一級施工(土工事・山留め工事)

建築士過去問解説

一級建築士試験分野別まとめ
施工
土工事・山留め工事

1級建築士学科試験:2023年7月23日(日)
令和05年度試験日まであと 日!

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一級建築士試験13年分
分野別まとめ

(平成20年度から令和02年度まで)

一級建築士
施工
土工事・山留め工事

〔R02 No.6〕大規模な土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.掘削工事において、ボイリングの発生が予測されたので、地下水を遮断するために止水性のある山留め壁の根入れを難透水層まで延長した。
2.掘削工事において、盤ぶくれの発生が予測されたので、地下水位を低下させるために掘削底面(難透水層)下の被圧帯水層にディープウェルを差し込んだ。
3.ソイルセメント壁の施工において、掘削対象土が撹拌かくはん不良となりやすいロームを含んでいる地層であったので、入念に原位置土セメント系懸濁液との撹拌かくはんを行った。
4.山留め支保工の架設において、切張りに設置する盤圧計については、その軸力を正しく計測するために、両側の腹起しから最も離れた位置として、切張り支点間の中央に設置した。

解答 4:山留め支保工における軸力の計測管理に当たって、腹起しから盤圧計の位置までの距離が長いと、その間で計測すべき荷重がつなぎ材や直角方向の切ばり等に吸収されてしまい、全荷重を示さない。そのため、火打材を用いない切ばりの場合は盤圧計を腹起しと切ばりの接合部に設置し、火打材を用いる場合は火打材の基部に設置する。
(関連問題:平成25年1級学科1、No.01)

〔R01 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ソイルセメント壁の心材としての形鋼に新品材を用いたので、心材の許容応力度については、短期許容応力度の値を採用した。
2.総掘りにおける根切り底において、地盤の状態については土質試料等を参考に目視により確認し、レベルチェックについては4mごとに1点を目安として行った。
3.埋戻しに当たり、埋戻し土が透水性の悪い山砂であったので、ローラー及びランマーにより厚さ50 cmごとに締め固めた。
4.地下水処理におけるディープウェルの運転の停止については、「地下水の上昇による構造体の浮上りがないこと」、「地下外壁が自然地下水位よりも高く構築されていること」等を確認したうえで行った。

解答 3:締め固めるにあたって、まき出し厚さ約300mm程度ごとに埋め戻す。川砂および透水性の良い山砂は水締めして余盛り50~100mm、透水性の悪い山砂および粘土質はローラー・ランマー等で余盛り100~150mm。(建築工事監理指針)

〔H30 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.山留め壁・支保工の検討を行うに当たり、山留め壁外周上への掘削土の仮置きや大型の重機械を据え付ける作業がない範囲については、作業荷重及び資材仮置き時の積載荷重として考慮する上載荷重を10kN/m2とした。
2.山留め支保工の地盤アンカー工法において、地盤アンカーの引抜き耐力が、全数について設計アンカー力の1.1倍以上であることを確認した。
3.掘削工事において、盤ぶくれの発生が予測されたので、止水性のあるソイルセメント壁を、盤ぶくれの原因となる被圧滞水層の砂れき層に延長して根入れした。
4.粘性土地盤に設置した山留め壁の撤去に当たり、地盤沈下を引き起こすがあったので、鋼矢板を引き抜いた跡に直ちに砂を充填した。

解答 3:掘削工事において「盤ぶくれ」の発生が予測される場合は、一般的に、地下水位を下げる、地盤改良、もしくは止水壁を被圧滞水層より深い難透水層まで延長して根入れする。

 

 

〔H29 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.砂質地盤の掘削工事において、ボイリングの発生する可能性が高いと判断したので、動水勾配を減らすため、止水性のある山留め壁の根入れ長を延長した。
2.山留め工事における腹起しの継手は、火打材と切ばりとの間の曲げ応力の小さい位置とし、補強プレートとボルトとを使用して連結した。
3.土工事における根切りについて、粘性土地盤の床付け面を乱してしまったので、掘削土を使用して直ちにローラーによる転圧や締固めを行った。
4.山留め工事において、切ばりが切ばり支柱の一部と平面的に重なってしまったので、切ばり支柱の一部を切り欠いて補強を行ったうえで、切ばりを通りよくまっすぐに設置した。

解答 3:床付け面を乱してはならない。乱してしまった場合、礫・砂質土であれば転圧による締め固めを行い、粘性土であれば礫・砂質土に置換するかセメント・石灰等による改良が必要となる。
 (関連問題:平成26年1級学科5、No.06平成23年1級学科5、No.06平成20年1級学科4、No.04、平成16年1級学科4、平成10年1級学科4)

〔H28 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.軟弱な粘性土地盤の掘削工事において、ヒービングの危険性が高いと判断されたので、その対策として、剛性の高い山留め壁を良質な地盤まで設置し、背面地盤の回り込みを抑えることとした。
2.親杭横矢板工法の親杭をプレボーリングにより設置したので、受働抵抗を十分に発揮させて水平方向の変形を抑制するために、杭の根入れ部分はセメントベントナイト液の注入を行い、根入れ部分より上の杭まわりの空隙は存置した。
3.切ばり支柱と乗入れ構台支柱をやむを得ず兼用するに当たり、切ばり支柱としての荷重とともに、乗入れ構台上の重機や構台自重等の合計荷重に対する支持力を確認した。
4.ソイルセメント壁の芯材としての形鋼に新品を用いたので、芯材の許容応力度は、短期許容応力度の値を採用した。

解答 2:親杭横矢板工法の親杭をプレボーリングにより設置したとき、周辺地盤の緩み、山留め壁の変形を少なくするため、根入れ部分より上の杭まわりの空隙にも充填する。この時の充填は、セメントベントナイト液を用いる。(JASS 3)

〔H27 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.親杭横矢板壁の施工において、矢板を設置し、その裏側に裏込め材を十分に充填した後、親杭と矢板との間にを打ち込んで裏込め材を締め付けて安定を図った。
2.砂質地盤の法付きオープンカット工法において、安全確保のため、地下水位を根切り底面以下に下げるとともに、法面勾配の角度は地盤の内部摩擦角より大きくした。
3.ソイルセメント壁の施工において、掘削対象土がロームであったため、攪拌かくはん不良に注意し、入念に原位置土とセメント系懸濁液との混合攪拌かくはんを行った。
4.ディープウェル工法を採用するに当たり、周辺の井戸枯れや粘性土地盤の圧密沈下等、地下水位の低下に伴う周辺への影響を検討した。

解答 2:砂質地盤における法付きオープンカット工法では、安全確保のため、法面角を内部摩擦角以内とし、地下水位を必ず根切り底面以下に下げる。(建築工事監理指針および山留め設計指針)

 

 

〔H26 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.粘性土地盤の床付け面を乱してしまったので、れき・砂質土に置換して締め固めた。
2.構台杭を引き抜くことが困難であったので、地下水の止水対策を十分に施し、その杭を耐圧版内で切断し、以深を土中に残した。
3.排水工法を用いる掘削において、地下水位が計画のとおりに低下していることを、ディープウェルのケーシング内の水位により管理した。
4.切ばり支柱が平面的に切ばりの位置と一部重なってしまったので、切ばり支柱の一部を切り欠いて補強を行ったうえで、切ばりをまっすぐに設置した。

解答 3:排水工法を用いる掘削において、地下水位の管理は観測井戸で行う。ディープウェルのケーシング内の水位は地下水位よりも低くなるためである。(類似問題:平成15年1級学科4)

http://www.kanaiwa.co.jp/より

〔H25 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.土工事において、ボイリングの発生が予測されたため、掘削場内外の地下水位をウェルポイント工法によって低下させた。
2.仮設地盤アンカーの引張材については、緊張・定着装置を取り付けるために、1.5m程度の余長を確保して切断した。
3.山留め工事において、水位の高い軟弱地盤であったので、場所打ち鉄筋コンクリー卜地中壁を採用し、構造上の検討を行ったうえで、この地中壁を建築物の一部として利用することとした。
4.粘性土の地盤における鋼矢板による山留めの撤去において、鋼矢板の抜き跡については、周辺への影響を考慮して、その地盤の粘性土により埋め戻した。

解答 4:矢板の撤去は、山留め壁と構造物の間を良質土で埋め戻した後に行う。また鋼矢板を引き抜いたあとの空洞の埋め戻しは、周辺地盤などの沈下を防止するため、一度にまとめて行うのではなく、数回に分けて、砂質土などで埋め戻す。
(関連問題:平成30年1級学科5、No.06平成21年1級学科5、No.06、平成11年1級)

〔No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.地盤アンカー工法は、土圧や水圧を山留め壁背面の地盤中に設けた地盤アンカーで支える工法であり、敷地の高低差が大きくて偏土圧が作用する場合や掘削面積が大きい場合等に有効である。
2.水平切ばり工法における切ばりの継手は、応力を十分に伝達できる構造とし、できる限り切ばりの交差部の近くに設ける。
3.釜場工法は、床付け面から発生する湧水を集め、ポンプで排水する工法であり、湧水に対して安定性の低い地盤において、ボイリングを防止する効果がある。
4.ディープウェルから揚水(排水)した水を同一帯水層に復水するリチャージ工法においては、ディープウェル排水工法を採用する場合に比べて、必要揚水(排水)盤は多くなる。

解答 3:「釜場工法」は、根切り部へ浸透・流水してきた水を、釜場と称する場所に集め、ポンプで排水する簡易的な工法。しかし、湧水に対し安定性の低い地盤では、ボイリングを発生させる恐れがあるので適さない。

https://www.mikiya.info/cont5/main.htmlより

(類似問題:平成18年1級学科4、平成14年1級学科4)

 

 

〔H23 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.根切り平面に対して敷地に余裕があったので、掘削部周辺に安定した斜面を残し、山留め壁や支保工を設けない法付けオープンカット工法を採用した。
2.軟弱地盤の掘削において、掘削位置の外周に余裕があったので、山留め壁の周囲地盤のすき取りを行い、ヒービングを防止した。
3.砂質土地盤の床付け面を乱してしまったので、転圧による締固めを行った。
4.切ばりにプレロードを導入するに当たって、切ばりの蛇行を防ぐために、上段切ばりと下段切ばりとの交差部の締付けボルトを堅固に締め付けた。

解答 4:切ばりにプレロードを導入する時は、切ばりの締付けボルトは緩めた状態で行う。「切ばりの蛇行を防ぐために」は、ずれ止めを設ける。

http://www.tiyhirose.co.jp/より

〔H22 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.リチャージ工法におけるリチャージウェルについては、対象とする帯水層だけに注水ができるような構造とするために、井戸管と削孔壁との間の空げき部の遮水を確実に行う。
2.ディープウェル工法におけるディープウェルとは、地下水を真空ポンプにより強制的に吸い上げるために地中に打ち込む集水管のことである。
3.仮設地盤アンカーの引張材については、一般に、緊張・定着装置を取り付けるために、1.5m程度の余長を確保して切断する。
4.切ばりプレロード工法は、切ばり架設時に切ばりに設置した油圧ジャッキによって、切ばりに作用する荷重を山留め壁にあらかじめ導入することにより、山留め壁の変形や応力を小さく抑える効果がある。

解答 2:記述はウェルポイントの内容である。ディープウェル工法は、井戸掘削機械を用いて直径400~1,000mm程度の孔を掘削し、スクリーンを有する井戸管を挿入、孔壁と井戸管との隙間にフィルターを投入して施行した井戸に高揚程の水中ポンプを設置する。(JASS 3)

〔H21 No.6〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.粘性土地盤における山留めの撤去において、鋼矢板の抜き跡については、周辺への影響を考慮して、その地盤の粘性土により埋め戻した。
2.鋼製切ばり継手部において、両方の切ばり材の仕口における端部のあて板が面接触とならず、わずかなすき間が生じたので、そのすき間にライナーを挿入して接続する切ばりの軸線が直線となるようにした。
3.山留め支保工の支柱については、切ばりから伝達される荷重に構台上の積載荷重、構台の自重や重機等の活荷重を合わせた荷重に対して十分な安全性を確保したうえで、乗入れ構台の支柱と兼用した。
4.山留め壁の施工において、掘削後の周辺の地盤や構造物への影響を少なくするため、山留め壁の剛性及び止水性が比較的優れているソイルセメント柱列壁工法を採用した。

解答 1:矢板の撤去は、山留め壁と構造物の間を良質土で埋め戻した後に行う。また鋼矢板を引き抜いたあとの空洞の埋め戻しは、周辺地盤などの沈下を防止するため、一度にまとめて行うのではなく、数回に分けて、砂質土などで埋め戻す。
(関連問題:平成30年1級学科5、No.06平成25年1級学科5、No.06、平成11年1級)

〔H20 No.4〕土工事及び山留め工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.市街地において、地階が深く広い建築物の新築工事については、地盤が軟弱で、切ばり工法によると山留め壁の変形が大きくなるがあったので、地下体を支保工として利用する逆打ち工法を採用した。
2.粘性土地盤の床付け面を乱してしまったので、れき・砂質土に置換して締め固めた。
3.掘削中における山留め架構の管理において、鋼製切ばりに作用する軸力の計測については、1日3回行った。
4.鋼製切ばりにプレロード工法を採用するに当たって、同一方向の切ばりに軸力が均等に加わるように、油圧ジャッキの位置を、根切り平面の中央部分に一列に並ぶように配置した。
5.土壌汚染対策法による指定区域内にある建築物の新築工事において、土地の形質の変更に係る部分の面積が10m2以上で、深さが50cm以上であったので、土地の形質の変更についての届出を行った。

解答 4:プレロード工法における油圧ジャッキの配置は、原則として根切り平面の中央部分に、千鳥に配置する。

 

 

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投稿日:2020年4月20日 更新日:

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