一級建築士試験分野別まとめ
施工
コンクリート工事

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分野別まとめ
(平成20年度から令和02年度まで)
一級建築士
施工
コンクリート工事
〔R02 No.10〕レディーミクストコンクリートの受入れ時の検査について、表のA~Cの圧縮強度試験の結果に対する調合管理強度の判定に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。ただし、コンクリートの調合管理強度は30N/mm2とし、1回の試験には任意の1台の運搬車から採取したコンクリート試料で作製した3個の供試体を用いるものとする。
1.Aは「合格」、B及びCは「不合格」と判定する。
2.A及びBは「合格」、Cは「不合格」と判定する。
3.A及びCは「合格」、Bは「不合格」と判定する。
4.A、B及びCを「合格」と判定する。
解答 2:受入検査における圧縮強度試験は、1回の試験は3個の試験体を用いてその平均値を評価する。試験は3回行う。
①試験は3回行い、それぞれの試験結果は、購入者が指定した呼び強度(調合管理強度)の85%以上でなけらばならない。設問により、調合管理強度は30N/m2なので、各回の試験は25.5N/m2以上としなければならない。これにより、各回の強度は合格である。
②3回の平均値は、調合管理強度以上で合格となる。よって、Cは不合格となる。
以上より、AとBは合格、Cは不合格と判定する。
〔R01 No.11〕図に示すコンクリート工事におけるフレッシュコンクリートの現場受入れ時の品質検査に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、設計図書において、コンクリートは普通コンクリートとし、調合管理強度は27 N/mm2、スランプは18cmと指定されているものとする。また、「寒中コンクリート」には該当しないものとする。
1.スランプ試験の結果は、合格であると判断した。
2.空気量試験の結果は、合格であると判断した。
3.コンクリートの温度測定試験の結果は、合格であると判断した。
4.コンクリートの塩化物含有量試験の結果は、合格であると判断した。
解答 2:計画調合により求めたフレッシュコンクリートの空気量と実測値との差の許容範囲は、±1.5%とする。普通コンクリートの空気量は4.5%を標準とするので、3.0~6.0%の範囲で合格とし、設問の6.1%は不合格となる。(JASS 5)
・普通コンクリートの場合は、3.0~6.0%
・鋼管充填コンクリートの場合は、1.0~4.5%
・プレキャストコンクリートの場合は、3.0%以下(凍結融解作用を受ける恐れのある場合は、4.5%を目標値とする)
(関連問題:平成27年1級学科5、No.10、平成26年1級学科5、No.12、平成23年1級学科5、No.10、平成22年1級学科5、No.11、平成21年1級学科5、No.12、平成29年2級学科4、No.11、平成25年2級学科4、No.11)
〔H29 No.10〕表は、コンクリートの計画調合において使用する材料の絶対容積及び質量を記号で表したものである。この表の材料を使用したコンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、細骨材及び粗骨材は、表面乾燥飽水状態とする。
解答 2:単位容積質量は、フレッシュコンクリート1m3あたりの質量をいう。
(関連問題:平成29年1級学科5、No.10、平成18年1級学科4、平成14年1級学科4、平成25年2級学科4、No.21)
〔H28 No.10〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.マスコンクリートの温度ひび割れを抑制するために、普通ポルトランドセメントの代わりに、中庸熱ポルトランドセメントを採用した。
2.コンクリートの乾燥収縮ひずみを抑制するために、所要のワーカビリティーが得られる範囲で、単位粗骨材量をできるだけ大きくした。
3.軽量コンクリートのポンプ圧送中のスランプロス(スランプ低下)を抑制するために、人工軽量骨材はあらかじめ十分に吸水したものを使用した。
4.高強度コンクリートの自己収縮を抑制するために、所要のワーカビリティーが得られる範囲で、単位セメント量をできるだけ大きくした。
〔H27 No.11〕コンクリートの一般的な性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリートの水和熱は、単位セメント量が少なくなるほど、小さくなる。
2.コンクリートのヤング係数は、コンクリートの圧縮強度が高くなるほど、大きくなる。
3.コンクリートの乾燥収縮のひずみ度は、部材の体積表面積比(体積/表面積)が大きくなるほど、小さくなる。
4.コンクリートの中性化速度係数は、コンクリートの圧縮強度が高くなるほど、大きくなる。
解答 4:一般に、コンクリートの圧縮強度が高くなるほど、中性化速度は小さくなる。(構造体コンクリートの品質に関する研究の動向と問題点)
(関連問題:平成10年1級学科4、平成23年1級学科4、No.28)
〔H26 No.10〕コンクリート工事におけるコンクリートの調合計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.計画供用期間の級が「標準」の建築物における高強度コンクリートの調合において、骨材事情により高性能AE減水剤を用いても良好なワーカビリティーを得るのが困難であったため、単位水量を185kg/m3とした。
2.水密コンクリートの調合において、普通ポルトランドセメントを用いる場合の水セメント比を55%とした。
3.乾燥収縮ひずみを小さくする目的で、粗骨材を安山岩砕石から石灰岩砕石とした。
4.アルカリ骨材反応の抑制対策として、JIS規格品の高炉セメントC種を使用した。
解答 2:「水密コンクリート」は、特に高い水密性や漏水に対する抵抗性が要求される地下室など水圧を受ける部位に使用する。
・調合は、単位水量・単位セメント量を許容範囲内で小さくし、単位粗骨材量をできるだけ大きくする
・荷卸し時のコンクリートの温度は、30℃以下
・水セメント比は、50%以下
・空気量は4.5%以下
・化学混和剤を使用する
(関連問題:平成21年1級学科5、No.11、平成17年1級)
〔H23 No.11〕表は、コンクリートの計画調合において使用する材料の絶対容積及び質量を記号で表したものである。このコンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、細骨材及び粗骨材の質量は、表面乾燥飽水状態をする。
解答 4:空気量(%)は、コンクリートに含まれる空気の容積の、コンクリートの容積に対する百分率である。そのため空気量は、
(関連問題:平成29年1級学科5、No.10、平成18年1級学科4、平成14年1級学科4、平成25年2級学科4、No.21)
〔H22 No.10〕コンクリートの収縮ひび割れの制御に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリートの調合において、粗骨材に石灰岩砕石を用いたコンクリートは、一般に、安山岩砕石を用いたコンクリートに比べて、乾燥収縮ひずみが小さくなる。
2.壁に設けるひび割れ誘発目地については、一般に、周囲を柱、梁、ひび割れ誘発目地等により囲まれた1枚の壁の辺長比(壁の長さ/壁の高さ)が1.5を超えるように設ける。
3.非耐力壁に設けるひび割れ誘発目地の位置において、壁横筋を1本おきに切断したり、壁の内部に断面欠損材を埋設することは、一般に、ひび割れ誘発目地内にひび割れを集中的に発生させる効果がある。
4.普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの養生において、コンクリート打込み後、床スラブ等の露出面を散水等により5日間湿潤状態に保つことは、初期ひび割れの防止に有効である。
解答 2:(難問:今後出題する可能性は低いので、深入りしないこと)
ひび割れを発生しにくくするために、周囲を柱・梁・誘発目地などで囲まれた1枚の壁の面積は25m2以下とし、1枚の壁の面積が小さい場合を除いて、その辺長比は1.25以下を原則としている。(鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針)
〔H21 No.10〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.マスコンクリートにおいて、荷卸し時のコンクリート温度の上限値については、特記がなかったので、35℃とした。
2.加熱した練混ぜ水を使用する寒中コンクリートの練混ぜにおいて、セメントを投入する直前のミキサー内の骨材及び水の温度の上限値については、特記がなかったので、45℃とした。
3.スランプを18cmと指定したレディーミクストコンクリートにおいて、受入れ時のスランプ試験の結果が20cmであったので、合格とした。
4.コンクリートの打込み日の外気温の最高気温が23℃と予想されたので、コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度については、120分とした。
解答 2:「寒中コンクリート」とは、打込み後の養生期間にコンクリートが凍結するおそれのある場合に用いられるコンクリートの一種である。温度に関するポイントは以下の通り。
①荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、10~20℃
※水和発熱による十分な温度上昇が見込まれる場合には、工事監理者の承認を得て、打込み時のコンクリート温度の下限値を5°C とすることができる
②セメントを投入する直前のミキサー内の骨材及び水の温度は、40℃以下
③セメントは加熱してはならない
④加熱・断熱養生後のコンクリートの急激な乾燥・冷却は避ける
(関連問題:平成26年1級学科5、No.11、平成23年1級学科5、No.10、平成22年1級学科5、No.11、平成16年1級、平成10年1級)
〔R02 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.高炉セメントB種を使用したコンクリートの調合管理強度について、特記がなく、コンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温が8~10℃であったので、構造体強度補正値を3N/mm2とした。
2.高強度コンクリートの自己収縮を抑制するために、所要のワーカビリティーが得られる範囲で、高性能AE減水剤の使用量を増やして単位水量を小さくしたうえで、単位セメント量をできるだけ小さくした。
3.マスコンクリートの表面ひび割れの低減のため、表面を断熱養生マットで覆うことにより養生した。
4.柱や壁の型枠へのコンクリートの打込みにおいて、コンクリートが分離しない範囲で、自由落下により打ち込んだ。
解答 1:構造体強度補正値とは、調合管理強度を求めるために品質基準強度に加算される補正値である。気温差と、構造体と供試体との強度差による補正が考慮される。高炉セメントB種は、
・平均気温の範囲が0度以上13度未満:補正値 6N/mm2
・平均気温の範囲が13度以上:補正値 3N/mm2
・暑中期間の場合:補正値 6/mm2
(関連問題:平成30年1級学科5、No.10、平成24年1級学科5、No.10、令和元年2級学科4、No.08、平成30年2級学科4、No.07、平成28年2級学科4、No.09、平成26年2級学科4、No.07)
〔R02 No.20〕鉄筋コンクリート造の建築物の設備工事に関する次の記述のうち、監理者が行った行為として、最も不適当なものはどれか。
1.雑用水管については、誤接続がないことを確認するために、衛生器具等の取付け完了後、系統ごとに着色水を用いた通水試験が行われたことを確認した。
2.機械室が屋上階にある乘用エレベーターの地震感知器については、P波感知器が機械室に、S波感知器が昇降路底部に、設置されていることを確認した。
3.電池内臓形の非常用の照明装置における照度測定については、外光の影響を受けない状況下において、内臓電池への切替え後に行われたことを確認した。
4.設置工事において、接地極の埋設については掘削部埋戻し前に、接地線の構造体への接続についてはコンクリート打設前に、立会い確認を行った。
解答 2:地震時管制運転装置を構成する感知器は、P波とS波用がある。P波とは地震の初期微動のことで、大きく揺れる本震(S波)よりも数秒前に到達する。P波感知器が作動したら最寄り階に自動停止し、S波が来る前に迅速な避難を可能にする。点検・非常時の操作の必要があるため、昇降路底部もしくは基礎に近い階に設ける。(関連問題:平成24年1級学科5、No.19、平成20年1級学科1、No.23)
〔R01 No.10〕コンクリート工事に関する記述において、監理者が一般に行うものとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
1.単位水量が180 kg/m3と指定されたコンクリートにおいて、打込み中に品質変化が見られたので、単位水量が180 kg/m3であることを、レディーミクストコンクリート工場の製造管理記録により確認した。
2.特記のないコンクリートの打継ぎにおいて、やむを得ず、梁に鉛直打継ぎ部を設けなければならなかったので、スパンの中央又は端から1/4の付近に打継ぎ部が設けられていることを確認した。
3.普通コンクリートにおける構造体コンクリートの強度の検査において、1回の圧縮強度の試験に用いる供試体については、レディーミクストコンクリートの受入れ検査と併用しないこととなっていたので、工事現場において適切な間隔をあけた3台の運搬車から各1個ずつ、合計3個採取されていることを確認した。
4.同一区画のコンクリート打込み時における打重ね時間の限度については、外気温が25℃を超えていたので、150分を目安としていることを確認した。
解答 4:「コンクリート打込み時における打重ね時間」は、コールドジョイントが生じない範囲とし、原則として、外気温が25℃以上の場合は120分以内、25℃未満の場合は150分を目安として、工事監理者の承認を受ける。(JASS 5)
(関連問題:平成26年1級学科5、No.11、平成15年1級、平成27年2級学科4、No.11)
〔H30 No.10〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.普通ポルトランドセメントを使用したコンクリート(設計基準強度36N/mm2)の調合管理強度については、特記がなく、コンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温が7℃であったので、構造体強度補正値を6N/mm2とした。
2.普通コンクリートにおける構造体コンクリートの圧縮強度の試験については、コンクリートの打込み日ごと、打込み工区ごと、かつ、150m2又はその端数ごとに1回行った。
3.調合管理強度27N/mm2、スランプ21cmと指定された高性能AE減水剤を使用したコンクリートにおいて、現場受入れ時のスランプ試験の結果が19.0cmであったので、合格とした。
4.構造体コンクリート強度の検査において、標準養生による3個の供試体の材齢28日における圧縮強度の平均値がコンクリートの設計基準強度以上であったので、合格とした。
解答 4:構造体コンクリート圧縮強度の試験において、材齢28日の場合、標準養生であれば、調合管理強度以上とする。また、現場水中養生の時は、平均気温が20度以上であれば調合管理強度以上で、20度を下回るときは品質基準強度に3N/mm2を足した値以上とする。(JASS 5)
(関連問題:平成27年1級学科5、No.10、平成24年1級学科5、No.10、平成15年1級学科4、平成09年1級学科4)
〔H30 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.暑中コンクリート工事の適用期間に関して特記がなく、コンクリートの打込み予定日の日平均気温の平年値が25℃を超えていたので、暑中コンクリート工事として施工計画書を提出させた。
2.柱、梁、スラブ及び壁に打ち込むコンクリートの粗骨材については、特記がなかったので、最大寸法25mmの砕石が使用されることを確認した。
3.コンクリートの打継ぎ面のレイタンスについては、高圧水洗やワイヤーブラシ掛けにより除去し、健全なコンクリート面が露出していることを確認した。
4.柱や壁の打込み後のコンクリートの養生において、透水性の小さいせき板で保護されている部分については、湿潤養生されているものとみなして、湿潤養生を省略した。
解答 2:柱、梁、スラブ及び壁に用いる粗骨材の最大寸法は、
・砂利は、20mmまたは25mm
・砕石・高炉スラグ粗骨材は、20mm
砕石などは川砂利に比べて角ばり、所定のワーカビリティを得ることが難しい。そのため、最大寸法は20mmまでとしている。
また、基礎は砂利・砕石・高炉スラグ粗骨材ともに20mm、25mmまたは40mmを使用する。(JASS 5)
〔H29 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリートポンプによるコンクリートの圧送に当たり、コンクリートの圧送に先立って圧送する富調合モルタルについては、型枠内に打ち込まずに全て破棄した。
2.コンクリート棒形振動機によるコンクリートの締固めにおいては、打込み層ごとに行い、その下層に振動機の先端が入るようにほぼ垂直に挿入し、挿入間隔を60cm以下としたうえで、コンクリートの上面にセメントペーストが浮くまで加振した。
3.床スラブのコンクリートの打込みをした翌日に、やむを得ず次工程の墨出しを行わなければならなかったので、適切な養生を行いコンクリートに振動や衝撃等の悪影響を与えない作業に限定して承認した。
4.普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートの養生において、外気温の低い時期であったので、コンクリートを寒気から保護し、コンクリートの温度が2°Cを下まわらない期間を3日とした。
解答 4:寒冷期においてはコンクリートを寒気から保護しなければならない。打ち込み後、少なくとも5日間以上はコンクリート温度を2度以上に保つ。ただし、早強ポルトランドセメントの場合は3日間以上と短縮することができる。(JASS 5)
(関連問題:平成17年1級学科4)
〔H28 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.普通コンクリートにおける構造体コンクリートの圧縮強度の検査において、1回の試験に用いる供試体については、工事現場において適切な間隔をあけた3台の運搬車から各1個ずつ、合計3個採取した。
2.コンクリートの打込み日の外気温が25°C 以下となることが予想されたので、コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度を150分とした。
3.軽量コンクリートのポンプ圧送において、輸送管の水平換算距離が150mであったので、呼び寸法125Aの輸送管を使用した。
4.コンクリートの打継ぎにおいて、やむを得ず、梁に鉛直打継ぎ部を設けなければならなかったので、せん断力の小さいスパン中央付近に鉛直打継ぎ部を設けた。
解答 2:コンクリートの練り混ぜから打ち込み終了までの時間の限度は、以下のように規定されている。
外気温25度未満:120分以内
外気温25度以上:90分以内
ただし、凝結を遅らせる対策を講じた場合、監理者の承認を受けて、限度時間を変更することができる。
また、打ち重ね時間は以下の通り。
外気温25度未満:150分以内
外気温25度以上:120分以内
(関連問題:令和元年1級学科5、No.10、平成26年1級学科5、No.11、平成24年1級学科5、No.11、平成21年1級学科5、No.10、平成15年1級学科4、平成13年1級学科4)
〔H27 No.10〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.単位水量が180kg/m3と指定されたコンクリートにおいて、受入れ時に、運搬車ごとにレディーミクストコンクリート工場の製造管理記録により単位水量が180kg/m3であることを確認したので、合格とした。
2.調合管理強度を24N/mm2、スランプを18cmと指定されたコンクリートにおいて、受入れ時のスランプが21cmであったので、合格とした。
3.調合管理強度を27N/mm2、空気量を4.5%と指定されたコンクリートにおいて、受入れ時の空気量が3.0%であったので、合格とした。
4.構造体コンクリート強度の検査において、標準養生による3個の供試体の材齢28日における圧縮強度の平均値がコンクリートの調合管理強度以上であったので、合格とした。
解答 2:スランプの許容差は、指定したスランプの値が8以上18以下が「±2.5」となっており、その他は「±1.5」である。ただし、調合管理強度が27N/mm2以上でスランプが21cmの高性能AE減水剤を使用したJIS規格品のコンクリートについては、スランプの許容差が±2.0cmとすることができる。(JASS 5)
(関連問題:令和元年1級学科5、No.11、平成30年1級学科5、No.10、平成29年1級学科5、No.02、平成25年1級学科5、No.10、平成23年1級学科5、No.10、平成21年1級学科5、No.10)
〔H26 No.11〕コンクリート工事におけるコンクリート打設時の品質管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.設計基準強度が60N/mm2の高強度コンクリートにおいて、コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度については、外気温にかかわらず、原則として、120分とする。
2.寒中コンクリートの適用期間において、打込み後に水和発熱による十分な温度上昇が見込まれる場合には、工事監理者の承認を得て、打込み時のコンクリート温度の下限値を5°C とすることができる。
3.コンクリートポンプによる圧送において、粗骨材の最大寸法に対する輸送管の呼び寸法については、粗骨材の最大寸法が25mm以下の場合、100A以上とする。
4.同一区画の打込み継続中における打重ね時間の限度については、外気温が25°C 未満の場合、原則として、180分とする。
解答 4:「コンクリート打込み時における打重ね時間」は、コールドジョイントが生じない範囲とし、原則として、外気温が25℃以上の場合は120分以内、25℃未満の場合は150分を目安として、工事監理者の承認を受ける。(JASS 5)
(関連問題:令和元年1級学科5、No.10、平成15年1級、平成27年2級学科4、No.11)
〔H25 No.10〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.調合管理強度を27N/mm2、スランプを21cmと指定された高性能AE減水剤を使用したコンクリートにおいて、受入れ時のスランプ試験の結果が23cmであったので、合格とした。
2.フレッシュコンクリートの試験における温度測定は、スランプ試験を行った直後の試料に、接触式のガラス製棒状温度計を挿入して行った。
3.コンクリートの受入れ検査において、スランプ試験が合格、空気量試験が不合格であったため、新しく試料を採取して、再度、スランプ試験及び空気量試験を行ったところ、いずれも合格であったので、そのコンクリートを合格とした。
4.普通コンクリートにおける構造体コンクリートの圧縮強度の検査において、1回の試験に用いる供試体については、工事現場において適切な間隔をあけた3台の運搬車から各1個ずつ、合計3個採取した。
解答 2:フレッシュコンクリートの温度測定方法は、試料を容器にいれて直射日光や風が当たらない平らな場所に保管する。温度計は、示度が安定するまで静置し、試料に挿入した状態で読み取る。したがって、スランプ試験を行った直後に測定するのではない。(JASS 5)
〔H25 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.マスコンクリートの打込み後、コンクリート内部の温度が著しく上昇したので、コンクリートを冷却することを目的として散水した。
2.コンクリートの打設において、打設中のコンクリートが自由落下となってしまったが、分離が生じない高さであったので、継続して打ち込んだ。
3.コンクリートの打込み時に、スペーサーが脱落し、最外側鉄筋のかぶり厚さが不足した箇所を発見したので、打込み作業をいったん中断して修正を行った。
4.場所打ちコンクリート杭に打ち込むコンクリートの品質管理については、供試体の養生を標準水中養生で行った。
解答 1:散水は湿潤養生と冷却を目的として行われるが、マスコンクリートにおける散水は表面のみが冷却され、部材内外の温度差が大きくなってしまう。そのため、内部上昇を抑えるためには、打ち込み時のコンクリート温度を低くする必要がある。(JASS 5)
(関連問題:平成12年1級学科4)
〔H24 No.10〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートの調合管理強度を定めるに当たり、特記がなく、コンクリートの打込みから材齢28日までの期間の予想平均気温が5℃であったので、構造体強度補正値を3N/mm2とした。
2.普通コンクリートにおける構造体コンクリートの圧縮強度の検査については、「打込み日ごと」、「打込み工区ごと」、かつ、「150m3又はその端数ごと」に1回行った。
3.設計基準強度が60N/m2の高強度コンクリートにおけるフレッシュコンクリートの流動性については、スランプフローが60cm以下であることを確認した。
4.構造体のコンクリート強度の推定試験において、材齢28日までの平均気温が20℃以上で、現場水中養生の3個の供試体の材齢28日における圧縮強度の平均値が、調合管理強度以上であったので合格とした。
解答 1:構造体強度補正値とは、調合管理強度を求めるために品質基準強度に加算される補正値である。気温差と、構造体と供試体との強度差による補正が考慮される。普通ポルトランドセメントは、
・平均気温の範囲が0度以上8度未満:補正値 6N/mm2
・平均気温の範囲が8度以上:補正値 3N/mm2
・暑中期間の場合:補正値 6/mm2
(関連問題:令和02年1級学科5、No.11、平成30年1級学科5、No.10、令和元年2級学科4、No.08、平成30年2級学科4、No.07、平成28年2級学科4、No.09、平成26年2級学科4、No.07)
〔H24 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.梁において、やむを得ずコンクリートを打ち継ぐ必要が生じたので、その梁の鉛直打継ぎ部については、梁の中央付近に設けた。
2.コンクリートの打込み日の外気温が25℃を超えることが予想されたので、コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度を90分とした。
3.コンクリートの打込み後において、プラスチック収縮ひび割れが発生したので、コンクリートの凝結終了前に、速やかにタンピングにより処置した。
4.数スパン連続した壁のコンクリートの打込みにおいて、スパンごとに打ち込むことは避け、一つのスパンから他のスパンヘ柱を通過させて、横流ししながら打ち込んだ。
解答 4:コンクリートの打ち込みにおいて、横流ししてはならない。横流しを行うとコンクリートが分離しやすくなり、不良の原因となる。特に垂直部材の横流しは、粗骨材が配筋により阻止され、より分離しやすくなる。(JASS 5)
(関連問題:平成18年1級学科4、平成26年2級学科4、No.10)
〔H23 No.10〕コンクリート工事における品質管理及び検査に関する次の記述のうち、 最も不適当なものはどれか。
1.スランプを18cmと指定したレディーミクストコンクリートにおいて、受入れ時のスランプ試験の結果が20cmであったので、合格とした。
2.空気量を4.5%と指定したレディーミクストコンクリートにおいて、受入れ時の空気量が5.8%であったので、合格とした。
3.暑中コンクリートにおいて、荷卸し時のコンクリート温度の上限値については、特記がなかったので、 35℃とした。
4.寒中コンクリートにおいて、荷卸し時のコンクリート温度の下限値については、打込み後に十分な水和発熱が見込まれるので、3℃とした。
解答 4:寒中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として10℃~20℃とする。ただし、マスコンクリートや高強度コンクリートなどで、打込み後に水和発熱による十分な温度上昇が見込まれる場合には、工事監理者の承認を得て、打込み時のコンクリート温度の下限値を5°Cとすることができる。(JASS 5)
(関連問題:平成26年1級学科5、No.11、平成10年1級学科4)
〔H22 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.普通コンクリートにおける構造体コンクリートの圧縮強度の検査において、1回の試験に用いる供試体については、工事現場において適当な間隔をあけた任意の3台の運搬車から各1個ずつ、合計3個採取した。
2.寒中コンクリートにおける型枠の取外しについては、加熱養生の終了直後に行い、部材表面温度を速やかに外気温度に近づけた。
3.コンクリート充填鋼管(CFT)柱に使用する鋼管充填コンクリートの空気量については、特記がなかったので、所要の圧縮強度等を考慮して2.0%とし、監理者の承認を受けた。
4.ポストテンション方式によるプレストレストコンクリート(コンクリートの設計基準強度が30N/mm2において、現場で打ち込むコンクリートのスランプについては、18cmとした。
解答 2:「寒中コンクリート」とは、打込み後の養生期間にコンクリートが凍結するおそれのある場合に用いられるコンクリートの一種である。温度に関するポイントは以下の通り。
①荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、10~20℃
※水和発熱による十分な温度上昇が見込まれる場合には、工事監理者の承認を得て、打込み時のコンクリート温度の下限値を5°C とすることができる
②セメントを投入する直前のミキサー内の骨材及び水の温度は、40℃以下
③セメントは加熱してはならない
④加熱・断熱養生後のコンクリートの急激な乾燥・冷却は避ける
(関連問題:平成26年1級学科5、No.11、平成23年1級学科5、No.10、平成21年1級学科5、No.10、平成16年1級、平成10年1級)
〔H21 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリートの打込みに当たって、同一打込み工区には、2つ以上のレディーミクストコンクリート製造工場のコンクリートが打ち込まれないようにした。
2.コンクリートをコンクリートポンプにより圧送するに当たって、コンクリートに先立って圧送した富調合モルタルのうち、最初に排出される変質した部分は廃棄し、その他の良質な部分は型枠内に少量ずつ分散して打ち込んだ。
3.水密コンクリートの単位粗骨材量については、透水性を低減するため、できるだけ小さくした。
4.軽量コンクリートに用いる人工軽量骨材については、輸送中のスランプの低下等が生じないように、あらかじめ十分に吸水したものを用いた。
解答 3:「水密コンクリート」は、特に高い水密性や漏水に対する抵抗性が要求される地下室など水圧を受ける部位に使用する。
・調合は、単位水量・単位セメント量を許容範囲内で小さくし、単位粗骨材量をできるだけ大きくする
・荷卸し時のコンクリートの温度は、30℃以下
・水セメント比は、50%以下
・空気量は4.5%以下
・化学混和剤を使用する
(関連問題:平成26年1級学科5、No.10、平成17年1級)
〔H20 No.10〕コンクリート工事におけるコンクリート部材の位置及び断面寸法に関する項目とその許容差の標準値との組合せとして、(社)日本建築学会「建築工事標準仕様書」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。ただし、建築物の計画供用期間の級が「標準」であり、設計図書に特記がないものとする。
解答 2:柱・梁の断面寸法の許容差の標準値は、壁の断面寸法と同じく、「-5mm、+20mm」である。(建築工事標準仕様書)
〔H20 No.11〕コンクリート工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリート棒形振動機については、打込み各層ごとに用い、その各層の下層に振動機の先端が入るようにほぼ鉛直に挿入し、挿入間隔を60cm以下とし、コンクリートの上面にセメントペーストが浮くまで加振した。
2.コンクリート打込み後に発生したプラスチック収縮ひび割れの処置については、コンクリートの凝結が終了した後にタンピングにより行った。
3.流動化コンクリートの流動化剤の添加及び流動化のための攪拌については、工事現場において行った。
4.高流動コンクリートの打込みにおいて、材料が分離することなく円滑に流動していることが確認され、充填も困難でなかったので、特に締固めを行わなかった。
5.高強度コンクリートの計画調合における品質及び施工性の確認については、「実機プラントを用いた試し練り」及び「施工試験」により行った。
解答 2:コンクリートの打込み後において、プラスチック収縮ひび割れが発生したとき、コンクリートの凝結終了前に、速やかにタンピングにより処置する。 (JASS 5)
(関連問題:平成24年1級学科5、No.11)
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