一級構造(構造設計)

建築士過去問解説

一級建築士試験分野別まとめ
構造
構造設計

一級建築士学科試験
2023年7月23日(日)

令和05年度試験日まであと 日!

このWEBサイトは建築士試験に限定した資料集です
(公益財団法人よりWEB上での公開認定取得済)

一級建築士試験13年分
分野別まとめ

(平成20年度から令和02年度まで)

一級建築士
構造
構造設計

〔H28 No.6〕図-1のような頂部に質量m又は2mをもち、剛性がK又は2Kの棒A、B、Cにおける固有周期はそれぞれTA、TB、TCである。それぞれの棒の脚部に図-2に示す加速度応答スペクトルをもつ地震動が入力されたとき、棒に生じる最大応答せん断力がQA、QB、QCとなった。QA、QB、QCの大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。 ただし、TA、TB、TCは図-2のT1、T2、T3のいずれかに対応し、応答は水平方向であり、弾性範囲内とする。


1.QA< QB = QC
2.QB< QA = QC
3.QB< QA < QC
4.QC< QA < QB

解答 1:求める応答せん断力Qは、
Q = m × α (m:集中質量、α:応答加速度)
で求められる。各棒の集中質量(m)はすでに与えられているので、図-2から応答加速度(α)を求める。棒の固有周期(T)は、
T = 2π√(m/K) (K:水平剛性)
で求められるので、棒A、B、Cそれぞれの固有周期を以下に求めると、
  棒A:TA = 2π√(m/K) 
  棒B:TB = 2π√(m/2K) = 2π√(m/K) × 1/√2
  棒C:TC = 2π√(2m/K) = 2π√(m/K) × √2
以上より、TA:TB:T= 1:1/√2:√2 = √2:1:2
これより、TB<TA<TC となるので、図2より、
  TA=T→ α2 = 0.3g
  TB=T→ α1 = 0.4g
  TC=T→ α3 = 0.2g
よって、各棒の応答せん断力Qは、
  Q= m× α=   m × 0.3 g = 0.3m g
  Q= m× α=   m × 0.4 g = 0.4m g
  Q= m× α= 2m × 0.2 g = 0.4m g
したがって、QA < QB = Q(選択肢1)
(関連問題:平成25年1級学科4、No.7、平成16年1級学科3、平成13年1級学科3)

〔H26 No.7〕図のようなラーメン架構A、B、Cの水平方向の固有周期をそれぞれTA、TB、TCとしたとき、それらの大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱の曲げ剛性はそれぞれEI、2 EI、3EIとし、梁は剛体とする。また、柱の質量は考慮しないものとする。

1.TA> TB> TC
2.TA> TC> TB
3.TB> TA> TC
4.TB> TC> TA

〔H25 No.7〕図-1のような項部に集中質量m又は2mをもち剛性がK又は2Kの棒A、B、Cにおける固有周期はそれぞれTA、TB、TCである。それぞれの棒の脚部に図-2に示す加速度応答スペクトルをもつ地震動が入力されたとき、棒に生じる最大応答せん断力がQA、QB、QCとなった。QA、QB、QCの大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、TA、TB、TCは図-2のT1、T2、T3のいずれかに対応し、応答は水平方向であり弾性範囲内とする。

1.Q> Q> QC
2.Q> Q> QC
3.Q> Q> QA
4.Q> Q> QA

解答 4:求める応答せん断力Qは、
Q = m × α (m:集中質量、α:応答加速度)
で求められる。各棒の集中質量(m)はすでに与えられているので、図-2から応答加速度(α)を求める。棒の固有周期(T)は、
T = 2π√(m/K) (K:水平剛性)
で求められるので、棒A、B、Cそれぞれの固有周期を以下に求めると、
  棒A:TA = 2π√(m/K) 
  棒B:TB = 2π√(m/2K) = 2π√(m/K) × 1/√2
  棒C:TC = 2π√(2m/K) = 2π√(m/K) × √2
以上より、TA:TB:T= 1:1/√2:√2 = √2:1:2
これより、TB<TA<TC となるので、図2より、
  TA=T→ α2 = 0.4g
  TB=T→ α1 = 0.5g
  TC=T→ α3 = 0.3g
よって、各棒の応答せん断力Qは、
  Q= m× α=   m × 0.4 g = 0.4m g
  Q= m× α=   m × 0.5 g = 0.5m g
  Q= m× α= 2m × 0.3 g = 0.6m g
したがって、QC > Q> QA(選択肢4)
(関連問題:平成28年1級学科4、No.7、平成16年1級学科3、平成13年1級学科3)

 

 

〔H23 No.7〕図のようなラーメン架構A、B、Cの水平方向の固有周期をそれぞれTA、TB、TCとしたとき、それらの大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、すべての柱は等質等断面とし、すべての梁は剛体とする。

1.TA > TB > TC
2.TB > TA = TC
3.TB > TC > TA
4.TC > TB > TA

〔R01 No.1〕等質で、図- 1のような断面形状の部材に、図- 2のように断面力として曲げモーメントMのみが作用している。この断面の降伏開始曲げモーメントをMy、全塑性モーメントをMpとするとき、M≦Myの場合とM≦Mpの場合の中立軸の位置の組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、中立軸の位置は断面下縁から測るものとする。

解答 3:全塑性状態(M=Mp)のときの、その断面から考える。圧縮合力Cと引張合力Tが作用している。これらCとTの力の大きさは等しく、向きは正反対を向いている。
合力は断面積(A)×応力度(σ)で求められるが、
全塑性状態であるとき、圧縮応力と引張応力の大きさは同じく、一定である。そのため、面積を二分する部分が中立軸の位置である。よって、全塑性状態の時の中立軸の位置は、300mmである。

次に2つ目の条件の弾性状態の場合の中立軸の位置は、断面積の重心に位置する。
上の図より、求められる弾性状態時の中立軸(重心の位置)は、250mmとなる。

〔H30 No.1〕図-1のような等質な材料からなる断面が、図-2に示す垂直応力度分布となって全塑性状態に達している。このとき、断面の図心に作用する圧縮軸力Nと曲げモーメントMとの組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、降伏応力度はσyとする。

解答 4:全断面が塑性化している時、曲げモーメントMに抵抗する部分(①)と圧縮軸力Nに抵抗する部分(②)に分けて考える。
①曲げモーメントMに抵抗して、部材上下に引張合力(T)と圧縮合力(C)が働いており、その大きさは等しく、向きは正反対である。このことから、
T = C = フランジの断面積×応力度=4a2×σy= 4a2σy
よって、M = T × 5a = C × 5a = 20a3σy
②次に、全塑性状態における圧縮軸力Nを求めると、
N = ウェブの断面積×応力度=(4a2×σy)×2 = 8a2σy

 

 

〔H28 No.1〕図-1のような脚部で固定された柱の頂部に鉛直荷重及び水平荷重が作用している。柱の断面形状は図-2に示すような箱形断面であり、鉛直荷重の合力P及び水平荷重の合力Qは断面の図心に作用しているものとする。柱脚部断面の垂直応力度分布が図-3のような全塑性状態に達している場合のPとQとの組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、箱形断面は等質等断面とし、降伏応力度はσyとする。

解答 4:全断面が塑性化している時、曲げモーメントMに抵抗する部分(①)と圧縮軸力Nに抵抗する部分(②)に分けて考える。
①曲げモーメントMに抵抗して、部材上下に引張合力(T)と圧縮合力(C)が働いており、その大きさは等しく、向きは正反対である。このことから、
T = C = フランジの断面積×応力度=4d2×σy= 4d2σy
よって、M = T × 3d = C × 3d = 12d3σy
⇔ Ql = 12d3σy
⇔ Q = 12d3σy/ l

②圧縮軸力Nは、ウェブの断面積に応力度を乗じて求める。
N = (d×2d×σy)×2 = 4d2σy
N = P であることから、
P = 4d2σy

〔H25 No.1〕図-1のような等質な材からなる断面が、図-2 に示す垂直応力度分布となって全塑性状態に達している。このとき、断面の図心に作用する圧縮軸力Nと曲げモーメン卜Mとの組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、降伏応力度はσyとする。

解答 4:全断面が塑性化している時、曲げモーメントMに抵抗する部分(①)と圧縮軸力Nに抵抗する部分(②)に分けて考える。①曲げモーメントMに抵抗して、部材上下に引張合力(T)と圧縮合力(C)が働いており、その大きさは等しく、向きは正反対である。このことから、
T = C = フランジの断面積×応力度=3a2×σy= 3a2σy
よって、M = T×3a = C×3a = 9a3σy

②圧縮軸力Nは、ウェブの断面積に応力度を乗じて求める。
N = a×2a×σy = 2a2σy

〔H24 No.1〕図-1のような底部で固定された矩形断面材の項部の図心G点に鉛直荷重P及び水平荷重Qが作用している。底部a-a断面における垂直応力度分布が、図-2のような全塑性状態に達している場合のPとQとの組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、矩形断面材は等質等断面とし、降伏応力度はσyとする。

解答 2:全断面が塑性化している時、曲げモーメントMに抵抗する部分(①)と圧縮軸力Nに抵抗する部分(②)に分けて考える。①曲げモーメントMに抵抗して、部材上下に引張合力(T)と圧縮合力(C)が働いており、その大きさは等しく、向きは正反対である。このことから、
T = C = 断面積×応力度=d2×σy= d2σy
よって、M = T×2d = C×2d = 2d3σy
⇔ Ql = 2d3σy
⇔ Q = 2d3σy/ l

②圧縮軸力Nは、断面積に応力度を乗じて求める。
N = d×d×σy = d2σy
N = P であることから、
P = d2σy

 

 

〔H23 No.1〕図のような断面において、X軸まわりの全塑性モーメントをMPX、Y軸まわりの全塑性モーメントをMPYとしたとき、全塑性モーメントMPXとMPYとの比として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、断面に作用する軸力は0とする。

解答 2:全塑性モーメントに関する問題である。部材に曲げモーメントが作用すると、部材に生じる応力度も変化し、弾性状態から全塑性状態と変化していく。
H形断面の場合、フランジ部分とウェブ部分それぞれで計算を行い、2つの全塑性モーメントの和を求める。

①X軸周りの全塑性モーメントMPX
MPX = MXフランジ + MXウェブ
⇔ MPX = (3a2 × σy × 2a) + (a2/2 × σy × a/2)
           = 25a3σ/4

②ウェブ部分MPY = MYフランジ + MYウェブ
⇔ MPY = (2a2 × σy × 2a) + (3a2/2 × σy × a/2)
           = 19a3σ/4

〔H22 No.1〕図-1のような底部で固定されたH形断面材の項部の図心G点に鉛直荷重P及び水平荷重Qが作用している。底部a-a断面における垂直応力度分布が図-2のような全塑性状態に達している場合のPとQとの組合せとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、H形断面材は等質等断面とし、降伏応力度をδyとする。

解答 1:全断面が塑性化している時、曲げモーメントMに抵抗する部分(①)と圧縮軸力Nに抵抗する部分(②)に分けて考える。①曲げモーメントMに抵抗して、部材上下に引張合力(T)と圧縮合力(C)が働いており、その大きさは等しく、向きは正反対である。このことから、
T = C = フランジの断面積×応力度= 4d2×σy= 4d2σy
よって、M = T×3d = C×3d = 12d3σy
⇔ Ql = 12d3σy
⇔ Q = 12d3σy/ l

②圧縮軸力Nは、ウェブの断面積に応力度を乗じて求める。
N = d×2d×σy = 2d2σy
N = P であることから、
P = 2d2σy

〔H21 No.1〕図-1のような断面で同一材質からなる梁A及びBに、一点鎖線を中立軸とする曲げモーメントのみが作用している。これらの断面の降伏開始曲げモーメントをMy、全塑性モーメントをMpとするとき、断面内の応力度分布が図-2に示す状態である。梁A及びBにおけるMpとMyの比α=Mp/MyをそれぞれαA、αBとするとき、その大小関係として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、降伏応力度はσyとする。

1.αA>αB>1
2.αB>αA>1
3.1>αA>αB
4.1>αB>αA

解答 1:降伏開始曲げモーメントMyは、以下の式で求められる。
M= 降伏応力度(σy)×断面係数(Z)
また全塑性モーメント(MP)は、引張圧縮合力(ΣP)×応力中心距離(l)であり、断面係数は、Z = bh2/6 = IB/2aであるから、
MyAy×ZAy×(bh2/6)=σy(3a×4a×4a/6)=8a3σy
MyBy×ZBy×(IB/2a)
      =σy×{(3a×4a×4a×4a)/12-(a×2a×2a×2a)×2/12)}/2a
      =(22a3/3)σy
ブロック解法にてMPAとMPBを求めると、
MPA=(2a×3a×σy)×2a
      =12a3σy
MPB=(3a×a×σy)×3a + (a×a×σy)×a
      =10a3σy
よって、
α= MPA/MyA =12a3σy/8a3σy=3/2
α= MPB/MyB =10a3σy/(22a3/3)σy=30/22
ゆえに、α>1

 

 

〔H29 No.4〕図は2層のラーメンに水平荷重P及び2Pが作用したときの正しい崩壊メカニズムを示したものである。次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、最上階梁及び2階梁の全塑性モーメントはそれぞれMP及び2 MPとし、1階柱の柱脚の全塑性モーメントは2 MPとする。

1.最上階梁のせん断力Qbは、MP/l である。
2.鉛直反力Vは、3 MP/lである。
3.水平荷重Pは、2 MP/lである。
4.1階右側の柱のせん断力QCは、6 MP/lである。

解答 4:崩壊荷重に関する問題。
梁の材端モーメント(M)とせん断力(Q)の関係は、以下の式に表される。
せん断力 = − (材端モーメントの和 / スパン)
この関係から、最上階の梁のせん断力QbおよびQdは、
 Qb = (MP+MP)/2l = MP/l (選択肢1は正しい)
 Q= (2MP+2MP)/2l = 2MP/l 

また支点の反力は、すべての梁のせん断力の合計であることから、
V = Qb + Qd 
   = MP/l + 2MP/l 
   = 3MP/l (選択肢2は正しい)

水平力Pを求める。二層の骨組が崩壊メカニズムに達した時の水平力Pは、仮想仕事の原理を応用し、崩壊荷重を2P、Pを外力、全塑性モーメントMPを内力として求める。すなわち、
外力の合計 = 内力の合計
⇔ 2P×l + P×l = MP + MP + 2MP + 2MP
⇔ 3Pl = 6MP
⇔ P = 2MP/ l (選択肢3は正しい)

次に柱のせん断力Qcを求める。骨組みに作用する水平力の合計は、1階柱のせん断力の合計(Qcの2倍)に等しい。このことから、
2P + P = 2 × Qc
Qc = (3/2)P

〔H28 No.4〕図-1のような鉛直荷重100kN、水平荷重Pを受けるラーメンにおいて、水平荷重Pを増大させたとき、荷重Puで塑性崩壊に至り、図-2のような崩壊機構を示した。Puの値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱、梁の全塑性モーメントMPの値をそれぞれ300kN・m、200kN・mとする。


1. 200kN
2. 225kN
3. 250kN
4. 275kN

解答 2:ラーメンの崩壊荷重は、「仮想仕事の原理」を応用し、崩壊荷重Puを外力(①)、全塑性モーメントMPを内力(②)として求める。
①外力による仕事W
 W外 = Pu×σ1 + 100kN×σ2
          = Pu×4m×θ + 100kN×5m×θ
          = (4Pu + 500)θ
②内力による仕事W
 W = MP(柱)×θ + MP(梁)×2θ +MP(梁)×2θ + MP(柱)×θ
          = 300×θ + 200×2θ + 200×2θ + 300×θ
          = 1,400θ
W = Wなので、
    (4Pu + 500)θ = 1,400θ
⇔ Pu = 900 / 4 = 225kN

〔H27 No.4〕図-1のような水平荷重を受けるラーメンにおいて、水平荷重Pを増大させたとき、そのラーメンは、図-2のような崩壊機構を示した。ラーメンの崩壊荷重Puの値として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱、梁の全塑性モーメントの値は、それぞれ400kN・m、200kN・mとする。

1. 200kN
2. 300kN
3. 400kN
4. 500kN

解答 3:ラーメンの崩壊荷重は、「仮想仕事の原理」を応用し、崩壊荷重Puを外力(①)、全塑性モーメントMPを内力(②)として求める。このとき点Bにおける角度をXBと置き、A点、B点のひずみをσ1、σ2と置くと、
θ = σ1l  ・・・①
 ⇔ σ= l×θ  ・・・①’
XB = σ2/(/3)・・・②
σ12 なので、①’を②に代入すると、
XB = σ2l  = (l×θ)/(/3) = 3θ

①外力による仕事W
 W外 = Pu × 6m × θ= 6Puθ
②内力による仕事W
 W = MP(柱)×θ + MP(梁)×θ +MP(梁)×3θ + MP(柱)×3θ
         = 2,400θ
W = Wなので、
    6Puθ = 2,400θ
⇔ Pu = 2,400 / 6 = 400kN

 

 

〔H26 No.4〕図-1のような山形ラーメンに作用する水平荷重Pを増大させたとき、山形ラーメンは図-2のような梁端部に塑性ヒンジを生じる崩壊機構を示し、そのときの水平荷重の大きさはPBであった。次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、梁の全塑性モーメントはMPとする。

解答 2:崩壊荷重に関する問題。まず上の図のように反力を仮定し、反力VAを求める。点Eのモーメントの釣り合いを求めると、
ΣME = 0
⇔ – VA・2+ P・l = 0 
⇔ VA = P/2・・・①

次に水平力Pを求める。二層の骨組が崩壊メカニズムに達した時の水平力Pは、仮想仕事の原理を応用し、崩壊荷重Puを外力、全塑性モーメントMPを内力として求める。すなわち、
外力の合計 = 内力の合計
⇔ Pu×lθ = MP×θ+ MP×θ
⇔ Pu = 2MPθ
⇔ Pu = 2MP/ l (選択肢4は正しい)・・・②

②式を①に代入すると、
VA = P/2 = MP/ l = (選択肢1は正しい)・・・③

次に柱DEの軸力を考える。柱DEの垂直方向の軸力Nは、力の釣り合いにより、VAと同じ大きさで、反対方向(圧縮)になる。よって③より、
N = VE = – VA = MP/ l(選択肢3は正しい)

次に、支点AとEにかかる水平反力はそれぞれ柱AB、柱DEのせん断力と同じ値であるから、HA = MP/l、HE = MP/l となる。ここで点Cから右側に注目し、モーメントを考えると、
MC = − VE×l + HE×(7/4)l
      = −MP/l ×l + MP/l ×(7/4)l
      = −M+ (7/4) M= (3/4)MP
梁BCのB点における曲げモーメントは題意よりMP、C点における曲げモーメントは先の計算により(3/4)MPとなる。
さて、梁BCのせん断力Qは、梁全体に生じるモーメントの和をそのスパンで割ったものとなるから、
QBC = {MP + (3/4)MP} / (5/4)l
        = 7M/ 5l

〔H25 No.4〕図-1のようなラーメンに作用する水平荷重Pを増大させたとき、そのラーメンは図-2のような崩壊機構を示した。ラーメンの崩壊荷重Puとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱、梁の全塑性モーメントはそれぞれ3MP、2MPとする。

解答 4:ラーメンの崩壊荷重は、「仮想仕事の原理」を応用し、崩壊荷重Puを外力(①)、全塑性モーメントMPを内力(②)として求める。このとき点Bにおける角度をXBと置き、A点、B点のひずみをσ1、σ2と置くと、
θ = σ1l  ・・・①
 ⇔ σ= l×θ  ・・・①’
XB = σ2l ・・・②
σ12 なので、①’を②に代入すると、
XB = σ2l  = (l×θ)/ l = θ

①外力による仕事W
 W外 = Pu × l × θ= Pul・θ
②内力による仕事W
 W = 3MP×θ + 2MP×θ + 2MP×2θ + 3MP×2θ
         = 15MP・θ
W = Wなので、
    Pul・θ = 15MP・θ
⇔ Pu = 15MP / l

〔H23 No.4〕図は二層の骨組に水平力P及び2Pが作用したときの崩壊メカニズムを示したものである。次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、梁の全塑性モーメントはMP又は2MPとし、1階柱の柱脚の全塑性モーメントを2MPとする。

1.梁のせん断力Aは、MP/lである。
2.支点反力Bは、3MP/lである。
3.柱のせん断力Cは、3MP/lである。
4.水平力Pは、4MP/lである。

解答 4:梁のせん断力Aを求める。全塑性モーメント(M)は、梁のせん断力(Q)と梁のスパン(l)を乗じて求められるため、
QA = (MP + MP)/ 2l = MP/ (選択肢1は正しい)

次に1段目の梁を梁Dとし、梁Aと梁Dのせん断力の合計を求める(すべての梁のせん断力の合計が反力Bの値となる)。
QD = (2MP + 2MP)/ 2l = 2MP/
よって、支点Bの反力 = QA+QD = MP/ + 2MP/ l = 3MP/ l
(選択肢2は正しい)

柱のせん断力Cを求める。骨組に作用する水平力の合計は、1階柱のせん断力の合計に等しい。このことより、
屋根にかかる水平力 + 2階にかかる水平力 = 1階の柱のせん断力×2
2P + P = QC ×2
⇔ QC = 3P/2 ・・・①

選択肢4に関連して水平力を求める。二層の骨組が崩壊メカニズムに達した時の水平力Pは、仮想仕事の原理を応用し、崩壊荷重2P、Pを外力、全塑性モーメントを内力として求める。
(1)外力による仕事
 W = P×l×θ + 2P×2l×θ= 5Plθ
(2)内力による仕事
 W = (2MP×θ + 2MP×θ + MP×θ) ×2
       = 10MPθ
(3)「W = W」より、
5Plθ = 10MPθ
P = 2MP/ l (選択肢4は誤り)

またP = 2MP/ l を①式に代入すると、
QC = 3P/2 = 3MP/ l (選択肢3は正しい)

 

 

〔H22 No.5〕静定トラスは一部材が降伏すると塑性崩壊する。図のような先端集中荷重Pを受けるトラスの塑性崩壊荷重として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、各部材は、断面積をA、材料の降伏応力度をδyとし、断面二次モーメントは十分に大きく、座屈は考慮しないものとする。

解答 4:塑性崩壊荷重(Pu)は、最大応力が降伏耐力に達する時の荷重である。最大応力(N)は、部材の断面積(A)×降伏応力度(δ)によって求められる。最も応力(軸方向力)が大きくなる場所は、外力荷重から遠いところなので、それらの部分の最大応力を切断法によって求める。ΣMD = 0 ⇔ l・NBC + 3l・P = 0
               ⇔ NBC = -3P(圧縮力)
ΣY = 0    ⇔ 1/√2 NBD + P = 0
               ⇔ NBD  = -√2 P(圧縮力)
ΣX = 0    ⇔ NAD + NBD + NBC = 0
               ⇔ NAD = – (1/√2)NBD – NBC
                           = P – (-3P) = 4P(引張力)
以上より、最も大きな応力は部材ADに生じ、その最大応力(N)は、4Puである。
よってその塑性崩壊荷重Puは、
N = A × δy
⇔ 4Pu = A × δy
⇔ Pu = (A・δy)/4

〔H20 No.4〕図-1のようなラーメンに作用する荷重Pを増大させたとき、そのラーメンは図-2のような崩壊メカニズムを示した。ラーメンの崩壊荷重Puとして、正しいものは、次のうちどれか。ただし、柱、梁の全塑性モーメントをそれぞれ3Mp、2Mpとする。

解答 2:ラーメンの崩壊荷重は、「仮想仕事の原理」を応用し、崩壊荷重Puを外力(1)、全塑性モーメントMPを内力(2)として求める。このとき点B、点Cにおける角度をそれぞれXB、XCと置き、A点、B点、C点のひずみをσ1、σ2、σ3と置くと(上図)、
θ = σ1/2l ・・・①
 ⇔ σ= 2l・θ ・・・①’
XB = σ2/2l ・・・②
XC = σ3/l ・・・③
σ12なので、①’を②と③に代入すると、
XB = σ2/2l  = (2l・θ)/2l = θ
XC = σ3/l  = (2l・θ)/l = 2θ

(1)外力による仕事W
 W外 = Pu × 2l × θ= 2Pul・θ
(2)内力による仕事W
 W = 3MP×θ + 2MP×θ + 3MP×θ + 3MP×θ + 2MP×2θ + 3MP×2θ
         = 21MP・θ
W = Wなので、
    2Pul・θ = 21MP・θ
⇔ Pu = 21MP / 2l

〔R02 No.8〕建築基準法における屋根葺き材に作用する風荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.屋根葺き材の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準は、建築物の高さにかかわらず適用される。
2.屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる平均速度圧qについては、気流の乱れを表すガスト影響係数Gfは考慮しなくてよい。
3.屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いるピーク風力係数Cfは、一般に、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合の風力係数Cfよりも大きい。
4.屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる基準風速V0は、構造骨組に用いる風圧力を算出する場合と異なる。

解答 4:「風圧力」は、外装仕上げ材、下地材、胴縁、間柱などを介し、構造骨組へと流れる。そのため、構造骨組に達する時には平均化される。したがって、「外装材に用いる場合」より「構造骨組に用いる場合」のほうが小さい。(告示(平12)1458号)
(関連問題:令和元年1級学科4、No.07)

 

 

〔R01 No.8〕建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.多雪区域以外の区域において、積雪荷重の計算に用いる積雪の単位荷重は、積雪量1cm当たり20 N/m2以上とする。
2.店舗の売場に連絡する廊下の床の構造計算に用いる積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、店舗の売場の床の積載荷重を用いることができる。
3.建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、一般に、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に水平震度を乗じて計算する。
4.建築物の固有周期が長い場合や地震地域係数Zが小さい場合には、地震層せん断力係数Ciは、標準せん断力係数C0より小さくなる場合がある。

解答 2:「店舗の売場に連絡する廊下の床」の積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、建築基準法施行令85条1項の表において、室の種類が(5)劇場、集会場などの積載荷重の「その他」の欄の数値による。これは(4)百貨店又は店舗の売場より大きな値で定められている。
(関連問題:平成20年1級学科4、No.08)

〔H30 No.8〕建築物の構造計算に用いる荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.多雪区域において、地震時に考慮すべき積雪荷重は、短期積雪荷重を低減したものを用いる。
2.百貨店の屋上広場の単位面積当たりの積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、百貨店の売場の単位面積当たりの積載荷重と同じとすることができる。
3.単位面積当たりの積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、「床の構造計算をする場合」、「大梁、柱又は基礎の構造計算をする場合」及び「地震力を計算する場合」のうち、「地震力を計算する場合」が最も大きくなる。
4.一般的な鉄筋コンクリートの単位体積重量は、コンクリートの単位体積重量に、鉄筋による重量増分として1kN/m3を加えた値を用いることができる。

解答 3:積載荷重は、室の種類や構造計算の対象によって下の表にように数値が定められている。(建築基準法施行令第85条第1項表改)
したがって単位面積当たりの積載荷重の大小関係は、一般に、「床の計算用」>「大梁、柱又は基礎の計算用」>「地震用の計算用」となる。
(関連問題:平成27年1級学科4、No.08平成24年1級学科4、No.07、平成18年1級、平成13年1級、平成10年1級、平成28年2級学科3、No.07平成26年2級学科3、No.08平成21年2級学科3、No.08)

〔H29 No.8〕建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.学校の屋上広場の単位面積当たりの積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、教室の単位面積当たりの積載荷重と同じ数値とすることができる。
2.雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。
3.風圧力における平均風速の高さ方向の分布を表す係数Erは、建築物の高さが同じ場合、一般に、「都市計画区域外の極めて平坦で障害物がない区域」より「都市計画区域内の都市化が極めて著しい区域」のほうが小さい。
4.建築物の地上部分における各層の地震層せん断力Qiは、最下層の値が最も大きくなる。

解答 1:屋上広場やバルコニーは、建築基準法施行令第85条1項表(8)に記載されている。これによると、屋上広場やバルコニーは「住宅の居室(1)」と同じ数値を用いる。ただし、学校・百貨店の屋上やバルコニーは「百貨店または店舗の売り場(4)」と同じ数値を用いる。
(関連問題:平成30年1級学科4、No.08平成24年1級学科4、No.07、平成19年1級、平成15年1級)

 

 

〔H28 No.7〕建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の地上部分の必要保有水平耐力を計算する場合、標準せん断力係数C0は1.0以上としなければならない。
2.地震地域係数Zは、1.0から0.7の数値として地域ごとに定められている。
3.風圧力の計算に用いる速度圧qは、その地方における基準風速V0に比例する。
4.構造部材に生じる応力度等を計算するに当たり、多雪区域ではない一般の地域においては、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせなくてもよい。

解答 3:風圧力は速度圧に風力係数を乗じて計算する。
風圧力(W) = 速度圧(q) × 風力係数(Cf)

このときの「風力係数」は建築物の形状に応じて定められ、「速度圧(q)」は、「その地方における基準風速(V0)」の2乗と「速度圧の高さ方向の分布を示す係数(E)」に比例する。
風圧力(q) = 0.6 EV02

なお、この時の「速度圧の高さ方向の分布を示す係数(E)」は、地表面粗度区分及び建築物の高さ軒の高さとの平均Hに影響される。

(関連問題:令和元年1級学科4、No.07平成28年1級学科4、No.07平成23年1級学科4、No.08平成20年1級学科3、No.08、平成15年1級、平成14年1級、平成11年1級)

〔H27 No.8〕建築物の構造計算に用いる荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.多雪区域において、暴風時に考慮すべき積雪荷重は、短期の積雪荷重を低減して用いることができる。
2.教室に連絡する廊下や階段の床の積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、教室の床の積載荷重と同じ値を用いることができる。
3.建築物の各部の積載荷重は、「床の構造計算をする場合」、「大梁・柱・基礎の構造計算をする場合」及び「地震力を計算する場合」において、それぞれ異なる値を用いることができる。
4.一般的な鉄筋コンクリートの単位体積重量は、コンクリートの単位体積重量に、鉄筋による重量増分として1kN/m3を加えた値を用いることができる。

解答 2:実況に応じて計算しない場合の積載荷重は、建築基準法施行令第85条1項の表による。教室に連絡する廊下や階段の積載荷重は、表(5)の「その他」の値を用いる。このため、表(3)の「教室」よりも大きな値となる。

(関連問題:平成30年1級学科4、No.08平成22年1級学科4、No.07平成20年1級学科4、No.08、平成19年1級、平成15年1級)

〔H26 No.8〕建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の固有周期が長い場合や地震地域係数Zが小さい場合には、地震層せん断力係数Ciは、標準せん断力係数C0より小さくなる場合がある。
2.ガスト影響係数Gfは、一般に、建築物の高さ軒の高さとの平均Hに比例して大きくなり、「都市化が極めて著しい区域」より「極めて平坦で障害物がない区域」のほうが大きくなる。
3.高さ13m以下の建築物において、屋根ふき材については、規定のピーク風力係数を用いて風圧力の計算をすることができる。
4.多雪区域においては、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせる必要がある。

解答 2:「ガスト」とは、瞬間的に生じる強風や突風のことである。「ガスト影響係数」とは、かぜの時間的変動のために建築物がゆれた場合に発生する最大の力を算定するために用いる係数である。この係数は①地表面粗度区分及び②建築物の屋根の平均高さの2つによって求められる。
「地表面粗度区分」は、「ガスト影響係数」や「平均高さ方向の分布を表す係数」に影響をあたえ、ビル風などの突風が吹きやすい「都市化が極めて著しい区域」の方がガスト影響係数は大きくなる。
(関連問題:令和元年1級学科4、No.07、平成18年1級)

 

 

〔H24 No.7〕建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.単位面積当たりの積載荷重の大小関係は、実況に応じて計算しない場合、教室>店舗の売場>住宅の居室である。
2.百貨店の屋上広場の単位面積当たりの積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、百貨店の売場の単位面積当たりの積載荷重と同じ数値とすることができる。
3.閉鎖型の建築物における風力係数は、一般に、その建築物の外圧係数と内圧係数との差により算定する。
4.風圧力における平均風速の高さ方向の分布を表す係数は、一般に、「極めて平坦で障害物がない区域」より「都市化が極めて著しい区域」のほうが小さい。

解答 1:積載荷重は、室の種類や構造計算の対象によって下の表にように数値が定められている。(建築基準法施行令第85条第1項表改)
したがって単位面積当たりの積載荷重の大小関係は、一般に、「店舗の売場」>「教室」>「住宅の居室」となる。
(関連問題:平成30年1級学科4、No.08平成27年1級学科4、No.08、平成18年1級、平成13年1級、平成10年1級、平成28年2級学科3、No.07平成26年2級学科3、No.08平成21年2級学科3、No.08)

〔H23 No.8〕図のような4階建ての建築物において、各部の風圧力の算定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.高さh2の窓ガラスの検討に用いる風圧力の計算においては、ピーク風力係数を考慮する。
2.高さh1の庇の風圧力は、庇の高さh1のみで検討し、建築物の高さ軒の高さとの平均Hに影響されない。
3.屋根茸き材に作用する風圧力算定においては、ピーク風力係数を考慮する。
4.速度圧は、その地方における基準風速、地表面粗度区分及び建築物の高さ軒の高さとの平均Hに影響され、風力係数は建築物の形状に応じて定められている。

解答 2:風圧力(W)は、
W = q × Cf (q:速度圧、Cf:風力係数)
であり、そのうち速度圧(q)は以下のように求められる。
q = 0.6 × E × Vo2(E:速度圧の高さ方向の分布を示す係数、Vo:基準風速)
また、E(速度圧の高さ方向の分布を示す係数)は以下のように求める。
E = Er2 × G(Er:平均風速の高さ方向の分布を表す係数、Gf:ガスト係数)
従って、風速力(W)および速度圧(q)を計算するためのEr、Gfは、建築物の高さと軒の高さとの平均Hの影響を受ける。(令87条1項・2項・4項平成12年告示第1454号、建築物の構造関係技術基準解説書)

〔H22 No.7〕構造計算に用いる荷重に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋コンクリートの単位体積重量を算定するに当たり、コンクリートの単位体積重量に鉄筋による単位体積重量1kN/m3を加えて求めることができる 。
2.普通コンクリートの重量を算定するに当たり、単位体積重量については、設計基準強度FC≦36N/mm2のコンクリートにおいては23kN/m3とし、36N/mm2 < FC ≦ 48N/mm2のコンクリートにおいては23.5kN/m3とすることができる。
3.教室に連絡する廊下や階段の床の積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、教室の床の積載荷重と同じ2,300N/m2としなければならない。
4.倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、実況に応じて計算した数値が3,900N/m2未満の場合においても、3,900N/m2としなければならない。

解答 3:実況に応じて計算しない場合の積載荷重は、建築基準法施行令第85条1項の表による。教室に連絡する廊下や階段の積載荷重は、表(5)の「その他」の値を用いる。

(関連問題:平成30年1級学科4、No.08平成27年1級学科4、No.08平成20年1級学科4、No.08、平成19年1級、平成15年1級)

 

 

〔H22 No.8〕荷重・外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地盤種別が第二種地盤で、建築物の設計用一次固有周期が0.6秒以上の場合は、一般に、高層になるほど地上部分の最下層の地震層せん断力係数Ciは大きくなる。
2.地下部分の地震層せん断力は、「地下部分の固定荷重と積載荷重との和に、当該部分の地下の深さに応じた水平震度Kを乗じて求めた地震力」と「1階の地震層せん断力」との和である。
3.多数の者が利用する自走式の駐車場において、誤操作による自動車の転落事故を防止するための装置等の構造は、250kNの衝撃力が作用した場合に、装置の部材の塑性変形等を考慮し、衝撃力を吸収できるようにする。
4.高さ13m以下の建築物において、屋根ふき材については、規定のピーク風力係数を用いて風圧力の計算をすることができる。

解答 1:地震層せん断力係数(Ci)は、4つの数値を乗じて求められる。その4つの数値とは、①地震地域係数(Z)、②建築物の振動特性係数(Rt)、③標準せん断力係数(Co)、④地震層せん断力係数の高さ方向の分布係数(Ai)である。
①地震地域係数は定数であるため、本問では考慮しない。
②建築物の振動特性係数は、設計用一次固有周期と関係があり、設計用一次固有周期(T)は以下のように求められる。

T = h ( 0.02 + 0.01α)

設問では「高層になるほど」とあるので、Tは大きくなる。これに関連して振動特性係数(Rt)は、Tが0.6(第2種地盤であるため)よりも大きくなるほど小さくなる。(下図)③標準せん断力係数(Co)は、0.2で定数、本問では考慮しない。
④地震層せん断力係数の高さ方向の分布係数(Ai)は、上階ほど、その層の重量が小さくなり、その揺れは大きくなる。逆に最下層において、Aiは1で一定となる
よって、高層になるほど地上部分の最下層の地震層せん断力係数Ciは小さくなる

〔H21 No.7〕建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.風圧力を算出する場合の基準風速V0は、地方の区分に応じて規定されている。
2.多雪区域ではない地域において、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせる必要はない。
3.多雪区域内において、長期積雪荷重は、短期積雪荷重の0.7倍の数値とする。
4.沖積層の深さが35mの軟弱な第三種地盤の地盤周期TCは、0.2秒以下である。

解答 4:地盤の種別は3種あり、そのうち第三種地盤は沖積層で、その深さが30m以上の地盤である。設問は「沖積層の深さが35m」であるので第三種地盤であるのは間違いない。しかし、その地盤周期は0.8秒程度であるので不適当。また、第一種地盤は0.4秒、第二種地盤は0.6秒程度。
建物の固有周期がこの地盤周期を超えると、振動特性係数は小さくなっていくので、軟弱な地盤であれば地盤周期は長くなり、振動特性は硬い地盤に比べて大きい。
(関連問題:平成29年1級学科4、No.07平成27年1級学科4、No.07平成25年1級学科4、No.08平成24年1級学科4、No.08平成20年1級学科3、No.09平成元年2級学科3、No.07平成28年2級学科3、No.08)

〔H20 No.8〕建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.多雪区域外において、積雪荷重の計算に用いる積雪の単位荷重は、積雪量1cm当たり20N/m2以上とする。
2.垂直積雪量が1mを超える場合、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして積雪荷重を計算した建築物については、その出入口、主要な居室又はその他の見やすい場所に、その軽減の実況その他必要な事項を表示しなければならない。
3.風圧力の計算に用いる速度圧qは、その地方における基準風速V0の二乗に比例する。
4.店舗の売場に連絡する廊下の床の構造計算に用いる積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、店舗の売場の床の積載荷重を用いることができる。
5.倉庫業を営む倉庫における床の構造計算に用いる積載荷重は、実況に応じて計算した数値が3,900N/m2未満であっても、3,900N/m2としなければならない。

解答 4:実況に応じて計算しない場合の積載荷重は、建築基準法施行令第85条1項の表による。教室に連絡する廊下や階段の積載荷重は、表(5)の「その他」の値を用いる。

(関連問題:平成30年1級学科4、No.08平成27年1級学科4、No.08平成22年1級学科4、No.07、平成19年1級、平成15年1級)

 

 

〔R02 No.7〕建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の地上部分における各層の地震層せん断力係数Ciは、最下層における値が最も小さくなる。
2.建築物の地上部分の必要保有水平耐力を計算する場合、標準せん断力係数C0は、1.0以上とする。
3.振動特性係数Rtは、建築物の設計用一次固有周期Tが長くなるほど大きくなる。
4.地震層せん断力係数Ciの建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiを算出する場合、建築物の設計用一次固有周期Tは、振動特性係数Rtを算出する場合のTの値と同じとする。

解答 3:振動特性係数Rtは、一般に、建築物の設計用一次固有周期Tが長いほど小さくなる。(施行令第88条1項、昭和55年告示第1793号第二)
(関連問題:平成29年1級学科4、No.07平成27年1級学科4、No.07平成25年1級学科4、No.08平成30年2級学科4、No.07平成29年2級学科4、No.08平成27年2級学科4、No.08平成24年2級学科4、No.08平成23年1級学科4、No.08平成21年2級学科4、No.09)

〔H30 No.7〕建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地震地域係数Zが1.0、振動特性係数Rtが0.9、標準せん断力係数C0が0.2のとき、建築物の地上部分の最下層における地震層せん断力係数Ciは0.18とすることができる。
2.鉄骨造又は木造の建築物の地震力を算定する場合に用いる設計用一次固有周期T(単位 秒)は、建築物の高さ(単位 メートル)に0.03を乗じて算出することができる。
3.地震層せん断力係数Ci建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiは、建築物の上階になるほど大きくなる。
4.建築物の地上部分におけるある層に作用する地震層せん断力は、その層の固定荷重と積載荷重との和に、その層の地震層せん断力係数Ciを乗じて算出する。

解答 4:建築物の地上部分のある層に作用する地震層せん断力は、その層以上の全ての層の重量の和に、その層の地震層せん断力係数Ciを乗じて求める。(建築基準法施行令第88条1項)
(関連問題:平成29年1級学科4、No.08、平成18年1級、平成10年1級)

〔H29 No.7〕建築基準法における地震層せん断力係数Ciの計算に用いる振動特性係数Rtは、建築物の設計用一次固有周期Tと地盤の種別に応じて定められている。それらの関係を示す図として、ものは、次のうちどれか。

解答 1:まず設計用一次固有周期(T)が0.4秒以下の振動特性係数(R)は1.0である。これで選択肢3・4は不適切である。次に同じTの場合、軟弱地盤である第3種地盤より、硬質地盤である第1種地盤の方が小さくなるので、選択肢1が正答となる。

 

 

〔H27 No.7〕建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の地上部分における各層の地震層せん断力係数Ciは、最下層における値が最も大きくなる。
2.地下部分の地震層せん断力は、「地下部分の固定荷重と積載荷重との和に、当該部分の地盤面からの深さに応じた水平震度kを乗じて求めた地震力」と「地上部分から伝わる地震層せん断力」との和である。
3.建築物の設計用一次固有周期Tが長い場合、第一種地盤より第三種地盤のほうが建築物の地上部分に作用する地震力は大きくなる。
4.第一種地盤で、建築物の設計用一次固有周期Tが長い場合、振動特性係数Rtの値は、Tが長くなるほど小さくなる。

解答 1:建築物の地上部分のある層に作用する地震層せん断力は、その層以上の全ての層の重量の和に、その層の地震層せん断力係数Ciを乗じて求める。(建築基準法施行令第88条1項)この時の「地震層せん断力係数Ci」は、上層になるほど大きくなり、最下層における値が最も小さい。建築物は上層になるほど大きく揺れるので、「高さ方向の地震層せん断力係数の分布係数(Ai)」が大きくなり、1階が「1.0」、上階につれて値は大きくなる。
(関連問題:平成24年1級学科4、No.07平成20年1級学科4、No.21)

〔H25 No.8〕建築基準法における地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の地上部分の必要保有水平耐力を計算する場合、標準せん断力係数C0は1.0以上としなければならない。
2.建築物の固有周期及び地盤の種別により地震力の値を変化させる振動特性係数Rtは、一般に、建築物の設計用一次固有周期Tが長いほど大きくなる。
3.地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiは、一般に、建築物の上階になるほど大きくなり、建築物の設計用一次固有周期Tが長いほど大きくなる。
4.建築物の地下部分の各部分に作用する地震力は、一般に、当該部分の固定荷重と積載荷重との和に水平震度を乗じて計算する。

解答 2:振動特性係数Rtは、一般に、建築物の設計用一次固有周期Tが長いほど小さくなる。(施行令第88条1項、昭和55年告示第1793号第二)
(関連問題:平成29年1級学科4、No.07平成27年1級学科4、No.07平成30年2級学科4、No.07平成29年2級学科4、No.08平成27年2級学科4、No.08平成24年2級学科4、No.08平成23年1級学科4、No.08平成21年2級学科4、No.09)

〔H24 No.8〕建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.建築物の設計用一次固有周期Tが長い場合、一般に、第一種地盤より第三種地盤のほうが建築物の地上部分に作用する地震力は大きくなる。
2.地震力を算定する場合に用いる鉄骨造の建築物の設計用一次固有周期T(単位 秒)は、特別な調査又は研究の結果に基づかない場合、建築物の高さ(単位 m)に0.02を乗じて算出することができる。
3.建築物の地上部分における各層の地震層せん断力係数Cは、最下層における値が最も小さくなる。
4.地震地域係数Zは、その地方における過去の地震の記録等に基づき、1.0から0.7までの範囲内において各地域ごとに定められている。

解答 2:地震力を算定する場合に用いる建築物の設計用一次固有周期Tは、
RC・SRCの場合は、T=0.02h
S造・木造の場合は、T=0.03h
となる。これにより、設計用一次固有周期は、鉄骨造や木造の方が、鉄筋コンクリート等よりも長くなる。
(関連問題:平成30年1級学科4、No.07平成27年1級学科4、No.24平成21年1級学科4、No.08平成20年1級学科3、No.09、平成11年1級、平成28年2級学科3、No.08平成26年2級学科3、No.19)

 

 

〔H21 No.8〕建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋コンクリート造の保有水平耐力計算を行う場合の地上部分の地震力は、標準せん断力係数C0が「0.2以上の場合」と「1.0以上の場合」の2段階の検討をする。
2.鉄骨造の地震力を算定する場合に用いる建築物の設計用一次固有周期T(単位 秒)は、特別な調査又は研究の結果に基づかない場合、建築物の高さ(単位 m)に0.03を乗じて算出することができる。
3.建築物の固有周期が長い場合や地震地域係数Zが小さい場合には、地震層せん断力係数Ci、標準せん断力係数C0より小さくなる場合がある。
4.地震地域係数Zは、過去の地震の記録等に基づき、1.0から1.5までの範囲で、建設地ごとに定められている。

解答 4:地震地域係数Zは、過去の地震の記録等に基づき、1.0から0.7までの範囲で定められている。ちなみに0.7は沖縄のみに設定されている。(自治体の条例により、1.2と定めている地域もある。)

〔H20 No.9〕建築基準法における建築物に作用する地震力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表す係数Aiを算出する場合の建築物の設計用一次固有周期Tは、振動特性係数Rtを算出する場合のTと同じとする。
2.地震層せん断力係数Ciは、建築物の設計用一次固有周期Tが1.0秒の場合、第一種地盤(硬質)の場合より第三種地盤(軟弱)の場合のほうが小さい。
3.建築物の設計用一次固有周期Tは、建築物の高さが等しければ、一般に、鉄筋コンクリート造より鉄骨造のほうが長い。
4.高さ30mの建築物の屋上から突出する高さ4mの塔屋に作用する水平震度は、地震地域係数Zに1.0以上の数値を乗じた値とすることができる。
5.地震地域係数Zが1.0、振動特性係数Rtが0.9、標準せん断力係数C0が0.2のとき、建築物の地上部分の最下層における地震層せん断力係数C1は0.18とすることができる。

解答 2:地震層せん断力係数(Ci)は、4つの数値を乗じて求められる。その4つの数値とは、①地震地域係数(Z)、②建築物の振動特性係数(Rt)、③標準せん断力係数(Co)、④地震層せん断力係数の高さ方向の分布係数(Ai)である。
①地震地域係数(Z)は定数であるため、本問では考慮しない。
②建築物の振動特性係数(Rt)は、設計用一次固有周期と関係があり(下図)、第3種地盤>第2種地盤>第1種地盤となる。そのため第一種地盤(硬質)より第三種地盤(軟弱)のときの振動特性係数は大きくなり、地震層せん断力係数は大きくなる。③標準せん断力係数(Co)は、0.2で定数、本問では考慮しない。
④地震層せん断力係数の高さ方向の分布係数(Ai)は、上階ほど、その層の重量が小さくなり、その揺れは大きくなる。逆に最下層において、Aiは1で一定となる。
よって、第一種地盤(硬質)より第三種地盤(軟弱)の方が地震層せん断力係数は大きくなる。
(関連問題:平成29年1級学科4、No.07平成22年1級学科4、No.08)

 

 

お問い合わせ

※当サイトに関する質問や、当サイトで閲覧した試験問題に関するお問い合わせはこちらまでお願いします。当サイトは公益財団法人建築技術教育普及センターより正式に許諾を得て掲載しております。そのためご利用者様には厳正なご利用をお願しており、当サイトに関する一切のお問い合わせはサイト運営責任者までお願いします(掲載許諾条件(6))。センターへのお問い合わせはご遠慮ください。

おすすめ参考書

過去問題を解くのがやはり合格への近道です

このサイトだけでも学習は可能ですが、紙媒体での学習も不可欠です

解説集は何種類もありますが、管理人のおすすめは以下の書籍!コスパとクオリティの面では…

 

1級建築士: 「1級建築士分野別厳選問題500+125(2019年度版) [ 日建学院教材研究会 ]

2級建築士: 「2級建築士分野別厳選問題500+100(2019年度版) [ 日建学院教材研究会 ]

2級建築士分野別厳選問題500+100(2019年度版) [ 日建学院教材研究会 ] 価格:2916円(税込、送料無料) (2019/1/21時点)

楽天で購入
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

投稿日:2020年4月20日 更新日:

執筆者:

このサイトは寄付及び広告益の運営で、無料で閲覧・活用していただけます。より良いサイト構築のためにアドバイスをお願いいたします。

また、運営継続のための寄付をお願いいたします。
ご寄付のお願い