令和03年度1級建築士-学科Ⅰ計画

建築士過去問解説

令和03年度 学科Ⅰ-計画
20問掲載

一級建築士学科試験
2022年7月24日(日)

令和04年度試験日まであと 日!

〔No.01〕次の用語に関する記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.SDGsは、誰一人取り残さない、持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の17の開発目標からなり、その目標の一つに「持続可能な都市」がある。
2.QOLは、近年、生活の質的向上を目指そうとする気運の高まりとともに、建築計画においても、医療福祉等の分野で重要性が増している。
3.ZEBは、資源の有効な利用を確保する観点から、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)によって定められた分別解体及び再資源化等の実施義務の対象となる建築物のことである。
4.重要伝統的建造物群保存地区における「修景事業」は、伝統的建造物以外の建造物や新築される建造物が歴史的風致と調和するよう、外観を整備するために行う事業のことである。

解答 3: ZEBとは「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」のこと。

〔No.02〕海外の都市に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.ミレトス(トルコ、紀元前5世紀頃)は、ヒッポダモスの計画による、城壁内全体に格子状に直 交道路網を敷設し、都市の中央部に行政・宗教・商業施設を、その南北に住宅地を配した都市 である。
2.ローマのカンピドリオ広場(イタリア、16世紀)は、ミケランジェロの計画による、台形状の広場とアプローチとしての大階段、三つのバラッツォを対称的に配置することで、軸線を強調した、バロック的な広場計画の初期の事例である。
3.レッチワース(イギリス、20世紀初頭)は、パトリック・ゲデスの「保存的外科手術」という概念のもと、都市の歴史性を保存しながら再開発が行われた都市である。
4.チャンディガール(インド、20世紀後半)は、ル・コルビュジェの都市計画理念に基づく、格子状に分割した区域(ユニット)と7段階に機能分けした道路網からなる都市である。

解答 3: レッチワース(Letchworth Garden City)はイギリスの都市計画家エベネザー・ハワードによる「田園都市理論」に基づき建設された最初の田園都市である。

設問後半の「保存的外科手術」は、設文の通りスコットランドの学者パトリック・ゲデスによる提唱で、「都市の歴史性を保存しながら再開発が行われた都市」である(新問題)。

〔No.03〕図に示す日本の歴史的な建築物に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.三重塔の各層にこしを付け、六つの屋根が交互に出入りする独特の構造を有する建築物である。

2. ぬきで軸部を水平方向に固め、さしひじを重ねて軒の荷重を支える大仏様の建築物である。

3.主体部の柱とこしの柱をこうりょうでつなぎ、組物を柱の上のみならず柱と柱の間にも組んでつめぐみとする褝宗様の建築物である。

4.長いつかばしらぬきで固めたあししろによって、急な崖の上に張り出した床を支えるかけづくりの建築物である。

解答 1:

〔No.04〕建築計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.小学校の計画に当たり、インクルーシブ教育システム構築のため、障害のある児童と障害のない児童とが、交流及び共同学習できる施設とした。
2.病院の計画に当たり、医療行為を中断することなく設備更新が行えるように、手術室のある階の上階に設備階(インタースティシャル・スペース)を設けた。
3.ホテルの一般客室を、車椅子使用者用客室へ改修するに当たり、二つの客室の間仕切り壁を撤去して一室化し、客室内にスロープを設置し、客室全体の床の高さを、トイレ・浴室等の床の高さと合わせた。
4.図書館の計画に当たり、地上階に開架書庫や地域住民が利用する施設等を配置したので、半地下階に貴重書保存用書庫を設け、年間を通じて自然換気を行うこととした。

解答 1:

〔No.05〕建築物の各部に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.外壁や屋上から離れている居室に設ける光ダクトの設計において、ダクト内の光の反射回数を減らすために、ダクトの曲がりを少なく、断面積を大きくした。
2.建築物の通風計画において、効果的に室内に外の風を取り込むために、風上開口を風下開口よりも大きくした。
3.木材の構造材をあらわし仕上げとするに当たり、燃焼時に木材の表面が炭化し、中心に向けて燃える速度が遅くなるので、木材の部材断面を大きくすることで、耐火性を高めた。
4.木材を構造材として使用するに当たり、腐朽しにくく、乾燥に伴う収縮や反りが少ない心材を 採用した。

解答 1:

〔No.06〕人間のの空間や距離等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.エドワード・ホールは、人間同士の距離のとり方等の空間の使い方は、それ自体がコミュニケーションとしての機能をもつと考え、距離をコミュニケーションと対応させて四つの距離帯に分類した。
2.ロバート・ソマーは、テリトリー(なわばり)は個人についてまわり、持ち運びができ、その空間のは必ずしも球形ではなく、前方に比べ横のほうは未知の人が近づいても寛容になれることを示した。
3.H.メルテンスは、「建築物の高さ」と「視点から建築物までの水平距離」の比によって建築物の 見え方の変化を尺度化した。
4.オスカー・ニューマンは、物理的・象徴的障壁と見通しのよさをもち、住民たちがそこを「自分たちの場所」と感じているような環境をディフェンシブルスペース(まもりやすい空間)と定義した。

解答 1:

〔No.07〕建築物内で発生する音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.室内の反射音を防ぐために、壁と天井の仕上げに孔あき板を採用し、低音域の吸音率を向上させるために、その仕上げとコンクリート躯体との間に空気層を十分に確保した。
2.音圧が極端に弱くなることにより、音が聞こえにくくなる場所(デッドスポット)の発生を防ぐために、天井面や壁面を大きな凹曲面で構成した。
3.オープンプラン型の小学校において、隣接する教室からの音の伝播を防止するため、廊下の天 井の仕上げに表面をガラスクロスで覆ったグラスウールを使用した。
4.隣り合う部屋の間仕切りにおいて、せっこうボードを両面張りとした壁の遮音性能を向上させるため、共通間柱構造から、壁のボードを各面ごとに別々の間柱に取り付ける独立間柱構造に変更した。

解答 1:

〔No 08〕建築物の各部の高さに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.百貨店のトイレ・洗面所の計画において、乳幼児用おむつ交換台の高さを、50cmとした。
2.庁舎の車椅子使用者用トイレの計画において、ドアを開閉するための押しボタンスイッチの高さを、110cmとした。
3.ホテルのフロントカウンターの計画において、 一般用の高さを100cmとし、車椅子使用者用の高さを70cmとした。
4.事務所ビルの事務室の計画において、椅子に座ったときの視界を遮るためのパーティションの高さを120cmとした。

解答 1:

〔No.09〕図は、公共施設が建つ敷地内の主要な経路上の傾斜路を計画した模式図である。「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(国土交通省)」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

平面図

断面図

(単位はmmとし、□はレベルを表す。)

1.転倒防止や休憩、減速ができるように、傾斜路の途中に設置した踊り場の踏幅Aを、1,600mmとした。
2.車椅子使用者が自力で上り下りできるように、傾斜路の水平距離Bを、8,000mmとした。
3.人と車椅子使用者がすれ違えるように、傾斜路の有効幅Cを、1,500mmとした。
4.白杖等による危険の認知、車椅子のキャスター等の脱輪防止のため、側壁がない傾斜路及び踊り場側端の立ち上がりDを、50mmとした。

解答 1:

〔No.10〕施設を計画・運営する際の官民連携等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.指定管理者制度とは、文化会館や保育所、公園等の公の施設の管理運営を、ノウハウを有する民間事業者等が行うことで、住民サービスの質の向上を図り、施設設置の目的を効果的に達成するための制度のことである。
2.街なみ環境整備事業とは、住環境の整備改善を必要とする区域において、地方公共団体及び街づくり協定等を結んだ住民が協力して、美しい景観の形成、良好な居住環境の整備を支援する事業のことである。
3.TMOとは、商業・業務機能が集積した地区において、「中心市街地活性化基本計画」等をもとに活性化事業等を推進する民間主体の組織のことである。
4.サウンディング型市場調査とは、地方公共団体等の事業完了後に、住民との意見交換等を通し、事業に対しての様々な意見や改善点を把握する調査のことである。

解答 1:

〔No.11〕都市開発やに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.北海道札幌市では、都市再生特別地区の指定により、建築物の形態意匠の制限の他、建築物の高さの最高限度や敷地面積の最低限度を定めることで市街地の良好な景観形成に取り組んでいる。
2.富山県富山市では、レジリエンス戦略を策定し、自然災害による大きな被害や少子高齢化等の社会構造の変化に直面しても、速やかに復興し、さらに成長する能力や強靭さを有する都市づくりに取り組んでいる。
3.香川県高松市では、タウンマネジメント・プログラムにより、第三セクターを設立し、地域住民や事業者、地権者を主体としたが実践されている。
4.福岡県北九州市では、民間自立型によるもり事業者の設立や定期的なリノベーションスクールの開催により、遊休不動産を活用した「リノベーションまちづくり」が実践されている。

解答 1:

〔No.12〕日本の伝統的な住宅・集落等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. だつとは、一般に、妻壁を屋根面より高く突き出し、小屋根を付けた部分のことで、建築物の 装飾としてだけではなく、防火性能を兼ね備えている。
2. ついべいとは、一般に、方形の平瓦を並べ四隅を釘留めし、目地に漆喰を盛り上げた外壁仕上げである。
3.岩手県下に多く見られたまが造りとは、L字型の平面形状を有し、突出部はうまや母屋おもやの土間とつながる民家形式の一つである。
4. じゅうとは、河川の氾濫する低湿地帯で、周囲に堤防を築き、集落と耕地を守る水防のための集落形態のことである。

解答 1:

〔No.13〕自然災害からの復興支援のための住宅、住宅地等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.防災集団移転促進事業とは、災害が発生した地域又は建築基準法に基づく災害危険区域のうち、住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団的移転を促進することを目的としたものである。
2.応急借上げ住宅とは、地方自治体が民間賃貸住宅を借り上げて仮設住宅として供与するもので あり、東日本大震災以降は「みなし仮設住宅」とも呼ばれているものである。
3.陸前高田のみんなの家(岩手県)は、東日本大震災の津波で立ち枯れたスギの丸太を用い、被災した人々の集いの場としてつくられた集会場である。
4.グループハウス尼崎(兵庫県)は、阪神・淡路大震災後に被災者を対象に建設された、高齢者向け住戸と一般向け住戸で構成され、サポート拠点(サポートセンター)を併設した災害公営住宅である。

解答 1:

〔No.14〕建築物と周辺環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.TIME’S I,Ⅱ (京都府)は、屋根全体を大階段の展望広場とし、その大階段を二分するスリット状のアプローチが人々をエントランスに導くように計画された。
2.アオーレ長岡(新潟県)は、駅前に建てられた市民協働・市民交流の拠点であり、大通りに開かれた屋根付き広場を中心に、アリーナ、市民交流スペース、市役所、議会等を配置した 複合施設として計画された。
3.太田市美術館・図書館(群馬県)は、建築物の屋内外を巡るスロープや階段、テラス、緑化された屋上を備え、駅前からは施設の賑わいが見え、また、施設からは街が眺められるように計画された。
4.代官山ヒルサイドテラス(東京都)は、建築群が内包する広場や路地等を主要素として外部空間を形成し、周囲の純和式建築物や庭園とゲートによってつながるように計画された。

解答 1:

〔No.15〕公共建築物等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.福岡市立博多小学校(福岡県)は、オープンプラン型を採用し、旧来型の職員室の代わりに璧のない教員コーナーやワーキングスペースを設けることで、複数の教員で児童を見守ることのできる空間整備が行われた。
2.立命館大学大阪いばらきキャンバス(大阪府)は、工場跡地において、官民が連携し、防災公園と一体化して計画された。
3.石巻市庁舎(宮城県)は、百貨店を転用したもので、既存エスカレーターをそのまま活用し、売り場は執務スペースへ、映画館は議場へと改修された。
4.大田区役所本庁舎(東京都)は、1960年代に建てられた民間の事務所ビルを転用したもので、外部及び内部デザインを継承しながら、3階エントランスは各種イベントに対応できるように、設備改修が施された。

解答 1:

〔No.16〕高齢者施設に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.認知症高齢者グループホームにおいて、家庭にできるだけ近い環境で生活できるように 1ユニットの定員を8人とした。
2.小規模多機能型居宅介護施設において、要介護者が短期間宿泊するための宿泊室は個室とし、その床面積を、1室当たり10m2とした。
3.二つのユニットを有する個室ユニットケア型特別養護老人ホームにおいて、隣接するユニットの共同生活室は共用として、二つのユニットが一体的に使えるようにした。
4.個室ユニットケア型特別養護老人ホームにおいて、入居者の個室内にトイレを設けない場合、排泄リズムの重なる場合が多いことを配慮し、個室からトイレに至る動線を短くし、トイレを個室3部屋に対し一つ以上設けた。

解答 1:

〔No.17〕歴史的建築物の改修や保存に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.倉敷アイビースクエア(岡山県)は、明治初期に建設された工場を商業施設に改修し、中央に設けたガラス屋根のアトリウムを市民に開放することで、公共性の高い空間を実現したものである。
2.金沢市民芸術村(石川県)は、大正から昭和初期に建設された紡績工場の倉庫を改修し、工房、レストラン、オープンスペース等から構成される芸術文化施設へ再生させたものである。
3.千葉市美術館(千葉県)は、昭和初期に銀行として建設された既存建築物全体を新築の建築物で覆う「さやどう」という日本古来の方式により整備したものである。
4.ロームシアター京都(旧京都会館) (京都府)は、昭和30年代に建設された既存建築物を保存し、意匠的な要素を再現しながら、増築と一部建て替えを行うことで、機能拡充が図られたものである。

解答 1:

〔No.18〕設計・監理業務等に関する次の記述のうち、建築士法第25条規定に基づく「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準(平成31年国土交通省告示第98号)」に照らして、最も不適当なものはどれか。

1.業務経費は、それぞれ算定される直接人件費、特別経費、直接経費及び間接経費の合計額であり、これらの経費には課税仕入れの対価に含まれる消費税に相当する額は含まれない。
2.特別経費は、設計等の業務において発揮される技術力、創造力等の対価として支払われる費用である。
3.設計者は、設計図書の定めにより、工事施工段階において行うことに合理性がある工事材料、 設備機器等及びそれらの色、柄、形状等の選定に関して、設計意図の観点からの検討を行い、必要な助言を建築主に対して行う。
4.工事監理者は、設計図書の定めにより、工事施工者が作成し、提出する施工図、製作見本、見本施工等が設計図書の内容に適合しているかについて検討し、建築主に報告する。

解答 1:

〔No.19〕建築積算に関する次の記述のうち、建築工事建築数量積算研究会「建築数量積算基準」に照らして、最も不適当なものはどれか。

1.「計画数量」は、設計図書に基づいた施工計画により求めた数量をいい、仮設や土工等の数量がこれに該当する。
2.主仕上の数量において、衛生器具、電気器具、換気孔、配管、配線等の器具の類による各部分の仕上の欠除が1か所当たり0.5m2以下の欠除については、原則として、ないものとして計 測・計算する。
3.鉄骨の数量において、1か所当たり0.5m2以下のダクト孔による鋼材の欠除については、原則として、ないものとして計測・計算する。
4.仕上改修において、設計図書に改修に必要な余幅の図示がないときは、適切な余幅を加えて計測・計算することができる。

解答 1:

〔No.20〕建築のマネジメントに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1.コンセッション方式とは、料金の徴収を行う公共施設において、施設の所有権と運営権を民間業者へ移行する方式のことである。
2.デザインレビューとは、設計や施工等の各部門の専門家が、設計段階で性能・機能・信頼性等を価格、納期等を考慮しながら、設計について審査し改善を図ることである。
3.フロントローディングとは、施工段階や維持管理段階における問題点の早期発見や作業全体の効率化を目指し、設計段階で各種の技術検討を行うことである。
4.CRE戦略とは、企業が保有している不動産について、企業価値向上の観点から、経営戦略的視点に立って見直しを行い、不動産投資の効率性を最大限向上させるための考え方である。

解答 1:

1級建築士の学科対策

・イラストでわかる一級建築士用語集

・1級建築士 学科試験 要点チェック

投稿日:2021年9月7日 更新日:

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