令和元年度1級建築士-学科Ⅱ環境・設備

建築士過去問解説

令和元年度 学科Ⅱ (環境・設備)
全20問掲載

一級建築士学科試験
2022年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

〔R01 No.01〕環境工学における用語に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.等価騒音レベルは、聴感補正された音圧レベルのエネルギー平均値であり、一般に、変動する騒音の評価に用いられる。
2.プルキンエ現象は、視感度の相違によって、明所視に比べ暗所視において、赤が明るく、青が暗く見える現象である。
3.空気齢は、流入口から室内に入った所定量の空気が、室内のある地点に到達するまでに経過する平均時間である。
4.作用温度(OT)は、一般に、発汗の影響が小さい環境下における熱環境に関する指標として用いられ、空気温度と平均放射温度の重み付け平均で表される。

解答 2:「プルキンエ現象」は暗所視において、比視感度が最大となる波長が短い波長へる現象である。 そのため、赤が暗く、青が明るく見える。


1.等価騒音レベルとは、普通騒音計により測定したA特性音響エネルギーを観測時間内で平均し、レベル表示したものである。一般的な騒音の測定、評価に用いられるものである。

3.空気齢は室内の換気の程度を示す指標であり、流入口から室内に入った所定量の空気が、室内のある地点に到達するまでに経過する平均時間である。空気齢が小さいほどその部分の空気の新鮮度は高くなり、換気効率が高いとされる。

4.気温が同じ室内であっても、壁面温度と周囲気流の状態により体感温度は違う。作用温度(Operative Temperature)とは、周囲壁面の放射熱伝達と周囲気流の対流熱伝達と同じ量の熱交換を行なう均一温度の仮想閉鎖空間で表わされた温度である。放射暖房を行う際の熱環境に関する指標として用いられ、空気温度、平均放射温度、気流から求められる。また、発汗の影響が小さい環境の場合は、空気温度と平均放射温度の重み付き平均で表される。

〔R01 No.02〕容積が100m3の室において、室内の水蒸気発生量が0.6 kg/h、換気回数が1.0回/hのとき、十分に時間が経過した後の室内空気の重量絶対湿度として、最もものは、次のうちどれか。ただし、室内の水蒸気は室全体に一様に拡散するものとし、外気の重量絶対湿度を0.010 kg/kg(DA)、空気の密度を1.2 kg/m3とする。なお、乾燥空気1 kgを1 kg(DA)と表す。

1.0.005 kg/kg(DA)
2.0.010 kg/kg(DA)
3.0.015 kg/kg(DA)
4.0.020 kg/kg(DA)

解答 3:「重量絶対湿度」は、ある空気が含む乾き空気の質量と、水蒸気の質量の比を示したもの。以下の式で求められる。

(P-P0)×Q=K
P:室内の重量絶対湿度 kg/kg(DA)
P0:外気の重量絶対湿度 kg/kg(DA)
Q:換気量 kg/h
K:室内の水蒸気発生量 kg/h

このうちQ(換気量)=体積×空気密度=100×1.2=120 kg/h
となるので、式に当てはめるとP(室内の重量絶対湿度)が求められる。

(P – 0.010) × 120 = 0.6
P=0.6/120 + 0.010
 =0.015 kg/kgDA

(関連問題:平成21年1級学科2、No.02)

〔R01 No.03〕外気温度5 ℃、無風の条件の下で、図のような上下に開口部を有する断面の建築物A・B・Cがある。室内温度がいずれも18 ℃に保たれ、上下各々の開口面積がそれぞれ0.4m2、0.6m2、0.7m2、開口部の中心間の距離がそれぞれ4m、2 m、1 mであるとき、建築物A・B・Cの換気量QA・QB・QCの大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、いずれの開口部も流量係数は一定とし、中性帯は開口部の中心間の中央に位置するものとする。なお、 2≒√1 . 4として計算するものとする。

1.QA>QB>QC
2.QB>QA>QC
3.QB>QC>QA
4.QC>QB>QA

解答 2:風圧力によって室内を換気する場合の換気量は、以下の式で求められる。
流量係数αと気温tiとtoは一定なので、2gなどの定数を除き、A√hの大小でそれぞれの換気量の大きさを判断する。

このとき開口部面積Aは、流入口と流出口が同じ場合、開口面積Sに比例する。

よってS√hで比較すると、
QA=0.4×√4=0.8
QB=0.6×√2=0.84
Qc=0.7×√1=0.7

よって、QB>QA>QC となる。

(関連問題:平成26年1級学科2、No.03)

〔R01 No.04〕建築物の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.外壁において、熱橋部分の室内側表面温度は、一般に、熱橋部分以外の部分の室内側表面温度に比べて、外気温度に近くなる。
2.複層ガラスの中空層が完全な真空であると仮定すると、複層ガラスの熱貫流率は、0(ゼロ)となる。
3.壁体内の密閉された中空層の熱抵抗は、中空層の厚さが100mmを超えるとほとんど変化しない。
4.外壁面の外気側における総合熱伝達率は、外壁面が外気温度に等しい黒体で覆われていると仮定し、日射や夜間放射の影響がないものとみなした値である。

解答 2:真空中でも放射によって熱は伝わる。これは真空である宇宙空間でも同じことが言える。

1.熱橋(ヒートブリッジ)とは、壁や梁を貫通する金具や鉄骨などによって外気温度が室内側の温度に影響するものである。ヒートブリッジが起こると結露が生じるほか、室内温度に影響を与えることで空調負荷が増える。熱橋部分では室内側表面温度と外気温度に近くなる。

3.壁体内の密閉した空気層の熱抵抗は厚さ20㎜~40㎜程度までは増加するが、それ以上厚さを増しても、空気の対流により、伝熱が促進されるので、熱抵抗はほとんど変化せず、むしろ層内に生じる対流により少しずつ減少する。

4.総合熱伝達率(W/(m2・K)とは、一連の抵抗体を介して熱がどの程度伝導されるかを意味する。熱伝導率と熱伝達率の2つの値を複合させた値であり、熱貫流率、熱通過率、U値とも呼ばれる。

〔R01 No.05〕建築物における防火・防災に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.縦長の窓は、横長の窓に比べて噴出する火炎が外壁から離れにくいことから、上階への延焼の危険性が高い。
2.病院の手術室、ICU、NICU等は、ろう城区画として計画することが望ましい。
3.不特定多数の者が利用する大規模量販店等において、売場の避難出口の扉は、廊下等の有効幅員に配慮しつつ、外開きにすることが望ましい。
4.避難時に利用する階段室への出入口の有効幅員は、一般に、流動係数を考慮し、階段の有効幅員よりも狭くする。

解答 1:縦長の窓は、噴出する火炎の勢いが強く、外壁から離れて噴出しやすい。逆に横長の窓は外壁に沿って噴出するので、上階への延焼の危険性が高い。

2.病院の計画において、未熟児室や手術室などでは、火災などの非常時には避難が困難であるため、建築計画においては籠城区画として計画することが望ましい。

3.避難安全検証法に扉の開き方向の規定はないが、避難安全検証法の利用の有無に関わらず、不特定多数の人の利用が考えられる建物では扉の開き方向は避難方向に計画する方が望ましい。

4.廊下から避難階段への出入り口の幅は、その階の避難人口や階段幅等を考慮して決められる。出入り口は階段の幅と同じか、それよりも狭く計画する。出入り口が広い場合、階段室内で滞留や混雑が生じ、階段での二次災害の恐れがある。

〔R01 No.06〕日照・日射に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.窓面における日照・日射の調整のために設けるルーバーは、一般に、南向き窓面には水平のものが、西向き窓面には垂直のものが有効である。
2.北緯35度のある地点における春分・秋分の日の終日日射量は、終日快晴の場合、どの向きの鉛直面よりも水平面のほうが大きい。
3.直射日光の色温度は、正午頃より日没前頃のほうが高い。
4.ライトシェルフは、その上面で反射した昼光を室内の奥に導くことから、室内照度の均斉度を高めることができる。

解答 3:色温度は、赤みを帯びるほど低く、白みを帯びるほど高くなる。そのため晴れた日の日没ごろは、夕焼けで赤みを帯びている。これより、直射日光の色温度は、正午頃より日没前頃のほうが低いことがわかる。

1.南面には太陽高度の高い日射が差し込むため、水平ルーバーが有効である。しかし東西面には太陽高度が低い日射が差し込む。そのため水平ルーバーでは日射を遮るには効果が低いため、東西面の窓には垂直ルーバーを計画する。

2.春分・秋分の日における直達日射量は水平面が最も高く、次に南面、東西面になる。



4.ライトシェルフは、窓中段部に設置した庇により、庇下部の窓面からの日射を遮しつつ、庇上部の拡散ガラス等を用いた窓面から室内に自然光を導く手法である。室内照度の均斉度を高めるとともに、直射日光を遮蔽しながら眺望を妨げない窓システムである。

〔R01 No.07〕図のような点光源に照らされた水平な受照面上の点Pにおいて、I(点光源の光度)、r(点光源から点Pまでの距離)、θ(点光源から点Pへの入射角)及び点Pにおける水平面照度の組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、点光源の配光特性は一様なものとする。

解答 4:P点での照度(E)は、
E=(/ r2) × cosθ
で求められる。
1. I=100、r=2、cos0°=1なので、(100/4)×1= 25(lx)
2. I=100、r=1、cos60°=1/2なので、(100/1)×1/2= 50(lx)
3. I=25、r=0.5、cos0°=1なので、(25/0.25)×1= 100(lx)
4. I=50、r=0.5、cos60°=1/2なので、(50/0.25)×1/2= 100(lx)
よって、選択肢4が誤っている。
(関連問題:平成27年1級学科2、No.07)

〔R01 No.08〕色彩に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.減法混色の三原色は、一般に、シアン、マゼンタ及びイエローである。
2.同化現象は、囲まれた色や挟まれた色が周囲の色に近づいて見えることをいう。
3.JISの物体色の色名における有彩色の系統色名は、基本色名に「明度に関する修飾語」、「彩度に関する修飾語」及び「色相に関する修飾語」の3種類の語を付記して色を表示する。
4.照度と色温度の関係において、一般に、低照度では色温度の低い光色が好まれ、高照度では色温度の高い光色が好まれる。

解答 3:「JISの物体色の色名における有彩色の系統色名」は、基本色名に、2種類の語(明度・彩度の修飾語+色相の修飾語)を用いて表す。

有彩色の明度及び彩度に関する修飾語:鮮やかな(vivid)、明るい(light)、強い(strong)、濃い(deep)、薄い(pale)、柔らかい(soft)、くすんだ(dull)、暗い(dark)、ごく薄い(very pale)、明るい灰みの(light grayish)、灰みの(grayish)、暗い灰みの(dark grayish)、ごく暗い(very dark)
無彩色の明度に関する修飾語薄い(pale)、明るい(light)、中位の(medium),暗い(dark)
色相に関する修飾語:赤みの(reddish)、黄みの(yellowish)、緑みの(greenish)、青みの(bluish)、紫みの(purplish)(無彩色ではさらに細かく分類される)

上の分類を用いて、例えば、「鮮やかで青みの黄色(Vivid bluish yellow)」などと表現できる。

設問は、マンセル表色系の有彩色の表記方法である。有彩色の表記は「色相 明度/彩度」というように表す。例として、黄赤の純色であれば、YR6/12となり、YRは色相、6は明度、12は彩度である。また無彩色は明度のみの表記でN3やN9などと表す。

1.混色とは、色を混ぜて別の色を作ることで、加法混色と減法混色とがある。加法混色は光源色でみられ、混色の結果、白に近づく。減法混色は色料や色フィルターなどにみられ、混色の結果、黒に近づく。また、加法混色の三原色は赤・緑・青で、減法混色はシアン・マゼンタ・イエローである。

2.2つの異なる色が互いに隣接した場合に、互いに溶け込んでその中間の色に見える現象を色の同化現象と言う。周囲に囲まれた色は、面積が小さいほどその減少が顕著に表れ、周囲の色に近づく。

4.色温度が高いと、一般に、照度も高い方が快適と感じやすい。低照度で色温度が高い光源を使用すると、陰気な印象を与える。反対に、高照度で色温度が低い光源を使用すると、暑苦しい印象を与える。

〔R01 No.09〕音響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.聴覚のマスキングは、マスカー(マスクする音)の周波数に近い音ほどマスクされやすく、マスカーの周波数に比べ、低い音のほうが高い音よりもマスクされやすい。
2.カラレーションは、「直接音」と「短い遅れ時間の反射音」の干渉によって、音色の変化等が知覚される現象をいう。
3.室容積が同じ場合であっても、一般に、西洋音楽のためのコンサートホールとオペラハウスとでは、最適残響時間が異なる。
4.学校の普通教室においては、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。

解答 1:聴覚のマスキングは、聞こうとしている目的音(マスクされる音)が、妨害音(マスクする音:マスカー)に阻害され、聞き取りにくくなる現象のこと。一般に、周波数が両者とも近いか、目的音の方が高い場合に生じやすい。

2.カラーレーションは音響計画上の悪条件の一つである。発せられた直接音と、壁や家具などに反射して遅れてくる反射音との干渉によって、音色が変化して聞こえる現象である。中音域・高音域で多重反射が起きている室内で起きやすく、ホールなどの計画をする際に注意が必要である。

3.「最適残響時間」は室の用途と、室容積によって算定する。室容積が大きくなると残響時間も大きくなる。



4.学校の普通教室においては、残響時間は0.6秒程度、平均吸音率が0.2程度となるように、吸音対策を施すことが望ましい。

〔R01 No.10〕吸音・遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.孔あき板と剛壁との間に空気層を設けた吸音構造の固有周波数は、空気層の厚みを大きくすると低周波数域に移動する。
2.駅、空港、ショッピングモール等の公共施設においては、放送音声の聞こえやすさを確保するため、一般に、吸音処理を避けることが望ましい。
3.乾式二重床を採用する場合は、床板とスラブとの間の空気層をバネとする共振系が形成されることから、低周波数域において床衝撃音の遮断性能が低下することがある。
4.壁の音響透過損失を10dB増加させるためには、壁の音響透過率を現状の1/10にする必要がある。

解答 2:放送音声は残響時間を短くする方が明瞭な放送となる。そのため、吸音処理を施すことが望ましい。

1.背後空気層を厚くすると、吸音される音波の波長が長くなり、吸音効果が期待できる周波数は、より低音域に移行する。

3.「二重床」とは、スラブの上に専用の支持ボルトを立て、その上に床材を張る構造のこと。床下の空間に、給水管・排水管・ガス管といった配管や配線を通すことができる。スラブと床との間の空気は、低音域でバネの役割となり、スラブと床が共振する共鳴透過現象が起こり、床衝撃音の遮断性能が低下する。

4.壁に音が入射すると、一部は透過され、一部は反射・吸収される。この透過する割合を透過率という。一方、透過損失は値が大きいほど遮音効果が大きく、透過率の逆数を「dB」で表示した値である。よって、透過損失を10dB増加させるためには、透過率を1/10にする。

〔R01 No.11〕空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ペリメーターレス化は、ペリメーターゾーンにおける熱負荷を、建築的手法と設備的手法とを組み合わせて可能な限り減少させ、ペリメーターゾーンをインテリアゾーンに近い温熱環境とすることである。
2.熱負荷に応じて送風量を調整する変風量(VAV)方式は、VAVユニットを部屋ごと又はゾーンごとに配置することから、個別の温度制御が可能である。
3.外気冷房は、外気のエンタルピーが室内空気のエンタルピーよりも高い場合に、それらのエネルギーの差を冷房に利用するものである。
4.ダブルスキンは、外壁の一部又は全てをガラスの二重構造とし、その中間の空気の換気等による熱負荷低減、及び室内の窓際の環境改善を図ったものである。

解答 3:「エンタルピー」とは、熱エネルギー(全熱量)の状態量の指標である。温度が高いとエンタルピーは大きくなる。「外気冷房」は、室外の空気温度(エンタルピー)が、室内の空気温度(エンタルピー)よりも低い時に外気を導入し、冷房と換気を行う。この外気冷房方式は、内部発熱の大きい事務所ビル、デパート、商業建築物などで採用されるが、冬期の低湿な空気を導入する場合は加湿処理のための負荷が増える。

1.ペリメーターゾーンは空調設備に関わる用語で、熱の影響を受けやすい外周部分を指す。建築的手法と設備的手法とを組み合わせてペリメータゾーンの熱負荷をできる限り減少させて、インテリアゾーンに近い温熱環境とすることである。(設問文ママ)

2.「VAV空調方式」とは変風量単一ダクト方式のことをいい、一定に保たれた送風温度を吹出し空気の風量を変えることによって温度調整し、室温を制御する方式である。部屋ごと又はゾーンごとの温度制御も可能である。

4.エアフローウィンドウ方式は二重のガラス間に室内空気を通して熱負荷を低減する方式であるのに対して、ダブルスキン方式は二重のガラス間に外気を通して熱負荷を低減する方である。

〔R01 No.12〕空気調和・換気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.シックハウス対策のための居室の換気を機械換気方式で行う場合、必要有効換気量を求める際の換気回数は、当該居室の天井の高さによっては、その天井の高さの区分に応じて低減することができる。
2.半導体や液晶を製造する工場のクリーンルームにおいては、一般に、清浄度を保つために周囲の空間に対して正圧となるように制御を行い、じんあいの流入を防止する。
3.空調機のウォーミングアップ制御は、一般に、外気ダンパーを全閉にするとともに還気ダンパーを全開にする制御等を行い、空調の立ち上がり時間を短縮する方法である。
4.中央熱源空調方式は、在館者それぞれの要望に対応することができないことから、パーソナル空調方式としては採用されない。

解答 4:「パーソナル空調方式」は、タスク域とアンビエント域を分け、個人の空間であるタスク域の空調を調節しやすくする方式である。これを採用する方式として「中央熱源方式」には3種類(床吹き出し、机吹き出し、天井吹き出し)ある。

1.国土交通省告示第273号により、国土交通大臣が定めた構造方法を用いる場合、居室の天井高さの区分に応じて換気回数を減ずることができる。

2.汚染空気が周囲から流入してはならない手術室やクリーンルーム等においては、第二種機械換気方式又は室内の気圧を周囲より高くした第一種機械換気方式とする。

3.建物の使用時間前に予熱予冷運転を行う場合、在室者による汚染物質の発生がなく、外気を取り入れる必要がないので、外気取り入れを停止することができる。外気取り入れによる空調負荷を低減することができるので、空調立ち上がり時間の短縮と省エネに有効である。

〔R01 No.13〕空気調和・換気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.長方形ダクトの断面のアスペクト比を、6:1 とした。
2.セントラルダクト方式を採用した高層建築物において、低圧ダクトではダクトスペースが建築面積に対して大きな割合となることから、高圧ダクトとした。
3.天井から下向きに軸流吹出し口を設置する事務室の計画に当たり、居住域の上面における風速が0.5ⅿ/s以下となるようにした。
4.水蓄熱槽の性能を十分に発揮させるために、槽内の高温水と低温水とを可能な限り分離させた。

解答 1:「アスペクト比」とは、ダクト断面の長辺の長さを短辺の長さで割った値のことである。この断面が正方形に近いほど、アスペクト比は1に近くなり、摩擦抵抗による圧力損失が小さくなる。一般に、このアスペクト比は4以下にすることが望ましい。

2.セントラルダクト方式では、ダクト内の風速を高めることができるので、高圧ダクトを使用することで、同じ風量を送風する場合において低圧ダクトよりもダクト径を小さくすることができる。

3.天井から下向きに軸流吹出し口を設置する場合、居住域の上面における風速が0.5ⅿ/s以下となるようにする(設問文ママ)。

4.水蓄熱槽の採用は、一般に、熱源を全負荷運転することによる高効率運転に加えて、冷水ポンプや冷却水に係る熱源補機も含めた熱源システムのエネルギー効率を高めることができる。熱損失を少しでも減らすために、槽内の高温水と低温水とを可能な限り分離する。

〔R01 No.14〕給水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.水道直結直圧方式は、水道本管の圧力を利用して建築物内の必要箇所に給水する方式であり、一般に、3階建て以下の建築物で小規模なものに適用することができる。
2.高置水槽方式は、水道本管からの水を受水槽へ貯水した後に、屋上等に設置した高置水槽へ揚水し、そこから重力を利用して建築物内の必要箇所に給水する方式であり、一般に、大規模な建築物にも適用することができる。
3.水道直結増圧方式は、水道本管の圧力に加えて増圧ポンプによって建築物内の必要箇所に給水する方式であり、一般に、水道本管への逆流について考慮する必要はない。
4.ポンプ直送方式は、水道本管からの水を受水槽へ貯水した後に、給水ポンプによって建築物内の必要箇所に給水する方式であり、一般に、建築物が停電した際は給水することができない。

解答 3:「水道直結方式」は、受水槽を設けず、水道本管の圧力で給水する「直圧」方式と、増圧装置を用いる「増圧」方式の2種類がある。このうち増圧方式においては、逆流を防ぐための逆流防止器を設置する必要がある。

1.水道直結直圧方式は、水道本管の圧力を利用して建築物内の必要箇所に給水する方式であり、一般に、3階建て以下の建築物で小規模なものに適用することができる(設問文ママ)。

2.高置水槽方式は、水道本管からの水を受水槽へ貯水した後に、屋上等に設置した高置水槽へ揚水し、そこから重力を利用して建築物内の必要箇所に給水する方式である(設問文ママ)。必要な動力が少なく省エネルギーであるが、受水槽や高置水槽の清掃が必要である。

4.ポンプ直送方式は、水道本管からの水を受水槽へ貯水した後に、給水ポンプによって建築物内の必要箇所に給水する方式である(設問文ママ)。ポンプによって供給するため、停電時には送水することができなくなる。

〔R01 No.15〕給排水衛生設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.災害応急対策活動に必要な医療施設において、地震災害時に使用できる水を確保するために、受水槽に地震の感知により作動する緊急給水遮断弁を設けた。
2.雨水排水管と汚水排水管とを別系統で配管した建築物において、公共下水道が合流式であったことから、雨水排水と汚水排水とを屋外の排水ますで同一系統とした。
3.循環式の中央式給湯設備において、レジオネラ属菌の繁殖を防ぐために、貯湯槽内の湯の温度を60 ℃以上に保つこととした。
4.伸頂通気方式の排水通気配管において、通気流速を高めるために、伸頂通気管の管径を排水立て管の管径よりも1サイズ小さいものとした。

解答 4:伸頂通気方式、自然流下方式いずれも、排水通気配管は最下部の最も大きな排水負荷を負担する部分の管と同一の管径とする。

1.病院等の災害応急対策活動に必要な施設においては、受水槽や必要な給水管分岐部に地震感知により作動する緊急給水遮断弁を設けることが望ましい。

2.公共下水道が合流式の地域において、雨水排水管は、屋外にトラップますを設けて汚水排水管に接続する。

3.レジオネラ属菌とは、自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に生息している細菌で、レジオネラ症(legionellosis)という細菌感染症を引き起こす細菌のこと。60度の環境では5分間で殺菌されるため、循環式浴槽などを設置する場合、貯湯槽内で60℃以上に維持する必要がある。

〔R01 No.16〕電気設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.電圧の種別において、交流で600V以下のものは、低圧に区分される。
2.力率は、交流回路に電力を供給する際の「皮相電力(電圧と電流との積)」に対する「有効電力」の比率である。
3.幹線に使用する配線方式において、バスダクト方式は、負荷の増設に対応しにくいことから、小容量の電力供給に限られている。
4.無停電電源装置(UPS)は、整流器、蓄電池、インバータ等により構成され、瞬間的な電圧降下時や停電時においても安定した電力供給を維持するためのものである。

解答 3:「バスダクト配線方式」は、最大許容電流が大きく、過電源に対する強度が優れているので、大規模な建物や工場などの大容量の電力供給、幹線等に用いられる


1.電圧の種別は、以下の表を参考にする。


2.力率は、交流回路に電力を供給する際の「皮相電力:VI(電圧×電流)」に対する「有効電力:VIcosθ」の割合である。

4.無停電電源装置(UPS)は、整流器、蓄電池、インバータ等により構成され、瞬間的な電圧降下時や停電時においても安定した電力供給を維持するためのものである(設問文ママ)。

〔R01 No.17〕照明設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.病院の手術室及び診察室の照明設備において、事務室に使用する光源に比べて演色性の低い光源を使用した。
2.住宅のリビングの間接照明において、熱放射が少なく、ランプ交換等のメンテナンス頻度が少ないLEDランプを使用した。
3.事務室の照明計画において、ランプのサイズが小さく高輝度のLEDランプを使用するに当たり、グレアに配慮して、光源が直接目に入らないようにした。
4.事務室の照明計画において、ブラインドの自動制御により昼光を利用し、かつ、照度センサーを用いた照明の制御も併せて行うことにより、消費電力が少なくなるようにした。

解答 1:病院の手術室・診察室において使用する照明設備は、検査などを行うため、色の再現性を高める必要があり、演色性の高い光源とすることが望ましい。

2.LEDライト(発光ダイオード)は電子を直接、光に変える技術を用いている。超寿命で低発熱、小型、軽量。調光がしやすく、高効率・省エネで最近主流になってきている。

3.グレアとは、視野内の高輝度の部分や、極端な輝度対比によって、物体の見やすさが損なわれることである。高輝度の光を直接、または反射面の対照に配置しないようにする。

4.「照度センサー」は、昼光利用や室内の照度を感知して調光するものであり、省エネルギーに期待される。

〔R01 No.18〕防災設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.水噴霧消火設備は、噴霧水による冷却作用と噴霧水が火炎に触れて発生する水蒸気による窒息作用等により、火災の抑制・消火をする固定式の消火設備である。
2.排煙設備は、専用の設備として設けることが原則であるが、換気設備が排煙設備としての性能を有していることが確認された場合には、兼用が認められることがある。
3.屋外消火栓設備は、防火対象物の外部に設置され、建築物の1階部分及び2階部分で発生した火災の消火や隣接する建築物への延焼防止を目的としている。
4.連結送水管設備は、地下階の火災の際、消火活動を容易にするために、消防ポンプ自動車から送水し、天井又は天井裏の散水ヘッドから放出することにより消火する設備である。

解答 4:記述は「連結散水設備」に関する記述である。「連結送水管設備」は3階以上の消火活動を行うための設備である。ポンプ車から送水口に連結し、各階に設けている放水口に消火水を送り込む。

送水口


1.水噴霧消火設備は、スプリンクラー設備と同様に水を散水して火災を消火する設備である。スプリンクラー設備よりも散水される水滴が細かく、火災時の熱によって急激に蒸発するときに熱を奪うことによる「冷却効果」と、燃焼面を蒸気で覆うことによって酸素を遮断する「窒息効果」によって消火する設備である。

2.兼用方式は、火災時に空調設備や換気設備のダクトや送風機をダンパーで切り替えて排煙設備とする。兼用方式は、日常使用している設備を非常時に転用しているので経済的で信用性の向上が図ることができる。

3.屋外消火栓設備は建物の周囲に設置され、建物の1階及び1階で発生した火災の消火及び外部より放水することにより延焼を防止するために使用する設備である。消防隊の使用だけではなく、在館者や周辺にいる者による消火も期待できる。ホース接続口からの水平距離は40m以内とし、その警戒区域はホース2本の長さ(40m)と放水距離(10m)で有効に放水できることとされる。

〔R01 No.19〕建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.冷却塔は、冷却水の蒸発による冷却作用を有効に利用するため、建築物の外気取入れ口に近い位置に計画することが望ましい。
2.リバースリターン方式は、往き管と還り管の流量が等しい循環配管系には適しているが、給湯管と返湯管で流量が大きく異なる場合には適さない。
3.分流式下水道の区域において、雨水管の敷地境界部には、下水道本管からの害虫等の侵入防止を目的として、雨水トラップを設ける必要がある。
4.空調用の蓄熱槽の水は、必要な措置が講じられている場合には、消防用水として使用することができる。

解答 1:冷却塔と外気取り入れ口とは10m以上離して計画する。これは、通風冷却時に水滴に含まれるレジオネラ属菌が室内へ侵入するのを防ぐためである。

2.リバースリターン方式とは、往き配管と還り配管の合計長さがどの機器からも同程度になるように配管された方式をいう。ダイレクトリターン方式の問題を改善するために取られる方式である。この方式では、熱源機から遠い末端の機器で還り配管がUターンするため、往き配管と還り配管2本の計3本をセットで配管する。

3.「合流式下水道」では、汚水と雨水を一緒に下水処理場へ送るこのため、汚水トラップ・雨水トラップの両方を設ける。対して「分流式下水道」は汚水用管路のみを埋設し、汚水は下水処理場へ、雨水は川や海に直接放流する。下水道本管からの害虫等の侵入防止を目的として、汚水トラップを設ける必要がある。雨水管が埋設されている場合は、接続前に雨水トラップを設ける。

4.蓄熱式空調システムは、一般に地下の空間を水蓄熱槽として利用しており、火災時の消防用水、災害時の生活用水にも使用することができる。

〔R01 No.20〕環境・設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.微気候は、一般に、建築物や人体への影響が大きい地表面近くの気候、室内環境における建築部材付近や人体の皮膚付近の気候等をいう。
2.バスタブ曲線は、グラフの縦軸を故障率、横軸を時間とし、設備の信頼性や保全性の概念を示したものである。
3.冷凍機に使用される代替冷媒のフロン(HFC)は、オゾン破壊係数は0(ゼロ)であるが、地球温暖化係数が高い温室効果ガスの一種である。
4.CASBEEの評価においては、BEEの値が小さいほど建築物の環境性能が高いと判断される。

解答 4:CASBEE(建築環境総合性能評価システム)におけるBEE(建築物の環境性能効率) の値が大きいほど環境性能が高い。BEEを高めるためには、建築物の環境品質(Q)の数値を大きく、かつ、建築物の環境負荷 (L)の数値が小さくなるように計画する。

1.微気候とは、地面近くの気層の気候で、地表面の状態や植物群落などの影響を受けて、細かい気象の差が生じる。

2.バスタブ曲線(bathtub curve)は、機械や装置が運用され始めてから、やがて寿命を迎えるまでの期間を、「初期故障期」「偶発故障期」「摩耗故障期」の3つに区分し、横軸に経過時間を、縦軸に故障率をとるグラフである。設備の信頼性や保全性の概念を示したものである。

3.HFCは、国内では代替フロンと呼ばれており、今後は、地球温暖化係数が低い新しい冷媒に転換していく必要がある。

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投稿日:2019年9月18日 更新日:

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