校の校舎について、主要構造部を木造の準耐火構造とする準耐火建築物とした。

解答 1:法27条1項平27年告示第255号による規定で、3階建の共同住宅は告示第1項二号にあたる。避難条有効なバルコニーを有し、建築物の周囲に幅員3m以上の通路を設ければ、1時間準耐火基準の準耐火構造とすることができる。45分の準耐火では不適合である。

〔H26 No.07〕避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、避難上の安全の検証は行われていないものとする。

1.小学校における児童用の廊下の幅は、両側に教室がある場合、2.3m以上としなければならない。
2.地上3階建ての小学校の教室で照明装置の設置を通常要する部分には、非常用の照明装置を設けなければならない。
3.屋内に設ける避難階段の階段室は、所定の開口部、窓又は出入口の部分を除き、耐火構造の壁で囲み、階段室の天井(天井のない場合にあっては、屋根)及び壁の室内に面する部分は、仕上げを不燃材料でし、かつ、その下地を不燃材料で造らなければならない。
4.建築物の高さ31m以下の部分にある3階以上の各階において、道に面する外壁面に、幅及び高さが、それぞれ、75cm以上及び1.2m以上の窓で、格子その他の屋外からの進入を妨げる構造を有しないものを当該壁面の長さ10m以内ごとに設けている場合においては、非常用の進入口を設けなくてもよい。

解答 2:以下の建築物は、非常用の照明装置を設けなくてもいい。
一 一戸建の住宅又は長屋若しくは共同住宅の住戸
二 病院の病室、下宿の宿泊室又は寄宿舎の寝室その他これらに類する居室
三 学校等
四 避難階又は避難階の直上階若しくは直下階の居室で避難上支障がないものその他これらに類するものとして国土交通大臣が定めるもの
これにより「学校等(幼保連携型認定こども園を除く)」は、規模に関わらず、「非常用の照明装置」を設けなくてもよい。(令126条の4第三号)

〔H26 No.08〕防火地域及び準防火地域以外の区域内における病院又は診療所に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。ただし、自動式のスプリンクラー設備等は設けられていないものとし、居室については、内装の制限を受ける「窓その他の開口部を有しない居室」には該当しないものとする。

1.地上3階建てで、3階の部分の床面積が500m2の病院において、その居室の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料とした。
2.地上2階建てで、2階の部分の床面積が500m2で2階に患者の収容施設がある診療所において、2階が階避難安全性能を有するものであることについて、階避難安全検証法により確かめたので、内装の制限を受ける調理室等以外の2階の室は難燃材料以外の木材で仕上げた。
3.地上12階建ての病院において、全館避難安全性能を有するものであることについて、全館避難安全検証法により確かめたので、最上階については、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料とし、かつ、その下地を準不燃材料として床面積の合計200m2以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画した。
4.延べ面積1,500m2、地上3階建ての患者の収容施設がない診療所において、耐火建築物及び準耐火建築物に該当しない木造の建築物としたので、準耐火構造で自立する構造の壁によって床面積の合計750m2ごとに区画した。

解答 4:延べ面積が1,000m2を超える木造の建築物は、原則として、所定の防火壁又は防火床によって1,000m2以内ごとに区画しなければならない。防火壁又は防火床は、耐火構造としなければならない(法26条令113条1項一号)。

〔H26 No.09〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、主要構造部については、「耐火建築物主要構造部に関する技術的基準」に適合していないものとする。また、防火区画検証法による確認及び避難上の安全の検証は行われていないものとする。

1.耐火構造の柱は、通常の火災による火熱が所定の時間加えられた場合に、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものでなければならない。
2.準防火地域内における共同住宅の屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、き裂その他の損傷を生じないものでなければならない。
3.主要構造部準耐火構造とした建築物の地上部分の層間変形角は、原則として、1/200以内でなければならない。
4.防火区画に用いる特定防火設備である防火シャッター等は、常時閉鎖若しくは作動をした状態にあるか、又は随時閉鎖若しくは作動をできるものでなければならない。

解答 3:法2条九号の三イに該当する建築物の地上部分の層間変形角は、原則として、1/150以内でなければならない(令109条の2の2)。

〔H26 No.10〕建築設備に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.エレベーター(所定の特殊な構造又は使用形態のものを除く。)の昇降路の出入口の戸には、かごがその戸の位置に停止していない場合において昇降路外の人又は物の昇降路内への落下を防止することができるものとして、所定の基準に適合する施錠装置を設けなければならない。
2.エレベーター強度検証法による主要な支持部分等の断面に生ずる常時の応力度は、昇降する部分以外の部分の固定荷重、昇降する部分の固定荷重及びの積載荷重を合計した数値により計算する。
3.耐火構造の床若しくは壁又は防火戸その他の政令で定める防火設備床面積200m2以内に区画された共同住宅の住戸の居室には、窓その他の開口部で開放できる部分(天井又は天井から下方80cm以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の1/50未満であっても、排煙設備を設置しなくてよい。
4.踏段面の水平投影面積が8m2であるエスカレーターにおける踏段の積載荷重は、21kNとすることができる。

解答 2:エレベーター強度検証法による主要な支持部分等の断面に生ずる常時の応力度は、以下の式により求められる。

G11(G2+P)

G1:昇降する部分以外の部分の固定荷重
G2:昇降する部分の固定荷重
P:かごの積載荷重
α1:加速度を考慮して大臣が定める数値 
設問は「α1」が考慮されていない。

〔H26 No.11〕コンクリートの強度等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.設計基準強度が21N/mm2以下のコンクリートのせん断に対する材料強度は、圧縮に対する材料強度の1/10である。
2.コンクリートの材料強度の算定における設計基準強度の上限の数値は、特定行政庁が規則で定めることができる。
3.鉄筋コンクリート造に使用するコンクリートの四週圧縮強度を求める場合においては、国土交通大臣が指定する強度試験によらなければならない。
4.コンクリートの短期に生ずる力に対する圧縮の許容応力度は、設計基準強度の3/4である。

解答 4:コンクリートの「短期に生ずる力に対する圧縮」の許容応力度は、「長期に生ずる力に対する圧縮の許容応力度(F/3)」の2倍なので、設計基準強度の2/3である(令91条表)。

〔H26 No.12〕建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.高さ45mの鉄筋コンクリート造の建築物の地上部分について、保有水平耐力計算を行う場合、各階の層間変形角が所定の数値以内であることを確かめなければならない。
2.鉄骨造の建築物において、限界耐力計算によって安全性が確かめられた場合、柱以外の構造耐力上主要な部分である鋼材の圧縮材の有効細長比は、250以下としなくてもよい。
3.限界耐力計算を行う場合、構造耐力上主要な部分の断面に生ずる長期(常時及び積雪時)及び短期(積雪時、暴風時及び地震時)の各応力度が、それぞれ長期に生ずる力又は短期に生ずる力に対する各許容応力度を超えないことを確かめなければならない。
4.許容応力度等計算を行う場合、建築物の地上部分については、各階の剛性率が、それぞれ6/10以上であることを確かめなければならない。

解答 3:限界耐力計算を行う場合、「地震時を除き、第82条第一号から第三号まで」に定めるところによって構造計算を行う(令82条の5一号)。よって、地震時の構造計算は行わない。

〔H26 No.13〕積載荷重に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。

1.学校の屋上広場をささえる柱の垂直荷重による圧縮力の計算において、柱のささえる床の数が5であったので、床の積載荷重として採用する数値を建築物の実況によらないで、2,000N/m2とした。
2.教室に連絡する廊下及び階段の地震力の計算において、床の積載荷重として採用する数値を建築物の実況によらないで、2,100N/m2とした。
3.倉庫業を営む倉庫において、床の積載荷重として採用する数値を建築物の実況に応じて計算して、3,800N/m2とした。
4.劇場の客席(固定席)の基礎の垂直荷重による圧縮力の計算において、床の積載荷重として採用する数値を建築物の実況によらないで、2,600N/m2とした。

解答 3:令85条3項より、倉庫業を営む倉庫における床の積載荷重は、実況に応じて計算した数値が3,900N/m2未満の場合においても、3,900N/m2にしなければならない。

〔H26 No.14〕都市計画区域及び準都市計画区域内の道路等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.道路法による道路として築造した幅員6mの道で地下におけるものは、建築基準法上の道路ではない。
2.特定行政庁から位置の指定を受けた幅員6mの私道を廃止する場合は、特定行政庁の許可が必要である。
3.密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律による新設の事業計画のある幅員6mの道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したものは、建築基準法上の道路である。
4.壁面線を越えて歩廊の柱を建築する場合は、特定行政庁の許可が必要である。

解答 2:私道による接道義務(法43条)を果たしている第三者の建築物が一方的に違反状態とならないように、特定行政庁は一般の違反是正命令(法9条)に準じた手続きで指導の変更・廃止を禁止・制限することができる(法45条)。ただし、土地所有者等による私道の変更・廃止は、原則として自由であり、許可は不要である

〔H26 No.15〕建築物の用途の制限に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、特定行政庁の許可は受けないものとし、用途地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。また、いずれの建築物も各階を当該用途に供するものとする。

1.延べ面積300m2、地上2階建ての公衆浴場(個室付浴場業に係るものを除く。)は、すべての用途地域で新築することができる。
2.延べ面積300m2、地上2階建ての地方公共団体の支所は、すべての用途地域で新築することができる。
3.建築物に附属する延べ面積300m2、地上3階建ての自動車車庫は、第一種住居地域内に新築することができる。
4.延べ面積10,000m2、地上3階建ての物品販売業を営む店舗は、工業地域内に新築することができる。

解答 3:第一種住居地域内に新築してはならない附属自動車車庫は、自動車車庫の面積が自動車車庫以外の建築物の面積を超えるもの、または、3階以上に車庫があるものである(令130条の8第一号法別表第二(ほ)項一号、(へ)項四号)。したがって、特定行政庁の許可がなければ新築することはできない。

〔H26 No.16〕図のような敷地において、耐火建築物新築する場合、建築基準法上、建築することができる建築面積の最大のものは、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定等はないものとする。

1. 580 m2
2. 610 m2
3. 640 m2
4. 672 m2

解答 3:
①建築物の敷地が建ぺい率の異なる2以上の地域にわたる場合は、それぞれの地域について計算して得た数値を合計したもの以下とする。(法53条2項)
②敷地が防火地域の内外にわたる場合、建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地は全て防火地域にあるものとみなす。(法53条7項)
③建蔽率の限度(商業地域):建蔽率の限度が8/10の地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物等は、建蔽率の制限を受けない(10/10)。
④建蔽率の限度(準住居地域):法53条3項一号イ、二号、同条7項の適用により、防火地域内にある耐火建築物等となるので1/10を加算する(8/10)。
⑤建築面積の計算(商業地域):2項道路に接する部分は、その道路の中心より2m後退した部分は、敷地面積に算入されない。
(21m-1m)×20m×(10/10)=400m2
⑥建築面積の計算(準住居地域):
(21m-1m)×15m×(8/10)=240m2
よって、400m2+240m2=640m2

〔H26 No.17〕図のように、敷地に建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間に高低差はなく、また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁による指定等並びに門、塀等はないものとし、日影による中高層の建築物の高さの制限及び天空率に関する規定は考慮しないものとする。なお、建築物は、すべての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

1. 31.5 m
2. 34.5 m
3. 36.0 m
4. 38.5 m

解答 2:
[道路斜線制限]
①反対側に公園・水面等がある場合の緩和(令134条2項)、2以上の前面道路の規定により、A点は南側道路境界線から公園・水面等の反対側境界線の2倍以下かつ35m以内にあるので、A点に対する西側道路の反対側境界線までは、11mとみなされる(法56条6項)。
②その後退距離を考慮して、道路の反対側の境界線までの水平距離は、
(南)2m(後退距離)+11m+2m+(10-2)m=23m
(西)1m(後退距離)+11m+1m+(12-1)m=24m
となり、南側道路による斜線制限を検討する。(法56条2項)
③「適用距離」は、法56条1項一号法別表第3(は)により、指定容積率(60/10)と前面道路幅員による容積率(8×6/10=48/10)のうち小さい方を採用し、基準容積率は48/10となり、適用距離は25mとなる。②で水平距離が23mなので、適用範囲内にあり、道路斜線距離の適用を受けると判断する。
④商業系地域の斜線勾配は、1.5なので、道路斜線制限による最高限度は、
23m×1.5=34.5mとなる。

[隣地斜線制限]
①商業系地域の隣地斜線は、以下の式(法56条1項二号)、
(隣地境界線までの水平距離+31mを超える部分の後退距離)×2.5+31m
から求められ、東側<北側なので、
(1m+1m+1m)×2.5+31m=38.5

以上より、地盤面からのA点における建築物の高さの最高限度は、34.5mとなる。

〔H26 No.18〕防火地域及び準防火地域内の建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.防火地域内においては、高さが3mの広告用の看板で、建築物の屋上に設けるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。
2.建築物が防火地域又は準防火地域とこれらの地域として指定されていない区域にわたる場合において、その建築物が防火地域又は準防火地域外において防火壁で区画されているときは、その防火壁外の部分については、防火地域又は準防火地域内の建築物に関する規定は適用されない。
3.準防火地域内においては、延べ面積1,200m2、地上3階建ての建築物(各階の床面積400m2)で、各階を物品販売業を営む店舗の用途に供するものは、耐火建築物としなければならない。
4.準防火地域内においては、延べ面積600m2、地上3階建ての建築物で、各階を診療所(患者の収容施設がないもの)の用途に供するものは、耐火建築物としなければならない。

解答 4:準防火地域内で、3階建て1,500m2以下の建築物は、「準耐火建築物」又は「準延焼防止建築物」とする。したがって、準耐火建築物とすることができる。なお、患者の収容施設がない診療所には、法27条の適用はない。(法61条令136条の2第二号)

〔H26 No.19〕「地区整備計画等」が定められている区域内の建築物に関する制限として、建築基準法上、市町村の条例で定めることができない事項は、次のうちどれか。

1.建築物の意匠の制限
2.垣又は柵の構造の制限
3.建築物の階数の制限
4.建築物の容積率の最高限度

解答 3:都市計画法12条の5第7項の各号に「地区整備計画等」が定められている区域内の建築物に関して制限できる項目が指定されている。「建築物の階数の制限」は指定されていない

〔H26 No.20〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築物の5階以上の階を百貨店の売場の用途に供する場合においては、避難の用に供することができる屋上広場を設けなければならない。
2.敷地が第二種中高層住居専用地域内に600m2、近隣商業地域内に700m2と二つの用途地域にわたる場合、当該敷地には、ホテルを新築することができる。
3.小学校の教室の窓その他の開口部で採光に有効な部分の面積の算定に当たっては、用途地域等の区分に応じ、計算した採光補正係数を用いる。
4.延べ面積1,000m2、地上3階建ての主要構造部耐火構造である中学校(避難階は1階)で、3階における居室の床面積の合計が200m2である場合においては、3階から1階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。

解答 4:

1.

2.

3.居室の窓その他の開口部で採光に有効な部分の面積は、当該居室の開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定するものとする(令20条1項)。この採光補正係数は用途地域等に応じて指定されており、住居系用途地域では「採光関係比率×0.6-1.4」、工業系地域では「採光関係比率×8-1」、商業系地域では「採光関係比率×10-1」が与えられる(令20条2項各号)。

4.建築物の避難階以外の階が、令121条1項各号に該当する場合は2以上の直通階段を設けなければならない。同項六号ロに「5階以下の階でその階における居室の床面積の合計が避難階の直上階にあつては200m2を、その他の階にあつては100m2を超えるもの」とある。また同条2項において、「同項中「50m2」とあるのは「100m2」と、「100m2」とあるのは「200m2と、「200m2」とあるのは「400m2」とする。」とある。よって設問の階は「その他の階」であり、100m2を200m2と読み替えるが、200m2を超えていないため該当しない。

〔H26 No.21〕次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。

1.業務に関して不誠実な行為をして建築士の免許を取り消され、その取消しの日から起算して5年を経過しない者は、建築士の免許を受けることができない。
2.建築関係法令に違反し、禁以上の刑に処せられた建築士については、執行猶予の言渡しがあった場合であっても、建築士の免許を取り消される。
3.一級建築士が懲戒処分を受けたときは、国土交通大臣により、処分の年月日、氏名、登録番号、処分の内容、処分の原因となった事実等が公告される。
4.建築士が道路交通法違反等の建築と関係しない罪を犯し、禁以上の刑に処せられた場合には、建築士の免許の取消しの対象とはならない。

解答 4:建築士が禁固刑以上の刑に処せられた場合、その免許は取り消されるが、刑罰の根拠となる法令は建築関係に限定されていない(建築士法9条1項二号、三号同法8条の2第二号同法7条二号)。

〔H26 No.22〕次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。

1.「設計」とは、その者の責任において設計図書を作成することをいい、「構造設計」とは構造設計図書の設計を、「設備設計」とは設備設計図書の設計をいう。
2.「工事監理」とは、その者の責任において、建築工事の指導監督を行うとともに、当該工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。
3.設備設計一級建築士は、設備設計以外の設計を含めた、建築物の設計を行うことができる。
4.建築士事務所に属する構造設計一級建築士は、一級建築士定期講習と構造設計一級建築士定期講習の両方を受けなければならない。

解答 2:工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいい、「指導監督」は含まれていない(建築士法2条8項)。

〔H26 No.23〕次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。

1.管理建築士は、その建築士事務所の業務に係る技術的事項を総括する専任の建築士であるが、当該建築士事務所に属する他の建築士が設計を行った建築物の設計図書について、管理建築士である旨の表示をして記名及び押印をする必要はない。
2.建築士事務所の開設者が建築主との設計受託契約の締結に先立って管理建築士等に重要事項の説明を行わせる際に、管理建築士等は、当該建築主に対し、建築士免許証又は建築士免許証明書を提示しなければならない。
3.建築士事務所の開設者は、建築主から受託した設計の業務の一部を他の建築士事務所に再委託する場合にあっては、当該設計受託契約を締結したときに当該建築主に交付する書面等において、当該再委託に係る設計の概要、再委託の受託者の氏名又は名称等を記載しなければならない。
4.建築士事務所の開設者は、設計又は工事監理以外の業務について、建築主から受託する場合にあっては、建築士法に基づく重要事項の説明や契約を締結したときの書面の交付を行わなければならない。

解答 4:建築士事務所の開設者は、「設計又は工事監理の受託契約」を建築主と締結しようとするときは、締結する前に管理建築士等をして重要事項説明を、「設計又は工事監理の受託契約」を委託者と締結したときは、締結をした後に遅滞なく、所定の事項を記載した書面の交付を行わなければならない。ただし、「設計又は工事監理以外」の業務については、これらの義務の規定はない(建築士法24条の7第1項同法24条の8第1項)。

〔H26 No.24〕次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。

1.開発許可を受けた区域内の土地においては、予定される建築物の建築に関する確認済証の交付を受けた場合には、開発行為に関する工事と予定される建築物の建築工事を同時に行うことができる。
2.地方公共団体は、条例で、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定めることができる。
3.市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとされているが、地区計画は定めることができる。
4.市町村長は、地区計画による地区整備計画が定められている区域内において、建築等の届出に係る行為が当該地区計画に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し必要な措置をとることを勧告することができる。

解答 1:開発許可を受けた開発区域内の土地には、原則として、開発行為の工事完了の広告があるまでは、建築物を建築し、又は特定工作物を建設してはならない(都市計画法37条)。したがって、開発行為に関する工事と建築工事を同時に行うことはできない。

〔H26 No.25〕次の記述のうち、消防法上、誤っているものはどれか。ただし、建築物は、いずれも無窓階を有しないものとし、指定可燃物の貯蔵及び取扱いは行わないものとする。

1.延べ面積120m2、地上2階建ての飲食店については、消火器又は簡易消火用具を設置しなくてもよい。
2.防火対象物が開口部のない防火構造の床又は壁で区画されているときは、その区画された部分は、消防用設備等の設置及び維持の技術上の基準の規定の適用については、それぞれ別の防火対象物とみなす。
3.地上5階建ての図書館には、避難口誘導灯を設けなくてもよい。
4.主要構造部耐火構造とし、かつ、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でした延べ面積1,500m2の遊技場については、屋内消火栓設備を設置しなくてもよい。

解答 2:防火対象物が開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されているときは、その区画された部分は、消防用設備等の設置及び維持の技術の技術の規定の適用については、それぞれ別の防火対象物とみなす。(消防法施行令8条)

〔H26 No.26〕次の建築物を新築する場合、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならないものはどれか。

1.床面積の合計が60m2の公衆便所
2.床面積の合計が1,500m2の病院
3.床面積の合計が3,000m2の共同住宅
4.床面積の合計が5,000m2の工場

解答 1:建築主等は、特別特定建築物で床面積の合計2,000m2以上の建築をしようとするときは、当該特別特定建築物を建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない(バ法14条バ法令9条)。「公衆便所」にあっては、50m2以上としている(バ法2条十七号バ法令5条)ので、適合しなければならない。

〔H26 No.27〕「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.床面積の合計が3,000m2の第一種特定建築物の直接外気に接する屋根(当該屋根の面積の合計が1,200m2)について修繕をしようとする者は、当該修繕に係る部分の屋根の面積が500m2の場合には、原則として、当該修繕に係る建築物の設計及び施工に係る事項のうち、所定の措置に関するものを所管行政庁に届け出なければならない。
2.床面積の合計が500m2の第二種特定建築物の新築をしようとする者は、原則として、当該建築物の設計及び施工に係る事項のうち、所定の措置に関するものを所管行政庁に届け出なければならない。
3.第一種特定建築物の新築に係る届出をした者は、原則として、定期に、その届出に係る事項に関する当該建築物の維持保全の状況について、所管行政庁に報告しなければならない。
4.所管行政庁は、第二種特定建築物の新築に係る届出があった場合において、当該届出に係る事項が同法に基づく建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、原則として、当該届出をした者に対し、その判断の根拠を示して、当該届出に係る事項に関し必要な措置をとるべき旨の勧告をすることができる。

解答 1:「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」において、非住宅部分の特定建築物は、2,000m2以上の新築の場合、建築物エネルギー消費性能基準に適合しなければならない。設問の場合、「1,200m2」なので、適合の義務の定期用はない。(建築物省エネ法19条1項一号同施行令8条1項)
※なお「エネルギーの使用の合理化に関する法律」は平成29年3月31日をもって廃止され、平成29年4月1日からは「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が適用されるようになった。当サイトでは出題文をそのまま掲載している。

〔H26 No.28〕次の記述のうち、建築基準法及び建築士法上、誤っているものはどれか。

1.一級建築士でなければ行ってはならない建築物の設計及び工事監理を二級建築士が行い、工事が施工された場合、当該建築物の工事施工者は罰則の適用の対象とならないが、当該二級建築士は罰則の適用の対象となる。
2.建築基準法の構造耐力の規定に違反する建築物の設計を建築主が故意に指示し、建築士がそれに従って設計及び工事監理をした場合、当該建築主及び当該建築士のいずれも罰則の適用の対象となる。
3.特定行政庁が特定工程の指定と併せて指定する特定工程後の工程に係る工事を、工事施工者が当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受ける前に施工した場合、当該工事施工者は罰則の適用の対象となる。
4.法人である建築士事務所の業務として、その代表者又は従業員が、建築基準法の構造耐力の規定に違反する特殊建築物等を設計し、工事が施工された場合、当該法人は、1億円以下の罰金刑の適用の対象となる。

解答 1:建築基準法5条の6第1項、5項の規定に違反した場合における建築物の工事施工者は、100万円以下の罰金に処される(建築基準法101条1項一号)。また二級建築士も建築士法により罰則の対象となる(建築士法38条三号)。

〔H26 No.29〕次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。

1.「建設業法」に基づき、建設業者は、注文者から請負代金の額が2,500万円の集会場の建築一式工事を請け負った場合、当該工事を施工するときは、当該工事現場に置く主任技術者を専任の者としなくてもよい。
2.「景観法」に基づき、景観地区内において建築物の建築等をしようとする者は、原則として、あらかじめ、その計画が、所定の規定に適合するものであることについて、市町村長の認定を受けなければならない。
3.「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約においては、住宅の構造耐力上主要な部分等について、引き渡した時から10年間 担保責任を義務づけており、これに反する特約で注文者又は買主に不利なものは無効とされる。
4.「宅地建物取引業法」に基づき、宅地建物取引業を営もうとする者は、2以上の都道府県の区域内に事務所(本店、支店等)を設置してその事業を営もうとする場合にあっては、事務所を設置する都道府県ごとに、当該都道府県知事の免許を受けなければならない。

解答 4:宅地建物取引業を営もうとする者は、2以上の都道府県に事務所を設置する場合、国土交通大臣の免許を受けなければならない(宅建業法3条1項)。

〔H26 No.30〕次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。

1.「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき、延べ面積10,000m2、地上4階建ての既存耐震不適格建築物である病院であって、耐震不明建築物であるものの所有者は、耐震診断を行い、その結果を所定の期日までに所管行政庁に報告しなければならない。
2.「建築基準法」に基づき、延べ面積1,000m2、地上4階建ての患者の収容施設がある診療所(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者等は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、一定の資格を有する者に、その状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
3.「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づき、延べ面積3,000m2の病院で、建築時には建築物移動等円滑化基準への適合義務がなかった建築物の建築主等は、当該基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、毎年度、その措置の状況について所管行政庁に報告しなければならない。
4.「建築士法」に基づき、建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに、設計等の業務に関する報告書を作成し、毎事業年度経過後3月以内に都道府県知事に提出するとともに、業務に関する図書で所属する建築士が建築士事務所の業務として作成した所定の設計図書を作成した日から15年間保存しなければならない。

解答 3:

1.

2.法12条1項の定期報告。第6条第1項第1号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(令16条1項)及び特定建築物で特定行政庁が指定するものの所有者は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。患者の収容施設がある診療所は令16条1項3号に該当するので、定期報告を要する。

3.バリアフリー法14条5項において、特別特定建築物のうち、建築物移動等円滑化基準への適合義務のない、「2,000m2未満の新築・増改築の建築主」や「既存建築物の所有者・管理者・占有者」については、円滑化基準に適合させるよう努力義務を課しているが、所管行政庁への報告義務までは規定されていない。病院はバリアフリー法施行令5条二号に該当する。
なお、バリアフリー法15条3項において、所管行政庁は、これらの建築主等に対して円滑化基準への適合化に向けた指導・助言ができると規定されている。

4.

1級建築士の学科対策

・イラストでわかる一級建築士用語集

・1級建築士 学科試験 要点チェック

投稿日:2019年8月1日 更新日:

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