平成23年度 学科Ⅴ-施工
25問掲載
一級建築士学科試験:2020年7月25日(日)
令和04年度試験日まであと 日!
〔No.1〕施工計画等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.特記は、標準仕様書と異なる事項や標準仕様書に含まれていない事項について、質問回答書、現場説明書、特記仕様書及び図面において指定された事項をいう。
2.公共建築工事において、工事に関連して発見された文化財その他の埋蔵物の発見者としての権利は、一般に、発注者と請負者が等しい割合で保有する。
3.工種別の施工計画書は、一工程の施工の着手前に、総合施工計画書に基づいて、工種別に定めたものであり、一般に、施工要領書を含む。
4.工事に使用する材料は設計図書に定める品質及び性能を有する新品とするが、仮設に使用する材料は所要の品質及び性能を有する中古品でもよい。
解答 2:工事の施工にあたり、文化財・埋蔵物を発見した場合は、発見者としての権利は発注者が保有する。施工中に発見した場合、直ちにその状況を管理者に報告する。(公共建築工事標準仕様書)
〔No.2〕工事現場の管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.高さ2m以上の枠組足場の墜落防止措置については、原則として、「交差筋かいに加え、高さ15cm以上40cm以下の下桟、高さ15cm以上の幅木又はこれらと同等以上の機能を有する設備」又は「手すり枠」を設けなければならない。
2.高さ5mの鉄筋コンクリート造の建築物の解体作業に当たっては、「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」を選任しなければならない。
3.型枠支保工を組み立てるに当たっては、支柱、はり、つなぎ、筋かい等の部材の配置、接合の方法及び寸法を示した組立図を作成しなければならない。
4.建築工事の主任技術者は、自らが施工する工事と、これに密接に関連する別途発注された第三者の施工する工事との調整を行わなければならない。
解答 4:一般的に、施工には複数の関連工事を行う。そのため関連工事との調整を発注者が行う。受注者は発注者からの調整に従い、関連工事が円滑に進捗し、完成するように協力しなければならない。(工事請負契約約款3条)
(関連問題:平成12年1級学科4、平成09年1級学科4)
〔No.3〕材料管理、品質管理等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.構造体の計画供用期間の級が「超長期」の建築物に使用するコンクリートについては、普通ポランドセメントを用いた。
2.工事現場に搬入されたロールカーペットの保管については、縦置きせずに、横に倒して3段までの俵積みとした。
3.粗面仕上げの花崗岩の張り石工事において、石面にセメントによる汚れが付着したので、周辺の金物を養生したうえで、その石面に清水を注ぎかけた後に酸洗いをし、酸類が残らないように十分に水洗いを行った。
4.シーリング工事におけるバックアップ材については、シーリング材との接着性がよく、かつ、シーリング材の性能を低下させないものを用いた。
解答 4:バックアップ材やボンドブレーカーは、シーリング材と接着せず、またシーリング材の性能を低下させないものとする。(JASS 8)

https://repaint.co.jp/
(関連問題:平成12年1級学科4、平成29年2級学科4、No.17、平成21年2級学科4、No.18)
〔No.4〕建築工事に関連する届等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.資材や機材の搬入に先立ち、トレーラー車を道路上に一時駐車して作業を行う必要があったため、「道路使用許可申請書」を、警察署長あてに提出した。
2.吹付け石綿が使用されている建築物の解体に先立ち、「特定粉じん排出等作業実施届出書」を、労働基準監督署長あてに提出した。
3.建築物の一部を除却するに先立ち、当該工事の対象床面積が15m2であったので、「建築物除却届」を、建築主事を経由して都道府県知事あてに提出した。
4.伝搬障害防止区域内において、地表からの高さが31mを超える建築物の新築に先立ち、「高層建築物等予定工事届」を、総務大臣あてに提出した。
解答 2:「特定粉じん排出等作業実施届出書」は、施工者が、作業開始の14日前までに、原則として、環境省令で定めるところにより、所定の事項を都道府県知事に届け出なければならない。(大気汚染防止法)
なお、都道府県知事への届出・許可には、以下の諸手続き等がある。
・建築工事届(床面積10m2を超える場合)
・建築物除去届(床面積10m2を超える場合)
・宅地造成に関する工事の許可申請
・特定粉じん排出等作業実施届
・※危険物の貯蔵所及び取扱所設置許可申請書(消防署を置かない市町村)
・※浄化槽設置届(保健所を置かない市)
(関連問題:令和元年1級学科5、No.04、平成27年1級学科5、No.04、平成23年1級学科5、No.04、平成21年2級学科4、No.03、平成20年2級学科4、No.03)
〔No.5〕仮設工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.建築物の高さと位置の基準となるベンチマークについては、「現場内の移動のおそれのないように新設した木杭」と「前面道路」の2か所に設け、相互に確認が行えるようにした。
2.第三者に対する危害を防止するために設ける防護棚(朝顔)は、はね出し長さを足場から水平距離で1.8mとし、水平面となす角度を30度とした。
3.単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向5m、水平方向5.5mとした。
4.鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物において、鉄骨上に設けた材料置場と外足場とを連絡するための仮設通路の幅は、手すりの内側で60cmとした。
解答 2:防護棚(朝顔)は落下物による作業者や通行人への危害を防止するために設けられるもの。その設置要領は以下の通り。
・工事場所が10m以上なら、1段以上を設ける
・工事場所が20m以上なら、2段以上を設ける
・1段目は4〜5mの箇所に設ける
・2段目からは、下段から10m以下の間隔で設ける
・はね出し長さは、足場から2m以上
・水平方向から20度以上の角度をなす(関連問題:平成26年1級学科5、No.05、平成20年1級学科4、No.05、平成15年1級学科4、平成14年1級学科4)
〔No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.根切り平面に対して敷地に余裕があったので、掘削部周辺に安定した斜面を残し、山留め壁や支保工を設けない法付けオープンカット工法を採用した。
2.軟弱地盤の掘削において、掘削位置の外周に余裕があったので、山留め壁の周囲地盤のすき取りを行い、ヒービングを防止した。
3.砂質土地盤の床付け面を乱してしまったので、転圧による締固めを行った。
4.切ばりにプレロードを導入するに当たって、切ばりの蛇行を防ぐために、上段切ばりと下段切ばりとの交差部の締付けボルトを堅固に締め付けた。
解答 4:切ばりにプレロードを導入する時は、切ばりの締付けボルトは緩めた状態で行う。「切ばりの蛇行を防ぐために」は、ずれ止めを設ける。

http://www.tiyhirose.co.jp/より
〔No.7〕杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.セメントミルク工法においては、一般に、試験杭により、掘削時のオーガー抵抗電流値や支持層と想定される深度の土質等を確認し、本杭の設置深度、その設置管理方法等を決定する。
2.場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごの掘削孔への吊込みにおいて、組み立てた鉄筋かご相互の接続については、一般に、重ね継手とする。
3.予定の掘削深度になっても支持地盤が確認できない場合は、土質調査資料との照合を行いながら掘削を続けて支持地盤を確認し、杭を施工した後に監理者に報告する。
4.アースドリル工法において、近接する杭については、連続して施工しない。
解答 3:所定の深度まで掘削しても定められた条件を満たさない場合、また所定の深度まで掘削することができない場合、監理者と協議し、掘削完了深度を決定する。(JASS 4)
〔No.8〕鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、設計図書に特記がないものとする。
1.D10のスパイラル筋の重ね継手については、長さを500mmとし、その末端については、折曲げ角度を90度、余長を60mmとした。
2.SD345のD25の鉄筋の手動ガス圧接については、技量資格種別2種の手動ガス圧接技量資格者が行った。
3.SD345のD19の鉄筋とSD345のD22の鉄筋との継手については、手動ガス圧接とした。
4.構造体の計画供用期間の級が「長期」の建築物において、耐久性上有効な仕上げを施す屋外側の鉄筋の設計かぶり厚さについては、耐久性上有効な仕上げを施さない場合の鉄筋の設計かぶり厚さから10mm減じた。
解答 1:スパイラル筋の重ね継手は、必ずフックを設けることとし、
①定着長さは、50d以上かつ300mm以上。(dは異形鉄筋の呼び名の数値)
→d=10なので、500mm以上。(正しい記述)
②余長は、90度フックの場合は12d、135度フックの場合は6d
→90度フック、d=10なので、120mm以上必要。(「余長を60mm」は誤った記述)
(JASS 5)
(関連問題:平成18年1級学科4)
〔No.9〕型枠工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.高流動コンクリートにおいて、型枠設計用のコンクリート側圧は、一般に、フレッシュコンクリートの単位容積質量による液圧が作用するものとして計算する。
2.壁型枠に設ける配管用のスリーブのうち、開口補強が不要であり、かつ、スリーブの径が200mm以下のものは、紙チューブとすることができる 。
3.型枠は、一般に、コンクリート打込み時に動かないように、外部足場にも堅固に固定する。
4.構造体の計画供用期間の級が「標準」の建築物において、せき板の最小存置期間については、「コンクリートの材齢による最小存置期間」と「コンクリートの圧縮強度による最小存置期間」のうち、いずれかを満足すればよい。
解答 3:型枠の固定は、足場ややり方などの仮設物には連結させてはならない。仮設物に連結させてしまうと、その仮設物が動いた時に型枠がずれる恐れがある。(建築工事監理指針)
(関連問題:令和02年1級学科5、No.09)
〔No.10〕コンクリート工事における品質管理及び検査に関する次の記述のうち、 最も不適当なものはどれか。
1.スランプを18cmと指定したレディーミクストコンクリートにおいて、受入れ時のスランプ試験の結果が20cmであったので、合格とした。
2.空気量を4.5%と指定したレディーミクストコンクリートにおいて、受入れ時の空気量が5.8%であったので、合格とした。
3.暑中コンクリートにおいて、荷卸し時のコンクリート温度の上限値については、特記がなかったので、 35℃とした。
4.寒中コンクリートにおいて、荷卸し時のコンクリート温度の下限値については、打込み後に十分な水和発熱が見込まれるので、3℃とした。
解答 4:寒中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として10℃~20℃とする。ただし、マスコンクリートや高強度コンクリートなどで、打込み後に水和発熱による十分な温度上昇が見込まれる場合には、工事監理者の承認を得て、打込み時のコンクリート温度の下限値を5°Cとすることができる。(JASS 5)
(関連問題:平成26年1級学科5、No.11、平成10年1級学科4)
〔No.11〕表は、コンクリートの計画調合において使用する材料の絶対容積及び質量を記号で表したものである。このコンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、細骨材及び粗骨材の質量は、表面乾燥飽水状態をする。
解答 4:空気量(%)は、コンクリートに含まれる空気の容積の、コンクリートの容積に対する百分率である。そのため空気量は、
(関連問題:平成29年1級学科5、No.10、平成18年1級学科4、平成14年1級学科4、平成25年2級学科4、No.21)
〔No.12〕プレキャスト鉄筋コンクリート工事の検査等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.部材製造工場におけるコンクリート打込み前の配筋検査は、配筋図との照合及びかぶり厚さについて全数実施した。
2.部材製造工場における脱型時の部材コンクリートの圧縮強度は、部材の製造場所において採取し、標準養生を行った供試体の圧縮強度試験の結果により確認した。
3.工事現場における部材の受入れ検査において、部材の形状寸法については、部材製造工場の検査済の表示を確認し、計測を実施しなかった。
4.工事現場における部材の受入れ検査において、特殊な形状や特に注意を要する部材については、搬入車両の車上から降ろし、専用の架台に仮置きして実施した。
解答 2:製造工場におけるプレキャスト部材の脱型時のコンクリートの圧縮強度の確認は、部材の製造場所において採取し、「同一の養生条件」で養生した供試体を使用する。 (JASS 10)
(関連問題:平成28年1級学科5、No.12)
〔No.13〕鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.高力六角ボルトの締付けにおいて、座金は内側に面取りのある側を表とし、ナットは等級の表示記号のある側を表として取り付ける。
2.両面とも摩擦面としての処理を行ったフィラープレートの材質は、母材の材質にかかわらず、400N/m2級の鋼材でよい。
3.溶融亜鉛めっき高力ボルトの一次締めトルクは、M16が約150N·mとし、M20とM22が約200N・mとする。
4.490N/m2級以上の高張力鋼及び曲げ加工される400N/m2級の鋼材の外面には、溶接により溶融する箇所又は切断等により除去される箇所を除いて、ポンチやたがねによる打痕を残してはならない。
解答 3:一次締め付けにおいてトルクでナットを締め付けるとき、呼び径がM16の場合は100N・m、呼び径がM20・22の場合は150N・mのトルクでナットを回転させて行う。(JASS 6)
(関連問題:平成28年1級学科5、No.15)
〔No.14〕鉄骨工事の溶接に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.板厚25mm以上のSN400材の鋼材の組立溶接については、被覆アーク溶接により行い、低水素系の溶接棒を使用した。
2.組立溶接については、溶接部に割れが生じないように、必要で十分な長さと40mm以上の脚長をもつビードを適切な間隔で配置した。
3.完全溶込み溶接の突合せ継手の余盛り高さについては、1mmであったので、許容差の範囲内とした。
4.溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認したうえで、その両端から20mm程度除去し、船底型の形状に仕上げてから補修溶接した。
解答 4:溶接部の欠陥への対策として、「溶け込み不良」「ブローホール」「スラグ巻き込み」等は、不良箇所の両端から20mm程度除去し、船底型の形状に仕上げてから補修溶接する。設問の「クラック(割れ)」に対しては、両端から50mm以上はつり取り、船底型に仕上げてから補修溶接する。(JASS 6)
(関連問題:平成28年1級学科5、No.14、平成26年1級学科5、No.13、平成23年1級学科5、No.14、平成21年1級学科5、No.14、平成20年1級学科4、No.12、平成19年1級学科4、平成12年1級学科4、平成09年1級学科4)
〔No.15〕木造軸組工法の住宅における部材の接合部に用いる接合金物イ~ニとその名称との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1.接合金物 イ—かど金物
2.接合金物 ロ—羽子板ボルト
3.接合金物 ハ—ひねり金物
4.接合金物 ニ—ホールダウン金物(引き寄せ金物)
解答 1:「折曲げ金物」は、「ひねり金物」と同じく、垂木や軒桁、母屋との接合に用いられる。(木造住宅工事仕様書)
(関連問題:平成28年1級学科5、No.15、平成22年1級学科5、No.15、平成18年1級学科4)
〔No.16〕防水工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.アスファルト防水工事の屋根露出防水絶縁工法において、一般平場部の最下層には、アスファルトプライマー塗りの後にストレッチルーフィングを全面にわたって張り付けた。
2.シート防水工事の接着工法において、一般平場部の合成高分子系ルーフィングシートについては、引張りを与えないように、また、しわを生じさせないように張り付け、ローラーにより下地に接着させた。
3.ウレタンゴム系塗膜防水工事において、補強布の重ね幅については50mmとし、防水材の塗継ぎの重ね幅については100mmとした。
4.シーリング工事において、鉄筋コンクリート造の外壁の建具枠回りについては、目地底にボンドブレーカーを用いずに、シーリング材を充填する三面接着とした。
解答 1:アスファルト防水工事の屋根露出防水絶縁工法は、以下の工程で行う。(JASS 8)
アスファルトプライマー塗り
→粘着層付改質アスファルトシート
→砂付ストレッチルーフィング
→仕上げ塗料塗り
〔No.17〕ガラス工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.高層階のバルコニーの手すりの面材に使用するガラスについては、ガラスの破損時の破片の飛散を防止するために、合わせガラスとした。
2.DPG構法に使用するガラスについては、ガラスを点支持金物で固定することを考慮して、強化ガラスとした。
3.サッシにはめ込まれた板ガラスの熱割れを防止するために、フロート板ガラスに比べて日射吸収率の高い熱線吸収板ガラスを用いた。
4.養生を取り外した後の熱線反射ガラスの清掃については、ガラス表面の反射膜を傷つけないように、軟らかいゴムやスポンジを用いて水洗いとした。
解答 3:ガラスの熱ひび割れは、太陽の輻射熱に作用され、熱を受ける部分と受けない部分との膨張差で生じるストレスのためにガラスが破損する現象。日射吸収率の高いガラスほど熱割れが生じやすい。(JASS 17)
(関連問題:平成27年1級学科5、No.18)
〔No.18〕内装工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリート面の着色塗装仕上げについては、水による希釈が可能で、溶剤揮散による空気汚染や中毒の危険性が低い合成樹脂エマルションペイント塗り(EP)とした。
2.フローリング表面の仕上げについては、1液形のウレタン樹脂ワニス塗りとした。
3.吹付け硬質ウレタンフォームによる断熱材現場発泡工法において、吹付け厚さの許容誤差については、±10mmとした。
4.軽量鉄骨壁下地に直接張り付けるせっこうボード張りにおいて、留付け用小ねじの間隔については、壁の中間部で300mm程度とした。
解答 3:吹付け硬質ウレタンフォームによる断熱材現場発泡工法における吹付け厚さの許容誤差は、–0 ~ +10mmとする。(建築工事監理指針)
(関連問題:令和02年1級学科5、No.19)
〔No.19〕外装工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリート壁面の仕上げ塗装工事において、素地ごしらえについては、コンクリート壁面の含水率が10%以下の状態で行った。
2.コンクリート壁へのモルタル塗りにおいて、モルタル塗りの下塗りについては、先に塗布した吸水調整材が乾燥した後に行った。
3.外壁のタイル後張り工法において、タイルの伸縮調整目地の位置については、下地のコンクリートのひび割れ誘発目地の位置と一致するように設けた。
4.外壁乾式工法による石張り工事において、目地のシーリング材については、シリコーン系シーリング材を使用した。
解答 4:
外壁乾式工法による石張り工事において、止水のために石材間の目地をシーリング材で充填するに当たり、特記がない場合は、目地の深さ・幅ともに8mm以上となっていることを確認する。また、この時のシーリング材は、2成分形ポリサルファイド系シーリング材を用いる。(公共建築工事標準仕様書)
(関連問題:令和元年1級学科5、No.17、平成30年1級学科5、No.21、平成28年1級学科5、No.16、平成15年1級、平成28年2級学科4、No.18、平成24年2級学科4、No.18、平成23年2級学科3、No.24)
〔No.20〕設備工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.排水槽の底については、吸込みピットに向かって1/8の下がり勾配とした。
2.コンクリートスラブに埋設する合成樹脂製可とう電線管(CD管)については、スラブの上端筋と下端筋との間に配管し、専用支持具等を用いて1m以下の間隔で下端筋に結束した。
3.換気用ダクトの排気口については、屋外避難階段から2m離して設けた。
4.消防用水の設置場所は、消防ポンプ自動車が2m以内に接近できる位置とした。
解答 1:排水槽の底には汚物などが溜まることがないように,吸込みピットに向かって1/15以上1/10以下の勾配を設ける。
(類似問題:平成28年1級学科5、No.15、平成22年2級学科1、No.22、平成21年2級学科1、No.22)
〔No.21〕各種工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.木造軸組工法における土台に用いる木材については、耐腐朽性・耐蟻性に優れている「たも」の製材とした。
2.屋根工事において、銅板葺の留付けに用いる固定釘については、ステンレス製の釘とした。
3.モルタル塗りに当たって、骨材に用いる砂の最大寸法については、塗り厚の半分以下で、塗り仕上げに支障のない限り粒径の大きいものとした。
4.防水下地となるコンクリート面における型枠緊張材(丸セパB型)のコーン穴の処理については、水量の少ない硬練りモルタルをコンクリート面と同一になるように充填した。
解答 1:土台に用いる木材は「ひのき」「ひば」「けやき」「くり」「こうやまき」等を用いる。(JASS 11)
〔No.22〕鉄筋コンクリート造の既存建築物の耐震改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.あと施工アンカーの施工後の引張試験は、計算で得られたアンカー強度の2を確認強度とし、抜け出し等の急激な剛性低下がないことを確認する非破壊試験とした。
2.鉄筋コンクリート造の増打ち耐震壁の増設工事において、打継ぎ面となる既存構造体コンクリートの表面については、目荒しとしてコンクリートを30mm程度研り取り、既存構造体コンクリートの鉄筋を露出させた。
3.柱の炭素繊維巻き付け補強において、炭素繊維シートの重ね長さについては、母材破断を確保できる長さとして200mmとした。
4.鉄筋コンクリート造の耐力壁の増設工事において、既存梁との取合い部分については、グラウト材注入工法を採用し、グラウト材の注入口とは別に、既存梁下に直径10mmのエア抜きパイプを設け、グラウト材がエア抜きパイプから出てくることにより充填を確認した。
解答 2:「目荒し(目粗し)」とは、塗装前やコンクリート打ち継ぎのために、表面をザラザラの状態にする工程。足付け作業とも呼ばれる。研削工法、ショットブラスト工法、ウォータージェット工法などの工法がある。目荒しの程度は特記によるが、特記がない場合、2~5mm程度とし、全体の15~30%程度(増打ち壁増設の場合は10~15%)に行う。(建築改修工事監理指針)

http://rc-cons.net/より
(関連問題:平成29年1級学科5、No.22)
〔No.23〕各種改修工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.既存の塗り仕上げ外壁の改修において、劣化の著しい既存塗膜や下地コンクリートの脆弱部分の除去については、高圧水洗工法を採用した。
2.自動式低圧エポキシ樹脂注入工法によるコンクリート打放し仕上げ外壁のひび割れ部の改修において、エポキシ樹脂の注入完了後、速やかに注入器具を撤去した。
3.既存保護層を撤去し、既存アスファルト防水層を残して行う防水改修工事において、既存アスファルト防水層の損傷箇所、継目等の剥離箇所については、切開し、バーナーで熱した後、溶融アスファルトを充填し、張り合わせた。
4.防水改修工事におけるルーフドレン回りの処理に当たって、防水層及び保護層の撤去端部は、既存の防水層や保護層を含め、ポリマーセメントモルタルで、1/2程度の勾配に仕上げた。
解答 2:コンクリート打放し仕上げ外壁のひび割れ部の改修工事にはエポキシ樹脂を注入する「樹脂注入工法」があり、手動式・自動式・機械式の3方法がある。そのうち「自動式低圧エポキシ樹脂注入工法」は、自動的に注入できる機能を持った小さな注入用器具により樹脂を自動的に低圧で注入する工法である。注入完了後は、注入器具を取り付けたまま硬化養生をする。(公共建築改修工事標準仕様書)

自動式低圧エポキシ樹脂注入工法(https://www.emarl.co.jp/より)
(関連問題:平成30年1級学科5、No.23)
〔No.24〕建築工事に関する用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
解答 1:高さ30cmのメガホン状の鉄製コーンの上から3回に分けてコンクリートを詰め、各層25回ずつ16φの突き棒で突き、コーンを2~3秒で引き上げる。スランプ値はこの時のコンクリートの下がり量を測定した数値である。また底部の直径を「スランプフロー」という。
〔No.25〕請負契約に関する次の記述のうち、民間(旧四会)連合協定「工事請負契約約款」(平成21年5月改正)に照らして、最も不適当なものはどれか。
1.設計図書において監理者の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料又は建築設備の機器について、当該検査に合格しなかったものは、請負者の責任においてこれを引き取る。
2.施工について請負者が善良な管理者としての注意を払っても避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の事由により第三者に与えた損害を補償するときは、発注者がこれを負担する。
3.請負者は、工事を完了したときは、設計図書のとおりに実施されていることを確認して、監理者に検査を求め、監理者は、すみやかにこれに応じて発注者の立会のもとに検査を行う。
4.建築設備の機器、室内装飾、家具等の瑕疵については、かくれた瑕疵を除き、引渡の時、監理者が検査して直ちにその修補又は取替を求めなければ、請負者は、その責を負わない。
解答 3:受注者は、工事を完了したときは、設計図書等の通りに実施されていることを確認して、発注者に対し、監理者立会いのもとに行う検査を求める。(工事請負契約約款23条)
(関連問題:平成29年1級学科5、No.25、平成13年1級学科4)