「コレクティブハウス(Collective House)」とは、共同住宅の形式の一つで、それぞれの住居スペースでプライベートを確保しつつ、共有スペースにおいて住居人同士が日常的に交流を図り、生活の一部を共有するものである。
令和02年度2級建築士学科1から出題:
「コレクティブハウスは、厨房や食堂などを共用しながら、各居住者が独立した生活を確保することができる。」
日本の事例
福祉が発達した北欧が発祥と言われ、日本では以下の3つが有名である。
・「かんかん森(東京)」
・「真野ふれあい住宅(神戸)」
・「インナートリッププラザ神山町(東京)」
注目される背景
「コレクティブハウス」が日本で注目されている背景理由には2つあるとされている。
①高齢化社会が急激に進む中での住まいのあり方の模索
②女性の社会進出に伴う「夫婦共働き」による家事負担の増加
①高齢化社会
・周知の通り、世界で最も高齢化が急激に進む日本では、孤独死や介護に対する負担が社会問題になっている。また同時に「子育て世帯」の育児の悩みを解決するコミュニティの整備を進めることで出生率・人口増加を期待することができる。
→相互扶助コミュニティの形成
②夫婦共働きによる家事負担の増加
・近年の女性社会進出の法的・社会機会の増加により「夫婦共働き」が増え、「主婦」が減少している。当然、家事負担は増加し、同時に家庭内の家事・育児の負担は大きいものとなる。
この負担を減らすために、
→家事・育児・介護を世帯間で共同で行う
→都市化によって孤立・分断されつつあったコミュニティを見直す
以上より、コレクティブハウスの基本的考え方が解決策の一つとして注目されるようになった。