仮設建築物
「仮設建築物」とは、法85条で規定されている一定期間後に撤去される建築物である。
一般の建築物よりも簡易的で期間が決まっており、規制緩和などが適用される。特に、以下のように確認申請の有無がある。
・確認申請が必要な仮設建築物(法85条5項,6項)
仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗、その他これらに類する仮設建築物(5項)
国際的な規模の会議又は競技会の用に供する仮設建築物(6項)
※条文中において「特定行政庁が許可することができる」とは、確認申請が必要であるという意味として理解する。
・確認申請が不要な仮設建築物(法85条1項,2項)
災害時の応急仮設建築物
工事現場における仮設事務所・下小屋・材料置場など
条文
建築基準法第85条
(仮設建築物に対する制限の緩和)
第85条 非常災害があつた場合において、その発生した区域又はこれに隣接する区域で特定行政庁が指定するものの内においては、災害により破損した建築物の応急の修繕又は次の各号のいずれかに該当する応急仮設建築物の建築でその災害が発生した日から1月以内にその工事に着手するものについては、建築基準法令の規定は、適用しない。ただし、防火地域内に建築する場合については、この限りでない。
一 国、地方公共団体又は日本赤十字社が災害救助のために建築するもの
二 被災者が自ら使用するために建築するもので延べ面積が30平方メートル以内のもの
2 災害があつた場合において建築する停車場、官公署その他これらに類する公益上必要な用途に供する応急仮設建築物又は工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物については、第6条から第7条の6まで、第12条第1項から第4項まで、第15条、第18条(第25項を除く。)、第19条、第二21条から第23条まで、第26条、第31条、第33条、第34条第2項、第35条、第36条(第19条、第21条、第26条、第31条、第33条、第34条第2項及び第35条に係る部分に限る。)、第37条、第39条及び第40条の規定並びに第3章の規定は、適用しない。ただし、防火地域又は準防火地域内にある延べ面積が50平方メートルを超えるものについては、第63条の規定の適用があるものとする。
3 前2項の応急仮設建築物を建築した者は、その建築工事を完了した後3月を超えて当該建築物を存続させようとする場合においては、その超えることとなる日前に、特定行政庁の許可を受けなければならない。ただし、当該許可の申請をした場合において、その超えることとなる日前に当該申請に対する処分がされないときは、当該処分がされるまでの間は、なお当該建築物を存続させることができる。
4 特定行政庁は、前項の許可の申請があつた場合において、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるときは、2年以内の期間を限つて、その許可をすることができる。
5 特定行政庁は、仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗その他これらに類する仮設建築物(次項及び第101条第1項第十号において「仮設興行場等」という。)について安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合においては、1年以内の期間(建築物の工事を施工するためその工事期間中当該従前の建築物に代えて必要となる仮設店舗その他の仮設建築物については、特定行政庁が当該工事の施工上必要と認める期間)を定めてその建築を許可することができる。この場合においては、第12条第1項から第4項まで、第21条から第27条まで、第31条、第34条第2項、第35条の2、第35条の3及び第37条の規定並びに第3章の規定は、適用しない。
6 特定行政庁は、国際的な規模の会議又は競技会の用に供することその他の理由により1年を超えて使用する特別の必要がある仮設興行場等について、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認める場合においては、前項の規定にかかわらず、当該仮設興行場等の使用上必要と認める期間を定めてその建築を許可することができる。この場合においては、同項後段の規定を準用する。
7 特定行政庁は、前項の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。