令和03年度1級建築士-学科Ⅱ環境・設備

建築士過去問解説

令和03年度 学科Ⅱ-環境・設備
20問掲載

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

〔R03 No.01〕環境工学における用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.露点温度は、絶対湿度を一定に保ちながら空気を冷却した場合に、相対湿度が100%となる温度である。
2.グレアは、視野の中に輝度の高い光源が入ってきたときに起こり、周囲の輝度からの影響を受けない。
3.ビル風は、建築物の見付面積が大きく、風をより多く止めるほど、一般に、剥離する領域が大きくなる。
4.カクテルパーティ効果は、周囲が騒がしい環境であっても聴きたい音を選択的に聴き取ることができる、聴覚上の性質である。

解答 2: 「グレア」とは、視野内の高輝度の部分や、極端な輝度対比によって、物体の見やすさが損なわれることである。いわゆる「まぶしい」と感じるのがグレアという現象である。

1.露点温度とは、空気中の水蒸気が飽和点に達し、凝結が始まる温度(=相対湿度が100%)のことをいう。絶対温度が同じであれば、空気を加熱・冷却しても露点温度は変化しない。

3.「剥離流」は建築物に当った風が向きを変えて、建物の角部を過ぎ、建物から剥がれて流れ去る風のことである。この建物角部から剥がれた風はその周囲の風よりも風速が大きいためビル風の主要因となっている。建物の風上側の領域が空気の高圧帯に相当し、そこから勢いよく風が吹きだされる。建築物が受ける風の圧力が大きくなるほど(=建築物の見付面積が大きいほど)剥離領域が大きくなる。また、上空は強い風が吹いているので、ビル風の風速は建物の高さと相関が高いと言われており、高層建築物ほどビル風は強くなる。

4.「カクテルパーティー効果」とは多くの音の中から、自分が必要としている情報や重要な情報を無意識に選択することができる脳の働き(=聴覚上の性質)のことをいう。音声の選択的聴取、選択的注意とも呼ばれている。

〔R03 No.02〕室内の温熱環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.予測平均温冷感申告(PMV)の値が0に近づくに従って、予測不満足者率(PPD)は高くなる。
2.平均放射温度(MRT)は、グローブ温度、空気温度及び気流速度から求められる。
3.冷たい壁面による不快感を生じさせないためには、放射の不均一性(放射温度の差)を10℃未満にすることが望ましい。
4.着席安静時における日本人の平均的な体格の成人男性の代謝量は、約100W/人である。

解答 1:予想不満足者率(PPD:Predicted Percentage of Dissatisfied)とは、予測平均温冷感申告(PMV:Predicted Mean Vote)で求められた環境で熱的に不快に感じる人の割合のことである。PMVの値は「+3」で不快(暑い)と感じ、「-3」で不快(寒い)と感じる。0に近づくほど快適とされ、「+0.5~-0.5」程度が快適環境とされる。PMVの値が0から遠ざかるほど、不満足者が多くなるので、PPDの値も大きくなる。

2.平均放射温度(MRT: Mean Radiate Temperature)は、全方位からの放射を平均した温度である。グローブ温度(θ(g))、空気温度(θ)及び気流速度(v)から求められる。
MRT ≒ θg + 2.35√v(θ(g)-θ)

3.人が感じる熱放射の不均一性の限界はISO(国際標準化機構)で定められており、冷たい壁面では10℃以内、暖かい天井では5℃以内とされている。なお、暖かい壁や冷たい天井は不快感が少ないので基準はない。

4.椅座安静状態の成人の代謝量は、体表面積当たり58W/m2とされる。成人の体表面積は約1.7m2なので、58W/m2×1.7m2=100Wとなる。

〔R03 No.03〕換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.静止型の全熱交換器を採用する場合、全熱交換素子の通気抵抗が大きいので、一般に、給気側と排気側の両方に送風機が必要となる。
2.汚染空気が周囲から流入してはならない手術室やクリーンルーム等においては、第二種機械換気方式又は室内の気圧を周囲より高くした第一種機械換気方式とする。
3.住宅の全般換気をトイレ、浴室、台所等の水まわり部分からのファンによる排気によって行う場合、居室に設ける自然給気口は、温熱環境に影響を及ぼさないように、床面から0.5m以下に設置することが望ましい。
4.建築物が風圧力のみによって換気される場合、その換気量は、外部風向と開口条件が同じであれば、概ね外部風速に比例する。

解答 3: 第三種換気計画を行う場合、一般的にトイレや浴室、台所などの水回り部分による機械換気で排気するように各居室からの空気の流れを計画する。このとき給気口から排気口まで吹き溜まりができないように考慮し、給気口の設置高さは床面から1,600~1,800㎜程度とする。

1.全熱交換器には、回転型と静止型がある。回転型は全熱交換器のローターを回転させ、排気から給気に熱回収する。静止型は特殊加工紙の仕切板と間隔板で構成されており、全熱交換器自体に空気を通過させるための送風機が必要となる。

2.第一種換気 (給気:機械 排気:機械)…オフィスビル等(給気量の調整で手術室やクリーンルーム等、ボイラー室も含む)
第二種換気 (給気:機械 排気:自然)…手術室やクリーンルーム等、ボイラー室
第三種換気 (給気:自然 排気:機械)…トイレやキッチン等

4.自然換気量は、
・流量係数、開口部面積、風速に比例し
・内外部圧力の差、風圧係数の差、開口部の高さの差、内外部の温度の差の平方根に比例する

〔R03 No.04〕建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.冬期において、二重サッシの間の結露を防止するためには、屋外側よりも室内側のサッシの気密性能を高くするとよい。
2.室内の壁表面における自然対流熱伝達率は、壁表面と室内空気との温度差が大きくなるほど高くなる。
3.繊維系断熱材は、含水率が増加すると水の熱伝導抵抗が加わるので、断熱性能が向上する。
4.複層ガラスにおいて、Low-Eガラスを屋外側に用いると、室内側に用いる場合に比べて遮熱性が高まる。

解答 3: 断熱材は、繊維系断熱材と発泡プラスチック系断熱材との2種類に分類される。繊維系断熱材は細かい繊維の間に空気を閉じ込めることによって機能する。グラスウールに代表される無機繊維系断熱材と、ロックウールを主原料とした鉱物繊維系断熱材がある。一方、発泡プラスチック系断熱材は硬質ウレタンフォームに代表され、熱に弱いが、水に強く軽量であり、結露を防ぐ役割もある。断熱材に含む空気によって断熱性能を発揮するので、どちらも含水率が高くなると断熱性が著しく低下する。

1.住宅において、外部建具を二重サッシとすることは、断熱性、遮音性、防犯性を高めるのに有効である。二重サッシ間の内部結露を防止するためには、屋外側よりも室内側のサッシの気密性能を高くするとよい。

2.自然対流が生じているとき、固体壁から周辺空気への伝熱を自然対流熱伝達という。自然対流熱伝導率は、物体の高さHや周囲空気との温度差ΔTで変化し、物体の高さHが小さいほど、また温度差ΔTが大きいほど大きな値となる。

4.Low-E複層ガラスは、複層ガラスの一方のガラスの表面に金属膜コーティングをすることで日射の長波長域の反射率を高めたものである。室内側ガラスにコーティングすると日射遮蔽性が高まり、屋外側ガラスにコーティングすると断熱性が高まる。

〔R03 No.05〕建築物における防火・防災に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.火災時に空気と分離した煙が平面方向に広がる速さは、避難における歩行速度にほぼ等しい。
2.劇場の防災計画において、階段を下りる速度は、一般に、0.6m/秒で想定する。
3.超高層建築物や医療福祉施設では、災害時に一気に外部まで避難することが困難な場合が想定されるので、避難経路の途中又は途中階に一時的に滞留できる空間を確保することが望ましい。
4.居室内避難における歩行距離は、一般に、家具の配置にかかわらず、出口に最も遠い地点から出口までの直線距離とする。

解答 4: 居室内避難における歩行距離は、出口に最も遠い地点から出口までの直線距離とする。家具などをよけて歩行することを想定する。

1.火災室から廊下や隣室へ流出した煙の水平方向の流動速度は、一般に、0.5-1.0m/秒である。一方、避難における歩行速度は、一般に0.5-1.3m/秒である。よって、煙が水平方向に広がる早さと、避難における歩行速度はほぼ等しい。また垂直方向の煙の流動速度は最大3-5m/秒程度とされ、一秒間に1層分上昇する。

2.劇場における歩行速度は0.5m/秒(30m/分)であるが、階段の上りは0.45m/秒(27m/分)、下りは0.60m/秒(36m/分)である。

3.超高層建築物や医療福祉施設の避難計画では、避難階まで到達することが困難な場合があるため、避難経路の途中や途中階の防火区画された一時的に滞留できる空間を確保し、そこから順次、階段などに避難したり、救助を待つ計画とすることが望ましい。

〔R03 No.06〕日照・日射に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.夏至の日に終日日影となる部分を、永久日影という。
2.建築物の形状と日影の関係において、4時間以上日影となる領域の面積は、一般に、建築物の東西方向の幅よりも高さから受ける影響が大きい。
3.南面と西面の外壁条件が同一である建築物の周囲に落葉樹を植える場合は、その落葉樹の位置は、一般に、南側より西側としたほうが、その建築物の冷暖房負荷の軽減に有効である。
4.鉛直壁面の中央付近に設けられる同一面積の窓からの採光においては、一般に、横長窓より縦長窓のほうが、床面の照度の均斉度は高い。

解答 2:4時間以上日影となる範囲は、ある程度の高さではあまり変化せず、東西方向の幅に最も影響を受ける。

1.建築物の配置や形状によっては、一日中日影になる部分が生じるが、これを「終日日影」という。この終日日影のうち、最も太陽高度が高く、日影が小さくなる夏至の日に終日日影となる部分は、一年中日影(永久日影)となる。北側に深い凹部分のある平面形の建物に生じやすい。

3.落葉樹を植えることにより、夏の日射を遮り、冬には落葉することによって日照を得ることができる。夏の不快な西日を遮るために敷地西側に配置する方が効果的である。

4.同じ面積の窓であれば、横長窓よりも縦長面の方が、一般に、室の奥まで光が届くため、床面照度分布の均一さを示す均斉度は高い。

〔R03 No.07〕 照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ある視対象面の明るさは、その面に入射する光から求められる照度のみからでは、予測することができない。
2.CIE標準曇天空では、天頂に対する相対的な輝度分有は、方位にかかわらず、高度のみにより決まる。
3.配光曲線は、光源の各方向に対する照度の分布を示すものである。
4.平均演色評価数(Ra)は、相関色温度が同じ光源であっても異なる場合がある。

解答 3: 「配光曲線」とは、照明器具(光源)から出てくる光が、どの方向にどれだけの強さ(光度)で出ているかを極座標にて表すもの。照度分布を現すものではない。

1.視対象面を特定の方向から見たときの明るさを決めるのは「輝度」である。その面に入射する光束の密度を表す「照度」のみでは、視覚で感じる明るさを予測することはできない。

2.CIE(国際照明委員会)標準曇天空は、昼光照明の計画や設計の元となる天空輝度分布の基準であり、天空全体が厚い雲に覆われ、太陽の位置が不明で相当に暗い天空をいう。このとき、天空が光源となり、天頂輝度に対する相対輝度は、光源のみによる関数で求められる。

4.「相関色温度」は、蛍光ランプやLEDなど、熱放射によらない光源の評価に適した指標で、色温度と同様に光の色を簡便に表わすのに用いられる。また「平均演色評価数」は、物体色の見え方である演色性の良否を数値で表わしたものである。光源の相関式温度が同じでも、光に含まれる波長成分の構成を表わす分光分布が異なれば、平均演色評価数は異なる値となる。

〔R03 No.08〕色彩に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.マンセル表色系において、マンセルバリューが5の色の視感反射率は、一般に、約20%である。
2.減法混色とは、複数の色光を混ぜ合わせて別の色の知覚を生じさせることをいい、もとの色の数が増加するほど明るくなる。
3.LED等の人工光源から発せられる光は、相関色温度が等しくても、異なる光色に知覚される場合がある。
4.表色系における三刺激値X、Y、Zのうち、Yは、反射物体の色の場合には、視感反射率を示す。

解答 2: 混色とは、色を混ぜて別の色を作ることで、加法混色と減法混色とがある。加法混色は光源色でみられ、混色の結果、白に近づく。減法混色は色料や色フィルターなどにみられ、混色の結果、黒に近づく。また、加法混色の三原色は赤・緑・青で、減法混色はシアン・マゼンタ・イエローである。

1.視感反射率とは、眼の感じる明るさが色 (光の波長) によって変わることを考慮にいれた反射率であり、マンセルバリュー(V)が、2<V<8の間において近似値Yで、Y≒V×(V-1)で表わすことができる。
例えば、マンセルバリューが7の場合、Y7≒7×(7-1)=42%となる。設問の場合は、Y5≒5×(5-1)=20%となる。

3.視覚で感じる色の違いは、その光に含まれる波長成分の構成を表わす分光分布によって決まるため、同じ相関色温度の光であっても、分光分布が異なれば、異なる光色に見えることがある。

4.XYZ表色系は、CIE(国際照明委員会)により規定された表色系で、3つの刺激値X,Y,Zの混合量で一つの色を表現する。3つの刺激値は、それぞれXは赤、Yは緑、Zは青の混合量を示すが、そのうちのYは緑の成分とともに、三刺激の中で唯一明るさ(視感反射率・視感透過率)を受け持つ。反射物体の色表示は、Yと色度座標(x,y)によって表わす。

〔R03 No.09〕吸音・遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.単層壁の遮音において、同一の材料の場合、壁の厚さが薄いほど、コインシデンス効果による遮音性能の低下は、より高い周波数域で発生する。
2.壁の吸音率は、「壁へ入射する音のエネルギー」に対する「壁内部に吸収される音のエネルギーと壁の反対側へ透過する音のエネルギーとの和」の割合である。
3.子どもの飛び跳ねのような重量床衝撃源による床衝撃音については、カーペット等の柔らかい床仕上げ材を用いても、遮断性能の大幅な向上は期待できない。
4.中空二重壁の共振透過において、同一の材料を用いて壁間の空気層を厚くすると、共振周波数は高くなる。

解答 4: 「共鳴透過」は、壁や複層ガラスで生じる現象で、内外の壁材同士やガラス同士が中空層の空気をバネにして共鳴が生じ、低音域において、透過損失の低下すること。壁内もしくは複層ガラスの中空層の厚さが大きくなると、共鳴透過の生じる波長は長くなり、共鳴透過周波数は低くなる。

1.コインシデンス効果とは、壁体・ガラス内に特定の周波数の音が入射したとき屈曲運動を生じ、透過損失が低下する現象である。この現象は、壁材料で厚さを薄くしていくと、より高い周波数域に拡大する。これを防ぐためには振動を吸収する特殊中間膜を設ける。

2.壁の吸音は、反射音を減らすことであり、「入射する音のエネルギー」に対する「反射音以外のエネルギー(壁内部に吸収される音のエネルギーと壁の反対側へ透過する音のエネルギーとの和)」の割合である。

3.カーペット等の柔らかい床仕上げ材は、食器の落下などの軽量床衝撃音に対する遮断効果はあるが、重量床衝撃音に対する遮断効果は期待できない。重量床衝撃音に対してはスラブを厚くする方法がある。

〔R03 No.10〕音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.音の大きさの感覚量は、音圧レベルが一定の場合、低音域で小さく、10kHz付近で最大となる。
2.防音塀は、音の回折による減衰を利用して、騒音を低減化するものであり、一般に、低音域よりも高音域において有効である。
3.無限大の面音源から放射された音は、距離減衰することなく伝搬する。
4.室内の平均吸音率が大きい場合、セイビン(Sabine)の残響式により求めた残響時間は、アイリング(Eyring)の残響式により求めたものに比べると、長くなる。

解答 1:通常の音圧レベルでの耳の感度は3kHz~4kHzの中高音域が最も良く聞こえ、低音域では感度は低下する。

2.音の回折は、音の進行方向に障害物がある場合でも、障害物の背後に音が回り込んで伝搬する現象である。周波数の高い音ほどこの現象は生じにくくなるため、障壁は高周波数音の遮断に有効である。障害物の大きさよりも音の波長が大きいほど回り込みやすい。



3.極めて小さい点から音が放射される点音源に対して、面から音を放射する音源を面音源という。無限大の面音源の場合、音圧レベルは、距離によって減衰しない。このため、様々な無数の音源が広範囲に点在する都市を面音源として捉えると、都市に建つ高層マンションの上階において、音の距離減衰による騒音レベルの低下は、あまり期待できない。

4.セイビンの残響式では、完全吸音の室でも計算上残響時間が0になることはなく、吸音力が大きい室では、残響時間が実際より長くなる。そのため、アイリングの残響式に比べ残響時間は長くなる。

〔R03 No.11〕空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.空調用水蓄熱槽の利用温度差を確保するために、熱交換器を通過する蓄熱槽からの水量を一定に制御した。
2.密閉式冷却塔の省エネルギーを図るために、ファン発停制御及びファン回転数制御を行えるようにした。
3.遠心冷凍機の成績係数を改善するために、中間期においては、夏期よりも低い冷却水入口温度で運転できるようにした。
4.ガスエンジンから発生する排熱を利用するために、排熱投入型の吸収冷温水機を設置した。

解答 1: 空調用水蓄熱槽の利用温度差を確保するためには、変流量制御方式を採用する。冷凍機に送る冷温水の水量を変化させることで、常に利用温度差を保つことができる。

2.「開放式冷却塔」は冷却水を直接大気に触れさせることにより冷却するため、大気の影響を受ける。対して「密閉式冷却塔」は冷却水が大気に直接触れないので水質劣化の恐れが「開放式」よりも小さい。ただし間接的な冷却なので送風機動力が大きくなり、コストも大きくなりがちである。これを解消するために温度センサーにより冷却水の出口温度を検出し、ファン発停制御及びファン回転数制御を行えるようにする。

3.遠心冷凍機(ターボ冷凍機)は、遠心式圧縮機を利用した冷凍機で、回転する羽根車で冷媒を外周部へ吐き出すことで圧縮を行う蒸気圧縮式冷凍機の一種である。遠心冷凍機は、中間期において夏期よりも低い冷却水入口温度で運転できるようにすると、成績係数が改善が期待される。


4.吸収冷温水機は、特定フロンや代替フロンを使用せず、ガスエンジンから発生する排熱を利用する。これに「水」を冷媒とした環境にやさしい空調システムである。

〔R03 No.12〕事務所の空調方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.定風量単一ダクト方式は、一般に、変風量単一ダクト方式に比べて搬送動力の消費量が大きい。
2.個別分散方式は、空調機を室単位やゾーン単位ごとに設置する方式であり、一般に、天井内等に機器の設置が可能なため、機器等の設置に必要なスペースを小さくすることができる。
3.放射空調方式は、一般に、天井等に設置した放射パネルを冷却又は加熱することにより放射パネルと人との間で放射熱交換を行う方式であり、気流や温度むらによる不快感が少ない。
4.床吹出し空調方式は、二重床の床下空間を利用し、床面に設けた吹出し口から空調空気を吹き出す方式であり、一般に、暖房運転時における居住域高さでの垂直温度差は大きい。

解答 4: 「床吹出し空調方式」は、床下吹き出し口から頭の高さまでの温度差は約1度ほどある。特に冷房時にはこの温度差が大きくなるので、給気温度は他の冷房方式よりも高く設定する。

1.変風量単一ダクト方式は、定風量単一ダクト方式に比べて、ダクトを小さくすることができ、部分負荷時の空気の搬送エネルギー消費量を低減することができる。

2.「個別分散方式」は、空調を必要とする部屋ごとに空調機を設置し、空調の入切や冷暖房の切替が個別にできる空調方式である。 ダクトスペースが小さくなる代わりに、それぞれに室外機の設置が必要となる。

3.「放射空調方式」は、空気を冷やしたり暖めたりして吹き出す従来空調に対し、天井面や床面、壁面等の温度をコントロールすることで、居住者の身体が発する熱を吸収したり、熱放射を抑えたりして温冷感を感じる。そのため、従来の空調に比べて気流感がなく、送風による冷温風の空気対流がないため、場所によっての寒すぎ、暑すぎのムラが起こりにくくなる。

〔R03 No.13〕機械換気設備に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

1.200m2の一般的な事務室(40席)の換気量を、1,200m3/hとした。
2.100m2の喫茶店の客席(40席)の換気量を、1,200m3/hとした。
3.500m2の劇場の客席(400席)の換気量を、6,000m3/hとした。
4.1,000m2の自走式屋内地下駐車場の換気量を、14,000m3/hとした。

解答 3: 必要換気量は、成人男子が静かに座っている場合の二酸化炭素排出量に基づいた必要な換気量20(m2/h・人)に対象床面積Am2を乗じ、一人当たりの占有面積A’m2で除することで求められる。
1.20(m2/h・人)×200m2÷(200m2/40席)=800m3/h
よって、800m3/h < 1,200m3/h・・・OK
2.20(m2/h・人)×100m2÷(100m2/40席)=800m3/h
よって、800m3/h < 1,200m3/h・・・OK
3.20(m2/h・人)×500m2÷(500m2/400席)=8000m3/h
よって、8000m3/h < 6,000m3/h・・・NG
4.屋内地下駐車場の換気量は14m3/h・m2以上が必要となる。このことから、
1,000m2×14m3/h・m2=14,000m3/h
よって、14,000m3/h = 14,000m3/h・・・OK

〔R03 No.14〕給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.排水を再利用した雑用水については、便器洗浄水や修景用水の他に、清掃用水や冷却塔補給水にも使用した。
2.給水設備において、上水系統と別系統にした雑用水系統の受水槽については、雑用水用ポンプを設置した給排水衛生設備機械室の直下にある鉄筋コンクリート造の床下ピットを利用した。
3.雨水を便器洗浄水等で再利用した排水が下水道料金の対象となる地域において、雨水使用量を計測する量水計を設置した。
4.飲食施設を設けない中小規模の事務所ビルの給水設計において、使用水量の比率を、飲料水30%、雑用水70%とした。

解答 1: 排水を再利用した雑用水は、便器洗浄水や清掃用水に利用することができる。ただし、冷却塔補給水は水道水基準を満たした水とする。

2.上水系統と別系統にした雑用水系統の受水槽については、床下ピットを利用することができる。



3.雨水・再生水利用とは、雨水貯留や下水処理によって得られた水を、雑用水として水洗トイレ、散水、修景、清掃等の用途(飲用以外)に利用し、水資源の節約、効率的利用を図るものである。通常の下水道の使用料は上水の利用量のみで算定されるが、雨水利用をした場合は上水のほかに、雨水の利用量を計量する必要がある。

4.事務所ビルの給水設計おいて、使用水量の比率は、飲料水30~40%、雑用水を60~70%程度とする。住宅においては飲料水60~70%、雑用水を30~40%程度とする。

〔R03 No.15〕排水設備等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.飲食店の厨房の排水系統に設けるグリース阻集器は、一般に、油脂分を取ることのみを目的としているので、下流に臭気等を防止するトラップを別に設ける必要がある。
2.公共下水道へ排水する場合には、原則として、排水温度を45℃未満にしなければならない。
3.ディスポーザ排水処理システムは、ディスポーザ、専用の排水配管及び排水処理装置により構成されており、一般に、排水中のBOD等を基準値以下にして、下水道に放流するものである。
4.即時排水型ビルピット設備は、排水の貯留時間を短くすることにより、硫化水素等の悪臭物質の発生を抑制することができる。

解答 1: グリース阻集器は、主にホテルや飲食店などの業務用厨房などで用いられる排水設備である。油分の多く含む排水では、その油分とゴミなどが下水管内に付着して流れを阻害してしまう場合がある。そのため、下水に排水する前にグリース阻集器で冷却・凝固して油分・ゴミを分ける。阻集器はトラップの役割も持つので、器具トラップを設けてしまっては二重トラップになってしまう。

2.公共下水道への排水温度は、原則45℃未満にしなければない。また、製造業とガス供給業からの排水は40℃未満にしなければない。

3.ディスポーザ排水処理システムは、ディスポーザ、専用の排水配管及び排水処理装置により構成されており、一般に、排水中のBOD等を基準値以下にして、下水道に放流するものである(設問ママ)。居住者の生ごみ廃棄の負担軽減や清潔性向上の効果がある。


4.一般的に、汚水排水はビルピットに一時的に滞留させ、定期的、または一定量に達した場合にくみ取るものであるが、異臭や環境の悪化が問題となる。そこで即時排水型ビルピット設備は、ビルピット内のバレルに流入した汚水をポンプにより即時に公共下水道に排水するものである。

〔R03 No.16〕発電設備等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.非常電源専用受電設備は、商用電源が停電した場合、消防設備へ電力を供給できなくなるので、大規模な特定防火対象物における消防用設備等の非常電源とすることができない。
2.消防用設備等の非常電源として用いる自家発電設備で、蓄電池を使用しないものは、常用電源が停電してから電圧確立及び投入までの所要時間を40秒以内とする必要がある。
3.デュアルフューエルシステムの発電機に用いる燃料は、通常時にはガスを用い、災害等により ガスの供給が停止した場合には重油等を用いることができる。
4.燃料電池設備は、気体燃料を用いるので、消防用設備等の非常電源とすることができない。

解答 4:燃料電池設備は、消防法の規定に適合する場合、消防用設備等の非常電源として用いることができる。

1.非常電源専用受電設備は、消防用設備専用の変圧器によって受電するか又は主変成器の2次側から直接専用の開閉器によって受電するもので、電力会社からの電源を非常電源とする方式。ただし、万が一停電発生中に火災が置きた場合、消防用設備への電源供給も経たれてしまうというリスクを内包しているため、1000m2以上の特定防火対象物では適用することできず、非常用発電機等を設置しなければならない。

2.蓄電池を使用しない非常電源における自家発電設備は、常用電源が停電してから電圧確立までの所要時間を40秒以内とする。(昭和48年2月10日消防庁告示第一号)

3.デュアルフューエルシステムの発電機は、停電や災害など万一の非常時のバックアップ電源の一種である。ガスや重油、灯油など、燃料不足による発電停止に備えて、多種の燃料で対応できるものである。

〔R03 No.17〕照明率に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.配光が同じ照明器具においては、器具効率が高いほど照明率は高くなる。
2.器具効率が同じ照明器具においては、配光の広がりが大きいほど照明率は高くなる。
3.室の形状を示す室指数が同じであれば、室内反射率が高いほど照明率は高くなる。
4.室内反射率が同じであれば、室の形状を示す室指数が大きいほど照明率は高くなる。

解答 2:
光束法による平均照度計算における照明率は、光源から出る光束のうち、作業面に入射する光束の割合であり、器具形式(器具効率)や仕上げの反射率、室指数により求める。
1.器具効率が高いほど、子数が大きくなるので、照明率は高くなる。
2.配光の広がりが大きいほど、照明率は低くなる。
3.室内の反射率が大きいほど、照明率は高くなる。
4.室指数が大きいほど、照明率は高くなる。

〔R03 No.18〕消防用設備等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.消火薬剤の放射により消火するパッケージ型自動消火設備を、スプリンクラー設備の代替設備として延べ面積1,500m2の特別養護老人ホームに設置した。
2.窒息効果と冷却効果により消火する泡消火設備を、地下駐車場に設置した。
3.水幕を張ることにより外部等からの延焼を防止するドレンチャー設備を、重要文化財の神社に設置した。
4.消防用水を、屋内消火栓設備やスプリンクラー設備等の初期消火設備のための専用水源として設置した。

解答 4: 消防法における消防用設備等は、「①消防の用に供する設備(消火設備、警報設備及び避難設備)」、「②消防用水」及び「③消火活動上必要な施設」に分類されている。②消防用水は、消防隊が消火活動を行う際の水を確保する為の水源であり、他の消火設備のために利用する水源ではない。

1.パッケージ型自動消火設備はスプリンクラー設備の代替設備として開発され、必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備として区分されている。

2.泡消火設備は、危険な場所、大きな駐車場、格納庫などに用いられる。火災時の熱によって急激に蒸発するときに熱を奪うことによる「冷却効果」と、燃焼面を蒸気で覆うことによって酸素を遮断する「窒息効果」によって消火する設備である。ただし、泡に電気が伝わって感電の恐れがあるので、C火災には適さない。



3.ドレンチャー設備は、外部等からの延焼を防止するため、ドレンチャーヘッドから放水し、水幕をつくる消火設備であり、重要文化財の神社や仏閣等に使用されている。

〔R03 No.19〕建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.非常用エレベーターの機械室の床面積は、機械の配置及び管理に支障がない場合においては、昇降路の水平投影面積の2倍以上としなくてもよい。
2.空調用の低圧送風機系統において、同一特性の送風機を2台並列運転させた場合の風量は、一般に、単独運転時の2倍にはならない。
3.ヒートポンプ給湯機は、大気中の熱エネルギーを給湯の加熱に利用するもので、冷媒に二酸化炭素を用いたものがある。
4.マルチパッケージ型空調機の屋外機は、屋上に集中設置するよりも各階バルコニーに分散設置するほうが、冷媒管が短く、高低差が少なくなるため、一般に、機器の運転効率は低下する。

解答 4: マルチパッケージ型空調機の屋外機は、各階バルコニーや壁面等に配置した方が、冷媒管が短く、高低差も少なくなるため、機器の運転効率は向上する。

1.エレベーターの機械室の床面積は、昇降路の水平投影面積の2倍以上とすること。ただし、機械の配置及び管理に支障がない場合においては、この限りでない。建築基準法施行令第129条の9

2.空調用の送風機を2台並列運転させた場合は、風量は送風機の単独運転時の2倍となるが、風量増加に伴う圧力損失増加により、実際は2倍よりも小さくなる。

3.自然冷媒ヒートポンプ給湯機は、自然冷媒を用い、大気から熱を得て、高温の湯を貯湯して給湯する装置であり、一般に、電気温水器に比べてエネルギー効率が高い。冷媒に二酸化炭素を用いた自然冷媒ヒートポンプ給湯器が普及している。

〔R03 No.20〕環境・設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の5段階のマークは、BEIの値が大きいほど星の数が増える。
2.「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づく新築住宅の省エネルギー基準では、原則として、外皮平均熱貫流率(UA値)や冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)を地域の区分に応じた基準値以下となること等が求められる。
3.被災時に救護場所や避難場所となる可能性が高い病院やホテル等の施設を有する企業のBCPにおいては、電気、ガス、水道等のライフラインの広域停止に備えた設備をあらかじめ計画することが望ましい。
4.地域冷暖房システムの導入は、一般に、未利用熱の活用による排熱削減が期待でき、ヒートアイランド現象の緩和にも効果的である。

解答 1: BELS(ベルス)とは、建築物省エネルギー性能表示制度のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度である。BELSにおける「BEI(Building Energy Index)」 は、値が小さいほど建築物の省エネルギー性能が高いと判断される。5段階の★マーク等で表示され、0.8以下で★5が得られる。

2.外皮平均熱貫流率とは住宅の断熱性能を数値的に表したものであり、平均日射熱取得率とは、住宅に侵入する日射量を表す数値である。新築住宅の省エネルギー基準では、原則として、外皮平均熱貫流率(UA値)や冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)を地域の区分に応じた基準値以下となること等が求められる。

3.「BCP」とは事業継続計画のことで、病院やホテル等の施設を有する企業は、ライフラインの停止に備えた設備をあらかじめ計画することが望ましい

4.地域冷暖房システムとは、地域の企業等から製造された熱を集約し、その地域内の建築物へ供給する方式である。地域冷暖房システムは未利用熱の活用による排熱削減が期待でき、ヒートアイランド現象の緩和にも効果が期待できる。

投稿日:2022年12月19日 更新日:

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