平成21年度1級建築士-学科Ⅰ計画

建築士過去問解説

平成21年度 学科Ⅰ-計画
20問掲載

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

〔H21 No.01〕建築設計の手法等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の設計に当たっては、建設予定地や類似施設の調査を行い、利用者の潜在的な要求の把握や将来の建築物に対する要求の変化を予測することが重要である。
2.建築物の設計に当たっては、可能な限り環境負荷を小さく抑え、再利用・再生が可能な資源・材料を使用し、建築の生涯の資源消費を最小限に留めることが望ましい。
3.公共建築物のロビー等の人が集まる空間における規模・寸法や家具配置を計画するに当たっては、一般に、パーソナルスペースに配慮することが重要である。
4.パッシブデザインは、対象地域の気候や風土を十分に把握した上で、特別な装置や動力を用いた機械的手法を主体として、暖房効果、冷房効果、照明効果等を積極的に得ることを意図した設計手法である。

解答 4:「パッシブデザイン」は、建築物自体の配置・形状、窓の大きさ等を工夫することにより、建築物内外に生じる熱や空気や光の流れを制御し、暖房・冷房・照明効果等を積極的に得る手法をいう。

選択肢1、2、3は設問文のまま正答。

〔H21 No.02〕建築や都市に関する歴史的著作物(著者名)とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

解答 1:「都市の文化(ルイス・マンフォード)」は中世以後の都市を技術・文明の発達という視点から分析し、過大成長して過密化した現代都市の再生への方策を提案している。

設問は「都市のイメージ(ケヴィン・リンチ)」の記述である。

2.「明日の田園都市(エベネザー・ハワード)」

3.「広場の造形(カミロ・ジッテ)」

4.「建築書(ウィトルー・ウィウス)」

〔H21 No.03〕建築物の保存、再生、活用等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.同潤会青山アパート(東京都渋谷区)の市街地再開発事業においては、従前の建築物のうちの1棟を集合住宅として保存し、その他は集合住宅から商業施設に転用している。
2.京都文化博物館の別館(京都市)は、平安博物館として使用されていた旧日本銀行京都支店を、竣工時の姿に復元し、整備したものである。
3.横浜赤レンガ倉庫(横浜市)は、明治時代末期から大正時代初期に建築された煉瓦れんが造の倉庫を改修し、文化施設、商業施設として整備したものである。
4.門司港レトロ地区(北九州市)は、門司港駅前に広がる明治・大正時代に国際貿易港として栄えた門司港地区の歴史的建造物の修復・復元等を通して、地域の活性化を目的としている。

解答 1:同潤会は関東大震災の復興支援のために設立された団体である。「同潤会青山アパート」は、わが国初のRC造のアパートであり、防火壁の性能を持ち、第二次大戦でも戦災を免れた。現在は解体され、その跡地に六本木ヒルズが建つ。

同潤会青山アパート


2.「京都文化博物館の別館」は、旧日本銀行京都支店として辰野金吾の設計で建築された。昭和61年に京都府の所有となり、屋根の葺き替えや内部の部分修理を行い、京都文化博物館別館として公開されている。

3.「横浜赤レンガ倉庫」は、明治末期から大正初期に国の模範倉庫として建設されたレンガ造りの建造物である。現在は文化・商業施設として保存・活用されている。

4.「門司港レトロ地区」は、JR門司港駅前の歴史的建造物の修復・復元等が行われた地区である。門司港駅前に広がる明治・大正時代に国際貿易港として栄えた門司港地区の歴史的建造物の修復・復元等を通して、地域の活性化を目的としている。

〔H21 No.04〕建築物の配置や形態に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.のこぎり屋根の垂直面に設けた開口を北向きとした場合、安定した天空光を室内に導くことが可能である。
2.2棟の高層建築物を並べて配置する場合、2棟の間に発生する強風は、間隔を狭くするとピーク時の風速は強くなるが、風速の増加する領域は狭くなる。
3.屋外サッカー競技場を計画する場合、競技のフィールドの長軸を東西方向にとることが望ましい。
4.建築物の開口部に水平のひさしを設ける場合、夏期における日射遮へい効果は、南面より西面のほうが小さい。

解答 3:競技に支障がないよう、競技者の目に高度の低い太陽光(東西方向)が入らないように、長軸線を南北方向にとることが望ましい。
1.北向き窓面からの採光は安定した天空光を得ることができる。「鋸屋根」といえば、倉敷アイビースクエアが有名である。


2.高層建築物2棟の間に発生する風を「ビル風」という。建築物の間隔を狭くするとピーク時の風速は高くなるが、風速の増加する領域は狭くなる(設問文ママ)。

4.水平の庇は、太陽高度が高い面に有効である。なの庇による夏期における日射遮効果は、南面が最も大きく、東西面は効果が小さい。

〔H21 No.05〕建築物の開口部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.住宅において、外部建具を二重サッシとすることは、遮音性を高めるのに有効である。
2.連窓を層間変位の大きな建築物に設ける場合、地震時の安全性を向上させるために、ガラスの四周を強固に固定するほうがよい。
3.突出し窓は、横長形状で寸法の小さい開口部に適しており、気密性・水密性に比較的優れているが、室内からガラス外面の掃除がしにくい。
4.方立ガラスを用いるガラススクリーン構法において、ガラスの厚さが同じ場合、吊下げ型構法は、自立型構法に比べてガラスの高さ方向の寸法を大きくすることができる。

解答 2:層間変位の大きな建築物にガラスを設ける場合、地震時の周囲の変形によりガラスが破損してしまうので、四方を固定するのは望ましくない。ガラスがサッシ枠内で回転・移動することができるように設置する。


1.防音のためには複層ガラスにする、防音合わせガラスにするなどの手法がある。ただし、リフォームなどでサッシそのものの交換の施工が難しい場合はサッシを二重にする手法もとられる。

3.「突出し窓」は、横長形状で寸法の小さい開口部に適しており、気密性・水密性に比較的優れているが、室内からガラス外面の掃除がしにくい(設問文ママ)。

4.ガラススクリーン構法では、大型板ガラスの自重によるたわみを無くすことが必要である。このため、ガラス下部に負担がかかる自重構法よりも、吊下げ構法の方が負担が小さいので、高さを増やすことができる。

〔H21 No.06〕建築物の各部寸法に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.体育館の天井高さを、バレーボールの公式試合が行えるように15mとした。
2.事務所ビルにおいて、いすに座った状態における見通しを遮るために、事務室に設置するパーティションの高さを、110cmとした。
3.公共建築物の便所において、小便器の心々の間隔を、900mmとした。
4.エレベーター方式の立体駐車設備(小型自動車用)において、自動車の出入口の幅を、2,500mmとした。

解答 2:パーティション(間仕切り)は簡易的に空間を仕切ることができ、また移動や撤去も容易なのでランドスケープにてよく用いられる。その高さは、以下を参考にする。
1,000 mm:座っていても見通しがきく
1,200 mm:少し立てば見通しがきく
1,500 mm:立った状態で見通しがきく
1,800 mm:立っていても見えない

1.体育館の計画でその高さは、卓球4m以上、武道場4.5m以上、バスケットボール7m以上、テニスコート12m以上、バレーボール12.5m以上とする。

3.小便器を2つ以上並べて設置する場合は、中心間隔で700mm以上離し、隔て板を設けるのが望ましい。

4.機械式立体駐車場のエレベーター方式は、一般に、垂直循環方式等と比べ、設置に必要な面積は大きくなるが、出庫時の時間が短く、騒音が小さく、維持費が比較的安い等の長所があり、ターンテーブルを内蔵したタイプが多く用いられる。自動車の出入口の寸法は、一般に、幅を2,400mm以上とする。

〔H21 No.07〕建築物の各部の寸法及び床面積に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.定員600人の劇場の固定式の客席部分の床面積(通路を含む)を、240m2とした。
2.中学校の普通教室(40人)の床面積を、90m2とした。
3.乗用エレベーター(定員24人)のの内法寸法を、間口2,150mm×奥行き1,600mmとした。
4.自転車を平面に駐輪する1台当たりのスペースを、幅700mm×長さ1,900mmとした。

解答 1:固定式の客席部分の床面積は、一人当たり、0.5~0.7m2を目安とするので、定員600人の劇場の場合は300~420m2程度が一般的である。240m2では狭い計画となってしまう。

2.一般的な教室の寸法は、奥行7m、間口9m、面積63m2。40人程度なので、設問通り90m2程度でいい。


3.JIS規格において、24人乗りエレベーターのかごの内法寸法は2000×1750もしくは2150×1600としている。

4.自転車の駐輪スペースは、700mm×1,900mm程度とする。

〔H21 No.08〕車いす使用者の利用に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.百貨店の多目的トイレにおいて、オストメイト用の流し及び多目的シートを設置し、内法寸法を1,600mm×1,600mmとした。
2.公共建築物のエントランスホール内に設けるスロープは、勾配を1/12とし、手すりをスロープの床面からの高さが650mmと850mmの位置にそれぞれ設けた。
3.住宅の台所において、調理台、流し台、レンジ及び冷蔵庫の配置を、車いす使用者が利用しやすいようにL字型とし た。
4.公共建築物のエレベーターにおいて、かご内の左右それぞれの側面に、操作盤をの床面から1,000mmの高さに設けた。

解答 1:オストメイトとは、癌や事故などにより消火管や尿管が損なわれたため、腹部などに排泄のための人工肛門・人工膀胱を造設した人のことをいう。オストメイト対応のトイレはシャワーなども設けることがあるので、内法寸法2,000×2,000mmは必要になる。
2.建築物移動等円滑化誘導基準のスロープに関する基準での勾配は、1/12 以下としている。また手すりは75cm-85cm程度とし、2段とする場合には1段目は60-65cm程度、2段目は75-85程度が利用しやすい。

3.車いす使用者にとっては、回転や前後方向の移動に比べ横方向への移動が困難であるため、L字型のキッチンセットの方がI字型より使いやすい。

4.エレベーターかご内の操作盤は、車椅子使用者に配慮して床から1,000mmの高さとし、横型とする。

〔H21 No.09〕まちづくりに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.エリアマネジメントは、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取組みのことである。
2.コンパクトシティは、市街地の無秩序な拡大を抑制しながら、都市地域の環境整備に重点を置き、環境的・経済的持続性を高める都市モデルである。
3.CPTED(Crime Prevention Through Environmental Design)は、防犯環境設計とも訳され、心理学的効果を考えた設計によって、犯罪抑止効果を高める計画手法である。
4.トランジットモールは、ショッピングモールの形態の一つであり、商店街から一般の自動車及び公共交通機関を排除した歩行者専用の空間である。

解答 4:トランジットモールは自家用車の乗り入れを少なくし、商業地を形成することを目指すため、一般車両の乗り入れを禁止した歩行者用街路で、バスや路面電車などの公共交通は走行させる方式である。

1.タウンマネジメント(エリアマネジメント)とは、都市の中心市街地を形成する地区を対象に、既存の良好な環境や地域の価値を維持・向上させるため、住民・行政・商店街の事業主が参加して一体化した組織を結成して地区の活性化を目指す。

2.「ニューアーバニズム」はアメリカで発達した都市設計であり、イギリスでは「アバンビレッジ」、ヨーロッパ・日本では「コンパクトシティ」などが同様の概念を持っている。郊外へと無秩序に広がった都市を、伝統的なコミュニティが持つ価値によって再構築することを目指す考えが原点にある。

3.CPTED(Crime Prevention Through Environmental Design:セプテッド)は、防犯環境設計とも訳され、心理学的効果を考えた設計によって、犯罪抑止効果を高める計画手法である。

〔H21 No.10〕住宅地計画における・景観の保全に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.自主協定や住民協定と呼ばれている任意の協定は、法律や条例等によらず、地域の景観等を整備するために地権者等が自主的に定める取決めのことである。
2.都市計画法に基づく地区計画は、地区の整備・開発・保全の方針とともに地区施設の配置や建築物等の制限について、土地所有者等の全員の合意により地区整備計画を定めるものである。
3.都市緑地法に基づく緑地協定は、緑地の保全及び緑化の推進に関する事項について、原則として、土地所有者等の全員の合意により協定を結ぶものである。
4.景観法に基づく景観協定は、良好な景観の形成に関する事項について、原則として、景観区域内の土地所有者等の全員の合意により協定を結ぶものである。

解答 2:都市計画法に基づく「地区計画」は、地区の課題や特徴を踏まえ、住民から意見聴取を行い、市町村や都道府県によって地区の目指すべき将来像を設定し、その実現に向けて「まちづくり」を進めていく手法である。 主に建築物の敷地、用途、形態等にきめ細やかな計画を行う。

1.「自主協定」や「住民協定」などの任意の協定は、法律や条例等によらず、地域の景観等を整備するために地権者等が自主的に定める取決めのことである(設問文ママ)。

3.「緑地協定制度」は土地所有者等の全員の合意によって緑地の保全や緑化に関する協定を締結する制度である(都市緑地法第45条、第54条)。

4.景観協定地域の景観を保全し、増進するため、住民自らが自主的に規制を行うことができる制度である。2004年(平成16) 制定の景観法に基づき、建築物などの制限が設けられている景観計画区域内の一団の土地について、土地所有者や借地権者の全員の合意 があれば、住宅建築や周辺環境に関する事柄に基準を設けることができる。

〔H21 No.11〕独立住宅に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コートハウスは、建築物や塀で囲まれた中庭をもつ住宅の形式であり、狭い敷地においてもプライバシーを確保しやすい。
2.伝統的な町屋においては、屋内の主要な通路として、道路から裏庭まで達する細長い土間を設けた通り庭形式と呼ばれる間取りが多い。
3.伝統的な農家の間取りにおいて広く用いられた四つ間型は、4室程度の部屋を廊下で結んだ形式である。
4.コア型住宅は、台所、便所、浴室、洗面所等を核(コア)として1か所にまとめた住宅の形式である。

解答 3:日本の伝統的な農家の間取りである「四つ間型」は、関西以西に多く見られ、建具に仕切られた4室を田の字型にまとめ、土間に並んで配置される。設問のように廊下は通常設けられない。

1.「コートハウス」は、建築物や塀で囲まれた中庭を設ける住宅形式である。中庭を設けることで、北側に設けられる居室にも、日照や通風を確保することが出来る。坂倉準三の「正面のない家」や、宮脇檀の「まつかわぼっくす」などが代表的。

2.江戸時代の京都や大阪などの都市において、間口が狭く、奥行きの深い平面形式をもつ町家が発達したが、その特徴として「通り庭」といわれる道路から裏庭まで達する細長い土間が設けられる。

4.コア型住宅は、給排水衛生設備などを、住宅の中心部にまとめて配置した平面構成である。設備配管の集約による建設費の軽減や、動線の単純化、居室が外壁に多く面することによる居住性の向上を意図したものである。

〔H21 No.12〕集合住宅・住宅団地の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.住宅地において、歩車分離を図るため、歩行者専用道路とは別に自動車用のクルドサックを設けた。
2.階段室型の集合住宅において、高齢者向けに改修するために、玄関の位置を変更し、共用廊下を増築してそこに着床するエレベーターを設置した。
3.集合住宅において、天井の高い空間を設けたり、収納スペースの充実等を図るために、住戸の階高を4.5m程度とした。
4.集合住宅の住棟計画において、各住戸の日照・採光・通風・眺望等の条件がほぼ同一であり、階段室型に比べてプライバシーを確保しやすいツインコリドール型を採用した。

解答 4:フライングコリドー型やツインコリドール型は、一般的に、日照・採光・通風に関して有利であるが、階段室型や集中型は諸条件を均一にすることが難しい。

1.「ラドバーン方式」とは、住宅地において、人と車を平面的に分離する方式(歩車分離)である。自動車は街区を囲む幹線道路からクルドサックによってアクセスし、通過交通を防ぐ。

2.中高層の集合住宅にはエレベーターがないものが多くみられる。これにエレベーターを新設する改修工事のケースがよくみられる。



3.集合住宅において階高は3m~3.5m程度が一般的であるが、収納スペースの充実の為に、また同一階における居住空間の変化を持たせるために階高を大きくする場合がある。

〔H21 No.13〕宴会場をもつ大規模なシティホテルの計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.客室用のエレベーターの台数を、100〜150室当たり1台として計画した。
2.宿泊と宴会の客の動線に配慮して、メインエントランスホールとは別に、宴会場専用のエントランスホールを設けた。
3.ツインベッドルームの床面積を、1室当たり30m2とした。
4.客室部分の床面積の合計を、ホテル全体の延べ面積の70%程度とした。

解答 4:ビジネスホテルでは客室一室あたり50m2程度として計画し、客室は全体の70%程度を占める。一方、シティホテルは宴会場や飲食店などを総合的に装備しているので、延べ面積は、客室一室あたり100-150m2程度として計画し、客室は全体の45-50%程度を占める。

1.大規模なシティホテルにおける客用エレベーターの台数は、高級ホテルの場合には100室に1台程度、中級ホテルの場合には150〜200室に1台程度を台数算出の目安とする。

2.宴会場を利用する客は宿泊客ではない場合もある。そのため、宿泊客のプライバシーとセキュリティの確保のため両者の動線をなるべく分ける。

3.シングルベッドルームは10-20m2程度、ダブルベッドルームは20-40m2程度を目安として計画する。

〔H21 No.14〕学校の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.教科教室型の中学校において、教科ごとに教室を確保し、クラスごとにホームベースを設けた。
2.小学校において、教育面・生活面に配慮して、低学年教室群と特別教室群とをひとまとめにする計画とした。
3.小学校の計画において、学習集団を弾力的に編成できるようにするため、クラスルームに隣接してオープンスペースを設けた。
4.小学校のオープンスペースにおいて、情報ネットワークを活用した多様な学習が行えるように、パソコンを配置した。

解答 2:小学校高学年は特別教室を活用した学習をすることが多くなるので、高学年教室群の近くに特別教室群を配置する

1.専門性が高くなってくる小学校高学年、中学校、高校は「教科教室型」「特別教室型」などを採用する例が多い。「教科教室型」を採用する場合、学校生活の拠点となるホームベースを、クラスごと、学年ごと、移動の際に立ち寄りやすい場所に設ける。

3&4.「オープンスペース」とは、学習集団(主に学級)教科などを超えた“多様な”活動に対応できる共⽤空間のこと。⽂部科学省施設整備指針における「多⽬的スペース」を指す。近年では多様、かつ柔軟性を持たせた教育学習スペースの構築ため、オープンスペースの活用方法の模索が進められている。

〔H21 No.15〕高齢者の医療・福祉に関する施設とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

解答 1:「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」は、常時介護を必要とし、自宅では介護を受けることのできない高齢者を入所させる施設である。その居室の床面積は、入居者一人当たり、10.65m2以上とする。設問は「介護老人保健施設」に関する記述である。

2.療養病床を有する病院(介護療養型医療施設)は、要介護状態の高齢者を対象に、看護、医学的管理のもとに、介護、機能訓練その他必要な医療や日常生活上の世話を行うことを目的としたサービスを提供する施設である。

3.高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、民間の土地所有者等がバリアフリー仕様や緊急通報装置の設置など一定の整備基準を満たして供給する高齢者向けの優良な賃貸住宅で、自立可能な高齢者に向けた賃貸住宅である。

4.軽費老人ホーム(ケアハウス)とは、身体機能の低下等により独立して生活するには不安があり、かつ、家族による援助を受けることが困難な高齢者を対象に、食事の提供、入浴の準備等の日常生活上必要なサービスを受けることができる施設である。

〔H21 No.16〕建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.公共図書館の計画において、BDS(ブックディテクションシステム)を採用し、利用者の私物を自由に館内に持ち込むことができるようにした。
2.基準階の平面が25m×20mの低層の事務所ビルの計画において、事務室の適切な奥行きを確保するために、偏心コアタイプを採用した。
3.延べ面積10,000m2程度の美術館において、アルカリ汚染因子の蒸発が収蔵物に与える影響等を考慮して、コンクリート打設後から開館までのシーズニング期間を2年とした。
4.台詞せりふを主体とする演劇を上演する劇場の計画において、すべての客席から表情や細かな身振りを鑑賞できるように、最後部の客席から舞台中心までの視距離を40mとした。

解答 4:劇場やホールなどでの可視限界範囲は、セリフを主体とする演劇や小規模な演奏の場合で22m(一次許容限度)、一般的な身振りが見えるためには38m(二次許容限度)とされている。なお、出演者の表情や細かい身振りを鑑賞できる限度は15m程度である。

1.BDS(ブックディテクションシステム)とは、貸出処理を行っていない資料を電波で感知し、持ち出しを防止するシステムのこと。通常、入り口付近で、カウンターから見える位置に設置する。このシステムの採用で、利用者は私物を自由に館内に持ち込むことができる。

2.「偏心コア(片コア)タイプ」は500-1,000m2程度の低層・中層建築物に採用されることが多い。レンタブル比を高めることができる。ただし、2方向避難の計画が難しく、構造上の偏心が大きいことから高層建築物での採用は望ましくない。

3.コンクリートに含まれるアルカリ汚染因子は、躯体内部の水に溶解され、その蒸発に伴い室内に放出されて収蔵品に悪影響を及ぼす。アルカリ汚染因子や湿気の発散量が減少するまで収蔵・展示を控えることをシーズニングという。一般に、コンクリート打設後から開館までに20ヶ月程度を要するが、その間をシーズニングの最低期間と考えなければならない。また、文部科学省は、文化財指定品のある場合には、竣工から6ヶ月以上経過して所定のアルカリ試験に合格した時点を開館の時期として推奨している。

〔H21 No.17〕建築物とその特徴との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

解答 3:現在の「鳥羽市立海の博物館(三重県)」は3つの収蔵庫棟、3つの展示棟、研究管理棟からなり、漁具等の収蔵・展示・研究を目的として2017年に建てられた。中でも展示棟の主要構造部は鉄筋コンクリート造、構造用集合材を用いて立体トラス構造で建てられている。外装は黒く塗装された板張りが周辺建築物との融和が美しい。

鳥羽市立海の博物館の展示棟


また設問の説明は「潟博物館(新潟県)」に関する記述である。

潟博物館(新潟県新潟市)


1.「倉敷アイビースクエア(岡山県)」は、明治時代に建設された紡績工場を利用した複合施設。連続するのこぎり屋根をもつ平家建ての紡績工場の棟の一部を撤去してできたオープンスペースを中心として、展示施設、ホテル等からなる。

2.「公立はこだて未来大学(北海道)」は、5階分を吹き抜けとしたこの空間は「スタジオ」が特徴的である。ひとりで集中するための空間や、グループワークを行うためのエリア、先生とコミュニケーションを取ることのできる研究スペースなど、ラーニング・コモンズといわれる学習空間が配置されている。

4.「聖路加国際病院(東京)」は、すべての病室がシングルケアユニットで計画されていることに特徴がある。

〔H21 No.18〕建築物の工事監理・契約に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.工事監理者は、建築物の工事が設計図書のとおり実施されているかいないかを確認しつつ、その工事を設計図書のとおりに行う責任を有している。
2.建築基準法においては、建築主に対して、建築士の設計によらなければならない建築物の工事を行う場合、建築士である工事監理者を選任することを義務付けている。
3.建築士法においては、工事監理受託契約を締結したときに交付する書面に、工事監理の実施の期間及び方法を記載しなければならないことを定めている。
4.工事監理業務については、一般に、「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」が求められており、この義務を怠り損害が生じた場合には、契約に明記されていなくても過失責任が問われることがある。

解答 1:「工事を設計図書のとおりに行う責任」は工事施工責任者が持つ。工事監理とは、「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認すること(建築士法第2条第8項)」である。

2.「建築主」は、建築士の設計によらなければならない工事において、工事監理者を定めなければならない(建築基準法第5条の6)。

3.建築士事務所の開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を締結したときは、遅滞なく、(省略)書面を当該委託者に交付しなければならない(士法24条の8)。延べ面積が300m2を超える新築の契約書には「作成する設計図書の種類」「工事と設計図書との照合の方法及び工事監理の実施の状況に関する報告の方法」「建築士の氏名等」「報酬の額及び支払の時期」「契約の解除に関する事項」などを記載する(士法22条の3の3第1項)。

4.工事監理業務においては、一般に、民法における「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」が求められており、この義務を怠り損害が生じた場合には、監理業務委託契約書に明記されていなくても過失責任が問われることがある。

〔H21 No.19〕建築積算に関する次の記述のうち、建築工事建築数量積算研究会「建築数量積算基準」に照らして、最も不適当なものはどれか。

1.「設計寸法」とは、設計図書に表示された寸法、表示された寸法から計測・計算することのできる寸法及び物差により読みとることのできる寸法をいう。
2.根切りの数量を算出する場合、土間、犬走り以外の場所における作業上のゆとり幅は0.1mを標準とする。
3.デッキプレートの所要数量を算出する場合、形鋼と同様、設計数量に5%の割増をすることを標準とする。
4.窓、出入口等の開口部の内法の見付面積が、1か所当たり0.5m2以下の場合は、原則として、開口部によるコンクリートと型枠の欠除はないものとする。

解答 2:「作業上のゆとり幅」は人が通れる程度の0.5mを標準とする。

1.「計画数量」とは、設計図書には記載のないが、設計図書に基づいた施工計画により求めた数量をいう。例えば「受注者の任意による仮設」や「土の処理」などがこれに該当する。一方、「設計数量」は、設計図書に明記された個数や、設計寸法から算出した数量(部材の数、個数など)をいい、これに材料の切り無駄を考慮して所定の割増係数をかけた数量を「所要数量」という。設計数量<所要数量<計画数量となる。

3.「建築数量積算基準」では以下のように割り増しして算出することを標準としている。
形鋼、鋼管及び平鋼ー5%
広幅平鋼及び鋼板(切板)ー3%
ボルト類ー4%
アンカーボルト類ー0%
デッキプレートー5%

4.「窓、出入口等の開口部による型枠の欠除は、原則として建具類等の内法寸法とする。なお,開口部の内法の見付面積が1か所当たり0.5m2以下の場合は、原則として型枠の欠除はしない。」(公共建築数量積算基準)

〔H21 No.20〕プロジェクトマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.「ブリーフィング」は、発注者及び関係者の要求、目的、制約条件を明らかにし、分析するプロセスである。
2.「VE(バリューエンジニアリング)提案」は、基本性能の維持を前提とした工事費の低減提案、施工者独自の施工技術の導入提案等である。
3.「事業予算」は、プロジェクトの開始時から完了時までに事業者が支払う費用のうち、設計料と建築物本体工事費の概算を合計したものである。
4.企画・設計段階の「マスタースケジュール」は、建設プロジェクトの主要な段階、関連工事、主要な目標、クリティカルパスとなる工程等をプロジェクトの必要に応じて記載したものである。

解答 3:「事業予算」は、事業に係る全ての費用の合計をさす。設計料、建築物本体工事費のみならず、土地取得に関わる費用、税金、資金調達のための費用なども含まれる。

1.「ブリーフィング」とは、建築物の初期の企画段階において、一般に、発注者及び関係者の要求の内容、事業目的、制約条件などを明らかにし、分析するプロセスである。その成果物としての概要書を「ブリーフ」と呼ぶ。(日本・イギリスでは「ブリーフィング」、アメリカでは「プログラミング」と呼ぶ。)

2.「VE(バリューエンジニアリング)」は、生産性・経済性を検討する具体的な手法として行われるもの。工事費の低減提案や施工技術の研究を行い、導入提案(VE提案)等であるが、企画・設計段階から施工段階まで幅広く用いられている。プロジェクトのなるべく早い段階での導入が望ましく、効果も高くなる。

4.「マスタースケジュール」とは、プロジェクトの開始から完了までに必要な作業工程をまとめた「基本計画」のことで、建設プロジェクトの主要作業とそれに関連する作業を時系列にまとめた工程表のこと。建設プロジェクトの主要な段階、関連工事、主要な目標、クリティカルパスとなる工程等をプロジェクトの必要に応じて記載する。

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投稿日:2019年8月1日 更新日:

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