裳階(もこし)とは
裳階とは、風雨から外壁などを守るために付けられた、二重になる下屋根のことである。
裳階を設けることによって意匠的に階数が実際よりも多くみえるように錯覚される。
例えば代表的な建築物として、奈良県の薬師寺東塔や、京都の法隆寺金堂などがある。
元々の利用目的は、説明初めにも述べたとおり雨風を軽減することにある。高い建築物を立てる時に雨風の影響を小さくするには庇を長くする必要がある。しかしそれでは構造上も外見上にも不利になるため、主な屋根の軒下に付属的に設けられたのが裳階である。
複雑な外観を持たせ、意匠性も高くなり、高い建築物を建てる時に用いられるので、寺院建築に多く見られる。