令和元年度1級建築士-学科Ⅲ法規

建築士過去問解説

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

*閲覧にあたって:出題当時の試験の問題を掲載しておりますので、特に法令改正や技術革新などによる設問や解答の不適合がある場合も、閲覧者ご自身でご確認の上でご利用願いします。必ずしも正確性を保証するものではありません。→当サイトの免責事項

〔R01 No.01〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能を、「準防火性能」という。
2.天井面から50cm下方に突出した垂れ壁で、不燃材料で覆われたものは、「防煙壁」に該当する。
3.電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものを、「プログラム」という。
4.木造、地上2階建ての建築物において、土台の過半について行う修繕は、「大規模の修繕」に該当する。

解答 4:

1.法23条かっこ書き。とは「建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能をいう。」

2.令126条の2。「防煙壁」とは、「間仕切壁、天井面から50cm以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので不燃材料で造り、又は覆われたもの」と定義される。

3.法2条34号。「プログラム」とは、電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。

4.「大規模の修繕」および「大規模の模様替」とは、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕・模様替のことをいう(法2条1項十四号)。「土台」は主要構造部ではないので、土台の過半について行う修繕は、「大規模の修繕」に該当しない。

〔R01 No.02〕面積、高さ又は階数に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.前面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合において、特定行政庁の許可を受けて建築物の容積率の算定に当たり当該前面道路の境界線が当該壁面線にあるものとみなす建築物については、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しない。
2.前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限に係る建築物の後退距離の算定の特例の適用を受ける場合、ポーチの高さの算定については、前面道路と敷地との高低差にかかわらず、地盤面からの高さによる。
3.北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が高度地区に関する都市計画において定められている場合の高さの算定に当たっては、建築物の屋上部分にある階段室で、その水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の1/8であるものについては、その部分の高さは、当該建築物の高さに算入する。
4.建築物の地下1階(機械室、倉庫及び防災センター(中央管理室)の用途に供する。)で、水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の1/8であるものについては、当該建築物の階数に算入する。

解答 2:

1.令52条11項。前面道路の境界線又はその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合において、特定行政庁が許可した建築物については、当該前面道路の境界線又はその反対側の境界線は、それぞれ当該壁面線にあるものとみなして、容積率の算定を行う。この場合においては、当該建築物の敷地のうち前面道路と壁面線との間の部分の面積は、敷地面積又は敷地の部分の面積に算入しないものとする。

2.「建築物の高さ」は、令2条2項六号において「地盤面からの高さによる」と規定している。ただし同号イにおいて、「法第56条第1項第一号の規定並びに第130条の12及び第135条の19の規定による高さの算定については、前面道路の路面の中心からの高さによる。」として除外規定が設けられている。「ポーチの高さ」は、道路斜線制限の「建築物の後退距離の算定」の特例を受ける場合、令130条の12に規定される。このため、「ポーチの高さ」の算定については、「前面道路の路面の中心」からの高さによる。(法56条2項令2条1項六号イ)

3.階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは、12mまで(日影制限等は5ⅿ)は、当該建築物の高さに算入しない。ただし、避雷設備、北側斜線、特例容積率適用地区内・高度地区内・居住環境向上用途誘導地区・特定用途誘導地区の高さの限度は除外されている。

4.昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の8分の1以下のものは、当該建築物の階数に算入しない(令2条1項8号)。設問の「防災センター」は、階数に参入する。

〔R01 No.03〕都市計画区域内における次の行為のうち、建築基準法上、確認済証の交付を受ける必要がないものはどれか。ただし、建築等に関する確認済証の交付を受ける必要がない区域の指定はないものとする。

1.鉄骨造、延べ面積300m2、平家建ての倉庫の屋根の過半の修繕
2.共同住宅の新築工事を施工するために設ける鉄骨造、延べ面積200m2、地上2階建ての仮設の工事管理事務所であって、現場以外の場所に設けるものの新築
3.鉄骨造、延べ面積100m2、高さ5m、平家建ての一戸建ての住宅における、鉄骨造、床面積15m2、平家建ての附属自動車車庫の増築
4.第一種住居地域内において、鉄筋コンクリート造、延べ面積500m2、地上2階建ての診療所(患者の収容施設があるもの)の、有料老人ホームへの用途変更(大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないもの)

解答 4:

1.法6条1項1号から3号いずれかに該当する建築物が建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替を行う場合は確認済証の交付が必要とされる。「鉄骨造、延べ面積300m2、平家建ての倉庫」は法6条1項3号に該当するので、確認済証の交付を要する。

建築基準法第6条1項

一号 特殊建築物 床面積200m2を超えるもの
二号 木造 ・3階以上
延べ面積500m2を超える
高さ13mを超える
軒の高さ9mを超える
上のいずれかに当てはまるもの
三号 木造以外 ・2階以上
床面積が200m2を超える
上のいずれかに当てはまるもの


2.法85条2項より「工事を施工するために現場に設ける事務所」は、法6条が適用されない。ただし、設問では「現場以外の場所に設ける」ものとあるので、法85条の除外規定がなされない。鉄骨造、延べ面積200m2、地上2階建ての仮設の工事管理事務所は法6条3号に該当するので、確認済証の交付を要する。
建築基準法第6条1項
一号 特殊建築物 床面積200m2を超えるもの
二号 木造 ・3階以上
延べ面積500m2を超える
高さ13mを超える
軒の高さ9mを超える
上のいずれかに当てはまるもの
三号 木造以外 2階以上
床面積が200m2を超える
上のいずれかに当てはまるもの

3.増築後の建築物が1号から3号のいずれにも該当しないので、確認を要しない。ただし、行為場所が都市計画区域内にあるため、6条1項4号の「都市計画区域、準都市計画区域、景観法、準景観地区内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物」に該当し、建築はすべて確認済証の交付が必要となる。建築とは、法2条13条において「建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転すること」と定義される。「増築」は、建築となり、規模・用途にかかわらず確認済証の交付を受ける必要がある。

4.法87条の準用規定により、建築物の用途を変更して第6条第1項第1号の特殊建築物とする場合、法6条1項の確認済証の交付を受ける必要がある。ただし法87条のカッコ書きによって、類似の用途相互間の用途変更は除外されている。令137条の18第3号に「診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、児童福祉施設等」は類似の用途とし、有料老人ホームは児童福祉施設等(令19条1項)にあたるため、確認済証の交付を受ける必要はないと判断する。なお、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域若しくは工業専用地域内にある場合は類似用途の除外がなされないが、「第一種住居地域内」は該当しない。また、設問文に「大規模の修繕又は大規模の模様替を伴わないもの」とあるので、法6条1項に該当しない。

〔R01 No.04〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.鉄骨造、延べ面積1,000m2、地上3階建ての共同住宅を新築する場合においては、当該建築物の建築主は、検査済証の交付を受ける前においても、指定確認検査機関が安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたときは、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。
2.延べ面積3,000m2、地上5階建ての事務所の用途に供する建築物(国等の建築物を除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者等は、当該建築物の敷地、構造及び建築設備について、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣から所定の資格者証の交付を受けた者にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
3.延べ面積800m2、地上5階建ての事務所について、ホテルの用途に供する部分の床面積の合計が500m2となる用途の変更に係る確認済証の交付を指定確認検査機関から受けた場合において、建築主は、当該工事が完了したときは、当該指定確認検査機関の検査を申請しなければならない。
4.延べ面積5,000m2、地上5階建ての百貨店(3階以上の階における百貨店の用途に供する部分の床面積の合計が3,000m2のもの)の大規模の修繕の工事で、避難施設等に関する工事の施工中において、当該建築物を使用する場合においては、当該建築主は、仮使用の認定を受けるとともに、あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して特定行政庁に届け出なければならない。

解答 3:

1.法7条の6第1項により、法6条1項一号から三号に該当する場合、当該建築物の建築主は、検査済証の交付を受けた後でなければ、原則として、当該建築物を使用し、又は使用させてはならない。「鉄骨造、延べ面積1,000m2、地上3階建ての共同住宅」は法6条1項1号に該当するので、原則として、当該建築物を使用し、又は使用させてはならない。ただし、法7条の6第1項2号において「建築主事又は第七条の二第一項の規定による指定を受けた者が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき」には、仮使用することができる。

2.法12条1項の定期報告。第6条第1項第1号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(令16条1項)及び特定建築物で特定行政庁が指定するものの所有者は、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。延べ面積3,000m2、地上5階建ての事務所は令14条の2に該当し、定期報告の対象である。

3.建築主は、第6条1項の規定による工事を完了したときは、工事を完了した日から4日以内に到達できるように建築主事に検査の申請をしなければならない。法6条1項への用途変更の準用は法87条1項に規定されており、「第7条第1項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。」とあるので、完了検査は必要なく、工事完了届を建築主事に届け出る。この準用規定には法7条の2は規定されていないので、指定確認検査機関ではなく、建築主事に届け出る。

4.法90条の3に「工事中における安全上の措置等に関する計画の届出」の規定があり、その対象建築物は令147条の2に指定されている。同条2号に「百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場の用途に供する建築物で3階以上の階又は地階におけるその用途に供する部分の床面積の合計が1,500m2を超えるもの」とあり、設問は地上5階建ての百貨店(3階以上の階における百貨店の用途に供する部分の床面積の合計が3,000m2のもの)なので、計画書の届出が必要である。なお、特殊建築物で200m2以上なので法6条1項1号に該当し、避難施設等に関する工事なので、法7条の6の仮使用の認定も必要となる。

〔R01 No.05〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.劇場における昇降機機械室用階段の蹴上げの寸法は、23cmとすることができる。
2.集会場における客用の階段及びその踊場に、高さ85cmの手すりが設けられた場合における階段及びその踊場の幅は、手すりの幅が10cmを限度として、ないものとみなして算定する。
3.石綿が添加された建築材料が使用されていることにより建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けている倉庫について、基準時における延べ面積が1,200m2のものを増築して延べ面積1,500m2とする場合、増築に係る部分以外の部分においては、石綿が添加された建築材料を被覆すること等の措置が必要となる。
4.近隣商業地域内の住宅(縁側を有しないもの)の開口部である天窓の採光補正係数は、開口部が道に面しない場合であって、水平距離が4m以上であり、かつ、採光関係比率に10を乗じた数値から1.0を減じて得た算定値が1.0未満となる場合においては、1.0とする。

解答 4:

1.昇降機機械室用階段、物見塔用階段その他特殊の用途に専用する階段には、第23条から第25条までの規定は、適用しない。令129条の9第5号より、機械室に通ずる階段のけあげ及び踏面は、それぞれ、23cm以下及び15cm以上とし、かつ、当該階段の両側に側壁又はこれに代わるものがない場合においては、手すりを設けること。

2.階段及びその踊場に「手すり」及び「階段の昇降を安全に行うための設備でその高さが50cm以下のもの」が設けられた場合における階段及びその踊場の幅は、手すり等の幅が10cmを限度として、ないものとみなして算定する(令23条3項) 。

3.法第28条の2において、建築物には石綿を使用してはならないとしているが、法第86条の7第1項において石綿を添加した建築物に対する制限を緩和している。令第137条の4の3では「増築又は改築に係る部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の2分の1を超えないこと」と規制しているため、設問文「基準時における延べ面積が1,200m2」より1,800m2まで増築可能となるため適合している。しかし同項三号から、
・増築部分に、石綿を使用しない
・増築部分以外に、石綿飛散防止の被膜
の条件がある。

4.居室における採光に有効な部分の面積は、開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じた面積を合計して算定する(令20条1項)。近隣商業地域内の住宅は令20条2項三号に該当する。「開口部が道に面」せず、「水平距離が4m以上」、採光関係比率に10を乗じた数値から1.0を減じて得た「算定値が1.0未満」なので、採光補正係数は、1.0に3.0をさらに乗じる(天窓;2項かっこ書き)。よって、1.0 × 3.0 = 3.0となる。

〔R01 No.06〕防火区画に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、自動式のスプリンクラー設備等は設けられていないものとする。

1.地上15階建ての事務所の15階部分で、当該階の床面積の合計が300m2のものは、原則として、床面積の合計100m2以内ごとに防火区画しなければならない。
2.1階を自動車車庫(当該用途に供する部分の床面積の合計が130m2)とし、2階及び3階を事務所とする地上3階建ての建築物においては、当該自動車車庫部分と事務所部分とを防火区画しなければならない。
3.避難階が地上1階であり、地上3階に居室を有する事務所の用途に供する建築物で、主要構造部準耐火構造としたものにおいては、原則として、地上2階から地上3階に通ずる吹抜きとなっている部分とその他の部分とを防火区画しなければならない。
4.防火区画に用いる防火シャッター等の特定防火設備は、常時閉鎖若しくは作動をした状態にあるか、又は随時閉鎖若しくは作動をできるものでなければならない。

解答 2:

1.

2.令112条17項より、建築物の一部が法27条の特殊建築物に該当する場合は、特殊建築物の部分とその他の部分とを異種用途区画しなければならない。「自動車車庫」は特殊建築物に該当するが、2階以下で150m2未満なので、法27条の特殊建築物には該当しない。よって防火区画の必要はない。

3.

4.

〔R01 No.07〕主要構造部耐火構造とした耐火建築物に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。ただし、自動式のスプリンクラー設備等は設けられていないものとし、居室については、内装の「制限を受ける窓その他の開口部を有しない居室」には該当しないものとする。

1.物品販売業を営む店舗の用途に供する建築物の用途を変更し、新たに火を使用する調理室を設けた飲食店とする場合に、その調理室の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、準不燃材料とした。
2.延べ面積200m2、地上3階建ての一戸建ての住宅において、1階に設ける火を使用する調理室の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、不燃材料準不燃材料及び難燃材料以外の材料とした。
3.延べ面積10,000m2、高さ60m、地上15階建ての事務所において、非常用エレベーターの乗降ロビーの天井及び壁の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料で造った。
4.地階に設ける集会場の客席及びこれから地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを、準不燃材料とした。

解答 3:

1.

2.

3.非常用エレベーターの乗降ロビーの内装は、その仕上げを「不燃材料」でし、かつ、その下地を「不燃材料」で造らなければならない。よって、設問の「仕上げを準不燃材料でし、かつ、その下地を準不燃材料」とするのは誤り。(令129条の13の3第3項五号)

4.

〔R01 No.08〕避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、いずれの建築物も各階を当該用途に供するものとし、避難階は地上1階とする。

1.主要構造部耐火構造とした地上3階建て、延べ面積3,000m2の飲食店(主たる用途に供する居室及びこれから地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料としたもの)の避難階においては、階段から屋外への出口の一に至る歩行距離は、40mとすることができる。
2.地上5階建ての物品販売業を営む店舗(各階の床面積700m2)の避難階においては、屋外への出口の幅の合計を4mとすることができる。
3.主要構造部耐火構造とした地上5階建ての共同住宅で、各階の居室床面積の合計が180m2であるものは、避難階以外の階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなくてもよい。
4.地上5階建ての共同住宅において、2階以上の階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

解答 2:

1.

2.令121条1項二号より、床面積1,500m2を超える「物品販売業を営む店舗」の避難階に設ける出口の幅の合計は、床面積が最大の階における床面積100m2につき60cmの割合で計算した数値以上でなければならない。各階の床面積が700m2で、5階建てなので、この規定に該当する。床面積700m2なので、60cm/100m2 × 700m2 = 420cm以上としなければならない。(令125条3項)

3.

4.令126条1項。屋上広場又は2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。また、令117条により、第5章第2節(令117条から令126条まで)は「法別表第1(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物」、「階数が3以上である建築物」、「116条第1項第1号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階」又は「延べ面積が1,000m2をこえる建築物」に限り適用され、「地上5階建ての共同住宅」はこれに該当する。よって令126条1項の規定が適用される。

〔R01 No.09〕防火・避難に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築物の外部の仕上げに用いる準不燃材料は、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後10分間、燃焼せず、防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであって、避難上有害な煙又はガスを発生しないものでなければならない。
2.主要構造部耐火構造とした延べ面積5,000m2、地上8階建ての共同住宅の敷地内には、屋外に設ける避難階段から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m以上の通路を設けなければならない。
3.延べ面積3,000m2、地上5階建てのホテルの客室において、100m2以内ごとに耐火構造とした床、壁及び所定の防火設備で区画されている場合には、排煙設備を設けなくてもよい。
4.防火地域内における建築物の屋上に設ける高さ2mの看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又はおおわなければならない。

解答 1:

1.「不燃材料」は、以下の3つの条件を満たすものである。
①燃焼しないものであること。
②防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
③避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。
ただし、建築物の外部の仕上げに用いるものは、①と②のみである。(令108条の2かっこ書き)

2.

3.

4.

〔R01 No.10〕建築設備等に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。

1.建築物に設けるエレベーターに、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かご及び昇降路の全ての出入口の戸が閉じる前にが昇降した場合に自動的にを制止する装置を設けた。
2.管の外径が所定の数値以上である給水管、配電管その他の管が、準耐火構造の防火区画を貫通する際に、これらの管の当該貫通する部分及び貫通する部分からそれぞれ両側に1m以内の距離にある部分を不燃材料で造った。
3.排煙設備を設置しなければならない居室に設ける排煙設備の排煙口に、手動開放装置及び煙感知器と連動する自動開放装置を設けた。
4.建築物に設けるエスカレーターで、踏段面の水平投影面積が9m2であるものの踏段の積載荷重を、18kNとした。

解答 4:

1.

2.

3.

4.エスカレーターの踏段の積載荷重は、踏段の水平投影面積の面積に2,600(N/m2)を乗じた数値以上とする。よって、設問は9m2なので9m2×2,600N/m2=23.4kN以上とする。

〔R01 No.11〕建築物の構造計算に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.保有水平耐力計算において、高さ20mの鉄骨造の建築物の屋外に面する帳壁については、構造計算によって風圧に対して構造耐力上安全であることを確かめなくてもよい。
2.許容応力度等計算において、地震力を計算する場合、学校のバルコニーの床の積載荷重については、1,300 N/m2床面積を乗じて計算することができる。
3.許容応力度等計算において、地下部分に作用する地震力の計算に際して、地震時における建築物の振動の性状を適切に評価して計算することができる場合には、当該計算によることができる。
4.エキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法のみで接している「高さが31mを超える建築物の部分」と「高さが10m以下の建築物の部分」については、それぞれの建築物の部分で必要とされる構造計算の方法を用いることができる。

解答 1:

1.令82条の4「・・・屋外に面する帳壁については、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて風圧に対して構造耐力上安全であることを確かめなければならない。」と規定されている。よって、「屋外に面する帳壁」について、令82条令82条の2令82条の3による構造計算を行い、構造耐力上安全であることを確かめなくてはならない。

2.

3.

4.

〔R01 No.12〕保有水平耐力計算によって安全性が確かめられた建築物に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、高さが4m又は延べ面積が30m2を超える建築物とする。

1.鉄筋コンクリート造の建築物に使用するコンクリートの四週圧縮強度は、1mm2につき12N(軽量骨材を使用する場合においては、9N)以上でなければならない。
2.鉄筋コンクリート造の建築物の構造耐力上主要な部分である柱の主筋は、帯筋と緊結しなければならない。
3.鉄骨造の建築物の構造耐力上主要な部分の材料は、炭素鋼若しくはステンレス鋼又は鋳鉄としなければならない。
4.鉄骨造の建築物において、高力ボルト、ボルト又はリベットの相互間の中心距離は、その径の2.5倍以上としなければならない。

解答 2:保有水平耐力計算によって安全性が確かめられた建築物は令36条2項1号によって構造方法に適用除外規定が設けられている。この設問は除外規定としてみなされるかが問われている。なお、この設問文の建築物は「高さが4m又は延べ面積が30m2を超える建築物」なので令71条2項の除外規定は適用されない。

1.令74条1項1号に該当。除外規定に当てはまらない。

2.令77条2号に該当。除外規定に当てはまるので、柱の主筋は、帯筋と緊結しなくてもよい。

3.令64条1項に該当。除外規定に当てはまらない。

4.令68条1項に該当。除外規定に当てはまらない。

〔R01 No.13〕図のような木造、地上3階建ての住宅(屋根を金属板で葺いたもの)の1階部分について、桁行方向に設けなければならない構造耐力上必要な軸組の最小限の長さとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。ただし、地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する区域内にあるものとし、小屋裏等に物置等は設けず、地方の風の状況に応じた「風圧力」に対する軸組の割増はないものとする。また、構造耐力上必要な軸組等の規定の適用の除外はないものとする。なお、図は略図とする。

1.1,610 cm
2.2,150 cm
3.2,415 cm
4.2,600 cm

解答 3:必要軸組長さは、地震力による必要軸組長さと風圧力による必要軸組長さを比較し、どちらか大きい値が必要な軸組の最小限の長さになる(令46条4項)。
・地震力による必要軸組長さ
当該建築物は令43条1項表の(2)に該当するので、令46条表2より、床面積に乗ずる数値は「46」になる。また、設問文「地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する区域内」とあるので、当該区域は令88条2項の区域になり、さらに1.5を乗ずる。
よって、必要軸組長さ≧35m2×46cm/m2×1.5
          ≧2,415cm
・風圧力による必要軸組長さ
1階の桁行方向の算定用見付面積は、
52m2-(0.45m+1.35m)×5m=42m2
となり、これに50cm/m2を乗ずる(令46条4項表3(2))。
よって、必要軸組長さ≧42m2×50cm/m2
          ≧2,150cm

→よって、桁行方向の最小限必要な軸組長さは、地震力による2,415cmとなる。

〔R01 No.14〕都市計画区域内の道路等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.地区計画の区域のうち、地区整備計画で建築物等の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域内の道路の上空においては、当該道路に係る地区計画の内容に適合し、かつ、所定の基準に適合するものであって特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める建築物については建築することができる。
2.建築基準法上の道路に該当しない幅員6mの農道のみに2m以上接する敷地における、延べ面積150m2の一戸建て住宅については、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合には建築することができる。
3.都市再開発法による新設の事業計画のある幅員8mの道路で、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したものは、建築基準法上の道路である。
4.土地を建築物の敷地として利用するため袋路状道路を築造する場合、特定行政庁からその位置の指定を受けるためには、その幅員を6m以上とし、かつ、延長を35m以下としなければならない。

解答 4:

1.

2.

3.

4.袋路状道路を築造する場合、令144条の4第1項一号から五号の基準に適合する必要がある。ただし一号についてはイ~ホのいずれかに該当すればよい。つまり、設問の「幅員を6m以上(ニ)」と「延長を35m以下(イ)」は同時に適合しなくても許可を受けることができる。

https://hikari-k.info/より

〔R01 No.15〕建築物の用途の制限に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域、地区等の指定はなく、また、特定行政庁の許可等は考慮しないものとする。

1.第一種低層住居専用地域内において、「延べ面積180m2、地上2階建ての喫茶店兼用住宅(喫茶店の用途に供する部分の床面積60m2)」は、新築することができる。
2.田園住居地域内において、「延べ面積300m2、地上2階建ての、地域で生産された農産物を材料とする料理を提供する飲食店」は、新築することができる。
3.準工業地域内において、「延べ面積5,000m2、平家建ての圧縮ガスの製造工場(内燃機関の燃料として自動車に充填するための圧縮天然ガスに係るもの)」は、新築することができる。
4.工業地域内において、「延べ面積10,000m2、地上3階建ての展示場」は、新築することができる。

解答 1:

1.第一種低層住居専用地域内に、延べ面積の1/2以上を居住の用に供し、かつ喫茶店の床面積が50m2以下の兼用住宅は、新築できる。したがって、喫茶店の部分が60m2の兼用住宅は新築できない。(法別表第二(い)項二号令130条の3第二号)

2.

3.

4.

〔R01 No.16〕図のような敷地において、建築基準法上、新築することができる建築物の容積率(同法第52条に規定する容積率)の最高限度は、次のうちどれか。ただし、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁の指定、許可等は考慮しないものとする。

解答 2:①容積率の限度は、法52条1項による都市計画で定められた容積率の限度と、2項による前面道路の幅員が12m未満の場合による用途地域別の容積率の限度を比較し、厳しい数値を用いる。
②敷地が特定道路から70m以内にあり、特定道路に接続する前面道路が6m以上12m未満の場合、前面道路に割増しをする。
Wa=(12-8)(70-35)/70=2m
よって前面道路幅員は8m+2m=10m
③敷地が容積率制限を受ける地域の2以上にわたる場合の延べ面積は、それぞれの地域ごとに算定したものの合計以下ととしなければならない(法52条7項)。
④商業地域:
 (ⅰ)敷地面積:20m×40m=800m2
 (ⅱ)指定容積率による限度:70/10
 (ⅲ)前面道路幅員による限度:10m×6/10(非住居系)=60/10
(ⅱ)よりも(ⅲ)の方が厳しいので、60/10を用いる。
よって、建築物の延べ面積の限度は、800m2×60/10=4,800m2
⑤第一種住居地域:
 (ⅰ)敷地面積:20m×40m=800m2
 (ⅱ)指定容積率による限度:20/10
 (ⅲ)前面道路幅員による限度:10m×4/10(住居系)=40/10
(ⅲ)よりも(ⅱ)の方が厳しいので、20/10を用いる。
よって、建築物の延べ面積の限度は、800m2×20/10=1,600m2

したがって、延べ面積の最高限度は、4,800m2+1,600m2=6,400m2
6,400m2/(40m×40m)=40/10

〔R01 No.17〕図のような敷地において、建築物を新築する場合、建築基準法上、A点における地盤面からの建築物の高さの最高限度は、次のうちどれか。ただし、敷地は平坦で、敷地、隣地及び道路の相互間に高低差はなく、門、塀等はないものとする。また、図に記載されているものを除き、地域、地区等及び特定行政庁による指定、許可等並びに日影による中高層の建築物の高さの制限及び天空率に関する規定は考慮しないものとする。なお、建築物は、全ての部分において、高さの最高限度まで建築されるものとする。

1.25.5 m
2.28.5 m
3.33.0 m
4.36.0 m

解答 4:
[道路斜線制限]
①2以上の前面道路の規定により、A点は南側道路幅員の2倍以下かつ35m以内にあるので、A点に対する西側道路の反対側の境界線までは、15mとみなされる(法56条6項令132条1項)。なお商業地域なので、法56条3項、4項の道路幅員による緩和は適用されない。
②A点は明らかに南側道路より、西側道路による斜線制限の方が厳しくなる。その後退距離は2mなので、道路の反対側の境界線までの水平距離は、2m+15m+2m+5m=25mとなる。(法56条2項)
③「適用距離」は、法56条1項一号法別表第3(は)により、前面道路の幅員が12m以上なので、法52条2項は適用されず、基準容積率の60/10となり、適用距離は25mとなる。②で水平距離が24mなので、適用範囲内にあり、道路斜線距離の適用を受けると判断する。
④商業系地域の斜線勾配は、1.5なので、道路斜線制限による最高限度は、
24m×1.5=36mとなる。

[隣地斜線制限]
①商業系地域の隣地斜線は、以下の式(法56条1項二号)、
隣地境界線までの水平距離+31mを超える部分の後退距離×2.5+31m
から求め、北側<東側道路なので、
(2m+2m+2m)×2.5+31m=46m
となる。

以上より、地盤面からのA点における建築物の高さの最高限度は、36mとなる。

〔R01 No.18〕地区計画等又は建築協定に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.地区整備計画等が定められている地区計画等の区域内において、市町村の条例で定めることができる制限としては、建築物に附属する高さ2m以内の門又は塀の位置の制限は含まれない。
2.再開発等促進区で地区整備計画が定められている地区計画の区域内においては、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可した建築物については、道路高さ制限、隣地高さ制限及び北側高さ制限は適用されない。
3.建築協定は、都市計画区域及び準都市計画区域外においては定めることができない。
4.建築協定書の作成に当たって、建築協定区域内の土地に借地権の目的となっている土地がある場合においては、借地権を有する者の全員の合意がなければならない。

解答 3:

1.

2.

3.建築協定(法4章)は、都市計画区域及び準都市計画区域外に関係なく定めることができる。

4.

〔R01 No.19〕次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.建築基準法令の規定による指定確認検査機関の処分についての審査請求は、当該処分に係る建築物について建築確認をする権限を有する建築主事が置かれた市町村又は都道府県の建築審査会に対してすることができる。
2.エレベーターの昇降路の部分又は共同住宅若しくは老人ホーム等の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積が、当該建築物の床面積の合計の1/3を超える場合においては、当該床面積の1/3を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないものとする。
3.地盤が軟弱な区域として特定行政庁が規則で指定した区域外において、平家建ての木造の住宅で足固めを使用した場合は、構造耐力上主要な部分である柱で最下階の部分に使用するものの下部に土台を設けなくてもよい。
4.都市計画区域内においては、火葬場は、都市計画においてその敷地の位置が決定していない場合であっても、特定行政庁が都市計画審議会の議を経てその敷地の位置が都市計画上支障がないと認めて許可した場合においては、新築することができる。

解答 2:

1.

2.法52条6項「…建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積には、政令で定める昇降機の昇降路の部分又は共同住宅若しくは老人ホーム等の共用の廊下若しくは階段の用に供する部分の床面積は、算入しない」とある。このため、その全てを算入しない。

3.

4.

〔R01 No.20〕ホテルに関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、用途地域以外の地域、地区等の指定はなく、また、特段の記述がない限り、特定行政庁の許可等は考慮しないものとする。

1.耐火建築物のホテルで、ホテルの用途に供する3階以上の部分の床面積の合計が350m2である場合、当該用途に供する居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料ですることができる。
2.高さが31mを超えるホテルで、非常用の昇降機を設けていないことにより建築基準法第3条第2項の規定の適用を受けているものについて増築する場合において、増築に係る部分の床面積の合計が基準時における延べ面積の1/2を超えるときは、非常用の昇降機を設けなければならない。
3.敷地が第二種中高層住居専用地域内に700m2、近隣商業地域内に600m2と二つの用途地域にわたる場合、当該敷地には、ホテルを新築することができる。
4.文化財保護法の規定によって重要文化財として指定された建築物であったものの原形を再現する建築物で、特定行政庁建築審査会の同意を得てその原形の再現がやむを得ないと認めたものについては、建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定は、適用されない。

解答 3:

1.

2.

3.敷地が2つの用途地域にわたる場合、敷地の過半が属する用途地域の規定が適用される(法91条)。設問の場合は第二種中高層住居専用地域の規定となり、法別表2(に)四号により、ホテルは新築できない(法48条4項)。

4.

〔R01 No.21〕次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。ただし、中央指定登録機関の指定は考慮しないものとする。

1.建築に関する業務に従事する一級建築士にあっては、勤務先が変わり業務の種別に変更があったときは、その日から30日以内に、その旨を住所地の都道府県知事を経由して国土交通大臣に届け出なければならない。
2.「設計図書」とは、建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)をいい、仕様書を含まない。
3.延べ面積450m2、高さ10ⅿ、軒の高さ7mの木造2階建ての既存建築物について、床面積250m2の部分で大規模の修繕を行う場合においては、当該大規模の修繕に係る設計は、一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければしてはならない。
4.延べ面積400m2の建築物の新築における設計の契約の当事者は、契約の受託者が設計の一部を再委託する場合にあっては、当該再委託に係る設計の概要並びに当該再委託に係る受託者の氏名又は名称及び当該受託者に係る建築士事務所の名称及び所在地を、契約の締結に際して相互に交付する書面に記載しなければならない。

解答 2:

1.

2.建築士法2条において、「設計図書」は以下のように定義されている。「この法律で「設計図書」とは建築物の建築工事の実施のために必要な図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書…をいう」

3.

4.

〔R01 No.22〕次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。ただし、指定事務所登録機関の指定は考慮しないものとする。

1.一級建築士を使用する者は、他人の求めに応じ報酬を得て、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築物の建築に関する法令の規定に基づく手続の代理を業として行おうとするときは、一級建築士事務所を定めて、その建築士事務所について、都道府県知事の登録を受けなければならない。
2.都道府県知事の登録を受けている建築士事務所に属する建築士は、当該登録を受けた都道府県以外の区域においても、業として他人の求めに応じ報酬を得て、設計等を行うことができる。
3.建築士事務所の開設者と管理建築士とが異なる場合においては、その開設者は、管理建築士から、建築士事務所の業務に係る所定の技術的事項に関し、必要な意見が述べられた場合には、その意見を尊重しなければならない。
4.建築士事務所の開設者は、延べ面積が400m2の建築物の新築工事に係る設計及び工事監理の業務を受託した場合、委託者の許諾を得た場合には、受託業務の一部である工事監理の業務について、一括して他の建築士事務所の開設者に再委託することができる。

解答 4:

1.

2.

3.

4.建築士事務所の開設者は、委託者の許諾を得た場合においても、委託を受けた設計又は工事監理が延べ面積が300m2を超える建築物の新築工事は一括して他の建築士事務所の開設者に委託してはならない。設問は300m2を超えているので、一括委託は禁止されている。(建築士法24条の3第2項)

〔R01 No.23〕建築士の講習に関する次の記述のうち、建築士法上、誤っているものはどれか。ただし、中央指定登録機関の指定は考慮しないものとする。

1.二級建築士として3年以上の設計等の業務に従事した後に管理建築士講習の課程を修了した者が、新たに一級建築士の免許を受けて一級建築士事務所の管理建築士になる場合には、改めて管理建築士講習を受けなければならない。
2.建築士事務所に属する一級建築士は、建築物の設計又は工事監理の業務に従事しない場合であっても、所定の一級建築士定期講習を受けなければならない。
3.国土交通大臣に対し、構造設計一級建築士証の交付を申請することができるのは、原則として、一級建築士として5年以上の構造設計の業務に従事した後、登録講習機関が行う所定の講習の課程をその申請前1年以内に修了した者である。
4.建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに作成する設計等の業務に関する報告書において、当該建築士事務所に属する一級建築士が構造設計一級建築士である場合にあっては、その者が受けた構造設計一級建築士定期講習のうち、直近のものを受けた年月日についても記載しなければならない。

解答 1:

1.管理建築士は、その建築士事務所の業務に係る技術的事項を総括する者である。その要件は、「建築士として3年以上の設計等の業務経験」および「管理建築士講習の修了」である(士法24条1項)。ただし、業務経験および講習の受講は、各種の建築士の種別ごとに求められているものではない。

2.

3.

4.

〔R01 No.24〕次の記述のうち、都市計画法上、誤っているものはどれか。

1.都市計画施設の区域内において、地階を有しない木造、平家建ての飲食店を新築する場合は、原則として、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
2.都市計画区域内において、延べ面積1,500m2の仮設興行場の建築の用に供する目的で行う開発行為は、原則として、都道府県知事の許可を受けなければならない。
3.市街化区域内において、病院の建築の用に供する目的で行う開発行為で、その規模が5,000m2のものについては、原則として、都道府県知事の許可を受けなければならない。
4.地区整備計画が定められている地区計画の区域内で、当該地区計画に建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限が定められている場合において、建築物等の形態又は色彩その他の意匠の変更をしようとするときは、原則として、当該行為に着手する日の30日前までに、所定の事項を市町村長に届け出なければならない。

解答 2:

1.

2.市街化区域内における1,000m2以上の開発行為は、開発行為は、開発許可を受けなければならない。ただし、仮設建築物の建築等の用に供する目的で行う開発行為は除かれている。(都市計画法29条1項十一号同法施行令22条一号)

3.

4.

〔R01 No.25〕次の記述のうち、消防法上、誤っているものはどれか。ただし、建築物は、いずれも無窓階を有しないものとし、指定可燃物の貯蔵又は取扱いは行わないものとする。

1.延べ面積が350m2のキャバレーについては、原則として、自動火災報知設備を設置しなければならない。
2.消防用設備等の技術上の基準に関する規定の施行又は適用の際、現に存する百貨店における消防用設備等が当該規定に適合しないときは、当該消防用設備等については、当該規定に適合させなければならない。
3.準耐火建築物で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを難燃材料でした延べ面積1,000m2、地上2階建ての専修学校については、原則として、屋内消火栓設備を設置しなければならない。
4.延べ面積1,500m2、地上2階建ての特別養護老人ホームで、火災発生時の延焼を抑制する機能として所定の構造を有しないものについては、原則として、スプリンクラー設備を設置しなければならない。

解答 3:

1.

2.

3.専修学校は、延べ面積が1,400m2以上のものは、原則として、屋内消火栓設備を設置しなければならない。(消防法施行令11条1項二号、2項)

4.

〔R01 No.26〕次の記述のうち、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」上、誤っているものはどれか。

1.床面積の合計が90m2の公衆便所及び床面積の合計が2,000m2の公共用歩廊を新築しようとするときは、いずれも建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない。
2.床面積の合計が2,000m2の図書館を新築しようとする場合において、当該図書館に設ける階段のうち、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用するものは、踏面の端部とその周囲の部分との色の明度、色相又は彩度の差が大きいことにより段を容易に識別できるものとしなければならない。
3.移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路は、幅を120cm以上とし、50m以内ごとに車椅子の転回に支障がない場所を設けなければならない。
4.既存の特別特定建築物に、床面積の合計2,000m2増築をする場合において、道等から当該増築部分にある利用居室までの経路が1であり、当該経路を構成する出入口、廊下等の一部が既存建築物の部分にある場合には、建築物移動等円滑化基準における移動等円滑化経路の規定は、当該増築に係る部分に限り適用される。

解答 4:

1.

2.

3.

4.既存の特別特定建築物に、床面積2,000m2の増築をする場合、原則として、道等から増築等の部分にある利用居室までの経路のうち1以上を移動等円滑化経路にしなければならない(バ法14条バ法令9条バ法令18条1項一号バ法令22条二号)。設問の増築部分にある利用居室までの経路は1つだけであり、その経路の一部が既存建築物の部分にあるので、増築部分だけでなく、経路となる既存部分についても移動等円滑化経路の基準に適合させる必要がある。

〔R01 No.27〕次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。

1.「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、住宅新築請負契約又は新築住宅の売買契約における瑕疵かし担保責任の特例において、「住宅の構造耐力上主要な部分等」には、「雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分」は含まれない。
2.「建築物の耐震改修の促進に関する法律」に基づき、要安全確認計画記載建築物の所有者は、当該建築物について耐震診断の結果、地震に対する安全性の向上を図る必要があると認められるときは、耐震改修を行うよう努めなければならない。
3.「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」に基づき、特定建設資材を用いた建築物に係る解体工事で、当該建築物(当該解体工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が100m2であるものの発注者は、工事に着手する日の7日前までに、所定の事項を都道府県知事に届け出なければならない。
4.「労働安全衛生法」に基づき、事業者は、建設業の仕事において、耐火建築物又は準耐火建築物で、石綿等が吹き付けられているものにおける石綿等の除去の作業を行う仕事を開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。

解答 1:

1.品確法94条1項における「住宅の構造耐力上主要な部分等」は、品確法施行令5条に規定しており、同条2項において、以下のように規定している。

2 法第94条第1項の住宅のうち雨水の浸入を防止する部分として政令で定めるものは、次に掲げるものとする。

一 住宅の屋根若しくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸、わくその他の建具

二 雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、当該住宅の屋根若しくは外壁の内部又は屋内にある部分

2.

3.

4.

〔R01 No.28〕次の記述のうち、建築基準法又は建築士法上、誤っているものはどれか。

1.建築基準法の構造耐力の規定に違反する建築物の設計を建築主が故意に指示し、建築士がそれに従って設計及び工事監理をした場合、当該建築主及び建築士のいずれも罰則の適用の対象となる。
2.建築士事務所の開設者である一級建築士が、当該建築士事務所の登録期間が満了したにもかかわらず、更新の登録を受けずに他人の求めに応じ報酬を得て工事監理業務を業として行った場合には、当該建築士は、業務停止等の懲戒処分の対象となる。
3.建築士事務所に属する建築士の氏名及びその者の一級建築士、二級建築士又は木造建築士の別に変更があった場合に、3月以内に、その旨を都道府県知事に届け出ないときは、当該建築士事務所の開設者及び管理建築士のいずれも罰則の適用の対象となる。
4.建築士事務所の開設者が、自己の名義をもって、他人に建築士事務所の業務を営ませたときは、当該建築士事務所の開設者は罰則の適用の対象となる。

解答 3:

1.

2.

3.建築士事務所の開設者は、その所属建築士に変更があったときは、3月以内に、都道府県知事に届けなければならない。この規定による変更の届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、罰則の対象となるが、その対象は、届出の義務がある建築士事務所の開設者であり、「管理建築士」は対象とならない。(建築士法41条九号同法23条の5第2項)

4.

〔R01 No.29〕次の法律とその法律で用いられている防災に関連する用語との組合せのうち、誤っているものはどれか。

解答 3:

1.

2.

3.「土砂災害特別警戒区域」は「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に規定される用語である。宅地造成等規制法には規定されていない。

4.

〔R01 No.30〕次の記述のうち、関係法令上、誤っているものはどれか。

1.「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づき、特定建築物以外の建築物の新築において、建築主が所定の事項に関する計画を所管行政庁に届け出なければならないのは、床面積の合計が2,000m2以上の場合である。
2.「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、長期優良住宅建築等計画の認定を申請する者は、所管行政庁に対し、当該計画を建築主事に通知し、当該計画が建築基準法に規定する建築基準関係規定に適合するかどうかの審査を受けるよう申し出ることができる。
3.「景観法」に基づき、景観計画区域内において、建築物の建築等をしようとする者は、原則として、あらかじめ、所定の事項を景観行政団体の長に届け出なければならず、景観行政団体がその届出を受理した日から30日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
4 .「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づき、低炭素建築物新築等計画の認定を受けた者は、当該認定を受けた低炭素建築物新築等計画の変更をしようとするときは、原則として、所定の申請書等を提出して所管行政庁の認定を受けなければならない。

解答 1:

1.「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」において、特定建築物以外で、300m2以上の場合に当該届出の義務の対象となる。建築主は該当する建築物の新築・増築・改築を行う場合、工事着工の21日前までに所管行政庁に届出を行う必要がある。(建築物省エネ法19条1項一号同施行令8条1項)

2.

3.

4.

1級建築士の学科対策

・イラストでわかる一級建築士用語集

・1級建築士 学科試験 要点チェック

投稿日:2019年9月18日 更新日:

執筆者:

このサイトは寄付及び広告益の運営で、無料で閲覧・活用していただけます。より良いサイト構築のためにアドバイスをお願いいたします。

また、運営継続のための寄付をお願いいたします。
ご寄付のお願い