平成23年度1級建築士-学科Ⅱ環境・設備

建築士過去問解説

平成23年度 学科Ⅱ-環境・設備
20問掲載

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

〔H23 No.01〕環境工学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.スティーブンスの法則は、感覚量が刺激強度の乗に比例することを示しており、音環境ではラウドネスの評価に用いられる。
2.マスキング効果は、同種の他の刺激の存在により対象刺激を知覚できる最小値が上昇する現象をいい、臭覚に関する利用例として、香水やトイレの芳香剤があげられる。
3.照度は、目で見た明るさ感に直接的な関わりがあり、屋内照明器具による不快グレアの評価に用いられる。
4.温熱快適性を決定する6要素は、環境側の要素として、気温放射温度湿度気流速度の4要素と、人体側の要素として、代謝量着衣量の2要素を合わせたものである。

解答 3:グレアは「輝度」と関わりがあり、視野内の高輝度の部分や、極端な輝度対比によって、物体の見やすさが損なわれることである。光が直接目に入る直接グレア、黒板やショーウィンドウに反射して見えなくなる反射グレアなどがある。

1.スティーブンスの「べき法則」は、物理的刺激の強度または強度の増加と、刺激によって生成される感覚の知覚される大きさの増加との間の精神物理学における経験的関係である。べき乗則はゼロ強度までのより広い範囲の感覚比較を記述するため、刺激と感覚の間の対数関係に基づくウェーバー・フェヒナーの法則に取って代わると考えられることがある。

2.聴覚のマスキングは、マスカー(マスクする音)の周波数に近い音ほどマスクされやすく、マスカーの周波数に比べ、低い音のほうが高い音よりもマスクされやすい。臭覚に関しても同様の効果がみられる。

4.温熱快適性を決定する6要素は、環境側の要素として、気温、放射温度、湿度、気流速度の4要素と、人体側の要素として、代謝量、着衣量の2要素を合わせたものである。(設問ママ)

〔H23 No.02〕室内の温熱・空気環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.SET*(標準新有効温度)が20℃の場合、温冷感は「快適、許容できる」の範囲内とされている。
2.開放型燃焼器具の使用により室内の酸素濃度が18%以下になると、不完全燃焼による一酸化炭素の発生量が増加し、一酸化炭素中毒の危険性が高くなる。
3.冷たい壁面による温熱の局所不快を防ぐためには、放射の不均一性(放射温度の差)の限界を 10℃以内にすることが望ましい。
4.椅座位の場合、くるぶしの高さ(床上0.1m)と頭の高さ(床上1.1 m)との上下温度差は3℃以内が望ましい。

解答 1:標準新有効温度(SET*)は、相対湿度50%時に椅子に座り、静穏な気流の時に標準化した時の新有効温度(ET*)である。SET*25℃が中立温度で、20℃は「やや涼しい」と感じる。

2.新鮮空気中の酸素濃度は21%程度であり、18%は人体に対しては生理的に大きな影響を与えにくいが、安全濃度の最低水準である。燃焼器具は、給気と排気を室内で行う「開放型燃焼器具」、室内空気を給気し、室外に排気する「半密閉(半開放)型燃焼器具」、給気と排気を室外で行う「密閉型燃焼器具」がある。燃焼器具に供給する酸素濃度は18%以下になると急激に一酸化炭素発生量が増加し、人体に危険な状態となる。

3.人が感じる熱放射の不均一性の限界はISO(国際標準化機構)で定められており、冷たい壁面では10℃以内、暖かい天井では5℃以内とされている。なお、暖かい壁や冷たい天井は不快感が少ないので基準はない。

4.室内の温熱環境を良質に計画するには、上下温度差をなるべく小さくすることが重要である。その指標の一つとして、椅座位の場合に、くるぶしの高さ(床上0.1m)と頭の高さ(床上1.1 m)との上下温度差を3℃以内とする。

〔H23 No.03〕図は、ある風向における建築物の平面の風圧係数分布を示したものである。この建築物に開口部を設ける場合、最も通風量の多いものは、次のうちどれか。ただし、開口部は同じ高さに設けるものとし、流量係数は同じ値とする。

解答 4:風力によって室内を換気する場合の換気量は、以下の式で求められる。設問より流量係数α、風速V、開口部Aは一定なので、風圧係数の差(Cf-Cb)で判断する。

よって(Cf-Cb)で比較すると、
Q1 = +0.6 – (-0.2) = +0.8
Q2 = +0.6 – (-0.25) = +0.85
Q3 = +0.6 – (-0.2) = +0.8
Q4 = +0.6 – (-0.3) = +0.9

よって、Q4>Q2>Q1 = Q3 となる。

〔H23 No.04〕伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.壁体表面の対流熱伝達率は、風速が大きいほど大きくなる傾向にある。
2.単一の材料からなる壁を単位時間に貫流する熱量は、定常状態において、壁体の表面積が2倍になると2倍になり、壁の厚さが2倍になると1/2になる。
3.グラスウールは、一般に、かさ比重が大きくなるほど熱伝導率は小さくなる。
4.曇天時においては、雲量が多いほど、また雲高が低いほど、夜間放射量は少なくなる。

解答 2:「単一の材料からなる壁を単位時間に貫流する熱量(Q)」は、内外温度差(t1-t0)と壁体の表面積(A)に比例し、熱貫流抵抗(R)に反比例する。また熱貫流抵抗(R)は以下の式で求められるので、材料の厚さdは比例しない。以上より、壁体の表面積(A)が2倍になると熱貫流量(Q)も2倍になるが、壁の厚さ(d)とは反比例関係にない。

1.表面にあたる風速が大きいほど、熱伝達率が大きい(熱が伝わりやすい)ため、熱貫流率は大きくなる。

3.一般に建築材料は、かさ比重(見かけの密度)が大きくなれば熱伝導率も大きくなる。ただし、グラスウールなどの繊維系断熱材は材料内部の空気が移動し、対流を起こす。そのため、かさ比重が大きくなれば内部空気が小さくなるので熱伝導率は小さくなる。

4.「夜間放射」とは、地表から大気に向かって放出する輻射(上向きの地表面放射)と反輻射(下向きの大気放射)との差を表す。雲天時においては、雲量が多いほど、雲高が低いほど夜間放射量は少なくなる。

〔H23 No.05〕建築物における防火・防災に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.木材を加熱した場合、約260℃に達すると引火し、約450℃に達すると自然に発火する。
2.平成22年版消防白書によれば、住宅(一般住宅、共同住宅、併用住宅)で発生した火災による死者数は、建物火災による死者数の9割程度を占める。
3.火災室から階段室に流入した熱を伴う煙は、3-5m/s程度の速さで上昇する。
4.避難予測計算に用いる避難時の群衆の水平方向における歩行速度は、一般に、1.5m/sを用いる。

解答 4:「群集歩行速度」は、以下のように建築基準法告示に定められている。
劇場・集会場・宴会場では、0.5 m/s
店舗・百貨店・集合住宅・ホテルでは、1.0 m/s
学校・事務所では、1.3 m/s

1.木材を加熱した場合、約260℃に達すると引火し、約450℃に達すると自然に発火する。(設問文ママ)

2.令和3年消防白書によれば、住宅火災の件数は平成21年の14,778件に対し、令和元年は10,058件と減少傾向となっている。住宅火災での死者数は減少傾向にあるが、高齢者の死者数の割合は増加傾向にある(特に81歳以上の階層では、全年齢階層における平均の約4倍)。

3.煙の水平方向の流動速度は、一般に、0.5~1.0m/sである。一方、垂直方向の流動速度は3-5m/s程度とされ、一秒で1層分上昇する。

〔H23 No.06〕日照・日光・採光に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.「快晴の青空」における設計用全天空照度は、「特に明るい日(薄曇)」の1/5程度である。
2.夏至の日に終日日影となる部分は、1年中日影であり直接光が射すことはない。
3.北緯35度の地点における南向き鉛直壁面の1日の可照時間は、春分の日及び秋分の日が12時間で最長となり、冬至の日が最短となる。
4.直射日光の色温度は、日没前頃より正午頃のほうが高い。

解答 3:下の図より、南面鉛直壁面における可照時間は、春分の日及び秋分の日(12時間)が最も長く、次に冬至の日(9時間32分)、夏至の日(7時間)になる。

1.設計用全天空照度は、普通の日(標準の状態)の場合、15,000lx、暗い日は5,000lxである。昼光により室内の最低照度を確保するには、一般に、暗い日の値である5,000lxが用いられる。

2.建築物の配置や形状によっては、一日中日影になる部分が生じるが、これを「終日日影」という。この終日日影のうち、最も太陽高度が高く、日影が小さくなる夏至の日に終日日影となる部分は、一年中日影(永久日影)となる。北側に深い凹部分のある平面形の建物に生じやすい。

4.色温度は、光源の光色を、それと近似する色度の光を放つ黒体の絶対温度で表したものであり、色温度「低→中→高」に対して、光色も「赤→橙→黄→白→青」と変化し、光の感じ方は「暖→中→冷」と変化する。日没前頃(橙)より正午頃(白)のほうが高い。

〔H23 No.07〕昼光・照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.モデリングにおいて、視対象に当てられる光線の方向と強さが異なると、得られる立体感及び質感は異なるものとなる。
2.白色LEDランプの平均演色評価数は、一般に、水銀ランプよりも高い。
3.昼光率は、開口部の大きさ、形、位置だけでなく、ガラス面の状態や室の内装によっても影響を受ける。
4.昼光による室内の照度分布を均斉にするためには、窓に光の拡散性が高いガラスを用いる場合より、透明なガラスを用いる場合のほうが、効果は大きい。

解答 4:昼光による照度分布を均斉にするためには、光の拡散性が高いガラス(例えば乳白色ガラス、すりガラス、ガラスブロックなど)を用いると効果が大きくなる。

1.人の顔や彫刻などの立体感や材質感見た感じの良さなどを総称してモデリングという。モデリングは、「照明の位置・光の方向・強さ・形状」によって立体感や質感が異なる。

2.「平均演色評価数」は、物体色の見え方である演色性の良否を数値で表わしたものである。この値が100に近い(大きい)ほど自然光の下での物体色の見え方に近い。高演色系蛍光灯は90程度、水銀ランプは約50程度である。近年では高演色LEDは98までの性能を持つものも開発されている。

3.昼光率は、直接入射する昼光と、室内反射して入射する光の合計で評価する。そのため、開口部の大きさ、形、位置だけでなく、ガラス面の状態や室の内装によっても影響を受ける。

〔H23 No.08〕壁の吸音・遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.多孔質材料を剛壁に取り付ける場合、一般に、多孔質材料と剛壁面との間の空気層の厚さを増すと、低音域の吸音率が大きくなる。
2.吸音率は、「壁へ入射する音のエネルギー」に対する「壁内部に吸収される音のエネルギー」の割合である。
3.透過率は、「壁へ入射する音のエネルギー」に対する「壁の反対側へ透過する音のエネルギー」の割合であり、透過損失は、透過率の逆数を「dB」で表示した値である。
4.壁の厚さが音の波長に比べて十分に薄く、壁が一体となってピストン運動することを仮定すると、垂直入射条件の透過損失は、壁の面密度と入射音の周波数の積によって決まる。

解答 2:壁の吸音は、反射音を減らすことであり、「入射する音のエネルギー」に対する「反射音以外のエネルギー(壁内部に吸収される音のエネルギーと壁の反対側へ透過する音のエネルギーとの和)」の割合である。

1.背後空気層を厚くすると、吸音される音波の波長が長くなり、吸音効果が期待できる周波数は、より低音域に移行する。

3.壁に音が入射すると、一部は透過され、一部は反射・吸収される。この透過する割合を透過率という。つまり、設問のあるように透過率は、「壁へ入射する音のエネルギー」に対する「壁の反対側へ透過する音のエネルギー」の割合である。また透過損失は値が大きいほど遮音効果が大きく、透過率の逆数を「dB」で表示した値である。

4.壁体の透過損失(TL)は、壁体の面密度(m)と入射音の周波数(f)から求めることができる。
垂直入射の場合:TL=20log10(f・m)-43(dB)
斜め入射の場合:TLf=TL-5(dB)

〔H23 No.09〕色彩に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.色光の誘目性は、一般に、色相では赤が最も高く、緑がこれに続き、青は最も低い。
2.減法混色は、色を吸収する媒体を重ね合わせて別の色を作ることをいい、混ぜ合わせを増すごとに黒色に近づく。
3.照明の光が少々変化しても、その光が一様に物体に当たっていれば、物体の色を同じ色に認識できることを、色の恒常性という。
4.進出色は、周囲よりも飛び出して見える色をいい、暖色や高明度色が該当する。

解答 1:「誘目性」は「目の引きやすさ」であり、一般に、彩度が高い色は誘目性が高い。また、色相では赤が最も誘目性が高く、次に青、緑の順となる。

2.混色とは、色を混ぜて別の色を作ることで、加法混色と減法混色とがある。加法混色は光源色でみられ、混色の結果、白に近づく。減法混色は色料や色フィルターなどにみられ、混色の結果、黒に近づく。また、加法混色の三原色は赤・緑・青で、減法混色はシアン・マゼンタ・イエローである。

3.物体から放射される光の量や波長は、その時々の条件によって大きく変化するが、視対象として捉えられた部分の色は実際にほぼ一定に見える。このような人間の知覚の特性を、色の恒常性という。

4.「進出色」は、心理的に周囲よりも飛び出して見える色をいう。赤のような長波長系の色は網膜面よりも後ろへ結像するので、色を見る人はこの色が前に出ているように感じられる。

〔H23 No.10〕建築環境工学に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.Low-Eガラスは、日射の短波長域の反射率を高めたガラスであり、冷房負荷を低減させる効果がある。
2.大規模な音楽ホールの室内音響計画において、エコー等の音響障害を避けるために、客席後部の壁や天井は、吸音性や拡散性に配慮した仕上げとする。
3.高層建築物周辺の地上における強風被害は、低層から高層までの同一形状の平面をもつ建築物より、高層部と比較して大きな床面積の低層部をもつ建築物のほうが発生しにくい。
4.天井の高いアトリウムでは、大きな上下温度差が生じやすいため、空調ゾーンを居住域に限定することも検討する必要がある。

解答 1:日射の熱線は長波長域の赤外線や遠赤外線であり、これの反射率を高めると冷房負荷を低減することができる。Low-Eガラスは遠赤外線を吸収・放射しにくい皮膜を張っているので、断熱性に優れている。

2.大規模な音楽ホールの室内音響計画において吸音材を使用する計画では、ライブエンド・デッドエンド方式がとられる。これは音源側の面(ライブエンド)は音を反射しやすくすることで遠くまで届くようにし、客席側の壁面(デッドエンド)は吸音材を設置して音を抑える方式である。

3.高層建築物の計画において、床面積が大きい低層部を設け、当該低層部の屋根の部に強風を発生させる計画とすると、建築物周辺の歩行者へのビル風の影響が少なくなる。

〔H23 No.11〕空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.全熱交換器の効果は、必要外気量の多い建築物ほど期待できる。
2.外気冷房の効果は、内部発熱が大きく必要外気量の小さい建築物ほど期待できる。
3.日本工業規格(JIS) におけるクリーンルームの空気清浄度の等級には、クラス1〜9があり、クラスの数値が大きいほど清浄度が低くなる。
4.中央熱源空調方式は、個人の好みに対応することができないため、パーソナル空調方式としては採用されない。

解答 4:「パーソナル空調方式」は、タスク域とアンビエント域を分け、個人の空間であるタスク域の空調を調節しやすくする方式である。これを採用する方式として「中央熱源方式」には3種類(床吹き出し、机吹き出し、天井吹き出し)ある。

1.全熱交換器は、空調換気に付属されて使用される装置で、換気によって失われる排気中の排熱(全熱:顕熱及び潜熱)を回収する省エネルギー装置である。全熱交換器を設置することで空調機の負荷を減らし、冷凍機やボイラーなどの熱源装置の容量を小さくすることが可能である。ビルや商業施設、規模の大きい住宅等に用いられ、必要外気量の多い建築物ほどその効果が期待される。

2.「エンタルピー」とは、熱エネルギー(全熱量)の状態量の指標である。温度が高いとエンタルピーは大きくなる。「外気冷房」は、室外の空気温度(エンタルピー)が、室内の空気温度(エンタルピー)よりも低い時に外気を導入し、冷房と換気を行う。この外気冷房方式は、内部発熱の大きい事務所ビル、デパート、商業建築物などで採用され、必要外気量が小さい場合に効果が期待される。ただし、冬期の低湿な空気を導入する場合は加湿処理のための負荷が増える。

〔H23 No.12〕空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.空調運転開始後の予熱・予冷時間において、外気取入れを停止することは、一般に、省エネルギー上有効である。
2.データセンターの空調設備には、年間冷房、顕熱負荷主体、年間連続運転という特徴があり、計画地の気象条件によっては、外気冷房や冷却塔フリークーリングが効果的な省エネルギー手法として考えられる。
3.軸流送風機は、一般に、遠心送風機に比べて静圧の高い用途に用いられる。
4.省エネルギー性能の高い冷凍機を選定するためには、定格時の成績係数だけでなく、年間で発生頻度が高い部分負荷時の成績係数も考慮する必要がある。

解答 3:「軸流送風機」とは、プロペラ送風機とも呼ばれる送風機のことで、風方向は電動機の軸にそって流れ、旋回しながら直線的に流れる。また「遠心送風機」は「軸流送風機」に比べて静圧の高い用途に用いられ、レンジフードなどでよく用いられる。
・軸流送風機:静圧低く、回転と送風方向が直行、扇風機・換気扇などに用いられる
・遠心送風機:静圧高く、回転と送風方向が平行、ダクトなどに用いられる。

1.建物の使用時間前に予熱予冷運転を行う場合、在室者による汚染物質の発生がなく、外気を取り入れる必要がないので、外気取り入れを停止することができる。外気取り入れによる空調負荷を低減することができるので、空調立ち上がり時間の短縮と省エネに有効である。

2.データセンターは、各種のコンピューターや通信機、その他の機器の運用のため、相当なエネルギーが年間を通じて消費される。このため、採用される空調設備には、年間冷房、顕熱負荷主体、年間連続運用を併せて計画する必要がある。これを満足させる省エネ対策としては、外気導入冷房方式や、冷却塔フリークーリングが効果的である。

〔H23 No.13〕換気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.営業用厨房の換気計画において、厨房換気排気量は、一般に、厨房換気給気量に比べて大きくする。
2.粉じんを除去する換気用エアフィルタユニットの粒子補集率には、測定方法によって、計数法、比色法及び質量法の表示方法がある。
3.ボイラー室の給気量は、燃焼に必要な空気量に室内発熱を除去するための換気量を加えた量とする。
4.同風量用の外気取入れガラリと排気ガラリでは、一般に、通過風速を高くできることから、外気取入れガラリのほうが必要な正面面積は小さくなる。

解答 4:「正面面積」とは、ルーバーを含めた外枠の内法面積のことで、排気ガラリのほうが必要な正面面積を小さくすることができる。これは排気ガラリの方が通過風速を大きくすることができるため、正面面積を小さくすることが可能なためである。

1.厨房は、厨房内の空気が客室へ流入しないように、厨房内を機械排気で負圧にし、客室を自然吸気もしくは機械吸気で正圧とする。

3.ボイラー室の換気量(給気量)は,燃焼に必要な空気量(燃焼の消費量と理論廃ガス量から決定される)に室内換気用排気量(主として発熱の処理)を加えた量として計画する。

〔H23 No.14〕給排水衛生設備の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.集合住宅における設計用給水量として、居住者1人1日当たり200〜350lとした。
2.原水に尿が含まれていない再利用水を、便所洗浄水、散水用水、清掃用水に利用した。
3.シャワーの給水の最低圧力を、20kPaとした。
4.飲料用受水槽の保守点検スペースとして、上部に100cm、側面及び下部にそれぞれ60cmのスペースを確保した。

解答 3:器具の最低必要圧力は、手洗いなどの一般水栓などは、30kPa、シャワー・大便器洗浄弁は70kPa以上とする。

4.受水槽は6面点検が義務付けられており、保守点検と清掃ができるようにしなければならない。タンクの周壁と底部は60cm以上のスペース、点検口上部は直径60cm以上のマンホール、上部に100cm以上のスペースを確保する必要がある。

〔H23 No.15〕給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.都市ガスの種類は、比重・熱量・燃焼速度の違いにより区分される。
2.給湯用ボイラーは、基本的に開放回路であり、常に缶水が新鮮な補給水と入れ替わるため、空調用温水ボイラーに比べて腐食しにくい。
3.循環式の中央給湯設備において、給湯温度は、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐために、貯湯槽内で60℃以上、末端の給湯栓でも55℃以上に保つ必要がある。
4.ポンプにおいてキャビテーションが発生すると、「振動・騒音」、「ポンプの効率の低下」及び「発生部での侵食」が生じることがある。

解答 2:前半「給湯用ボイラーは、基本的に開放回路であり、常に缶水が新鮮な補給水と入れ替わる」は正しい記述。しかし開放回路は酸素の気泡によって内部を腐食しやすいので、空調用温水ボイラーに比べて腐食しやすい。

給湯用ボイラー(JTS-NET(長府北九州サービス)HPより)

〔H23 No.16〕照明設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.全般照明と局部照明とを併用する場合、全般照明の照度は、局部照明の照度の1/10以上とすることが望ましい。
2.調光・制御による照明の省エネルギー対策のうち、あらかじめ設定したスケジュールにより、点滅又は調光する手法を初期照度補正制御という。
3.CEC/L(照明エネルギー消費係数)は、「年間照明消費エネルギー量」を「年間仮想照明消費エネルギー量」で除した値である。
4.病院の手術室・診察室において使用する照明設備は、事務所において使用する照明設備に比べて、演色性の高い光源とすることが望ましい。

解答 2:ランプや照明器具は、使用時間が増えるに従いランプ光束が低下していく。そこで設計の段階でランプ寿命末期でも適正照度が確保できるよう、初期段階では非常に高い照度を設定する。初期照度補正制御を行うことで、この初期段階の過剰な明るさを、あかりセンサーによる調光で適正な明るさに自動補正することができ、省エネが期待される。設問はタイムスケジュール制御の説明である。

1.

3.

4.病院の手術室・診察室において使用する照明設備は、検査などを行うため、色の再現性を高める必要があり、演色性の高い光源とすることが望ましい。

〔H23 No.17〕電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.自家用の発電装置として設置されるマイクロガスタービンは、一般に、ディーゼルエンジンに比べて発電効率が高い。
2.スポットネットワーク受電方式は、電力供給の信頼性に重点をおいた受電方式である。
3.負荷率は、「ある期間における最大需要電力」に対する「その期間の平均需要電力」の割合である。
4.かご形誘導電動機において、スターデルタ始動方式を採用すると、電動機の始動電流を小さく抑え、電路、遮断器等の容量が過大になることを防ぐことができる。

解答 1:コージェネレーションシステムの原動機としては、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービン等が使用される。熱電比(供給可能熱出力を発電出力で除した値)が小さく、最も効率がいい順序として、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービンとなる。

2.スポットネットワーク受電設備は常時2回線~4回線の22kVまたは33kVの特別高圧配電線から受電し、各回線の変圧器二次側を連系した方式で、配電線1回線が停止しても何の支障もなく受電できる方式である。

〔H23 No.18〕防災設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.泡消火設備は、液体燃料等の火災に対して有効な消火設備であり、駐車場、自動車整備場、指定可燃物の貯蔵所等に用いられる。
2.屋外消火栓設備は、1階及び2階の床面積の広い建築物に設置され、消火や隣接建築物への延焼防止を目的としている。
3.差動式感知器は、固囲が一定温度以上になると作動する機器であり、厨房、ボイラー室、サウナ室等に設置される。
4.非常用の照明装置は、常温下で床面において水平面照度で1lx (蛍光灯を用いる場合には2lx)以上を確保する必要がある。

解答 3:「差動式熱感知器」は機械式感知器3種類のうちに一つ。室内(周囲)の温度が一定の上昇率になると作動する。そのため、火を使用する厨房室、ボイラー室、サウナ室等には使用しない。そのかわり、周囲が一定の温度以上になると火災信号を発する「定温式熱感知器」を使用する。

1.泡消火設備は、危険な場所、大きな駐車場、格納庫などに用いられる。火災時の熱によって急激に蒸発するときに熱を奪うことによる「冷却効果」と、燃焼面を蒸気で覆うことによって酸素を遮断する「窒息効果」によって消火する設備である。ただし、泡に電気が伝わって感電の恐れがあるので、C火災には適さない。

2.屋外消火栓設備は建物の周囲に設置され、建物の1階及び1階で発生した火災の消火及び外部より放水することにより延焼を防止するために使用する設備である。消防隊の使用だけではなく、在館者や周辺にいる者による消火も期待できる。ホース接続口からの水平距離は40m以内とし、その警戒区域はホース2本の長さ(40m)と放水距離(10m)で有効に放水できることとされる。

4.「非常用照明装置」は、地震や火災による停電時に避難に必要な照明を与える役割を持つ。常温下で床面において水平面照度で1lx(蛍光灯を用いる場合には2lx)以上を確保する必要がある。また予備電源(内蔵型または別置型)を設け、停電時に、充電を行うことなく30分聞継続して点灯できるものとする。

〔H23 No.19〕昇降機設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ダブルデッキエレベーターは、2層のを有するエレベーターであり、昇降路スペースを拡げずに輸送能力を大きくできる利点がある。
2.一般用エレベーターは、火災時にできるだけ早く安全な避難階に帰着させ、乗客がから出た後に、運転を中止する計画とする。
3.エスカレーターの乗降日で、ハンドレール折り返し部の先端から2m以内にある防火シャッターが閉じ始めたら、連動してエスカレーターを停止させる計画とする。
4.最近のロープ式エレベーターでは、交流可変電圧可変周波数制御方式(インバータ制御方式)に比べて、滑らかな速度制御と着床精度に優れる交流帰還制御方式が多数を占めている。

解答 4:ロープ式エレベーターにおいて、ほとんどの場合「可変電圧可変周波数方式(VVVF制御:インバータ制御)」を採用している。
VVVF制御の長所は、①滑らかな速度特性、②着床精度が高く、乗り心地が良い、③力率が高いので、省エネなどがある。
(関連問題:平成21年1級学科2、No.19)

〔H23 No.20〕環境・設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の総合環境性能評価システムとして、日本ではPALがあり、他国でのBREEAM、LEEDに相当する。
2.建築・設備の省エネルギー計画の基本は、第一に建築的手法により熱負荷の軽減や自然を活用すること、第二に性能の高い設備を構築し、適正に運転・管理することである。
3.LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)は、製品の生涯を通しての環境側面及び潜在的環境影響を評価するものであり、環境影響の領域として、資源利用、人の健康及び生態系への影響が含まれる。
4.再生可能エネルギー源には、太隔光、風力、水力、バイオマス、地熱等がある。

解答 1:建築物の総合環境性能評価システムは、イギリスのBREEAMが先駆的システムとして1990年に採用され、アメリカではLEED、日本ではCASBEEが概念指標を表している。建築物の環境性能の評価を数値化し、公表することで環境効率の向上を目指している。

2.省エネルギー計画の基本は、第一に建築的手法により熱負荷の軽減や自然を活用すること、第二に性能の高い設備を構築し、適正に運転・管理することである。(設問文ママ)

3.建築分野におけるLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)は、建設から解体までの建築物の生涯を通じての環境負荷や環境影響等を評価するものである。環境影響の領域として、資源利用、人の健康及び生態系への影響が含まれる。

4.再生可能エネルギーは、自然界に存在し繰り返し再生利用できるエネルギーのことであり、そのエネルギー源としては、太隔光、太陽熱、風力、水力、バイオマス、地熱等がある。

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投稿日:2019年8月1日 更新日:

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