一級施工(基礎・地業工事)

建築士過去問解説

一級建築士試験分野別まとめ
施工
基礎・地業工事

1級建築士学科試験:2023年7月23日(日)
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一級建築士試験13年分
分野別まとめ

(平成20年度から令和02年度まで)

一級建築士
施工
基礎・地業工事

〔R02 No.7〕地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.場所打ちコンクリート杭工事において、安定液中に打ち込む杭に使用するコンクリートの単位セメント量については、310kg/m3とした。
2.場所打ちコンクリート杭工事において、余盛り部分を所定の位置まで処理を行う計画であったので、処理の時期をコンクリート打込み後14日経過した後とした。
3.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、根固め液及び杭周固定液に使用するセメントについては、地下水に硫酸塩を含む場所であったので、高炉セメントを使用した。
4.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、掘削後のアースオーガーの引き上げについては、掘削時と同様にアースオーガーを正回転させながら行った。

解答 1:場所打ちコンクリート杭工事において、水中で打設する場合は、掘削孔中に水がない場合に比べて、単位セメント量を多くする。(JASS4)
・水または安定液や泥水内で打設するとき→330kg/m3以上
・水または泥水のない状態で打設するとき→270kg/m3以上
(関連問題:平成29年1級学科5、No.07平成26年1級学科5、No.07、平成18年1級学科4、平成15年1級学科4、平成11年1級学科4、平成09年1級学科4)

〔R01 No.7〕地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.液状化ののある地盤の地盤改良工事については、地盤内に締め固められた砂杭が形成されるサンドコンパクションパイル工法を採用した。
2.場所打ちコンクリート杭工事の鉄筋かごの組立てにおいて、補強リングについては、主筋に断面欠損を生じないように注意して、堅固に溶接した。
3.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、建込み後の杭については、保持治具を用いて杭心に合わせて保持し、3日間養生を行った。
4.プレストレストコンクリート杭工事の杭頭処理において、ダイヤモンドカッター方式で杭頭を切断するに当たり、補強する範囲を当該切断面から350mm程度とした。

解答 3:「セメントミルク工法」は、埋め込み杭工法の一種。アースオーガーで掘削し、セメントと水を混ぜあわせてできるセメントミルクを注入したプレボーリング孔を形成する。形成後、先端閉塞型のコンクリートパイルなどを圧入する。杭の建て込み後、杭心に合わせて保持し、7日程度養生を行う。(公共建築工事標準仕様書)

〔H30 No.7〕地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.場所打ちコンクリート杭工事において、特記がなかったので、本杭の施工における各種管理基準値を定めるための試験杭を、最初に施工する1本目の本杭と兼ねることとした。
2.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、支持層の出現深度の確認については、掘削機の電流計の値から換算したN値によることとした。
3.アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭工事において、支持層の確認については、ケリーバーの振れや掘削機の回転抵抗等を参考にしつつ、バケット内の土砂を近傍のボーリング調査における土質柱状図及び土質資料と比較して行った。
4.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、根固め液及び杭周固定液の管理試験に用いる供試体を作製するに当たり、根固め液についてはグラウトプラントで混練した液を、杭周固定液については杭挿入後の掘削孔からオーバーフローした液を、それぞれ採取した。

解答 2:セメントミルク工法(プレボーリング工法)の本杭の施工において、その支持地盤の確認は、全数を対象に、掘削深さ、アースオーガーの駆動用電動機の電流値等、またはオーガーに付着した排出土と土地調査資料との照合により確認する。(公共建築工事標準仕様書)
(関連問題:令和元年1級学科5、No.03平成27年1級学科5、No.07平成20年1級学科4、No.07平成21年2級学科4、No.05平成25年2級学科4、No.06)

〔H29 No.7〕杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、特記がなかったので、アースオーガーの支持地盤への掘削深さについては1.5m程度とし、杭の支持地盤への根入れ深さについては0.5m程度とした。
2.打込み工法による既製コンクリート杭工事において、打込み完了後の杭頭の水平方向の施工精度の目安については、杭径の1/4以下、かつ、100mm以下とした。
3.場所打ちコンクリート杭工事において、鉄筋かごの主筋間隔が10cm以下になると、コンクリートの充填性が悪くなるので、主筋を2本重ねて配置し、適切な主筋間隔を確保した。
4.アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭工事において、孔壁の崩落防止に安定液を使用したので、杭に使用するコンクリートの単位セメント量を340kg/m3 とした。

解答 1:アースオーガーの支持地盤への掘削深さは1.5m程度とし、杭の支持地盤への根入れ深さは1.0m以上とする。 また、杭の設置深さが許容範囲を超えた場合を「高止り」といい、0.5m以下とする。
(関連問題:平成21年1級学科5、No.07、平成18年1級学科4、平成15年1級学科4)

〔H28 No.7〕杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.寒冷地における場所打ちコンクリート杭において、地中温度が低くなることを考慮して、コンクリートの養生温度による調合強度の補正を行った。
2.プレストレストコンクリート杭工事の杭頭処理において、ダイヤモンドカッター方式で杭頭を切断するに当たり、補強する範囲を当該切断面から350mm程度とした。
3.セメントミルク工法において、掘削時にはアースオーガーの心を杭心に鉛直に合わせ正回転させ、引上げ時にはアースオーガーを逆回転させた。
4.既製コンクリート杭の継手部の溶接において、仮付け溶接は、本溶接と同等なものとし、その長さを40mm以上とした。

解答 3:セメントミルク工法(プレボーリング工法)は、掘削液を注入しながらオーガーで地盤を所定の深さまで掘削した後、杭底に値固め液を注入する。その後、杭周固定液を充填しながらオーガーを正回転で引き上げる。
(関連問題:平成24年1級学科5、No.07平成21年1級学科5、No.07、平成17年1級)

〔H27 No.7〕地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、アースオーガーの支持地盤への到達については、アースオーガーの駆動用電動機の電流値の変化及びオーガーの先端に付着した排出土と土質標本との照合により確認した。
2.平板載荷試験において、試験地盤面については、直径30cmの円形の載荷板の中心から1.0m以上の範囲が水平に整地されていることを確認した。
3.既製コンクリート杭の打込みにおいて、一群の杭の打込みは群の外側から中心へ向かって打ち進められていることを確認した。
4.オールケーシング工法による場所打ちコンクリート杭工事において、トレミー管及びケーシングチューブの先端は、コンクリート中に2m以上入っていることを確認した。

解答 3:既製コンクリート杭の打込みにおいて、一群の杭の打込みを群の外側から中心へ向かって打ち進めると、地盤が締め固まってしまうために中心部分での打ち込みが困難になる。そのため、打ち込みは中心から外側に向かって打ち込みを進める。(建築工事監理指針)
(関連問題:平成13年1級学科4)

〔H26 No.7〕地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.場所打ちコンクリート杭工事において、特記がなかったので、最初に施工する本杭を試験杭とし、その杭の位置は、地盤や土質試験の結果から全杭を代表すると判断される位置とした。
2.液状化ののある地盤の改良方法として、土中に締め固められた砂杭を形成するサンドコンパクションパイル工法を採用した。
3.場所打ちコンクリート杭工事において、安定液に打ち込む杭に使用するコンクリートの単位セメント量については、310kg/m3とした。
4.既製コンクリート杭を用いた打込み工法において、打込み完了後における杭頭の水平方向の施工精度の目安値については、杭径の1/4以下、かつ、100mm以下とした。

解答 3:場所打ちコンクリート杭工事において、水中で打設する場合は、掘削孔中に水がない場合に比べて、単位セメント量を多くする。(JASS4)
・水または安定液や泥水内で打設するとき→330kg/m3以上
・水または泥水のない状態で打設するとき→270kg/m3以上
(関連問題:令和02年1級学科5、No.07平成29年1級学科5、No.07、平成18年1級学科4、平成15年1級学科4、平成11年1級学科4、平成09年1級学科4)

〔H25 No.7〕杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごの主筋間隔を10cm以下とすると、コンクリートの充填性が悪くなるので、主筋を2本束ねて配置し、適切な主筋間隔を確保した。
2.既製コンクリート杭の中掘り工法において、杭先端に円筒状のフリクションカッタを装着して、杭外周面と地盤との摩擦力を大きくした。
3.場所打ちコンクリート杭工事において、コンクリートの打込みに際し、杭頭部に余盛りを行い、コンクリートが硬化した後、余盛り部分をはつり取った。
4.杭工事で発生した建設汚泥の処理については、建設汚泥の性状、発生量等を考慮し、発注者・自治体等と調整したうえで、セメント系の改良材等の混合により安定処理した改良土とし、埋戻し材として再利用した。

解答 2:「フリクションカッタ」は杭外周面と地盤との周面摩擦抵抗を小さくすることができ、杭の沈設を容易にすることができる。
(関連問題:平成19年1級学科4)

〔H24 No.7〕杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.場所打ちコンクリート杭において、鉄筋かごの帯筋の継手は重ね継手とし、その帯筋を主筋に点溶接した。
2.場所打ちコンクリート杭において、コンクリート上面の打上がり高さを、コンクリートの運搬車の打終わりごとに、また、ケーシング及びトレミー管の引抜き時に測定した。
3.セメントミルク工法において、掘削終了後のアースオーガーの引上げは、吸引現象により負圧が発生しないように、できるだけゆっくり行った。
4.セメントミルク工法に用いるセメントについては、地下水に硫酸塩を含む場所であったので、高炉セメントを使用した。

解答 1:鉄筋かごにおける結束や溶接は以下の通り。
「帯筋と主筋」ー鉄線で結束
「帯筋の継手」ー片面10d以上のフレアーグルーブアーク溶接
「鉄筋かごの相互の接続」ー重ね継手で鉄線で各鉄筋3箇所以上を堅固に結束
「補強リングと主筋」ー堅固に溶接
(関連問題:令和元年1級学科5、No.07平成23年1級学科5、No.07平成22年1級学科5、No.07、平成19年1級学科4、平成16年1級学科4、平成11年1級学科4、平成10年1級学科4)

〔H23 No.7〕杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.セメントミルク工法においては、一般に、試験杭により、掘削時のオーガー抵抗電流値や支持層と想定される深度の土質等を確認し、本杭の設置深度、その設置管理方法等を決定する。
2.場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごの掘削孔へのつり込みにおいて、組み立てた鉄筋かご相互の接続については、一般に、重ね継手とする。
3.予定の掘削深度になっても支持地盤が確認できない場合は、土質調査資料との照合を行いながら掘削を続けて支持地盤を確認し、杭を施工した後に監理者に報告する。
4.アースドリル工法において、近接する杭については、連続して施工しない。

解答 3:所定の深度まで掘削しても定められた条件を満たさない場合、また所定の深度まで掘削することができない場合、監理者と協議し、掘削完了深度を決定する。(JASS 4)

〔H22 No.7〕杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.場所打ちコンクリート杭の鉄筋かごの組立てにおいて、補強リングについては、主筋に断面欠損を生じさせないように注意し堅固に溶接した。
2.既製杭のプレボーリング拡大根固め工法において、掘削した孔に杭を挿入し、自重や回転により所定深度に定着させ、根固め液と杭周固定液の硬化によって杭と地盤とを一体化させた。
3.オールケーシング工法において、コンクリート打込み量による杭径の把握については、打込み時にコンクリートミキサー車1台ごとにコンクリートの上昇高さを計測しておき、打込み量から杭径を計算することによって行った。
4.アースドリル工法において、表層ケーシング以深の孔壁の保護に用いられる安定液については、「孔壁の崩壊防止」と「コンクリートとの置換」を考慮して、コンクリートと比べて高粘性かつ高比重のものとした。

解答 4:「アースドリル工法」は、アースドリル機のケリーバーの先端に取り付けたドリリングバケットを回転させることにより地盤を掘削し、バケット内に収納した土をバケットとともに引き上げて排出する。ベントナイトなどの安定液を用いてマッドケーキ(不透水膜)を形成し、掘削孔面を保護する。掘削が完了した後は、一次孔底処理、鉄筋かごを沈め、トレミー管の建込み、二次孔底処理、コンクリートの打ち込みを行う。用いる安定液は①必要な造壁性をもち、②コンクリートの置換を考慮して低粘性・低比重のものとする(JASS4)。また使用後の泥水は産業廃棄物として処理する。
(関連問題:平成11年1級学科4)

〔H21 No.7〕杭地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、特記がなかったので、アースオーガーの支持地盤への掘削深さについては1.5m程度とし、杭の支持地盤への根入れ深さについては1m以上とした。
2.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、杭周固定液については、杭の建込み後に注入した。
3.場所打ちコンクリート杭工事において、コンクリートの打込み開始時には、プランジャーをトレミー管に設置し、打込み中には、トレミー管の先端がコンクリート中に2m以上入っているように保持した。
4.場所打ちコンクリート杭工事において、コンクリートの打込みに際し、杭頭部に余盛りを行い、コンクリート硬化後、余盛り部分をはつり取った。

解答 2:セメントミルク工法(プレボーリング工法)は、掘削液を注入しながらオーガーで地盤を所定の深さまで掘削した後、杭底に値固め液を注入する。その後、杭周固定液を充填しながらオーガーを正回転で引き上げる。
(関連問題:平成28年1級学科1、No.07平成24年1級学科5、No.07、平成17年1級)

〔H20 No.7〕地業工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.平板載荷試験において、試験地盤面については、直径30cmの円形の載荷板の中心から1.2mまでの範囲を水平に整地した。
2.セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、アースオーガーの支持地盤への到達の確認については、「掘削深さ」及び「アースオーガーの駆動用電動機の電流値の変化を読み取ること」により行った。
3.場所打ちコンクリート杭工事において、コンクリートの調合については、寒冷地以外であったので、気温によるコンクリートの強度の補正を行わなかった。
4.アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭工事において、コンクリート打込み直前に行う二次スライム処理については、底ざらいバケットにより行った。
5.捨てコンクリート地業において、特記がなかったので、捨てコンクリートの厚さを50mmとし、その設計基準強度を18N/mm2とした。

解答 4:堆積したスライムは杭の支持力を著しく低下させるため、除去しなければならない。このため、掘削後の1次処理と、コンクリート打ち込み前の2次処理を行う。(建築工事監理指針)
1次スライム処理:
 ・オールケーシング工法→ハンマーグラブを用いる
 ・アースドリル工法→底ざらいバケット、もしくはスライムバケットを用いる。
 ・リバースサーキュレーション工法→ビットを少し引き上げ、泥水の排除を行う。
2次スライム処理:
 各工法共通で、水中ポンプ方式サクションポンプ方式にて吸い上げる。
(関連問題:平成30年1級学科5、No.21平成26年1級学科4、No.21)

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投稿日:2020年4月20日 更新日:

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