令和02年度1級建築士-学科Ⅰ計画

建築士過去問解説

令和02年度 学科Ⅰ(計画)
全20問掲載

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

〔R02 No.01〕建築士の職責、業務等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築士は、新たにつくる建築物について、長期間の使用に耐えるように建築計画の初期段階から十分に検討を行い、完成した後も継続的に適正な維持管理が行われるように配慮する必要がある。

2.建築士は、他人の求めに応じ報酬を得て、建築物に関する調査及び鑑定のみを業として行う場合、建築士事務所に所属せずに業務を行うことができる。

3.建築士は、違反建築物の建築等の法令違反行為について、指示をする、相談に応じる等の行為をしてはならない。

4.建築士は、設計者ではなく施工者として建築基準関係規定に違反する工事を行った場合であっても、建築士法により業務停止処分を受けることがある。

解答 2:一級建築士を使用する者は、他人の求めに応じ報酬を得て、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築物の建築に関する法令の規定に基づく手続の代理を業として行おうとするときは、一級建築士事務所を定めて、その建築士事務所について都道府県知事の登録を受けなければならない。(士法23条1項)

1.正しい。建築士は建築物のライフサイクルを考慮して、初期設計段階で十分な検討を行う必要がある。

3.建築士法第21条の3「建築士は、建築基準法の定める建築物に関する基準に適合しない建築物の建築その他のこの法律若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規定に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならない。」

4.建築士法第10条第一項「国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた一級建築士又は二級建築士若しくは木造建築士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該一級建築士又は二級建築士若しくは木造建築士に対し、戒告し、若しくは一年以内の期間を定めて業務の停止を命じ、又はその免許を取り消すことができる。
一 この法律若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規定に違反したとき。
二 業務に関して不誠実な行為をしたとき。」

〔R02 No.02〕日本の歴史的な建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.東三条殿(平安時代)などの寝殿造りは、柱は丸柱とし、寝殿の周囲にはしとみを吊り、床は板敷きであったと言われている。

2.鹿苑寺金閣(室町時代)は、最上層を禅宗様仏堂風、中間層を和様仏堂風、初層を住宅風とした三層の建築物である。

3.光浄院客殿(安土桃山時代)は、欄間長押をはじめ、建具や金具、釘隠や引手などに技巧を凝らし、様々な意匠が施された数寄屋風の建築物である。

4.旧開智学校校舎(明治時代)は、アーチや隅石等の洋風の意匠と唐破風等の和風の意匠が混在した擬洋風の建築物である。

解答 3:光浄院客殿(1601年)は、三井寺の子院の一つで、室町時代に誕生する「書院造」の代表的遺構として国宝に指定されている。桁行7間、梁間6間、柿葺の入母屋造で、細部意匠に至るまで中世社会の接客儀礼を実態化した建築空間を実現しており、数寄屋造りとは対照的に、安土桃山時代の華麗さを表現している。

http://miidera1200.jp/より

また、室内は現在の住宅建築にも取り入れられる「座敷飾り」を設けている。「数寄屋造り」は質素ながらも洗練された意匠をとり入れた日本の茶室風建築である。

1.東三条殿(ひがしさんじょうどの)の寝殿造りは、平安初期の藤原兼家の邸宅である。兼家は後に東三条殿と称されるため、この名称となる。寝殿造りの代表作とされるが、保元の乱(1166年)により焼失している。

2.「鹿苑寺金閣」を含めた寺院全体は「金閣寺」として一般的に知られている。室町幕府3代将軍、足利義満により建築。何度も解体・炎失し、1955年に再建、1994年に世界遺産に登録された。

4.「旧開智学校校舎」は、近代学校建築としては初めての国宝となる。国宝指定にあたっては「近代化を推進した開化期の洋風建築受容を示し、近代教育の黎明を象徴する最初期の擬洋風学校建築として、文化史的に深い意義を有する」と評価される。

〔R02 No.03〕西洋の歴史的な建築物とその背景との組合わせとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

解答 3:「ウィーン郵便貯金局(1912年)」はRC造で、リベットを用いてパネル状の石材を外壁に張り、天井は二重のガラス構造になっている。オーストリアの建築家、オットー・ワグナーの代表作で、彼の「必要様式」の思想を表現している。アドルフ・ロースらの芸術を否定した建築を批判し、必要なものにこそ芸術が必要とされる合理的・機能的な建築を求めた。

ウィーン郵便貯金銀行

「アーツ・アンド・クラフツ運動」は、手仕事とデザインを結びつけて生活と芸術を統一することを主な目的とし、ウィリアム・モリスが主導したデザイン運動である。
(関連問題:平成20年1級学科1、No.24)

1.大英帝国時代に収集された展示物を公開する「大英博物館」は、人類の歴史、芸術、文化を専門とする公的機関であり、世界で最初の公立の国立博物館である。中庭の「グレート・コート」はガラス天井を持つ、ヨーロッパ最大の屋根付き広場である。

3.「タッセル邸」は19世紀にヨーロッパ全土に広がった装飾美術「アール・ヌーボー」の初期の代表例として有名。アール・ヌーヴォーとは、19世紀末にヨーロッパで流行した新しい装飾美術の様式であり、この「タッセル邸」も当時の新しい素材である鉄やガラスなどを用い、曲線的で、花や植物などの有機物をモチーフにしている。

4.「シュレーダー邸」は、へリット・リートフェルトによって設計された住宅で、新素材であるガラスとコンクリートを使用し、当時のレンガ造りの建物と比べると異質な存在である。また芸術運動「デ・ステイル」の象徴的建築物であり、建築と芸術の融合作品である。(動画音量注意!)

〔R02 No.04〕高齢者、障害者等に配慮した屋内競技場の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.幅150cmの屋内廊下に面して設けた障害者等が利用する居室の出入り口は、有効幅員を90cmとした。

2.オストメイト用設備を有する便房において、汚物流しの近くに着替え台を設けた。

3.車椅子使用者用の観覧席は、複数の車椅子使用者が利用できる専用スペースとして、異なる場所に分散して2箇所設けた。

4.屋内階段において、高齢者が段差の存在を知覚できるように、踏面と段鼻との輝度比を1.0とした。

解答 4:視覚障害者や視力が低下した高齢者が段差を視認しやすくするため、照度をJIS基準の2倍にし、輝度比を1.5~2.0程度にするのが望ましい。また逆に、同一レベルの床面で異なる色、材質、輝度比の大きい仕上げを行うと、段差があるように誤認し、つまづきやすいので避けた方が良い。
(関連問題:平成23年度1級学科1、No.08)

1.建築物移動等円滑化誘導基準では廊下は180cm以上、出入口は90cm以上必要。なお、建築物移動等円滑化基準では廊下は120cm以上、出入口は80cm以上。

2.オストメイト用設備を有する便房では、ストーマ装具の装着のための衣類の脱着、着替えなどに配慮し、汚物流しの近くに着替え台を設けると利用者に便利である。

3.車椅子使用者用の観覧席は、客席・観覧席総数の0.5~1.0%以上とし、利用者が選択できるように複数用意できることが望ましい。

〔R02 No.05〕建築物の外壁に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.外壁に設置する排気口や給気口の防水が難しいので、ダクトを外壁に向かって下り勾配とし、侵入した雨水を排出できるようにした。

2.カーテンウォール等の外壁について、部材間の接合部から雨水が浸入することを防ぐため、内外の空気圧を等圧にすることにより重力で排水するフィルドジョイントとした。

3.地震時の躯体の層間変位を考慮して、上部又は下部のファスナーをスライドさせて追従させるパネル方式のメタルカーテンウォールを採用した。

4.外装にカーテンウォールを使用するに当たり、シーリング材の耐久年数は、外壁の耐久年数よりも短いことが多いので、雨水が浸入した場合の排水機構を設けた。

解答 2:設問は「オープンジョイント構法」の記述である。「カーテンウォール工事におけるフィルドジョイント構法」は、両側の開口にシーリングを充填し、内側にガスケットを設け、内部に空気を密閉する。ダブルシーリング構法ともいう。
(関連問題:令和元年1級学科1、No.04平成26年1級学科1、No.05)

1.正しい。どうしても外気と接する必要のある給気口などは風雨による水の浸入を考慮しなければならない。そのためには①ダクトの穴を外へ下がり勾配を設けるか、②給気設備を雨水が入らない仕様とする。

3.「メタルカーテンウォール」とは、金属フレームとパネルでつくられたカーテンウォールのこと。設置方法にパネルタイプとマリオンタイプの2種類があり、パネルタイプはフレームにパネルが結合されてある状態ではめ込む方法で、マリオンタイプはたて枠を先に骨組みに取り付けてからパネルやガラスをはめ込む方法。どちらもファスナーを用いて躯体上下(もしくは左右)にパネルを固定する。層間変位に追従できるように四方を固定しない。

4.正しい。一般的なアルミサッシと同様、水抜き孔を設ける。

〔R02 No.06〕建築物の防災計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.災害時に防災拠点となる庁舎において、仮設修復足場としての利用やガラス落下防止等のために、建築物外周にバルコニーを設ける計画とした。

2.浸水深さを5mと想定した沿岸型の災害拠点建築物において、1・2階の外壁の大部分をガラスカーテンウォールとして津波被災時には破壊・脱落させ、4階以上の重要な拠点部分の機能を守る計画とした。

3.高層の集合住宅に設ける備蓄倉庫は、避難階のほかに、100住戸ごとに、かつ、いずれの階からも4層以内の位置に計画した。

4.災害時に避難場所の仮設トイレは、全てマンホールトイレとし、避難者200人当たり1基を目安とする計画とした。

解答 4:「マンホールトイレ」は、災害時の避難場所に設けられる簡易仮設トイレである。マンホール1基あたりの使用想定人数は50~100人を目安とする。(国土交通省ガイドライン「マンホールトイレ整備・運用のためのガイドライン」)
(関連問題:平成30年1級学科1、No.15)

1.仮設修復足場やガラス落下防止等のために建物外周にバルコニーを設ける計画とする計画は有効である。またバルコニーは避難通路としても活用のため、2カ所以上の外部階段を設ける。

3.災害拠点建築物においては4階以上に災害対策本部などを設け、津波発生時に建物への水圧を広い外壁面で受けて建物崩壊を避けるために、低層部外壁をガラスカーテンウォールとして津波被災時に破壊・脱落させる。また柱も丸形にして受ける水圧を低減する。

4.大規模な集合住宅などを対象に、条例で「備蓄倉庫」を義務づける自治体が増えている。居住者が利用しやすい位置に設置し、各住戸階から上下どちらかに2~4層以内の移動で到達できるように計画する。

〔R02 No.07〕30階建ての事務所ビルの計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.基準階の平面計画において、南北面にコアを配置して窓を減らすことで、熱負荷の影響を軽減した。

2.防災計画上の避難経路は、日常動線に配慮し、第1次安全区画である廊下から第2次安全区画である特別避難階段の付室を通じて、特別避難階段に避難できるように計画した。

3.エレベーターの運行方式は、建築物を10層ごとに三つのゾーンに分割して各ゾーンにエレベーター群を割り当てるコンベンショナルゾーニング方式とした。

4.非常用エレベーターは荷物用エレベーターと兼用することとし、その乗降ロビーは、特別避難階段の付室と兼用する計画とした。

解答 1及び4(本問の正答肢は2つある)

1:熱負荷は照明や日射によるものが大きい。「南北面にコアを配置して窓を減らす」ことで、日射による熱負荷の影響は軽減されるが、日中の照明器具による熱負荷や、朝夕の東西面の日射による熱負荷は増大する

4:非常用エレベーターは荷物用エレベーターとすることは構造上問題ない。ただし、荷物用エレベーターは荷扱者または運転者以外の搭乗は禁止されているので、荷物用エレベーターを非常用エレベーターに兼用することはできない。(また設問文後半の、非常用エレベーターの「乗降ロビーは、特別避難階段の付室と兼用する」ことは可能である。)

2.避難経路の廊下は「第一次安全区画」、避難のための階段の前室と特別避難階段の付室などは「第二次安全区画」である。

3.「コンベンショナルゾーニング方式」とは、全体を約10~15階ごとのゾーンに分割し、それぞれ専用のエレベーター群をバンク分けして割り当てる。

〔R02 No.08〕建築物の各部の寸法等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.公共体育館の計画において、成人用バスケットボールコートを二面配置するため、床面の内法寸法を、40m×50mとした。

2.屋内の公式試合用の硬式テニスコートについて、ネット上部の天井高を、13mとした。

3.競技場の観客席の固定座席の計画において、座席の幅(1人分の間口)を45cmとし、前後間隔(椅子の背の間隔)を85cmとした。

4.屋内駐車場の計画において、一方通行の小型自動車の車路のうち、車路に接して駐車料金の徴収施設が設けられている場所で、歩行者の通行の用に供しない部分の幅員を、2.5mとした。

解答 4:屋内駐車場の計画において、一方通行の小型自動車の車路のうち、車路に接して駐車料金の徴収施設が設けられている場所で、歩行者の通行の用に供しない部分の幅員を、2.75m以上とする。(駐車場法施行令第8条第2号イ)(関連問題:平成28年1級学科1、No.07)

1.最もスペースを必要とするバスケットボール2面配置(45m×35m)を計画すれば、ほとんどの競技を行うことができるため、体育館計画の基準となっている。

2.体育館の計画でその高さは、卓球4m以上、武道場4.5m以上、バスケットボール7m以上、テニスコート12m以上、バレーボール12.5m以上。

3.観客席の固定座席は、座席の幅を40~45cm、前後間隔を80cm以上、前後の座席間のあきは35~40cm程度。

〔R02 No.09〕図は、高齢者、障害者等の利用に配慮した階段の計画案の模式図である。「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(国土交通省)」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

1.手すりは、階段の上端で水平に延長する部分Aを30cmとして、踊場にも連続させて設置した。

2.手すりを上下に2本設置するに当たり、下段の手すりの高さBを段鼻から60cmとした。

3.点状ブロックCを、階段手前30cmの位置に敷設した。

4.階段の有効幅員Dは、手すりの幅10cmはないものとみなし、140cmとした。

解答 1:階段手すりは、両側、踊り場に連続して設け、途中で途切れないのが望ましい。また階段の上端では水平に45cm以上延長する(下端では段鼻から45cm以上)。

1.階段の2段手すりは、上端は75~85cm程度、下段は60~65cm程度とする。



3.視覚障害者が段差を認識できるように、段から30cm程度の位置に警告用の点字ブロックを敷設する。



4.主たる階段の有効幅員は、120cm以上とする。また手すりの幅が10cm以内であれば、ないものとして算定する。

〔R02 No.10〕交通手段を考慮した都市計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.セミモールは、都市部や商業地などで歩行者空間を充実させたモールにおいて、一般車両の乗り入れを禁止し、路面電車やバスを通行させるものである。

2.キスアンドライドは、出発地から公共交通機関の乗降所(駅やバス停等)まで家族等が自動車で送迎する交通形態のことである。

3.BRTは、バス専用道路などを活用して高い定時性を確保し、連節車両を用いることや停車時間短縮の工夫を取り入れること等により、高い輸送能力を確保するバス交通システムである。

4.フリンジパーキングは、都市中心部の周辺に駐車場を整備し、そこから公共交通機関等により都市中心部までアクセスするシステムであり、都市中心部への車の流入の抑制等を目的とするものである。

解答 1:「フルモール・セミモール・トランジットモール」などは、「都心地区の商業活動を活性化させることを目的とした歩行者モール」における分類である。このうち「セミモール」は、歩道の幅を広くすることなどにより、歩行者と自動車を共存させる手法である。

長野市中央通りは、セミモールへの整備を行った事例である

(関連問題:平成28年1級学科1、No.11平成24年1級学科1、No.10)

2.家族に最寄駅まで送迎してもらい、そこから公共交通機関に乗り換えて通勤や通学などを行う方法。送迎車用に整備された待機場所を設ける。新大阪駅前の駐車場では20分無料とし、一般駐車場と併用している。

3.BRTとは「Bus Rapid Transit:バス高速輸送システム」の略。連節バスの採用や、走行空間の整備等により、路面電車と比較して遜色のない輸送力と機能を有し、定時性・速達性を確保した、バスをベースとした交通システムを指す。

4.フリンジパーキング(Fringe Parking)とは、路外駐車場を都心部の外周に計画的に配置し、都心部への車の乗り入れを抑制する。パークアンドライドと組み合わせて整備され、公共交通の乗換駅や停留所に併設されることが多い。また、都心部をモール化し歩行者優先空間を整備する際にも用いられ、ドイツのケルン、イギリスのコンベントリーなどで実施されている。

〔R02 No.11〕歴史的資産を活かしたに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.青森県黒石市では、中町の「こみせ」と呼ばれる降雪や日差しを避けて通れるようにした木造の軒下の歩廊が続く町並みを、伝統的建造物群保存地区に指定し、保存に取り組んでいる。

2.静岡県掛川市では、「生涯学習都市宣言」を行い、その一環として官民が協力し、地区計画を定めて掛川城の城下町としての歴史を活かした城下町風を推進している。

3.岡山県倉敷市では、本瓦葺塗屋造りの町家、土蔵造りの蔵、白漆喰になまこ塀が建ち並ぶ倉敷川畔を「美観地区」とし、景観の保存を図っている。

4.鹿児島県南九州市の知覧では、「パタン・ランゲージ」に範をとった規範により、明治時代の大火からの復興によって形成された、蔵造りの歴史的町並み景観の保存が実践されている。

解答 4:埼玉県の「川越一番街」は、「パタン・ランゲージ」に範をとった町づくり規範により、歴史的町並みの景観の保全が実践されている。

現在の蔵造りの多くは、川越大火後に建てられたもので、今も30数棟が残る。大正12年、関東大震災やその後の戦災によって東京の蔵造りが姿を消したこともあり、江戸の景観を受け継ぐ重要な歴史的遺産として、「時の鐘」をはじめとするこの一番街周辺は、平成11年12月1日に伝統的建造物群保存地区に選定された。また埼玉りそな銀行の古い洋館は大正7年に建築されたもの。(写真右下)近年では新しい建築物も、景観を壊さないように工夫され、新しいものと古いものとが調和した街づくりが行われている。当時のたばこ問屋を整備した「蔵造り資料館」では、蔵造りの構造をはじめ、敷地内の各蔵の配置なども見る事が出来る。(小江戸川越観光協会HPより抜粋)

鹿児島県南九州市の「知覧武家屋敷庭園群」は、江戸時代の鹿児島藩が領地内の各地に設けた「ふもと」と呼ばれる家臣の武家集落の典型的な遺例の一つである風致地区。通りに面して石垣とその上の大刈り込みの生垣が続き、自然をよく取り込んでおり、伝統的建造物群保存地区に選定されてる。


(関連問題:平成28年1級学科1、No.10)

1.青森県黒石市の「中町こみせ通り」では、明治以前からの町並みが保存されており、夏は熱い日差しを避け、冬は積もる雪から守るアーケードが特徴的。

2.掛川市は、1979年に全国に先駆けて「生涯学習都市宣言」を行い、「都市づくりは人づくり、人づくりは生涯学習」を方針とし、その展開に向けて、独自の生涯学習が市行政主導のもとで積極的に推進された。

3.岡山県倉敷市は江戸時代後半以降を中心とする、本瓦葺塗屋造りの町屋と土蔵造りの蔵などを中心とした町並みが、現在まで良好に継承されている地域。明治以降、若干の洋風建築が建てられたが、現在では鶴形山の緑や倉敷川畔の柳並木と調和し、優れた歴史的景観を形成している。

〔R02 No.12〕集合住宅・住宅団地の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.同潤会江戸川アパート(東京都、1934年)は、社交室、共同浴場、食堂、洗濯場等の付帯施設を有する集合住宅として計画された。

2.コモンシティ星田A2(大阪府、1992年)は、敷地内の緩斜面を活かした緑道の配置や、塀・門を極力設けない外構計画等により、連続した開放的な外部空間を創り出した戸建ての住宅団地として計画された。

3.幕張ベイタウンパティオス4番街(千葉県、1995年)は、高層板状住棟による高密度な賃貸集合住宅であり、住戸には、仕事場等として使用できる開放的なf-ルーム(ホワイエルーム)が設けられ、中廊下やコモンテラスと連続して計画された。

4.釜石・平田地区仮設住宅団地(岩手県、2011年)は、東日本大震災の復興支援の一環として建設されたコミュニティケア型仮設住宅団地であり、診療所付きのサポートセンターや仮設店舗が計画された。

解答 3:幕張ベイタウンパティオス4番街(千葉県千葉市、1995年)は、壁面線の位置・高さ、壁面率等についての「都市デザインガイドライン」に沿って設計された集合住宅であり、街区型の形式に特徴がある。

幕張ベイタウンパティオス4番街

https://library.ttfuhan.co.jp/mansion/37446.htmlより

設問の「高層板状住棟」「高密度な賃貸集合住宅」「f-ルーム(ホワイエルーム)」「中廊下やコモンテラス」などの特徴から「東雲キャナルコート1・2街区(2002年)」だと判断される。

1.同潤会とは、1923年の関東大震災による住宅難に対処するために設立された公的な住宅供給組織で、鉄筋コンクリート造の都市型アパートなどを10年で140か所を建設した。現在は老朽化のために建て替え、取り壊されているが、代官山アパート跡地に「代官山アドレス(2000年)」、江戸川アパート跡地に「アトラス江戸川アパートメント(2003年)」、青山アパート跡地に「表参道ヒルズ(2006年)」が建設される。

3.コモンシティ星田A2は、坂本一成による計画で、高台の北側斜面に112戸の分譲住宅が細かく群をなしながら散在する。以下のブログが参考になります。『建築と日常』編集者日記

4.釜石・平田地区仮設住宅団地は、高齢者、子育て層など、震災後ケアが必要とされる世帯を中心に、被災者が安心で快適に生活できる物的・医療福祉的・社会的環境の形成をはかるコミュニティケア型仮設住宅団地である。

〔R02 No.13〕集合住宅・住宅団地の改修の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.北側に階段室をもつ階段室型の5階建て集合住宅において、バリアフリー改修のため、北側に廊下棟を増築し、ここに着床するエレベーターを設置するとともに増築した廊下に面して各住戸の新しい玄関を設置した。

2.既存の集合住宅をサービス付き高齢者向け住宅とするため、バリアフリー改修を施し、各住戸専用部分の床面積が25m2以上となるようにした。

3.分譲集合住宅の共用部分において、形状の著しい変更を伴わない大規模修繕工事について、区分所有者数及び議決権の各過半数の決議を経て行うこととした。

4.住宅団地内の道路の改修において、歩車共存を目的として、車の通行部分を蛇行させスピードを落とさせるラドバーン方式を採用した。

解答 4:「ラドバーン方式」とは、住宅地において、人と車を平面的に分離する方式(歩車分離)である。自動車は街区を囲む幹線道路からクルドサックによってアクセスし、通過交通を防ぐ。設問は「ボンエルフ」におけるシケインに関する記述。
(関連問題:令和元年1級学科1、No.05平成24年1級学科1、No.09平成23年1級学科1、No.05、平成16年1級学科1、平成12年1級学科1、平成29年2級学科1、No.18平成23年2級学科1、No.18平成22年2級学科1、No.18)

1.中高層の集合住宅にはエレベーターがないものが多くみられる。これにエレベーターを新設する改修工事のケースがよくみられる。

3.サービス付き高齢者向け住宅の各居住部分は床面積25m2(居間、食堂、台所その他の居住の用に供する部分が高齢者が共同して利用するため十分な面積を有する場合にあっては、18m2)とする。 原則として、各居住部分が台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えたものであることとする。ただし、共用部分に共同して利用するため適切な台所、収納設備又は浴室を備えることにより、各居住部分に備える場合と同等以上の居住環境が確保される場合にあっては、各居住部分が台所、収納設備又は浴室を備えたものであることを要しない。

3.区分所有法では、「集会での議案の議決は、原則として区分所有者数の過半数および議決権の過半数の賛成で可決する(普通決議)」と定めている。対して、「特別決議」は4分の3以上の賛成が必要である。
1.管理規約の設定・変更・廃止:「区分所有者数の3/4以上」かつ「議決権の3/4以上」
2.管理組合法人の成立:「区分所有者数の3/4以上」かつ「議決権の3/4以上」
3.共用部分等の変更:「区分所有者数の3/4以上」かつ「議決権の3/4以上」
4.大規模滅失における建物の復旧:「区分所有者数の3/4以上」かつ「議決権の3/4以上」
5.建物の建替え:「区分所有者数の4/5以上」かつ「議決権の4/5以上」
6.専有部分の使用禁止の請求:「区分所有者数の3/4以上」かつ「議決権の3/4以上」
7.区分所有権の競売の請求:「区分所有者数の3/4以上」かつ「議決権の3/4以上」
8.占有者に対する引渡し請求:「区分所有者数の3/4以上」かつ「議決権の3/4以上」

〔R02 No.14〕事務所ビルに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ジョンソン・ワックス・ビル(アメリカ、1936年)の2層吹抜けの執務スペースでは、天井付近が広がった樹木状の柱や柱頭まわりの天窓、ハイサイドライトによって、内部に自然を再現している。

2.フォード財団本部ビル(アメリカ、1967年)は、ビル内部に豊かな植栽が施されたアトリウムをもち、各フロアの執務スペースはアトリウムをL字型に囲むように配置されている。

3.丸の内ビルディング(東京都、2002年)の高層階のオフィスゾーンは、中央にアトリウムを設け、事務室沿いの廊下をアトリウムに面して配置しており、その廊下から建築物のどこの位置に自分がいるのかを把握することができる。

4.ROKI Global Innovation Center(静岡県、2013年)は、執務スペースが階段状に積層する立体的なワンルーム空間に、ガラスをはめ込んだ木と鉄のハイブリッドトラスの屋根をかけ、自然光を通すフィルターを使用した天幕を設けている。

解答 3:「丸の内ビルディング(2002年)」は東京都千代田区にある超高層複合事務所ビル。低層部は「旧丸ビル」の3層構造高さ31mファサード十字アーケードなどを受け継いでいる。設問のように高層階のオフィスゾーンにアトリウムはない。

丸の内ビルディング

旧丸ビル

1.「ジョンソン・ワックス・ビル」はフランク・ロイド・ライトによる事務所建築。事務所内約2700m2の大空間に林立する「きのこ柱」が特徴的であり、まるでハスの池の水の中から見上げる雰囲気である。

設問の二層吹き抜けではその特徴がよく表れており、レンガ壁とクリーム色の柱との相性がよく、ガラスチューブのトップライトでの光の取り込みなど、面白い意匠設計である。

2.「フォード財団本部ビル」の特徴は、建物内のアトリウムである。「アトリウム(atrium)」とは、ガラスやアクリルパネルなど光を通す材質の屋根で覆われた大規模な空間のこと。このアトリウム内に緑豊かな植栽や池を設け、一般公開している。

4.「ROKI Global Innovation Center」は、株式会社ROKIのオフィスビル。鉄骨トラスと木を組み合わせた軽やかで大きな格子状のダブルスキン屋根は、株式会社ROKIの自社製品である「ROKIフィルター」というオートモービルに使用するフィルター素材で仕上げられている。

〔R02 No.15〕図書館等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.金沢市立玉川図書館(石川県、1979年)は、東側の開架部門と、中庭を挟んで西側にある学習・管理部門を分けることによって、開架部門を気軽に立ち寄り利用できる空間とした図書館である。

2.朝霞市立図書館本館(埼玉県、1987年)は、成人開架と児童開架をL字型平面に振り分け、自習室を設けず、閲覧室を少数にするなど、貸出を重視した図書館である。

3.苅田町立図書館本館(福岡県、1990年)は、多様な閲覧席と豊富な資料を備え、開架書架群に沿ってベンチ、和室、屋外読書スペースなどを設けることで、来館者が長い時間を過ごせるように計画した図書館である。

4.ぎふメディアコスモス(岐阜県、2015年)は、木造格子屋根をもつ市立中央図書館や、市民活動交流センター、多文化交流プラザ及び展示ギャラリー等からなる複合施設である。

解答 2:設問の「成人開架と児童開架とのL字型平面振分け」「貸出を重視した図書館」の特徴は「日野市立中央図書館(1973年)」が該当する。移動図書館のサービスからスタートした図書館ある。

「朝霞市立図書館本館(1987年)」は、開架閲覧室の天井を全面ルーバーの光天井として均質な光環境をつくり、中央部分のトップライトのある八角形の吹き抜け空間によって変化をもたらしている。成人、青少年、児童のコーナーなどの様々なコーナーを家具などで仕切られている。(関連問題:平成14年1級学科1)

1.「金沢市立玉川図書館」は、隣接する既存建築物の古文書館との一体的な利用計画による複合建築物である。図書館は中庭を挟んで開架部門と学習・管理部門がある。メインの入り口は開架部門からとし、学習・管理部門は古文書館との共用として一体感を表している。

3.「苅田町立図書館本館」は、開架書架群に沿ってベンチ、和室、大きな閲覧机、スツール、屋外読書スペースなどがあり、利用者は自分の好みと目的に合わせた使い勝手を選択できる。

4.「ぎふメディアコスモス」は、図書館を中心とした複合施設であり、「グローブ」と呼ばれる傘のような天井が特徴的。設計は「せんだいメディアテーク」や「多摩美術大学図書館」を代表作とする伊東豊雄によるもの。

〔R02 No.16〕医療施設等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.病棟の患者用トイレの計画においては、トイレを分散して配置するなど、病室とトイレの距離を短くする工夫が必要である。

2.LDRとは、陣痛・分娩・回復と出産の過程に応じてそれぞれに必要な設備が整った専用の部屋を設ける方式である。

3.4床病室の計画において、隣り合うベッドとベッドとの間に幅1m以上のスペースを確保するためには、病室面積は32m2以上が目安となる。

4.回復期リハビリテーションは、疾患に応じ90日から180日をかけて体の機能や日常生活動作(ADL)の改善を図ることを目的としている。

解答 2:「LDR(Labor Delivery Recovery)方式」は陣痛・分娩・回復を一室で行う方式である。設問の「過程に応じてそれぞれに必要な設備が整った専用の部屋を設ける方式」は誤った説明。

1.商業施設のトイレの計画では収益重視として集中型にすることが多いが、病棟の患者用トイレの計画においては、分散して配置する。

3.病室の広さは医療法施工規則により規定されている。1人あたり6.4㎡以上必要なので、6.4m2×4人=25.6m2以上必要とされる。ただし、ベット間の間隔を1m以上開ける場合は1人あたり8.0㎡以上必要なので、8.0m2×4人=32.0m2以上必要とされる。

4.リハビリテーションは4つの段階に分類される。
・急性期リハビリテーション:急な病気やケガの治療直後から数日後~1か月(廃用症候群の防止・軽減を第一の目標とする)
・回復期リハビリテーション:急性リハビリテーション終了から2週間程度(社会や家庭へ問題なく復帰すること、寝たきり防止など退院後の日常生活を見据えた訓練)
・維持期(生活期)リハビリテーション:生活の中心を自宅にしたリハビリテーションで、急性期、回復期で得たリハビリの成果を「維持」することを目標とする。
・終末期リハビリテーション:疾病やケガ、高齢が原因で、自立した生活を営むことができず、症状が進行して改善も困難な状況の患者に対し、最期までその人らしい人生を全うすることを目的としたリハビリテーション

〔R02 No.17〕子供に関わる施設に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.幼稚園と保育所の施設を共用化した認定こども園において、遊戯室、調理室、管理諸室、屋外環境等は幼稚園と保育所の共用の空間として計画した。

2.総合病院における小児患者のための病床は、疾病ごとの特徴に対し的確に対応できるように、診療科ごとにそれぞれ設けた。

3.放課後等デイサービス事業所において、屋外遊びを豊かにするために、学校と連携した校庭等を有効に活用した。

4.義務教育学校(小中一貫校)の特別支援学級関係室においては、9年間の系統性・連続性のある教育活動や一貫した支援を効果的に行えるように、小学校と中学校の配置や室構成を計画した。

解答 2:小児科は、可能な限り他科と分離し、独立して計画することが望ましい。また外来や救急も他科とは分離するのが望ましい。

1.「認定こども園」とは、教育・保育を一体的に行う施設で、幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設のこと。両方の機能を併せ持つことから、遊戯室、調理室、管理諸室、屋外環境等は幼稚園と保育所の共用の空間として計画する。

3.「放課後等デイサービス事業所」とは、放課後や夏休みなどの長期休暇中に通う施設のこと。そのため、利用していない学校の施設を有効活用するケースが多くみられる。

4.「特別支援学級」に通う生徒は環境の変化に精神状態が大きく影響されてしまう可能性がある。このためなるべく長期的、一体的な教育場所の提供を行うことが望ましい。一方、長期の義務教育修了後の社会進出への準備として課外活動や社会科見学などの訓練が必要である。

〔R02 No.18〕建築関係の資格者に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.二級建築士事務所を管理する二級建築士が、一級建築士事務所の管理建築士となるには、一級建築士の免許を取得後、3年以上の建築物の設計、工事監理等に関する業務に従事する必要がある。

2.一級建築士事務所において、建築士法で定める重要事項の説明については、管理建築士のほか当該一級建築士事務所に属する一級建築士も行うことができる。

3.監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理等を行うとともに、当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行う必要がある。

4.施工管理技士は、施工技術の向上を図るため、建設業者の施工する建設工事に従事し又はしようとする者を対象として行う技術検定に合格した者である。

解答 1:管理建築士は、その建築士事務所の業務に係る技術的事項を総括する者である。その要件は、「建築士として3年以上の設計等の業務経験」および「管理建築士講習の修了」である。よって、2級建築士であっても、1級建築士事務所の管理建築士となることができる。(士法24条1項、2項)。ただし、業務経験および講習の受講は、各種の建築士の種別ごとに求められているものではない。
(関連問題:令和元年1級学科3、No.23平成30年1級学科3、No.22平成27年1級学科3、No.23平成25年1級学科3、No.23平成24年1級学科3、No.23平成21年1級学科3、No.23平成28年2級学科2、No.22平成24年2級学科2、No.22平成23年2級学科2、No.24平成21年2級学科2、No.25)

2.建築士法で定める「重要事項の説明」は、管理建築士のほか、当該建築士事務所に属する一級建築士も行うことができる。 (建築士法24条の7第1項)

3.主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。(建設業法第26条の3)

4.「国土交通大臣は、施工技術の向上を図るため、建設業者の施工する建設工事に従事し又はしようとする者について、政令の定めるところにより、技術検定を行うことができる。(建設業法27条)」と定められており、その検定が「施工管理技術検定」であり、その合格者が「施工管理技士」と呼ばれる。

〔R02 No.19〕建築積算に関する次の記述のうち、建築工事建築数量積算研究会「建築数量積算基準」に照らして、最も不適当なものはどれか。

1.屋外施設において、芝類の数量は種類及び工法ごとに面積を計測・計算するが、芝類の範囲にある排水桝等の面積が1箇所当たり0.5m2以下のときは、その欠如は、原則としてないものとする。

2.窓、出入口等の開口部による型枠の欠除は、原則として建具類等の開口部の内法寸法で計算するが、開口部の内法の見付面積が1箇所当たり0.5m2以下の場合は、原則として型枠の欠除はないものとする。

3.鉄筋の所要数量は、その設計数量の5%割増しを標準とする。

4.耐火被覆は、耐火被覆材の材種、材質、形状、寸法、工法、耐火時間及び部位(柱、梁)ごとに区分して計測・計算する。

解答 3:鉄筋の所要数量は、その設計数量の4%割増を標準として算出する。(建築数量積算基準)
形鋼、鋼管及び平鋼ー5%
広幅平鋼及び鋼板(切板)ー3%
ボルト類ー4%
アンカーボルト類ー0%
デッキプレートー5%
(関連問題:平成22年1級学科1、No.19平成27年2級学科4、No.24)

1.「芝類の数量は、種類及び工法ごとに、面積を計測・計算する。なお、排水桝等の面積が1か所当たり0.5m2以下のときは、その欠除は原則としてないものとする。」(公共建築数量積算基準)

2.「窓、出入口等の開口部による型枠の欠除は、原則として建具類等の内法寸法とする。なお,開口部の内法の見付面積が1か所当たり0.5m2以下の場合は、原則として型枠の欠除はしない。」(公共建築数量積算基準)

4.「耐火被覆は、耐火被覆材の材種、材質、形状、寸法、工法、耐火時間及び部位(柱、梁)ごとに区分して計測・計算する。(略)耐火被覆材の各部分の取合いによる欠除、器具類による欠除及びこれらに類する部分の欠除が1か所当たり0.5m2以下の場合は、原則として欠除がないものとする。」(公共建築数量積算基準)

〔R02 No.20〕建築プロジェクトのマネジメント等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建設工事において、コンカレントエンジニアリングとは、設計から施工までの工程にかかわる全ての部門の人材が集まり、工程をオーバーラップさせて諸問題を討議しながら作業を進めていく方式である。

2.PFI事業において、VFMとは、重要な概念の一つで、支払いに対して最も価値の高いサービスを供給するという考え方のことである。

3.公共事業において、BTO方式とは、民間事業者が資金調達を行って施設を建設し、完成直後に公共に所有権を移転し、当該民間事業者に一定期間、維持管理及び運営を委ねる方式である。

4.国土交通省が示す設計者選定方式において、プロポーザル方式とは、提出された具体的な設計案を審査し、最も優れた設計案を選ぶ方式である。

解答 4:「提出された具体的な設計案を審査し、最も優れた設計案を選ぶ方式」は、「設計競技方式(コンペティション)」である。プロポーザル方式は、業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、複数の者に目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を行った設計者を選定すること。コンペ方式が「設計書」を選定するのに対し、プロポーザル方式は「設計者」を選定する。
 (関連問題:平成20年1級学科1、No.25)

1.コンカレントエンジニアリングとは、製品生産ラインにおける用語だが、建築業界にも浸透している。設計技術者から製造技術者まですべての部門の人材が集まり、諸問題を討議しながら協調して同時に作業にあたる生産方式。開発のある段階が終わってから次の段階に移るのではなく、開発段階の最後のほうですでに次の段階をオーバーラップしながら開始していく。

2.VFM(Value for Money)とは、支払い(Money)に対して最も価値の高いサービス(Value)を供給するという考え方。従来の入札方式と比べてPFIの方が総事業費をどれだけ削減できるかを示す割合で、例えばある事業の入札方法ではVFMは1.3%とPFIの効果が少なかったので、多くの事業者の入札を求め、VFM10%を超えることができ、より総事業費を削減する計画へと改善できたことを示す。

3.BTO方式:Build Transfer Operate、民間事業者が自ら施設を建設し(Built)、完成後に公共に所有権を移転するが(Transfer)、引き続き維持管理及び運営する(Operate)。
よく比較されるのが、DBO方式:Design-Build-Operate:資金調達は公共が行うが、民間事業者が設計(Design)、建設(Build)、運営(Operate)を委ねる民間委託方式。施設の所有権は公共が保有するが、事業主体は民間事業者となる。

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投稿日:2020年7月13日 更新日:

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